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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B72085-02
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1 Oracle WebCenter Portalの管理の概要

Oracle WebCenter Portalへようこそ。

この章では、Oracle WebCenter Portalおよび管理ツールの概要を示します。内容は次のとおりです。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』は、特にOracle WebLogic Server (Oracle WebCenter PortalなどのOracle Fusion Middlewareソフトウェア・コンポーネントのためのプライマリ・プラットフォーム)向けに記述されています。IBMのWebSphereなどのOracle以外のベンダーが提供するサード・パーティ製のアプリケーション・サーバーを使用している場合は、Oracle Fusion Middlewareサード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。

1.1 Oracle WebCenter Portalの概要

Oracle WebCenter Portalは、標準ベースの、サービス指向アーキテクチャの上に構築された、統合された一連のコンポーネントであり、ソーシャル・アプリケーション、エンタープライズ・ポータル、コラボレーティブ・コミュニティおよびコンポジット・アプリケーションを作成できます。Oracle WebCenter Portalは、機能豊富なインターネット・アプリケーション、統合されたマルチチャネルのポータル・フレームワークの柔軟性および力、およびコンテンツ、コラボレーション、プレゼンスおよびソーシャル・ネットワーキング機能を提供するサービスとして提供される一連の水平型のEnterprise 2.0機能を開発する、動的なユーザー・インタフェース・テクノロジを結合します。これらのコンポーネントを基に、Oracle WebCenter Portalは、個人およびグループがより効果的に作業およびコラボレーションできる構成可能な作業環境とともに、Spacesと呼ばれる、すぐに利用できる、エンタープライズ対応のカスタマイズ可能なアプリケーションも提供します。

Oracle WebCenter Portalは、ユーザーがインスタント・メッセージ、ドキュメント、コンテンツ管理、ディスカッション・フォーラム、Wiki、ブログ、およびポータルまたはアプリケーションのコンテキスト内からの直接のタグ付けなどのサービスと直接対話できる、オープンで拡張可能なソリューションを提供します。これらのツールおよびサービスは、エンド・ユーザーおよびITに、次世代のコラボレーティブなアプリケーションおよびポータルの構築およびデプロイを可能にします。

次の項では、Oracle WebCenter Portalのコンポーネントおよびアーキテクチャについて説明します。

1.2 Oracle WebCenter Portalのアーキテクチャ

Oracle WebCenter Portalは、次のコンポーネントで構成されています(図1-1)。

図1-1 Oracle WebCenter Portalのアーキテクチャ

WebCenterアーキテクチャ

1.2.1 WebCenter Portal: Framework

次のものを含むポータル機能をADFに挿入します。

  • ランタイム・アプリケーションのカスタマイズ(アプリケーションを再度デプロイすることなくComposerを使用してWebCenter Portalアプリケーションにインプレース変更を行うことができます)

  • JSR-168およびJSR-286標準ベースのWSRPポートレット、およびPDK-Javaポートレットのサポート

  • Content ServerおよびOracle Portalなどのコンテンツ・リポジトリへの、JCR (JSR170)を介したコンテンツ統合

  • JSFページおよびOracle ADFタスク・フローを標準ベースのポートレットとして公開できる、Oracle JSF Portlet Bridge

1.2.2 Application Development Framework

Oracle Application Development Framework (ADF)は、JSFの上に存在する生産性レイヤーであり、次のものを提供します。

  • データベース、Webサービス、XML、CSVおよびBPELなど、バックエンドへの統合されたアクセス

  • バックエンドのデータ制御によりユーザー・インタフェースに接続する、データ・バインディング(JSR 227)

  • 100個を超えるデータ認識JSFビュー・コンポーネント

  • タスク・フローを含むネイティブ・コンポーネント・モデル

  • ファイングレインJAASセキュリティ・モデル

1.2.3 Composer

Composerは、次のものを提供します。

  • ブラウザでランタイム・アプリケーションおよびインプレースのユーザー・カスタマイズを実行する能力

  • 次のことが行える、機能豊富で直観的なユーザー・エクスペリエンス

    • タスク・フローおよびポートレットなど、リソースの参照およびページへの追加

    • ページ・レイアウトの再配置

    • ページおよびコンポーネント・プロパティの設定

    • 前後関係によるコンポーネントの関連付け

1.2.4 WebCenter Portal: Spaces

JSF、Oracle ADF、WebCenter Portal: Framework、WebCenter Portal: ServicesおよびComposerを使用して構築される、WebCenter Portalアプリケーション。Spacesアプリケーションは、次のものを提供します。

