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Oracle® Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentのマネージング
11g リリース1(11.1.1)
B72426-01
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1 Oracle WebCenter Contentの機能の概要

Oracle WebCenter Contentには、構成タスクや様々なユーザーで使用するためのオプションのコンポーネントの有効化など、広範なアプリケーション管理機能が含まれます。この章では、これらの機能の概要を説明します。また、詳細情報を得るためのリンクも示します。

この章では、次のOracle WebCenter Contentの機能について説明します。

1.1 コンテンツ管理

コンテンツ・リポジトリは、Oracle WebCenter Contentの中心部です。システムにチェックインされたすべてのコンテンツはリポジトリに格納され、そこで、そのコンテンツに対して適切な権限を持つユーザーにより管理されます。

組織はOracle WebCenter Contentを使用することにより、構造化されていないコンテンツを格納する統合されたリポジトリを活用し、そのコンテンツを適切な形式、および各組織の事業形態に適合する使い慣れたアプリケーションのコンテキストでビジネス・ユーザーに配信できます。

Oracle WebCenter Contentの機能は、コンテンツだけでなくデジタル・アセットも管理します。この項では、コンテンツ管理機能の概要について説明します。この項の内容は次のとおりです。

1.1.1 コンテンツ・サーバー

Oracle WebCenter Content Serverは様々なOracleコンテンツ管理機能の土台となっています。Content Serverが提供する柔軟かつセキュアで集中化されたWebベースのリポジトリによって、コンテンツ・ライフサイクルのすべてのフェーズ(作成と承認から公開、検索、失効およびアーカイブや配置に至るまで)を管理できます。

組織全体のすべてのコントリビュータが、ネイティブ・デスクトップ・アプリケーションからコンテンツを簡単に提供し、リッチ・ライブラリ・サービスを介してビジネス・コンテンツを効率的に管理し、Webブラウザを使用してどこからでもそれらのコンテンツに安全にアクセスできます。

拡張機能を提供する多数のコンポーネントがContent Serverとともに提供されます。それらのコンポーネントはコアにまとめることも、インストール後に有効化することもできます。

コンテンツ・タイプに関係なく、すべてのコンテンツが、管理、再利用およびアクセスのためにWebリポジトリまたはデータベースに保存されます。リポジトリに保存されている間、すべてのコンテンツ・タイプ(電子メール、ディスカッション、ドキュメント、レポート、スプレッドシートおよびレコードからイメージ、マルチメディアまたはその他のデジタル形式まで)に対して、一連の同じ基本コア・サービスが提供されます。

1.1.2 フォリオ

有効になっている場合は、コンテンツ・フォリオは複数のコンテンツ・アイテムの論理グループをコンテンツ・サーバーのセキュアな環境内から収集、追跡およびアクセスするための迅速かつ効果的な方法を提供します。たとえば、次回のパンフレットに関連するすべてのアイテム(イメージ、ロゴ、法的表示、広告コピーなど)をワークフロー・プロセスを介して収集し、送信できます。承認された後、関連付けられたすべてのコンテンツをダウンロードして、印刷用に送信できます。

また、多くの場合、新しいプロジェクトには、関連するすべてのコンテンツ・アイテムがチェックインされたときに、階層の特定の領域へのアクセスを制限して、そのコンテンツ・アイテムを特定の階層に収集するための仮想の場所が必要です。また、ビデオには、権利放棄書およびナレーション・テキストへの関連付けと追跡が必要な場合があります。コンテンツ・フォリオでは、このすべてを実行できます。

技術的には、コンテンツ・フォリオはリポジトリにチェックインされたXMLファイルであり、エレメントを使用してContent Serverのノード、スロットおよび指定したコンテンツ・アイテムの階層構造を定義します。コンテンツ・フォリオは実際には論理的グループで、つまり、リポジトリに格納されているコンテンツを構造化できるフレームワークです。簡易フォリオ は単一階層のコンテナで、 詳細フォリオ はフォルダ内の階層でコンテンツをネストできます。拡張フォリオの階層は、コンテンツ・アイテムの収集前に構築されるか、アイテムの収集中または収集後に作成されます。

