Oracle Portalの2種類のオブジェクト、ページとポートレットをパラメータとして使用できます。ページ・パラメータにはページの値、ポートレット・パラメータにはポートレットの値が格納されます。
次の項では、ページ・パラメータとポートレット・パラメータについて、およびOracle Portalでのこれらの使用方法について説明します。
ページ・パラメータは、ページの値を受け入れ、格納します。ページにページ・パラメータを使用すると、ページのコール元やページを表示するユーザーに応じて異なるページ情報を表示できます。たとえば、ページ・パラメータの値に応じて異なるポートフォリオが表示される「株式相場表示」ポートレットを表示するページ・パラメータをページに定義できます。ページ・パラメータは、標準、モバイルおよび検索ページ、これらのページ・タイプに基づくカスタム・ページ、ナビゲーション・ページに定義できます。
Oracle Portalでは、ページ・グループに対してパラメータとイベントがデフォルトで有効になっています。ページ・グループでのパラメータとイベントの有効化と無効化については、第4章「ページ・グループの使用」を参照してください。
ページ・パラメータは、値を次の場所から(示された順序で)取得します。
ページにアクセスするために使用されるURL。たとえば、次のようになります。
http://myportal/mypage?a=1&b=2
パラメータでは大文字と小文字が区別されるので、パラメータ名がa
の場合は、a=1
を入力すると有効ですが、A=1
は無効です。
現行ユーザーが指定した、パラメータのパーソナライズ値
ページ設計者が指定した、パラメータのデフォルト値
URLページにページ・パラメータを定義できます。ページ・パラメータとその値は、URLページで指定された場所に渡されます。たとえば、URLページmyurlpage
がURL http://www.yahoo.com/somepage
を指し、ページ・パラメータa
とb
に値が定義されている場合(a=1
、b=2
)、Oracle PortalのページへのアクセスにはこのURLが使用されます。
http://myportal/myurlpage?a=1&b=2
パラメータ値は、ページで指定された場所に渡され、次のURLが生成されます。
http://www.yahoo.com/somepage?a=1&b=2
ポートレット・パラメータはポートレットの値を受け入れ、格納します。つまり、ポートレット内に表示される情報は、ページまたはユーザーに応じて変化します。ポートレットのパラメータは、provider.xml
ファイルで指定します。
ポートレット・パラメータには、パブリック・パラメータとプライベート・パラメータがあります。
パブリック・ポートレット・パラメータは、ページ設計者に表示されます。ページ設計者は、適切なパラメータ値を割り当てて、自分のページに固有のポートレットに情報を表示できます。ページ設計者は、特定の値(定数)、システム変数(USERなど)またはページ・パラメータを指定できます。
ポートレット・パラメータに値を設定するには、ページ・グループ設定の「パラメータおよびイベントを有効にする」を有効にする必要があります。第4章「ページ・グループの使用」を参照してください。
プライベート・ポータル・パラメータは、現在表示されている行やタブを識別するためなどに、ポートレット内部で使用されます。プライベート・ポートレット・パラメータは、ページ設計者には表示されません。
たとえば、「株式相場表示」ポートレットでは、パブリック・ポートレット・パラメータ(ticker
)を使用して、銘柄記号をパラメータ値として渡します。このポートレットをページに配置すると、「ページの編集: パラメータ」タブにパブリック・チッカー・パラメータが表示されます。ページ設計者がチッカー・パラメータをORCLなどの特定の値に設定し、ポートレットを表示すると、この会社の株式情報が表示されます。
ページ・パラメータ(たとえば株式記号)をページに追加して、そのページ・パラメータをポートレット・パラメータに渡すこともできます。そのページ・パラメータをユーザーがパーソナライズできる場合は、選択した企業の株式情報が表示されるように、「株式相場表示」ポートレットを設定できます。
ポートレットへのパラメータ追加方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware開発者ガイド for Oracle Portalを参照してください。このマニュアルは、Oracle Technology NetworkのOracle Portalドキュメント・ページ(http://www.oracle.com/technology/products/ias/portal/documentation.html
)で入手できます。