  • エンタープライズ・ポータル、複数のサイト、およびコミュニティを作成するためのブラウザ・ベースのプラットフォーム

  • ユーザーごとのホーム・スペース(個人コンテンツを格納するためのプライベートな作業領域の提供、ノートの保持、ビジネス・プロセスの割当ての表示および応答、電子メールの送受信など)

  • スレッドで構成されるディスカッション、ブログ、Wiki、ワークリスト、お知らせ、RSS、最近のアクティビティ、検索など

1.2.5 WebCenter Portal: Services

表1-1に、WebCenter Portalアプリケーションで使用可能なWebCenter Portalサービスをリストします。

表1-1 WebCenter Portalサービス

AからNまでのサービス PからWまでのサービス

分析

ページ

お知らせ

ピープル・コネクション

ディスカッション

パーソナライズ

ドキュメント(Wikiおよびブログを含む)

投票

イベント脚注参照 2

RSS脚注 1 

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

最近のアクティビティ

リンク

アクティビティ・グラフ

リスト脚注参照 2

検索

メール

タグ

ノート脚注 2 

ワークリスト


脚注 1 RSSニュース・フィードは、Spacesのみから利用可能です。RSS Viewerタスク・フローは、Spacesおよび他のWebCenter Portalアプリケーションで利用可能です。

脚注 2 Spacesのみ。

WebCenter Portalサービスは、次のものを提供します。

  • エンタープライズレベルのサービスとのシームレスな統合

  • バックエンド・サービスを抽象化するシン・アダプタ・レイヤー。次に例を示します。

    • コンテンツ・アダプタ: Content ServerおよびOracle Portal

    • プレゼンス・アダプタ: Microsoft Live Communications Server、Microsoft Office Communications ServerおよびMicrosoft Lync

  • 統合された接続アーキテクチャによって表されるバックエンド・システム

  • 機能豊富なタスク・フロー・コンポーネントによって提示されるサービスへのユーザー・インタフェース

1.2.6 ディスカッション・サーバー

ディスカッション・サーバーは、WebCenter Portalとともに提供されます。そのため、ディスカッション・フォーラムおよびお知らせをアプリケーションに統合できます。

1.2.7 分析

WebCenter Portalの分析機能により、ユーザーは、次のような様々なユーザー・アクティビティを表示できます。

  • ログイン・データ

  • ページ・ビュー

  • ポートレット・ビュー

  • ドキュメント・ビュー

  • 検索メトリック

  • ページ・レスポンス・データ

  • 領域使用量

1.2.8 アクティビティ・グラフ

WebCenter Portal内のアクティビティ・グラフ・サービスにより、ユーザーは、WebCenter Portal分析によって収集された様々な統計を分析できます。オブジェクトおよびユーザーのための様々な類似度スコアが収集され、推奨を提示するために使用されます。スコアは、アクティビティ・グラフ・データベースに格納されます。

1.2.9 パーソナライズ・サーバー

WebCenter Portalのパーソナライズ・サーバーにより、選択した条件に基づいて、対象とするユーザーにアプリケーションのコンテンツを提供できます。

1.2.10 ポータル

ポータルは、パーソナライズされた、Webベース・アプリケーションと対話できる単一の場、および個々のユーザーまたはユーザーのクラスに関連する情報への、共通のインタフェース(Webページ)を提供します。ポータルの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』を参照してください。

1.2.11 コンポジット・アプリケーション

コンポジット・アプリケーションは、単一のアプリケーションとして設計されデプロイされた、サービス、サービス・コンポーネント、ワイヤおよび参照の集合体です。コンポジット・アプリケーションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。

1.3 Oracle WebCenter Portalのトポロジ

次の項では、Oracle WebCenter Portalのトポロジおよび構成について説明します。

1.3.1 初期設定のWebCenter Portalトポロジ

Oracle WebCenter Portalのインストールにより、Oracle Middleware HomeディレクトリおよびOracle Common Homeディレクトリの下に、WebCenter Portalのバイナリおよびサポートしているファイルが含まれるWebCenter Portal Oracle Homeが作成されます(図1-2)。

図1-2 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造

Oracle WebCenterインストール

また、インストールによって、様々なWebCenter Portalコンポーネントをホストする管理サーバーおよび複数の管理対象サーバーを含むWebCenter Portalドメイン(base_domain)も作成されます。図1-3では、アプリケーションは黄色で表示され、それらが実行される管理対象サーバーは茶色で表示されます。

