Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者用チュートリアル 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B55930-04 |
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Oracle WebCenter Portal: Frameworkへようこそ。この章では、WebCenter Portal: Frameworkの主要な概念を紹介し、次に、このチュートリアルの手順に従って何を作成するのかを説明します。このレッスンは、WebCenter Portal: Framework機能の様々な側面に習熟すること、および各機能のデモンストレーションを十分に行うことにより、独自のWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションを作成できるようになることが目的です。
機能の追加情報が必要な場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』およびOracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドを参照してください。
WebCenter Portal: Frameworkは、ポータル固有の機能をWebCenter Portalアプリケーションに提供します。ポータルを使用すると、ユーザーは情報を表示および操作し、独自の要件に正確に一致するように操作性をカスタマイズできます。通常、ポータルにはページ、ナビゲーション、セキュリティ、カスタマイズなどの機能が用意されています。また、ポータルには、ポートレット、コンテンツ管理システム統合、パーソナライズ、ソーシャル・コンピューティング・サービス、検索、分析などの機能も含まれています。
WebCenter Portal: Frameworkには、追加の統合オプションおよびランタイム・カスタマイズ・オプションが用意されており、Oracle ADF環境が補強されます。基本的に、このフレームワークでは、ナビゲーション、ページ階層、ポートレット、カスタマイズ、パーソナライズ、統合など、ポータル製品に従来から搭載されている機能が、JSF環境のファブリックに直接統合されています。これにより、人為的な障害を取り除き、コンテキストの優れたアプリケーションの開発基盤を提供します。
WebCenter Portalアプリケーションには、必要なOracle WebCenter Portalコンポーネントまたはサービスのみを選択して追加できます。たとえば、インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)サービスのみが必要な場合もあります。この場合、これらのサービスのみを追加することが可能で、Oracle WebCenter Portalで使用可能な他のすべてのサービスを追加する必要はありません。
図1-1は、Oracle WebCenter Portalアーキテクチャの概要で、製品を構成する主要コンポーネントを示しています。
図1-1には、Oracle WebCenter Portal: Servicesとコンポーザが示されています。このチュートリアルでは、両方のコンポーネントをWebCenter Portal: Frameworkとともに使用します。
WebCenter Portal: Framework、WebCenter Servicesおよびコンポーザの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』のOracle WebCenter Portalの理解に関する項を参照してください。
このチュートリアルでは、WebCenter Portal: Frameworkを使用して、実行時にカスタマイズ可能なWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションを作成し、作成者およびエンド・ユーザーが個人の要件に従ってアプリケーション・ページを編集し、Oracle Metadata Services (MDS)を直接利用できるようにします。
ポータル・アプリケーションの構築ではコンポーザも使用しますが、これはブラウザベースの使いやすい環境で、デザインタイムにコンポーネントをJDeveloperのページに簡単に追加できます。メタデータ・サービスとともに、コンポーザには実行時の編集ツールが用意されており、ビジネス・ユーザーはこのツールを使用してアプリケーション・ページを編集できます。実行時にページに加えられた変更は、ベース・アプリケーション定義とは別にメタデータとして保存されます。これにより、アプリケーションを改訂して本番環境に再デプロイする必要がなくなります。
チュートリアルのレッスンを完了し、およそ2時間以内にWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションを作成することが目標です。これにより、Oracle JDeveloperを使用する実践的で貴重な経験を積み、JDeveloperおよびFrameworkの知識を広げるために習得する必要がある重要で高度な概念を学習できます。
このチュートリアルでは、WebCenter Portal: Frameworkで使用可能なすべての機能を網羅して紹介しているわけではありません。しかし、デザインタイムに開発者としてポータルを作成する際は、次のようなFrameworkの主要概念およびパラダイムに習熟している必要があります。
ページ・テンプレートの機能
実行時にポータルのルック・アンド・フィールを変更するためのスキンの操作および適用
ユニファイド・ナビゲーション・モデルの機能