既存のフォリオにはコンテンツを追加でき、変更されないようにロックすることもできます。簡易フォリオにはContent Serverを検索してコンテンツ・アイテムを追加でき、拡張フォリオには、リポジトリに新しいアイテムをチェックインするか、すでにチェックインされているコンテンツを検索してコンテンツ・アイテムを追加できますが、これらすべてはフォリオ・インタフェースを介して実行します。拡張フォリオには、Webサイトや共有ネットワーク・ドライブなどの外部リソースへのハイパーリンクを含めることもできます。

1.1.3 フォルダ

FrameworkFoldersは、従来のファイル・システムと同様に、リポジトリ内の一部またはすべてのコンテンツを編成および検索するための階層フォルダ・インタフェースを提供します。Foldersはスケーラブルな企業ソリューションで、以前のコントリビューション・フォルダ・インタフェース(または Folders_gインタフェース)に置き換わるコンポーネントです。

クエリ・フォルダを使用すると、フォルダに関連付けられたクエリに基づいてコンテンツを返すことができます。また、これらのタイプのフォルダには、関連付けられた保存処理機能があります。

さらに、移行ユーティリティを使用することで、以前のFolders_gコンポーネントからフォルダおよびフォルダ・コンテンツを移動することもできます。

1.2 イメージング管理

イメージング管理は、複数のOracleテクノロジを組み合せることで、合理化されたドキュメント・イメージング・プラットフォームを提供します。このプラットフォーム上でイメージ利用、アプリケーション拡張および長期アーカイブを活用することによって、数多くのビジネス・ソリューションを構築できます。Imagingにより、メタデータに焦点を当てたドキュメント管理モデル、強力なビューア・ツール、イメージの注釈付け機能、大容量データの取込みと保存、および拡張検索ツールがこれらのソリューションに追加されます。

Document CaptureおよびOracle Distributed Document Captureを追加すると、イメージの収集およびカテゴリ化を自動化できます。Imagingは、Content Serverをドキュメント・リポジトリとして利用します。これにより、Recordsソフトウェアを使用した、Imagingコンテンツのライフサイクルおよび配置の管理が可能になります。

Oracle BPMやBPELといったツールとの簡易構成の統合では、Imagingのドキュメント・コンテンツを自動化されたコア・ビジネス・プロセスに直接導入することで、手動による手順を削減して効率を高めることができます。

各組織は、Oracle E-Business SuiteおよびPeopleSoft EnterpriseなどのOracleエンタープライズ・アプリケーションとの統合により、これらのソリューションを迅速に拡張できます。トランザクション・ベースのすべてのコンテンツに対してソースを一元化することで、ユーザーは様々な利点を得ることができます。

アプリケーションは、特定の業務上のニーズに応じてイメージング管理者が定義します。たとえば、請求書アプリケーションでは、請求書番号、送付日付、期限、状態、および経理部門が必要とするその他のメタデータが追跡されます。

1.3 デジタル・アセット管理

Digital Asset Manager(DAM)を使用すれば、指定された形式とサイズでイメージおよびビデオを定義して提供し、必要なユーザーがそれをダウンロードできます。これにより、組織内でブランドとデジタル・コンテンツの使用に関する一貫した基準を維持できます。

イメージまたはビデオがContent Serverにチェックインされると、DAMでは複数形式のデジタル・アセットが自動的に作成され、それらの形式が1つのコンテンツIDの下に一覧表示されます。これにより、企業ロゴやプロモーション・ビデオなどのアセットの標準サイズおよび品質が、組織で要求される複数形式において維持される一方、Content Serverのコンテンツ管理機能およびワークフロー機能が提供されます。たとえば、あるユーザーがWebサイトで使用するロゴ・イメージをダウンロードする場合も、別のユーザーが社内プレゼンテーションや促販カタログ用に同じロゴ・イメージをダウンロードしてバンドルする場合も、元はすべてリポジトリにチェックインされている単一のデジタル・アセットになります。

デジタル・アセットは、レンディションと呼ばれる複数の出力形式で使用可能にする価値のある、組織内の電子的なイメージおよびビデオです。レンディションの数とタイプは、システム管理者がレンディション・セット内で定義します。ユーザーは、リポジトリへのチェックイン時、デジタル・アセットのレンディションの作成に使用するレンディション・セットを選択します。