図1-3 初期設定のWebCenter Portalトポロジ

Oracle WebCenterトポロジ

初期設定の管理対象サーバーは、次のWebCenter Portalコンポーネントをホストします。

  • WC_Spaces: Spacesアプリケーションをホストします

  • WC_Portlet: 初期設定のポートレット、ページレット・プロデューサおよびWebCenter Services Producerをホストします

  • WC_Collaboration: ディスカッション・サーバーおよび統合のために選択する追加のWebCenter Portalサービスをホストします

  • WC_Utilities: アクティビティ・グラフ、分析およびパーソナライズ・サービスをホストします

オプションの5台目の管理対象サーバー(アプリケーション・サーバー)は、WebCenter Portal: Frameworkを使用して開発者が構築したアプリケーションを実行するために使用できます。このようなアプリケーションは、Frameworkアプリケーションと呼ばれます。追加の管理対象サーバーを作成する場合、それらは、Spacesアプリケーションと同じ外部リソースを利用できるよう、適切なライブラリでプロビジョニングされます。管理対象サーバーの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareの理解に関する項を参照してください。

1.3.2 WebCenter Portal管理対象サーバー

Oracle WebCenter Portalのインストール時に、管理対象サーバーは、システム・ライブラリおよびOracle ADFライブラリでプロビジョニングされます。表1-2に、管理対象サーバー、およびそれらで実行するアプリケーションをリストします。

表1-2 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバーおよびアプリケーション

管理対象サーバー インストールされるアプリケーション アプリケーション名

WC_Spaces

Spaces

Spacesオンライン・ヘルプ

webcenter

webcenter-help

WC_Portlet

OmniPortletおよびWeb Clipping

WSRPツール

ページレット・プロデューサ

WebCenter Services Producer

portalTools

wsrp-tools

pagelet-producer

services-producer

WC_Collaboration

ディスカッション・サーバー

owc_discussions

WC_Utilities

分析コレクタ

アクティビティ・グラフ・エンジン

パーソナライズ・サービス

analytics-collector

activitygraph-engines

wcps-services


1.3.3 WebCenter Portalの起動順序

管理対象サーバーの起動時には、アプリケーションおよびライブラリは次の順序で起動されます。

  1. JRFライブラリとして知られるOracleシステム・ライブラリ

  2. Oracle ADFライブラリ

  3. Oracle DMSおよびOracle Web Services Manager (wsm-pm)アプリケーションなどのインストゥルメンテーション・アプリケーション

  4. 表1-2で示したWebCenter Portalアプリケーション

起動順序は、依存の順序でもあります。依存するコンポーネントが正常にデプロイされない場合は、後のコンポーネントが正しく機能しない可能性があります。

アプリケーションの起動は、ディスカッション・サーバーまたは他のバックエンド・サーバーなどの外部サービスが使用可能かどうかには依存しません。詳細は、第1.3.4項「WebCenter Portalの依存性」を参照してください。

1.3.4 WebCenter Portalの依存性

WebCenter Portalアプリケーションは、複数の外部サーバーおよびサービスを使用します(表1-3)。「構成」列に、接続を構成または初期化するためにWebCenter Portalに提供される情報のタイプをリストします。「アクセス」列に、サービスの実行時アクセスで使用されるプロトコルをリストします。

表1-3 依存するリソース - アクセス・タイプ

外部サーバー/サービス 構成 アクセス

分析

分析コレクタへのUDPアクセス

UDP

アクティビティ・グラフ

アクティビティ・グラフ管理へのHTTPアクセス

HTTP

ディスカッション・サーバー

ディスカッション・サーバー管理へのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

Content Server(ドキュメント)

管理サーバーへのソケット接続。Content ServerがWebCenter外からアクセスされる必要がある場合のみ、HTTPアクセスが必要になります。

ソケットまたはHTTPでのJCR 1.0

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー管理へのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

メール・サーバー

IMAP/SMTPサーバー

IMAP/SMTP

個人イベント・サーバー

カレンダ・サービスへのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

パーソナライズ・サーバー

パーソナライズ・サーバーへのJBDCアクセス

JDBC REST

ポートレット

プロバイダWSDLのHTTPロケーション

SOAP/HTTP

検索サーバー

検索サーバーへのHTTPアクセス

HTTP

ワークリスト

BPELサーバーへのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

MDSおよびスキーマ

JDBC

JDBC


サーバーまたはサービスが利用できないことで、WebCenter Portalアプリケーションを起動できなくはなりませんが、アプリケーションの実行時にエラーが表示される場合があります。唯一の例外は、Oracle Metadata Repository (MDS)です(WebCenter Portalアプリケーションはこれがないと機能しないため)。

