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Oracle® Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド
11g リリース1 (10.3.6)
B61639-05
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5 WebLogic SNMPコマンドライン・ユーティリティ

WebLogic Serverには、SNMPマネージャと同じ機能の多くを提供する、コマンドライン・ユーティリティが用意されています。このユーティリティは、WebLogic Serverドメイン内のSNMPエージェントの構成に対するテストとトラブルシューティングに使用できます。

以下の節では、WebLogic Server SNMPコマンドライン・ユーティリティを操作する方法について説明します。

SNMPコマンドライン・ユーティリティの環境要件

WebLogic Server SNMPコマンドライン・ユーティリティ用に環境を設定するには:

  1. インストレーション・ガイドの説明に従って、WebLogic Serverソフトウェアをインストールおよび構成します。

  2. SNMPエージェントと、トラップ宛先をWebLogic Serverドメイン内に作成します。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプSNMPを使用したWebLogic Serverのモニターに関する項を参照してください。

  3. コマンド・プロンプト(シェル)を開いて、次のスクリプトを呼び出します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (WindowsではsetWLSEnv.cmd)

    ここで、WL_HOMEは、WebLogic Serverのインストール先ディレクトリです。

    このスクリプトを実行すると、シェルのPATH環境変数にはサポートされるJDKが追加され、CLASSPATH変数にはWebLogic Serverクラスが追加されます。

SNMPコマンドライン・ユーティリティの構文とコマンド

SNMPコマンドライン・ユーティリティは、次のようにして呼び出します。

java weblogic.diagnostics.snmp.cmdline.Manager command [-?]

ただし、commandは、表5-1に記載されているコマンドの1つです。また-?により、指定したコマンドの使い方の情報が出力されます。

表5-1 SNMPコマンド

コマンド 説明
SnmpBulkWalk
[startingOID] [endingOID]

指定したパターンでSnmpGetNextを繰返し呼び出すことにより、MIBオブジェクトインスタンス (MIB変数)の集合を返します。

コマンド・ラインで指定した最初のOIDから開始して、オブジェクトの下にあるすべてのMIB変数を取得するのに必要な回数、SnmpGetNextコマンドを呼び出します。

コマンド・ラインで指定したOIDをインクリメントして、前述のパターンを繰り返します。

オプションとして-Bm引数を指定すると、SNMPエージェントに送信する各リクエスト内の複数のSnmpGetNextの呼出しがグループ化されます。たとえば、-Bm 3を指定すると、シーケンス内の最後のOIDに到達するまで、各リクエストにおいて3回のSnmpGetNext呼出しが発行されます。

SnmpInform 

INFORM通知を構築し、SNMPマネージャまたはトラップ・モニターに配信します。

SnmpGet

1つまたは複数のMIB変数の値を取得します。このコマンドでは、管理対象オブジェクトのOIDは使用できません。

指定した変数の値が繰返し取得されるように、必要に応じて間隔を指定することができます。

SnmpGetAll <columnOID>
[<columnOID>...] 

指定した表の列を確認して、出力内の各行に対する列値をグループ化します。指定された列はすべて、同じ表のものであることが必要です。

SnmpGetBulk 
[OIDs]

指定したパターンでSnmpGetNextを繰返し呼び出すことにより、MIB変数の集合を返します。オプションでパターンの指定には、-Bnおよび-Bm引数と、1つ以上のOIDを含まれています。

-Bn (非リピータ)引数は、コマンドがSnmpGetNext操作を繰返し実行することのないコマンド・ラインに対して、OID引数の数を指定します。これらのOIDに関しては、コマンドはSnmpGetNext操作を一度実行してから、コマンド・ライン上の次のOID引数に進みます。スカラー・オブジェクトに対しては、-Bnおよび非リピータOIDの使用を検討してください。

-Bm (繰返し上限)引数は、コマンド・ライン上の他のすべてのOIDに対して、コマンドがSnmpGetNext操作を実行する回数を指定します。表形式のオブジェクトに対しては、-Bmおよびそれに関連付けられたOIDの使用を検討してください。

SnmpGetNext

管理対象オブジェクトまたはMIB変数を返します。表形式のオブジェクトを指定した場合、最初の子管理対象オブジェクトが返されます。スカラー・オブジェクトを指定した場合、オブジェクトの最初の変数が返されます。

SnmpWalkコマンドが提供する再帰的なリストとは異なり、このコマンドでは、OIDの順序が次となる管理対象オブジェクトまたは変数1つのみに関する説明を返します。一連のSnmpGetNextコマンドを並べて指定すると、SnmpWalkコマンドと同じ結果が得られます。

SnmpTrap

TRAP通知を構築し、SNMPマネージャまたはトラップ・モニターに配信します。

SnmpTrapLogger

通知をリスニングするプロセスを開始します。受信した各通知を、ログ・ファイルに書き込みます。

SnmpTrapMonitor

通知をリスニングするプロセスを開始します。受信した各通知を、標準出力へ出力します。

SnmpWalk

MIB内の指定されたノード以下に、または指定された範囲内にあるすべての管理対象オブジェクトまたは変数を返します。

表形式のオブジェクトOIDを指定すると、コマンドはそのすべてのオブジェクト変数と、関連するすべての子オブジェクトおよび変数を返します。


この節のサンプルでは、管理サーバー上にSNMPエージェントを作成済みであり、エージェントのデフォルト変数を変更していないということが前提となっています(たとえば、エージェントはUDPポート161をリスニングし、コミュニティ名としてpublicを使用します)。

これらの例では、MIBモジュールのロードに次のオプションが使用され、これにより、管理対象オブジェクトをOIDではなく、その表示名で参照できるようになります。

各WebLogic Server管理対象オブジェクトの表示名については、BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zipを参照してください。