1.4 レコード管理

Records機能を使用すると、コンテンツ・アイテムのライフ・サイクルを決定する保存スケジュールに従って、コンテンツ・アイテムを管理できます。レコード管理の主眼は、履歴やアーカイブとして、または法的な目的でコンテンツを保持することに置かれる傾向がありますが、一方で保存管理も実行されます。保存管理の主眼は、コンテンツの保存にかかるコストが、保持することの価値を上回った場合に、スケジュールに従ってコンテンツを削除することに置かれる傾向があります。Records機能では、レコード管理と保存管理が1つのソフトウェア・システムに統合されています。この機能を使用すると、必要に応じたコンテンツの追跡および保存、または不要になったコンテンツの処分が可能になります。

組織がコンテンツの保存を必要とする理由は様々です。多くの組織は、一定期間の情報保存が要求される条例の対象となります(サーベンス・オクスリー法およびDoD 5015.2などの政府規制への準拠など)。訴訟に関連して効率的な保存管理を必要としている組織があるかもしれません。または、組織全体でコンテンツを取得および共有するための、統一性のあるインフラストラクチャを構築したいと考えている組織もあるでしょう。Recordsオプションは、このようなあらゆるビジネス・ニーズに合わせて構成およびカスタマイズすることが可能です。

内部コンテンツ(Content Serverに格納される電子アイテム)のほか、Recordsシステムでは外部コンテンツも管理できます。外部に保存されているコンテンツ・アイテムは、多様な物理フォーマットもしくは電子フォーマットである可能性があります。ソース・ファイルがContent Serverに格納されていなければ、それは外部コンテンツと見なされます。このソフトウェアを使用すると、処理スケジュールの管理、外部ファイルに関連付けられたメタデータの検索、および外部ファイルの電子レンディションの管理を実行できます。電子レンディションは、外部アイテムのプライマリ・ファイルとしてチェックインすることも、別ファイルとしてファイルに保存し、外部ファイルのメタデータへのリンクを設定することもできます。

Recordsシステムを使用して、不正な情報開示(米国の国家安全保障に抵触する情報が含まれる場合、または企業経営における重要事項である場合など)に対する保護を必要とする機密コンテンツを管理できます。構成時のオプションの選択により、システムのDoD 5015.2標準(4章を含む)への準拠を保証できます。このソフトウェアのDoD標準への準拠は、JITC(相互運用性テストコマンド)によって認定されています。

1.5 変換サーバー

ユーザー・サイトの必要に応じて、各種の形式でネイティブ・コンテンツ・アイテムを公開するために使用できるいくつかの変換製品があります。この項では、次の変換製品について説明します。

1.5.1 Inbound Refinery

サポートされているファイル・タイプに対する基本的なサムネイル作成が提供されています。またはInbound Refineryを使用して、コンテンツ・サーバーの入力側ですべてのファイル変換を管理することもできます。これはサムネイルの生成機能も提供します。ファイルは、コンテンツ・サーバーへのコンテンツのチェックイン時に変換されます。

Inbound RefineryにはOutside In Image Exportが含まれており、次の場合に使用できます。

  • リポジトリにチェックインされたファイルのサムネイルを作成します。サムネイルは、コンテンツの小さなプレビュー・イメージです。Outside In Image Exportを使用して、PDF Converterで生成されたPDFファイルのサムネイルを作成することもできます。

  • リポジトリにチェックインされたファイルを、プライマリWeb表示可能レンディションとして複数ページのTIFFファイルに変換します。

Outside In Image Exportを使用してInbound Refineryで実行できる変換の他にも、いくつかの変換アドオンを購入してInbound Refineryとともに使用できます。Inbound Refineryで変換可能なその他のファイル・タイプおよびそれぞれの変換の結果は、Inbound Refineryコンピュータにインストールされている変換アドオンによって異なります。

1.5.2 その他の変換フォーマット

PDF Converterを使用すると、ネイティブ・コンテンツ・アイテムをWeb表示可能なPDF(Portable Document Format)ファイルで自動的に公開できます。ネイティブ形式のPDFレンディションは、新規コンテンツをリポジトリにチェックインするとただちに生成されます。このPDFレンディションにより、ユーザーはネイティブ・アプリケーションをインストールすることなく、コンテンツ・アイテムをWeb表示できます。PDF Converterは、Adobe Framemaker、Illustrator、InDesign、PageMaker、Photoshopに加えて、Hangul、JustSystemの一太郎、Lotus Smartsuite、Microsoft Office、Microsoft Visio、およびOracle OpenOfficeなど、35を超えるファイル形式をPDFに変換します。