Spacesは、WebCenter Portalリポジトリなしで部分的に機能しますが、それがMDSリポジトリと異なる物理データベースの場合のみです。WebCenter Portalリポジトリは、イベント、リンク、リスト、ピープル・コネクション、投票およびタグを含む、複数のサービスのための情報を格納します。また、これらのサービスは、WebCenter Portalリポジトリを利用できない場合には機能しません。

1.3.5 WebCenter Portalの構成に関する考慮事項

WebCenter Portalアプリケーションのための主な構成ファイルを、表1-4にリストして説明します。これらのファイルは、WebCenter Portalアプリケーションのデプロイメントの.EARファイル内で供給されます。

表1-4 WebCenter Portalの構成ファイル

アーティファクト 用途

adf-config.xml

Application Development Framework (ADF)およびWebCenter Portalアプリケーションの設定(ディスカッション・サーバーまたはメール・サーバーのWebCenter Portalアプリケーションが現在使用しているもの)のための基本構成を格納します。

connections.xml

外部サービスへの接続のための基本構成を格納します。


WebCenter Portalアプリケーションおよびポートレット・プロデューサの両方は、Oracle Metadata Services (MDS)リポジトリを使用して、それらの構成データを格納します。この両方が、Oracle WebLogicフレームワーク内のJDBCデータ・ソースとしてMDSリポジトリにアクセスします。

MDSリポジトリは、アプリケーションのカスタマイズとして、WebCenter Portalアプリケーションおよびポートレット・プロデューサへのデプロイ後の構成変更を格納します。MDSは、デプロイされた元バージョンのadf-config.xmlおよびconnections.xmlをベース・ドキュメントとして使用し、単一のカスタマイズ・レイヤーを使用して後続のすべてのアプリケーション・カスタマイズを別個にMDSに格納します。

WebCenter Portalアプリケーションが起動すると、MDSに格納されたアプリケーション・カスタマイズが適切なベース・ドキュメントに適用され、WebCenter Portalアプリケーションは、マージされたドキュメント(カスタマイズされているベース・ドキュメント)を構成プロパティの最終セットとして使用します。

サーバー・クラスタにデプロイされるWebCenter Portalアプリケーションの場合、クラスタのすべてのメンバーは、MDSリポジトリ内の同じ場所から読み取ります。

Oracleはデプロイ後構成のための複数の管理ツールを提供するため、一般には、管理者は、adf-config.xmlおよびconnections.xmlなどのファイルのためにベース・ドキュメントのコンテンツ(またはMDSカスタマイズ・データ)を調べたり手動で変更したりする必要はありません。ベース・ドキュメントを見つける必要や、MDS内の情報を確認する必要がある場合は、付録A「Center Portalの構成」を参照してください。

利用可能なWebCenter Portalアプリケーション構成ツールの詳細は、第1.13項「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」を参照してください。


注意:

構成ミスをもたらす可能性があるため、adf-config.xmlまたはconnections.xmlを手動で編集することはお薦めしません。


WebCenter Portalアプリケーションは、デプロイ後の構成情報をMDSに格納しますが、ポートレット・プロデューサおよびディスカッション・サーバーのための構成情報は、ファイル・システムまたはデータベースに格納されます(表1-5を参照)。

表1-5 WebCenter Portalの構成の場所

アプリケーション 構成はMDSに
格納されている
構成はファイル・システムに
格納されている
構成はデータベースに
格納されている

Spacesアプリケーション

はい

いいえ

いいえ

Frameworkアプリケーション

はい

いいえ

いいえ

ポートレット・プロデューサ

いいえ

はい

いいえ

ディスカッション・サーバー

いいえ

はい

はい


ディスカッション・サーバー

WebCenter Portalのディスカッション・サーバーは、構成情報をそのデータベースに格納します。また、起動構成情報を$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WC_COLLABORATION/owc_discussionsに格納します。このディレクトリには、jive_startup.xmljive.licenseファイル、およびディスカッション・サーバー・インスタンスのためのログ・ファイルを含むlogsディレクトリが含まれます。

