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Oracle® Fusion Middlewareパッチ適用ガイド
11g リリース1(11.1.1.7.0)
B61412-06
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7 Oracle Identity and Access Managementへのパッチの適用

この章では、Oracle IdentityおよびAccess Managementコンポーネントの追加のパッチ適用手順について説明します。


注意:

Oracle Identity Managementが11gより前のバージョンの場合は、ソフトウェアをアップグレードする必要があり、この章で説明するパッチの適用対象外になります。アップグレードの説明は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイドを参照してください。


この章では次の項について説明します。

7.1 前提作業

この章で説明する手順は、第3章「Oracle Fusion Middlewareの最新パッチ・セットの適用」で説明する手順とともに使用します。この章で説明するパッチ適用手順を開始する前に、特に次について確認しておきます。

7.2 Oracle Identity and Access Management 11.1.1.3.0コンポーネントへのパッチ適用

最新のパッチ・セットをOracle Identity Manager、Oracle Access ManagerまたはOracle Adaptive Access Manager 11.1.1.3.0に適用するには、最初に11.1.1.5.0にパッチを適用する必要があります。

既存の1.1.1.3.0コンポーネントを11.1.1.5.0にパッチ適用する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.5.0)のドキュメント・ライブラリにある『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』の次の項を参照してください。


注意:

Oracle Identity ManagementとOracle Fusion Middleware Identity and Access Managementコンポーネント間の相互運用性の問題について、『Oracle Fusion Middleware相互運用および互換性ガイド』を確認してください。


コンポーネントを11.1.1.5.0にアップグレードした後は、第3.6項「Oracle Fusion Middlewareへのパッチの適用」の手順を実行して11.1.1.7.0パッチを適用できます。

7.3 Oracle Identity Manager 11.1.1.5.0から11.1.1.7.0への更新

この項では、既存のOracle Identity Manager 11.1.1.5.0環境を11.1.1.7.0に更新するための手順について説明します。


注意:

次の手順はオプションであり、Oracle Identity Managerのパッチ適用を完了するために必須のものではありません。


  1. ドメイン内で実行されている次のサーバーを停止します。

    • Oracle Identity Managerの管理サーバー

    • Oracle Identity Managerの管理対象サーバー


    注意:

    SOAサーバーはパッチ・セットの適用中に稼動している必要があります。SOAサーバーが稼動していない場合、エラー・メッセージが表示され、パッチ・セットは適用されません。


  2. サーバーを停止した後、Oracle Identity Manager 11.1.1.7.0にアップグレードする前に、古いOracle Identity Manager 11.1.1.5.0環境をバックアップする必要があります。次についてバックアップしてあることを確認します。

    • MW_HOMEディレクトリ(ミドルウェア・ホーム内のOracleホーム・ディレクトリを含む)

    • Domain Homeディレクトリ

    • Oracle Identity Managerスキーマ

    • MDSスキーマ

    • ORASDPMスキーマ

    • SOAINFRAスキーマ

  3. Oracle SOA Suiteソフトウェアがサポートされている最新バージョンにパッチ適用されていることを確認します。

  4. 「パッチ・セットの適用」の説明に従って、Oracle Identity and Access Management 11gリリース1 (11.1.1.7.0)パッチ・セット・インストーラを実行し、既存のOracle Identity and Access Managementのデプロイメントにパッチを適用します。

  5. パッチ・セット・アシスタント(ORACLE_HOME内のbinディレクトリにある)を実行します。

    第4章「パッチ・セット・アシスタントによるスキーマの更新」には、パッチ・セット・アシスタントの使用に関する次の情報が含まれています。

  6. 「コンポーネントの選択」画面から「Oracle Identity Manager」を選択します。次のスキーマはアップグレード用に自動的に選択されます。

    • Oracle Identity Managerスキーマ_OIM

    • Oracle Metadata Servicesスキーマ_MDS

      Oracle Metadata Servicesスキーマは2つ選択されます。

      • OIMに使用されるOracle Metadata Servicesスキーマ

      • SOAに使用されるOracle Metadata Servicesスキーマ

    • Oracle SOAインフラストラクチャ・スキーマ_SOAINFRA

    • ユーザー・メッセージ・スキーマ_ORASDPM

    第4章「パッチ・セット・アシスタントによるスキーマの更新」には、パッチ・セット・アシスタントの使用に関する次の情報が含まれています。

  7. Oracle Identity Manager 11.1.1.7.0では、一部の構成タスクとオプションの機能を自動化するための、オプションのスタンドアロンのパッチ適用ユーティリティを提供しています。11.1.1.7.0パッチ・セットの適用後、このユーティリティを次の操作のために実行できます。