PDF Converterは、最適化されていないPDFファイルを最適化し、Microsoft Wordのハイパーリンク、mailtoリンクおよび目次リンクなどのリンク処理も行います。

XML Converterを使用すると、構造化されていないビジネス・コンテンツの情報にXMLベースでアクセスできます。XML Converterでは、Content Serverに投稿されたコンテンツが、チェックイン時にXMLに変換されます。XML Converterは225を超えるドキュメント・タイプを変換し、Microsoft Word、Lotus WordProおよびCorel WordPerfectなどの主要なワード・プロセッサ形式をサポートします。これには、一般的なスプレッドシート形式、プレゼンテーション形式およびグラフィック形式のサポートも含まれます。

新しいコンテンツ・アイテムがリポジトリにチェックインされると、XML Converterは、そのコンテンツをSearchMLまたはFlexionDocのいずれかの形式に変換します。FlexionDocは非常に冗長で、Microsoft Wordドキュメントのスタイルなどの属性を含めたすべての情報を取得します。そこから管理者は、SearchMLまたはFlexionDocドキュメントを任意のXML形式に変換する各種XSLファイルをチェックインできます。

Tiff Converterを使用すると、TIFF(Tagged Image File Format)ファイルをコンテンツ・サーバーにチェックインして、それらを複数ページのPDFファイルとして公開できます。Tiff Converterは、CVISION CVista PdfCompressorまたはAdobe Acrobat Captureのいずれかを使用して、単一ページのTIFFファイル、複数ページのTIFFファイル、または複数のTIFFファイルを内包するzipファイル(TIFZ、TIZまたはZIPのファイル拡張子)を単一のPDFファイルに変換します。また、TIFFからPDFへの変換時にOCR(光学式文字認識)が実行されるため、Content Server内の管理対象TIFFファイルに全文検索を実行できます。

1.5.3 PDFウォーターマーク

PDFウォーターマークでは、PDF Converterにより生成されたPDFファイルにウォーターマークを適用し(静的ウォーターマーク)、リポジトリに返すことができます。また、リポジトリ内の既存のPDFファイルにもウォーターマークを適用できます(動的ウォーターマーク)。動的ウォーターマークは必要に応じて生成され、様々な情報(ユーザー名、ダウンロード日時、ファイル名など)を含めることができます。システム管理者は、変数を定義して動的ウォーターマークを生成するための特定な条件を設定できます。

PDFウォーターマークでは、表示の目的でダウンロードするPDFファイルにセキュリティ機能を追加することもできます。ファイルの印刷や変更などのアクセス設定は有効または無効にできます。

1.6 動的変換管理

Dynamic Converterは、重要なビジネス・ドキュメントのための変換テクノロジおよびオンデマンド公開ソリューションです。Dynamic Converterでは、ドキュメントの作成に使用したアプリケーションを使用しなくてもドキュメントを参照できるよう、特定の閲覧者用にあらゆるビジネス・ドキュメントをWebページに簡単に変換できます。この利点は即時性があることです。固有のアプリケーションのボトルネックを発生させることなく、自由に情報を交換できます。

Webブラウザが最初にドキュメントをリクエストするときに、ドキュメントをWebページとして表示する方法を決定する一連のルールが適用されます。これらのルールは、Dynamic Converterのコア・コンポーネントであるテンプレートで定義できます。

Dynamic Converterには、ユーザーにとって数多くの利点があります。

1.7 デスクトップ管理

Desktop機能は、デスクトップ環境をコンテンツ・サーバーとシームレスに統合する際に役立つ一連の埋込みアプリケーションを提供します。すなわち、Microsoft Windowsエクスプローラ、Microsoft WordやExcelなどのデスクトップ・アプリケーションおよびMicrosoft OutlookやLotus Notesなどの電子メール・クライアントからリポジトリに容易にアクセスできるようになります。

これにより、リポジトリのファイルを簡単に管理でき、Content ServerにログインしてWebブラウザを使用するかわりに、デスクトップから直接他のユーザーとファイルを共有できます。