1.3.6 WebCenter Portalの状態および構成の永続性

WebCenter Portalアプリケーションは、アプリケーションの状態および構成がMDSリポジトリまで存続するJ2EEアプリケーションとして動作します。アプリケーション内のユーザー・セッション情報は、ローカルでメモリーに保持されます。クラスタ環境では、この状態は、クラスタの他のメンバーにレプリケートされます。

ポートレットまたはサービス環境内のアプリケーション・カスタマイズは、そのサービスによって存続します。初期設定では、Oracleポートレット、構築した任意のカスタム・ポートレット、およびディスカッション・サーバーには、すべて、それら固有のデータベース永続性メカニズムがあります。

分析

WebCenter Portalの分析機能には、状態はありません。分析コレクタによって受け取られた要求は、すぐに実行されます。WebCenter Portalアプリケーションによって開始される要求、または分析コレクタによって処理される要求など、送信中状態は保証されません。

アクティビティ・グラフ

WebCenter Portalのアクティビティ・グラフは、次の2つのコンポーネントで構成されています。

  • アクティビティ・グラフ・サービス: メモリー内状態は維持しません。アクティビティ・グラフ・タスク・フローは、アクティビティ・グラフ・データベースを照会し、推奨のリストとして結果を表示します。状態は、次のものによって更新されます。

    • タスク・フロー構成パラメータ

    • パーソナライズ設定

    • "関心のない"機能

    最初の2つは、状態を管理する、標準のOracle Composer/Oracle ADF/MDSフレームワーク上に構築されます。最後は、ユーザーが、特定の推奨に関心がないと示すことができる機能です。この入力は、データベースで同期的に存続します。

  • アクティブ・グラフ・エンジン: データベース内の表をトランザクションで更新する、バッチ・データ分析プロセスを実行します。エンジンはクラスタ化またはフェイルオーバーをサポートしていませんが、障害からリカバリできます。

管理者は、アクティビティ・グラフ・スケジューラを使用して、夜間のスケジュールを設定および監視します。分析(推奨)の結果は、アクティビティ・グラフ・タスク・フローによって提示されます。

アクティビティ・グラフ・エンジンは、数時間存続する、夜間のジョブの実行時間かどうかをチェックするために定期的に起動するバックグラウンド・スレッドがあるシングルトン・アプリケーションです。スケジュールはデータベースで存続します。管理対象サーバーに障害が発生した場合、ジョブは、管理対象サーバーの次回起動時に続きます。

パーソナライズ・サーバー

WebCenter Portalのパーソナライズ・サーバーは、ステートレスRESTfulアプリケーションです。すべての状態は、クライアントの要求において管理されます。

1.3.7 WebCenter Portalのログ・ファイルの場所

WebCenter Portalアプリケーション、ポートレット・プロデューサ、ディスカッション・サーバーなどによって実行される操作は、アプリケーションが実行されているWebLogic管理対象サーバーに直接ログ記録されます。

<base_domain>/servers/<WC_Server>/logs/<WC_Server>-diagnostic.log

たとえば、Spacesアプリケーションのための診断は、/base_domain/servers/WC_Spaces/logs/WC_Spaces-diagnostic.logにログ記録されます。

各WebLogic管理対象サーバーのログ・ファイルは、Oracle WebLogic Server管理コンソールから表示できます。ログを表示するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールhttp://<admin_server_host>:<port>/consoleにアクセスし、診断ログ・ファイルをクリックします。

Fusion Middleware Controlから診断ログを表示および構成することもできます。第39.5項「ログ情報の表示および構成」を参照してください。

1.4 Spacesアプリケーション

Spacesは、ソーシャル・ネットワーキング、コミュニケーション、コラボレーションおよび個人の生産性のための最新のテクノロジを提供する、Webベースのアプリケーションです。Spacesでは、堅牢な一連のサービスおよびアプリケーションにより、他のユーザーとの意見交換、個人的および仕事関連の作業の経過の記録、重要なアプリケーションとの対話、および独自のプロジェクトと関心事に集中するために必要なすべてが結合され、これらのすべてを単一の統合環境内で提供します。

サービスのための自動構成

一部のサービスは、インストール・プロセスの間に、Spacesアプリケーション用に自動的に構成されます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストール・ガイドを参照してください。