    • 使用されていないデータベース・オブジェクトの削除

    • このリリースで変更または導入されたSOAコンポジットのデプロイ

    • 新しいタスク、ジョブおよび通知のシード

    • MDSリスナー (MBean)では変更できないシステム・プロパティの変更

    • 新規ear、共有ライブラリのデプロイメントなど、ドメイン固有の変更の、個々のターゲット・サーバーへの適用

  8. 現在使用しているディレクトリから、UNIXシステムのORACLE_Home/server/binディレクトリ、またはWindowsオペレーティング・システムのORACLE_Home\server\binに移動します。

  9. ORACLE_HOME/server/binに移動し、oimPS1PS2upgrade.propertiesファイルを次の環境変数について編集します。

    変数 説明 サンプル値

    JAVA_HOME

    JAVA_HOMEはインストーラに含まれるJDKの場所です。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    JAVA_HOME=/u01/oim/jrockit-jdk1.6.0_29-R28.2.0-4.0.1

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_02

    WEBLOGIC_USER

    WEBLOGIC_USERはWebLogicサーバー管理者の名前です。

    WEBLOGIC_USER=weblogic

    WEBLOGIC_HOST

    WEBLOGIC_HOSTはサーバーをホスティングしているマシンの場所です。

    WEBLOGIC_HOST=examplehost/exampleservice

    WEBLOGIC_PORT

    WEBLOGIC_PORTはサーバーのリスニング・ポートです。

    WEBLOGIC_PORT= 1521です

    WEBLOGIC.SERVER.DIR

    WEBLOGIC.SERVER.DIRはOracle WebLogicサーバーをインストールした場所です。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    WEBLOGIC.SERVER.DIR=/u01/oim/wlserver_10.3

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    WEBLOGIC.SERVER.DIR=\u01\oim\wlserver_10.3


    Windowsオペレーティング・システムの場合、次のパラメータを環境変数として設定する必要があります。これらの変数はoimPS1PS2upgrade.propertiesファイルからは読み取られません。プロパティ・ファイル内で設定された変数はすべて無視されます。

    変数 説明

    OIM_ORACLE_HOME

    OIM_ORACLE_HOMEをOracle Identity ManagerがインストールされているIAM Oracleホームに設定します。

    OIM_ORACLE_HOME=ORACLE_HOME\Oracle\Middleware/ORACLE_OIM1

    ANT_HOME

    ANT_HOMEはAnt Javaライブラリの場所です

    ANT_HOME=\u01\oim\modules\org.apache.ant_1.7.1

    WL_HOME

    MW_HOMEは既存のOracle Identity Managerを含むMiddlewareホームです。

    ドライブ:\Oracle\Middleware


  10. 環境構成によっては、次の環境変数をTRUEに設定する必要もあります。

    変数 説明 サンプル値(UNIXオペレーティング・システム)

    LDAPSYNCEnabled

    TRUEに設定してLDAP同期を有効にします。

    LDAPSYNCEnabled=true

    FAEnabled

    環境がFAの場合はTRUEに設定します。FA環境でない場合はFALSEに設定します。

    FAEnabled=true

    SODEnabled

    環境がFA-SODの場合はTRUEに設定します。FA環境でない場合はFALSEに設定します。

    SODEnabled=true

    MTEnabled

    マルチテナント環境の場合はTRUEに設定します。マルチテナント環境ではない場合はFALSEに設定します。

    MTEnabled=true



  11. 注意:

    環境詳細は、TRUEに設定されている各フラグに指定する必要があります。たとえば、SODEnabled=trueの場合、次を入力する必要があります。

    • SOA_HOMEの場所

    • SOA管理対象サーバーの名前

    • サーバーをホスティングするデータベースの名前

    • サーバーのポート番号

    アップグレードを実行する前に、TRUEに有効化されている各変数について、環境関連の情報をすべて入力してあることを確認します。


  12. oimPS1PS2upgrade.sh (UNIXの場合)またはoimPS1PS2upgrade.bat (Windowsの場合)を実行します。

  13. Oracle Identity Managerの管理サーバーおよび管理対象サーバーを再起動します。

  14. アップグレード・ユーティリティが完了したことを確認します。

    • ORACLE_HOME/server/upgrade/logディレクトリに作成されたoimPS1PS2upgrade.logファイルを確認します。

      ファイルの終わりはBUILD SUCCESSFULとなります。

    • 次の問合せを実行して、必要なスキーマがすべて正しくアップグレードされたことを確認します。

      select comp_name,version,status,upgraded from schema_version_registry;
      
      SDP Messaging 11.1.1.7.0 VALID Y
      SOA Infrastructure Services 11.1.1.7.0 VALID Y
      Metadata Services 11.1.1.7.0 VALID Y
      Oracle Identity Manager 11.1.1.7.0 VALID Y
      

7.3.1 Oracle Identity Manager Remote Managerのアップグレード

Oracle Identity Manager 11.1.1.5.0を11.1.1.7.0に更新した後、Remote Managerの機能を使用する場合はRemote Managerを再インストールする必要があります。

  1. 構成ファイルをバックアップします。

    Remote Managerのアップグレードを開始する前に、次のRemote Manager構成ファイルをバックアップします。

    • $<XLREMOTE_HOME>/remotemanager.sh(UNIXの場合)

    • $<XLREMOTE_HOME>/xlremote/config/xlconfig.xmlファイル

    • <XLREMOTE_HOME>\remotemanager.bat(Windowsの場合)

    • <XLREMOTE_HOME>\xlremote\config\xlconfig.xmlファイル

  2. Oracle Identity and Access Managementインストーラを実行して、Remote Managerホームをアップグレードします。

  3. 構成ファイルをリストアします。

    アップグレードされたRemote Managerホーム内のバックアップ構成ファイルをリストアします。

7.3.2 Oracle Identity Manager Design Consoleのアップグレード

Oracle Identity Manager Design Consoleを使用して、Oracle Identity Managerのシステム全体の動作を制御し、そのユーザーに影響を及ぼすシステム設定を構成します。Design Consoleで、ユーザー管理、リソース管理、プロセス管理、その他の管理タスクおよび開発タスクを実行できます。Design Consoleの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Manager開発者ガイド』のDesign Consoleの概要に関する項を参照してください。


注意:

Design ConsoleがOracle Identity Managementサーバーと同じシステム上にあるかどうかは関係なく、Oracle Identity ManagerおよびDesign Consoleは異なるディレクトリ・パスにインストールすることをお薦めします。


Design Consoleをアップグレードするには、次の手順を完了します。

  1. 次のファイルをバックアップします。

    • UNIXオペレーティング・システムの場合:

      $<XLDC_HOME>/xlclient.sh

      <XLDC_HOME>/config/xlconfig.xml

    • Windowsオペレーティング・システムの場合:

      <XLDC_HOME>\xlclient.cmd

      <XLDC_HOME>\config\xlconfig.xml

  2. Oracle Identity and Access Managementインストーラを実行して、Design Consoleホームの<XLDC_HOME>をアップグレードします。

  3. アップグレードされたDesign Consoleホーム内のバックアップ・ファイルをリストアします。

  4. 次のようにwlfullclient.jarファイルをビルドしてコピーします。

    1. UNIXの場合はWebLogic_Home/server/libディレクトリ、Windowsの場合はWebLogic_Home\server\libディレクトリに移動します。

    2. JAVA_HOME環境変数を設定し、JAVA_HOME変数をPATH環境変数に追加します。

      たとえば、JAVA_HOMEをミドルウェア・ホーム内のjdk160_21ディレクトリに設定できます。

    3. 次のコマンドを実行して、wlfullclient.jarファイルをビルドします。

      java -jar <MW_HOME>/modules/com.bea.core.jarbuilder_1.7.0.0.jar

    4. Design Consoleをインストールした <IAM_HOME>にwlfullclient.jarファイルをコピーします。例:

      UNIXオペレーティング・システムの場合:

      cp wlfullclient.jar <Oracle_IDM2>/designconsole/ext

      Windowsオペレーティング・システムの場合:

      copy wlfullclient.jar <Oracle_IDM2>\designconsole\ext