パッチ・セット・アシスタントは、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのデータベース・スキーマを更新する場合にのみパッチ・セット・リリースで使用します。パッチ・セット・アシスタントを使用して更新するスキーマは、次のいずれかの条件を満たしている必要があります。
11gリリースでリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して作成されている。
アップグレード・アシスタントを使用して10gから11gにアップグレードされている。
注意: パッチ・セット・アシスタントでは、カスタマ・データベース内のスキーマはアップグレードされません。これには、アップグレード・アシスタント(UA)、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)、またはパッチ・セット・アシスタント(PSA)を使用して更新されていないデータベースが含まれます。 Oracle Portalユーザーは、状況によって、Oracle Portalスキーマがカスタマ・データベースにインストールされる場合があることに注意してください。詳細は、第4.2項「スタンドアロンのOracle Portalのリポジトリ・スキーマで行う特殊な手順」を参照してください。 |
パッチ・セット・アシスタントで更新される11gリリース1のスキーマ・バージョンは、11.1.1.2.0から11.1.1.7.0までです。具体的な情報は、表4-1を参照してください。
既存のスキーマ・バージョンが11.1.1.1.0である場合は、パッチ・セット・アシスタントを実行する前に、バージョン11.1.1.2.0に移行しておく必要があります。詳細は、付録C「パッチ・アシスタントを使用した11gリリース1(11.1.1.1.0)からリリース1(11.1.1.2.0)への移行」を参照してください。
新しいスキーマを作成する場合や既存のスキーマを破棄する場合は、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用する必要があります。情報は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』にあります。
この章の内容は次のとおりです。
表4-1のコンポーネント・スキーマ(表示されているのはデフォルト名)を11gリリース1(11.1.1.7.0)に更新するには、パッチ・セット・アシスタントを使用してそれらを更新する必要があります。
注意: 表4-1のスキーマ列は、接頭辞とスキーマ名の間にアンダースコア(_)を使用したデフォルトのスキーマ名フォーマットを示します。デフォルトの接頭辞は |
更新が必要なスキーマに関する注意:
表4-1にリストされていないスキーマは、11gリリース1(11.1.1.7.0)にアップグレードする必要はありません。
表4-1には、最新のOracle Fusion Middleware 11gリリース1パッチ・セットで使用可能な製品のスキーマのみがリストされています。
これらの製品のスキーマに最新のパッチ・セットを適用してアップグレードするには、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.5.0)のドキュメント・ライブラリにある『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。
このOracle Fusion Middlewareパッチ・セットではOracle Portal 11.1.1.6.0を提供しています。このリリースのパッチ・セット・アシスタントは、PORTALスキーマをこのバージョンにアップグレードします。デフォルトでは、Oracle Portal 11.1.1.6.0がインストールされている場合はスキーマを更新する必要はありません。
表4-1に示すコンポーネント名は、前のOracle Fusion Middlewareリリースで使用されているコンポーネント名です。これらの製品およびコンポーネント名のいくつかは、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1(11.1.1.6.0)で変更されています。
詳細は、第6.1項「Oracle WebCenterおよびOracle Enterprise Content Management Suiteの新しい製品名」を参照してください。
_OPSS
スキーマを前のリリースから11.1.1.7.0にアップグレードする場合、OPSS監査データがJPS表ではなく、IAU共通の表に保存されることに注意してください。JPS表の既存データはレポートまたは監査目的では変更されないため、JPS表に列を追加してアップグレードする必要はありません。
表4-1 最新のリリース用に更新する必要があるスキーマ
コンポーネント名 | スキーマ | アップグレード前のスキーマ・バージョン | アップグレード後のスキーマ・バージョン | 依存関係 |
---|---|---|---|---|
監査サービス |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
メタデータ・サービス |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
Oracle Enterprise Schedulerサービス |
|
11.1.1.5.0 |
11.1.1.7.0 |
|
Oracle Platform Security Services |
|
11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
Oracle Portal脚注 1 |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 |
11.1.1.6.0 11.1.1.6.0 11.1.1.6.0 |
なし。 |
Oracle Internet Directory |
注意: Oracle Internet Directoryのスキーマ( |
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
Oracle Identity Manager脚注 2 |
|
11.1.1.5.0 |
11.1.1.7.0 |
|
Oracle Adaptive Access Manager脚注 3 |
|
11.1.1.5.0 |
11.1.1.7.0 |
|
Oracle Adaptive Access Manager |
|
11.1.1.5.0 |
11.1.1.7.0 |
|
Oracle Business Intelligenceプラットフォーム |
|
11.1.1.3.0 |
11.1.1.7.0 |
|
マスターおよび作業リポジトリ(Oracle Data Integrator) |
|
11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
SOAインフラストラクチャ |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
|
WebCenter Spaces |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
|
Discussions (WebCenter Suite) |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 |
11.1.1.4.0 11.1.1.4.0 |
なし。 |