デフォルトの接続名を表1-6に示します。

表1-6 Spacesアプリケーション用に自動的に構成される接続

WebCenter Portalサービス/コンポーネント デフォルト接続名

ディスカッションおよびお知らせサービス

WebCenterSpaces-Discussions

ドキュメント・サービス

WebCenterSpaces-ucm

ページレット・プロデューサ

WebCenterSpaces-PageletProducer

パーソナライズ・サービス

Conductor-WCPSSpacesおよびProperties-WCPSSpaces

事前構成済ポートレット・プロデューサ

wc-OmniPortlet

wc-WebClipping

wc-WSRPTools

ワークリスト・サービス

Spacesのワークフロー

WebCenterSpaces-Worklist


Spacesアプリケーションのインストール後の構成

作業の際は次を参照してください。

Spacesの管理の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドでSpaces管理ページへのアクセスに関する項を参照してください。

1.5 Frameworkアプリケーション

JDeveloperおよびWebCenter Portal: Frameworkを使用して独自のポータル・アプリケーションを開発し、それらをカスタムWebLogic管理対象サーバーにデプロイできます。WebCenter Portal: Frameworkを使用して構築されたポータル・アプリケーションは、Frameworkアプリケーションと呼ばれます。

独自のポータル・アプリケーションの開発の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』を参照してください。

作業の際は次を参照してください。

1.6 WebCenter Portalのインストールの計画

WebCenter Portalアプリケーションのインストールには、多少の計画が必要です。考慮する質問の一部には、次のものがあります。

WebCenter Portalのインストールの計画の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストール・ガイドOracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

1.7 WebCenter Portal 11gのインストールの理解

初期設定のWebCenter Portalトポロジは、第1.3項「Oracle WebCenter Portalのトポロジ」で簡潔に説明しています。WebCenter Portalトポロジの特定の領域は、対応する章で説明しています。たとえば、WebCenter Portalトポロジのセキュリティ関連の側面は、第29章「WebCenter Portalアプリケーションのセキュリティ管理」で説明しています。

Oracle WebCenter Portalのインストールおよびインストール後の管理作業の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストール・ガイドを参照してください。


注意:

インストールしているWebCenter Portalのバージョンを確認する場合は、付録D「インストールされているWebCenter Portalのバージョンを調べる方法」を参照してください。


インストール後のエンタープライズ構成の場合は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイドを参照してください。

インストール後の高可用性構成の場合は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。

インストール後のセキュリティ構成の場合は、第29章「デプロイ後のセキュリティ構成タスク」を参照してください。

1.8 管理操作、ロールおよびツールの理解

Oracle WebCenter Portalは、WebCenter Portalアプリケーションをデプロイ、構成、起動および停止、および維持する、複数の異なるツールを提供します。これらすべてのツールは、第1.13項「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」で説明しています。

WebCenter Portal管理作業を実行する能力は、割り当てられているOracle WebLogic Serverロール(AdminOperatorまたはMonitor)によって異なります。表1-7に、一般的な操作のために必要なOracle WebLogic Serverロールをリストします。これらのロールは、操作がFusion Middleware Control、WLSTコマンドまたはWebLogic Server管理コンソールを介して実行されるかどうかに該当します。

表1-7 WebCenterポータルの操作およびOracle WebLogic Serverロール

操作 Admin
ロール
Operator
ロール
Monitor
ロール

WebCenter Portalのすべてのアプリケーション




起動および停止

はい

はい

いいえ

パフォーマンス・メトリックの表示

はい

はい

はい

ログ情報の表示

はい

はい

はい

ログ・ファイルの構成

はい

はい

はい

構成の表示

はい

はい

はい

新しい接続の構成

はい

はい

いいえ

接続の編集

はい

はい

いいえ

接続の削除

はい

はい

いいえ

アプリケーションのデプロイ

はい

いいえ

いいえ

セキュリティの構成

はい

いいえ

いいえ

セキュリティの表示(アプリケーション・ロール/ポリシー)