特定の最適化機能を無効化することにより、ポータル・アプリケーションの構築時により速く効率的な作業を実現する反復開発
ポータルのページおよびサイト・テンプレートのカスタマイズ、およびユーザー・アクセスの権限の設定
HTMLドキュメント・コンテンツの実行時コンテキスト内編集
WebCenter Portalアプリケーションで所有およびデプロイされるコンテンツ・リポジトリ接続を作成します。今回のケースでは、Oracle WebCenter Contentリポジトリに接続することにより、Oracle Content Serverへのアクセスが可能になります。UCMを主要接続として設定し、アプリケーション用のHTMLコンテンツが格納されているContributionsディレクトリのUCM Contentフォルダに移動します。次に、このコンテンツを取得し、フォルダのドキュメントを様々なコンポーネントにドラッグ・アンド・ドロップして、そのコンテンツを「コンテンツ・プレゼンタ」タスク・フローとしてレンダリングすることにより、取得したコンテンツを使用してポータル・ページをカスタマイズします。ポータル・フレームワークで使用可能なツールで作業する際には、この方法をお薦めします。
Oracle WebCenter Portal: Servicesを使用してコンテンツ・リポジトリからコンテンツを統合することにより、そのコンテンツをわかりやすいインタフェースで表示できるとともに、ユーザーがコンテンツにタグ付けして検索できるように設定できます。
Go Green Eat Freshは、レストランの顧客がパスタ、肉料理、サラダなどのヘルシーで手軽な料理を選択できる、一般向けのWebサイトです。顧客は、ポータルのHomeページを参照し、選択メニューから選択できます。管理者およびアクセス権を持つ登録ユーザーは、メニュー、食品リスト、オーダーなどのHTMLドキュメントのコンテンツを実行時に編集できます。コンテンツはアクセスしやすいようにOracle WebCenter Contentリポジトリのフォルダに保存され、コンテンツ・ページに変更の必要が生じた場合に取得できます。
このチュートリアルでは、ポータル開発者とWebサイト管理者という2つの役割を演じて、Go Green Eat Freshポータルを構築し、コンテンツ・リポジトリを管理し、顧客のニーズや要求に基づいてコンテンツを変更および更新するタスクを担います。
次のタスクが割り当てられます。
WebCenter Portal: Frameworkアプリケーション・テンプレートに基づいて、アプリケーションを作成します。
ポータルへの管理アクセス権を持つユーザーを作成します。
ポータルのサイト・ナビゲーションを作成します。
「コンテンツ・アイテム」タイプのナビゲーション・リンクを作成します。
UCMのフォルダにリストされたHTMLドキュメントをタブとしてレンダリングするページを作成します。
コンテンツ・タイプ・リンクを作成するテンプレートとして機能するページを作成します。
UCMのフォルダへのコンテンツ・タイプ・リンクを(ナビゲーションのノードとして)作成し、格納されているすべてのドキュメントを子リンクとして一覧表示します。
コンテンツ・リンクを(ナビゲーションのノードとして)作成し、コンテンツ問合せ(CMIS問合せ)の結果をノードの下のリンクとしてレンダリングします。
ページ階層で非表示のカスタマイズ可能ページを作成します。
(HTMLページをレンダリングする)編集可能なコンテンツ・ページを作成します。
図1-2に、このチュートリアルのレッスンに従って作成するWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションの一部を示します。
このチュートリアルは、記載された順序どおりに各章を完了することを想定しています。各章に依存関係があるため、異なる順序で完了すると、リソースが存在しなかったり、エラーが発生したりすることがあります。
このチュートリアルは、次の順序で進めます。
第2章「チュートリアルの準備」では、JDeveloperおよび必要なWebCenter拡張機能を正しくインストールしたことの検証など、このチュートリアルの手順を完了するためにあらかじめ実行する必要がある作業について説明します。また、チュートリアルのレッスンを完了するために、コンテンツ・リポジトリ(このケースではOracle WebCenter Contentリポジトリ)への接続が必要であることも示します。
第3章「WebCenter Portalアプリケーションの作成」では、Oracle JDeveloperを使用してWebCenter Portal: Frameworkアプリケーションを作成するために必要な手順を示します。
第4章「新規ページ・テンプレートと新規ポータル・スキンの作成」では、新規のJSFページ・テンプレートを作成し、そのテンプレートをポータル・リソースとして設定する方法を説明します。
第5章「ポータル・アプリケーションのルック・アンド・フィールの変更」では、JDeveloperでデザインタイムにページ・テンプレートおよびスキンのデフォルト設定を変更することにより、アプリケーションのルック・アンド・フィールを変更する方法を説明します。
第6章「コンテンツ・リポジトリへの接続と管理」では、WebCenter Portalアプリケーションで所有およびデプロイされるコンテンツ・リポジトリ接続を作成する方法を説明します。
第7章「ページのカスタマイズと権限の設定および実行時の編集」では、ページ階層の特定のページをカスタマイズし、ユーザー・アクセス権限を設定する方法、およびコンテキスト内HTMLドキュメント・コンテンツを編集する方法を説明します。
第8章「結び」では、各章で学習したレッスンを要約し、WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションを作成、拡張およびカスタマイズするために実行した手順のシーケンスを考察します。