Discussions Crawler脚注 4 |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 |
11.1.1.4.0 11.1.1.4.0 |
|
アクティビティ・グラフおよびAnalytics |
|
11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 |
11.1.1.6.0 11.1.1.6.0 |
なし。 |
Oracle Universal Records Management 11g |
|
11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
Oracle Content Server 11g - 完全 |
|
11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
Oracle Universal Content Management |
|
11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
|
Oracle Secure Enterprise Search |
|
11.2.1 |
11.2.2 |
|
Oracle User Messaging Service |
|
11.1.1.2.0 11.1.1.3.0 11.1.1.4.0 11.1.1.5.0 11.1.1.6.0 |
11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 11.1.1.7.0 |
なし。 |
脚注 1 Oracle Portal 11.1.1.6.0がインストールされている場合はスキーマ更新は必要ありません。11.1.1.6.0はOracle Portalの最新バージョンです。
脚注 2 Oracle Identity Manager 11.1.1.3.0ユーザーは、11.1.1.7.0のパッチを適用する前に11.1.1.5.0へのパッチ適用が必要です。詳細は、第7章「Oracle Identity and Access Managementへのパッチの適用」を参照してください。
脚注 3 Oracle Adaptive Access Manager 11.1.1.3.0ユーザーは、11.1.1.7.0パッチを適用する前に11.1.1.5.0へのパッチ適用が必要です。詳細は、第7章「Oracle Identity and Access Managementへのパッチの適用」を参照してください。
脚注 4 Discussions Crawlerのスキーマが、RCUを使用してインストールされていない場合には、Discussionsを移行すると、Discussions Crawlerのスキーマが自動的にインストールされ、Discussionsのスキーマと同じパスワードが割り当てられます。Discussions Crawlerのスキーマを個別に更新しようとすると、パッチ・セット・アシスタントによって、そのスキーマが更新済であるという警告が表示されます。
OracleAS Metadata Repositoryの外に格納されているOracle Portalリポジトリ(アップグレード・アシスタント、リポジトリ作成ユーティリティ、またはパッチ・セット・アシスタントを使用したことがないデータベース)を使用する場合は、そのリポジトリ内のPortalスキーマの更新にパッチ・セット・アシスタントを使用しないでください。かわりに、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal, Forms, Reports and Discovererアップグレード・ガイドのカスタマ・データベースでのOracle Portalリポジトリのアップグレードに関する項を参照してください。
この項では、パッチ・セット・アシスタントを実行する前に確認しておく必要がある事項について説明します。
バッチ・セット・アシスタントを実行する前に、第3.4.5項「データベースとデータベース・スキーマのバックアップ」の手順に従って既存のデータベースとデータベース・スキーマを必ずバックアップしてください。
パッチ・セット・アシスタントを実行する前に、データベースが稼動していること、およびアップグレートするスキーマのバージョンがアップグレードのサポート対象であることを確認します。Oracleデータベースを使用している場合、SYSとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行します。
SELECT OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY;
VERSION列の数値が11.1.1.2.0以上であれば、そのスキーマはアップグレードでサポートされます。
Oracleデータベースを使用している場合は、パッチ・セット・アシスタントを実行する前にデータベース・オブジェクトを再コンパイルして、アップグレード前に無効なオブジェクトをチェックしてください。SYS
としてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコマンドを実行します。
/rdbms/admin/utlrp.sql
utlrp.sql
の実行後、スキーマをアップグレードする前に、次の問合せを発行して無効なデータベース・オブジェクトがないことを確認します。
SELECT owner, object_name FROM all_objects WHERE status='INVALID';
無効なオブジェクトがあった場合は、すべて書き留めます。無効なデータベース・オブジェクトが存在すると、アップグレードを正常に完了できない場合があります。
単一のOracle Fusion Middlewareスキーマに属するオブジェクトのみを再コンパイルする場合は、次の例に示すOracle Databaseストアド・プロシージャdbms_utility.compile_schema
を使用できます。
SQL> execute dbms_utility.compile_schema('PS7_SOAINFRA'); PL/SQL procedure successfully completed
エディションベースの再定義(EBR)を使用すると、1つのデータベース・スキーマの複数のバージョンを同一のデータベースで、同時にサポートできます。
注意: パッチ・セット・アシスタントを使用すると、データベース・タイプエディションベースの再定義に対応したOracle Databaseは、EBRデータベースで作成したエディションでアップグレードが必要な場合のみ選択されます。該当しない場合は、「Oracle Database」を選択します。 EBRは一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントでは使用できないため、EBRデータベース・オプションが使用不可になる場合があります。 |
EBR対応スキーマをFMW 11.1.1.6.0リリースから11.1.1.7.0にアップグレードする前に、データベース・サーバーに接続し、11.1.1.7.0リリースのデータベース・サーバーでエディションを作成する必要があります。11.1.1.7.0の新しいエディションは、使用している11.1.1.6.0エディションの子である必要があります。
データベース・サーバーにエディションを作成するには、SYS (またはDBA権限のある別のOracleユーザー)としてログインし、次のコマンドを使用します。
SQL> create edition Oracle_FMW_11_1_1_7_0 as child of Oracle_FMW_11_1_1_6_0; Edition created.