はい

はい

はい

Spacesアプリケーションのみ




Spacesのエクスポート

はい

いいえ

いいえ

Spacesのインポート

はい

いいえ

いいえ


表1-8に、WebCenter Portalアプリケーションに関連する様々な管理操作を実行するために使用できるツールをまとめます。

表1-8 WebCenter Portalの操作および管理ツール

操作 Fusion Middleware Control
WLSTコマンド
WebLogic Server管理コンソール Spacesアプリケーション管理

WebCenter Portalのすべてのアプリケーション





起動および停止

はい

はい

はい

いいえ

パフォーマンス・メトリックの表示

はい

いいえ

いいえ

いいえ

ログ情報の表示

はい

いいえ

いいえ

いいえ

ログ・ファイルの構成

はい

いいえ

いいえ

いいえ

構成の表示

はい

はい

いいえ

いいえ

新しい接続の構成

はい

はい

いいえ

いいえ

接続の編集

はい

はい

いいえ

いいえ

接続の削除

はい

はい

いいえ

いいえ

ポートレット・プロデューサの管理

はい

はい

いいえ

はい

外部アプリケーションの管理

はい

はい

いいえ

はい

アプリケーションのデプロイ

はい

はい

はい

いいえ

セキュリティの構成

はい

はい

はい

いいえ

Spacesアプリケーションのみ





ワークフローの構成

はい

はい

いいえ

いいえ

Spacesアプリケーションのエクスポート

はい

はい

いいえ

いいえ

Spacesアプリケーションのインポート

はい

はい

いいえ

いいえ

Spacesアプリケーションのカスタマイズ

いいえ

いいえ

いいえ

はい

アプリケーション・ユーザーおよびロールの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ページの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

スペースの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

個々のスペースのエクスポート

いいえ

いいえ

いいえ

はい

個々のスペースのインポート

いいえ

いいえ

いいえ

はい


1.9 パフォーマンスの監視および診断

パフォーマンス監視は、管理者が環境内の問題やパフォーマンスのボトルネックを特定する際に役立ちます。第39章「Oracle WebCenter Portalパフォーマンスの監視」では、WebCenter Portalアプリケーションに利用可能なパフォーマンス・メトリックの範囲、およびFusion Middleware Controlを使用してそれらを監視する方法を説明しています。また、WebCenter Portal診断ログ・ファイルに記録された情報を分析して問題のトラブルシューティングを行う方法についても説明します。

1.10 セキュリティの理解

Oracle WebCenter Portalの推奨セキュリティ・モデルは、Java Authentication and Authorization Service (JAAS)モデルを実装するOracle ADF Securityに基づいています。次の章では、WebCenter Portalアプリケーションのセキュリティ構成について説明します。

1.11 WebCenter Portalアプリケーションのデプロイ

第7章「WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションのデプロイ」では、Oracle JDeveloperで作成した.EARファイルからのFrameworkアプリケーションのデプロイ、再デプロイおよびアンデプロイについて説明します。

第24.8項「ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイ」では、WSRPおよびPDK-Javaポートレット・プロデューサのデプロイについて説明します。


注意:

WebCenter PortalのSpacesアプリケーションは、インストール時にデプロイされます(.EARファイルとしてデプロイできない)。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストール・ガイドのOracle WebCenter Portalのインストールに関する項を参照してください。


1.12 データの移行、バックアップおよびリカバリ

Oracle WebCenter Portalでは、様々な機能領域についての構成および内容に関連するデータが複数の場所に格納されています。WebCenter Portalには、障害回復や、開発からステージングおよび本番までの本番ライフサイクル全体を容易にするための一連のユーティリティが用意されており、それによりこのデータをバックアップし、ステージング環境と本番環境のWebCenter Portalアプリケーションの間でデータを移動できます。

第40章「WebCenter Portalのエクスポート、インポート、バックアップおよびリカバリの管理」では、バックアップ、インポートおよびエクスポート機能、およびこれらの作業に利用可能なツールについて説明します。

1.13 Oracle WebCenter Portalの管理ツール

WebCenter Portalには、次の管理ツールがあります。

これらの管理ツールは、Spacesを含む、すべてのWebCenter Portalアプリケーションに適用されます。また、管理者は、管理作業を実行するために、構成ファイルを編集するのではなくこれらのツールを使用する必要があります。最適なツールを決定するためのヘルプは、付録A「構成ツール」を参照してください。

システム管理ツールのほかに、個々のアプリケーションは、次の実行時管理ページも提供します。

1.13.1 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールは、Oracle WebCenter Portalをインストールする際にデプロイされるブラウザ・ベースの管理アプリケーションです。Fusion Middleware Controlコンソールから、ファーム(Oracle WebCenter PortalおよびWebCenter Portalアプリケーションを含むものなど)を監視および管理できます。

Fusion Middleware Controlでは、多種多様なパフォーマンス・データおよび管理機能を整理し、個別のWebベースのホームページで提供しています。これらのホームページでは、Webブラウザから、WebCenter Portalコンポーネントの最も重要な監視データおよび最も一般的な管理機能をすぐに見つけることができます。Fusion Middleware Controlコンソールの一般情報は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Enterprise Manager Fusion Middlewareコンソールの概要に関する項を参照してください。