前述のコードの例Oracle_FMW_11_1_1_6_0
は11.1.1.6.0スキーマを作成したときにRCU 11.1.1.6.0で指定するエディション名の例として使用します。エディションを作成する際は、実際に使用する名前を入力してください。
エディションベース再定義の有効化の詳細は、Oracle Databaseアドバンスト・アプリケーション開発者ガイドのエディションベース再定義に関する項を参照してください。
(管理対象サーバーとOracleインスタンスを含めた)Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのうち、更新対象のスキーマを使用したコンポーネントがあれば、パッチ・セット・アシスタントの実行前に停止します。
例外: Oracle Identity Managerを更新する場合は、パッチ・セット・アシスタントを実行する前に、データベースとリスナーの両方が稼動していることを確認します。稼動していない場合、 |
OracleデータベースでOracle Portalスキーマのパッチ・セット・アシスタントを実行する場合、データベースのaq_tm_processes
値が0を超えていることを確認します。確認するには、データベースに接続した後、次のコマンドを使用します。
show parameter aq_tm_processes;
返された値が0の場合は、次のコマンドを使用して値を1に変更してください。
alter system set aq_tm_processes=1 scope=both;
次のシナリオでは、環境変数を設定または変更する必要が生じることがあります。
パッチ・セット・アシスタントをOracle WebLogic Serverで実行する際、環境変数ORACLE_HOMEまたはJAVA_HOMEをUNIXまたはWindowsオペレーティング・システムに設定してある場合、パッチ・セット・アシスタントを実行する前にこれらの変数を削除する必要があります。状況によっては、これらの変数を設定したままパッチ・セット・アシスタントを実行すると、PSAが正しく実行されない場合があります。
パッチ・セット・アシスタントを実行する際にOracle WebLogic Server (スタンドアロン)またはJavaファイルがインストールされていない場合は、JAVA_HOME環境変数を設定する必要があります。この変数が設定されていない場合、PSAでは必要なJavaファイルの場所が検出されないことがあります。
次の各項では、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.7.0)のパッチ・セットをインストールするときのパッチ・セット・アシスタントの実行方法について説明します。
パッチ・セット・アシスタントは、製品またはパッチ・セット・インストーラによってOracle共通ホームのbin
ディレクトリにインストールされます。
パッチ・セット・アシスタントを使用すると、パッチ・セット・アシスタントが起動されたMiddlewareホーム内のコンポーネント・スキーマにパッチを適用できます。
パッチ・セット・アシスタントを起動するには、Oracle共通ホーム内にあるbin
ディレクトリに移動して、次のコマンドを実行します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
cd Oracle_Home/bin ./psa
Windowsオペレーティング・システムの場合:
CD Oracle_Home\bin psa.bat
パッチ・セット・アシスタントを使用してスキーマを更新するには、表4-2の手順に従います。
画面に関して詳細情報が必要な場合は、付録B「パッチ・セット・アシスタントの画面」を参照するか、画面上の「ヘルプ」をクリックしてオンライン・ヘルプにアクセスしてください。
表4-2 パッチ・セット・アシスタントの画面
画面 | 説明 |
---|---|
|
このページがパッチ・セット・アシスタントの最初の画面です。 |
|
アップグレードする単一の最上位レベルのコンポーネントを選択します。一度にアップグレードできるコンポーネントは1つのみです。 注意: リリース11.1.1.2.0または11.1.1.3.0からアップグレードする場合、 |
|
データベースの前提条件を満たしていることを確認します。 |
|
データベースに接続するためのデータベース資格証明を指定して、更新するスキーマを選択します。 この画面は、「コンポーネントの選択」画面で選択したコンポーネントに応じて、更新が必要なスキーマごとに1回表示されます。 |
|
このページには、各コンポーネント・スキーマを調査する際のパッチ・セット・アシスタントのステータスが表示されます。スキーマの「ステータス」列に「成功」または「アップグレード済」インジケータが表示されていることを確認します。 |
|
アップグレード対象としてリストされているスキーマが、目的のものであることを確認します。 |
|
この画面には、スキーマの更新の進行状況が表示されます。 |
|
この画面には、更新の最終ステータスとログ・ファイルの場所が表示されます。 |
コマンドライン・インタフェース(CLI)で次の構文を使用して、アップグレードを実行します。
psa -response <response_file> [-logLevel <log_level>] [-logDir <log_directory>]
これらのパラメータの説明は、表4-3を参照してください。
表4-3 パッチ・セット・アシスタントのコマンドライン・パラメータ
パラメータ | 必須パラメータ/オプション・パラメータ | 説明 |
---|---|---|
|
必須。 |
アップグレードの実行に必要な入力を含むファイルのフルパスおよびファイル名。
注意: パッチ・セット・アシスタントを |
|
オプション。 |
ロギング・レベル。次のいずれかを選択します。
デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。 |
|
オプション。 |
PSAによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリの名前。 デフォルトの場所はMW_HOME/oracle_common/upgrade/logsです。 |
|
オプション。 |
すべてのコマンドライン・オプションを表示します。 |
次のSQLコマンドを使用して、schema_version_registry
のスキーマ・バージョンが正しく更新されていることを検証できます。
SELECT OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY;
VERSION列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。スキーマに対して更新バージョン番号が正しいかどうかを検証するには、表4-1を参照してください。
ステータスが「INVALID」と表示された場合は、ステータスの更新が失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。詳細は、第4.5項「パッチ・セット・アシスタントのログ・ファイル」を参照してください。
Oracleデータベースを使用している場合は、パッチ・セット・アシスタントを実行した後、データベース・オブジェクトを再コンパイルしてください。そのためには、SYSとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコマンドを実行します。
SQL> /rdbms/admin/utlrp.sql
この結果、パッチ・セット・アシスタントによって更新されたデータベース・オブジェクトがコンパイルされます。
その後、次の問合せを発行して、無効なデータベース・オブジェクトがなくなったことを確認します。
SELECT owner, object_name FROM all_objects WHERE status='INVALID';
この時点では、更新されたスキーマについて無効なデータベース・オブジェクトはありません。もしあった場合は、utlrp.sql
コマンドをもう一度実行して再確認します。問題が続く場合は、サービス・リクエストを提出します。
パッチ・セット・アシスタントでは、次の場所にログ・ファイルが書き込まれます。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
MW_HOME/oracle_common/upgrade/logs/psatimestamp.log
Windowsオペレーティング・システムの場合:
MW_HOME\oracle_common\upgrade\logs\psatimestamp.log
一部のコンポーネントでは、psa
timestamp
.out
という2番目のログ・ファイルが、同じ場所に作成されます。
timestamp
には、パッチ・セット・アシスタントが実行された実際の日時が反映されます。
パッチ・セット・アシスタントの実行時に障害が発生した場合、問題を診断して修正するために、これらのログ・ファイルが必要になります。そのため、ログ・ファイルは削除しないでください。ログ・ファイルの内容は、コマンドラインから別の-logLevel
を指定することで変更できます。
パッチ・セット・アシスタントで実行される処理のいくつかは、他の処理より時間がかかる場合があります。時間のかかるこれらの処理の進行状況を確認するには、ログ・ファイルでこの情報を確認するか、次の問合せを使用できます。
SELECT VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY WHERE OWNER='schema_name';
問合せ結果のSTATUSフィールドは、スキーマへのパッチ適用処理中は「UPGRADING」または「UPGRADED」に、処理が終了すると「VALID」になります。