Fusion Middleware Controlは、Oracle WebCenter Portalの主要管理ツールです。このツールを使用して、次のことができます。

  • WebCenter Portalアプリケーションのデプロイ、アンデプロイおよび再デプロイ

  • バックエンド・サービスの構成

  • セキュリティ管理の構成

  • プロセス・ライフサイクルの制御

  • ログ・ファイルへのアクセスおよびログ構成の管理

  • データ移行の管理

  • パフォーマンスの監視

  • 実行時の問題の診断

  • 関連コンポーネントの管理(親管理対象サーバー、MDS、ポートレット・プロデューサなど)

1.13.1.1 Fusion Middleware Controlコンソールの表示

Fusion Middleware Controlの起動の詳細は、第6.1項「Fusion Middleware Controlコンソールの表示」を参照してください。

1.13.2 Oracle WebLogic Server管理コンソール

Oracle WebLogic Server管理コンソールは、WebLogic Serverドメインの管理に使用されるブラウザ・ベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。

管理サーバーは、管理コンソール(管理サーバー管理対象サーバーのホスト・アプリケーションへネットワーク・アクセスできる、サポートされている任意のWebブラウザからアクセス可能なWebアプリケーション)をホストします。

管理コンソールは、次のことのために使用します。

  • WebLogic Serverインスタンスの構成、起動および停止

  • WebLogic Serverクラスタの構成

  • データベース接続性(JDBC)およびメッセージング(JMS)などのWebLogic Serverサービスの構成

  • ユーザー、グループおよびロールの作成および管理を含むセキュリティ・パラメータの構成

  • アプリケーションの構成およびデプロイ

  • サーバーおよびアプリケーションのパフォーマンスの監視

  • サーバーおよびドメイン・ログ・ファイルの表示

  • アプリケーションのデプロイメント記述子の表示

  • 選択したランタイム・アプリケーションのデプロイメント記述子エレメントの編集

Oracle WebLogic Server管理コンソールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle WebLogic Server管理コンソールの表示に関する項を参照してください。

ドメイン構成のロック

構成を変更する前に、ドメインのための構成設定をロックする必要があります。管理コンソールのチェンジ・センター(図1-4)に移動し、「ロックして編集」をクリックします。

構成の更新が完了したら、「構成の解放」をクリックして変更を解放します。

図1-4 Oracle WebLogic Server管理コンソール内のチェンジ・センター

チェンジ・センターのロックおよび編集

1.13.3 Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)

WebLogic Scripting Tool (WLST)により、コマンドラインから、Oracle WebCenter PortalなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを管理できます。

WLSTは、Javaスクリプト・インタプリタであるJythonに基づいた、Oracle WebLogic Serverドメインを管理するための完全なコマンドライン・スクリプト環境です。WLSTは、ローカル変数、条件変数およびフロー制御文などのJythonの標準機能に対するサポートに加えて、Oracle WebLogic Serverに固有の一連のスクリプト機能(コマンド)も提供します。Jython言語構文に従って、要件に合せてWebLogicスクリプト言語を拡張できます。

WebCenter Portalアプリケーション接続(コンテンツ・リポジトリ、ポートレット・プロデューサ、外部アプリケーションおよび他のバックエンド・サービスへの接続)を管理するためのWLSTコマンドも用意されています。すべてのWebCenter Portal WLSTコマンドは、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のWebCenter PortalのカスタムWLSTコマンドに関する項で説明されています。

1.13.3.1 Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行

すべてのWebCenter Portal WLSTコマンドは、WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリ(WC_ORACLE_HOME)から実行する必要があります


注意:

間違ったディレクトリからWebCenter Portal WLSTコマンドを起動しようとすると、NameErrorが表示されます。このエラーを回避するには、次に説明するように、常にWebCenter Portal WLSTコマンドをWebCenter Portal Oracleホーム(WC_ORACLE_HOME/common/bin)から実行します。

第D.3項「WebCenter Portal WLSTコマンド問題のトラブルシューティング」も参照してください。


コマンドラインからWLSTを実行する手順は、次のとおりです。

  1. 次のように、WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリに移動してWLSTスクリプトを起動します。

    (UNIX) WC_ORACLE_HOME/common/bin/wlst.sh

    (Windows) WC_ORACLE_HOME\common\bin\wlst.cmd

  2. WLSTコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力してWebCenter Portalの管理サーバーに接続します。

    wls:/offline>connect('user_name','password', 'host_name:port_number')
    

    各要素の意味は次のとおりです。

    • user_nameは、管理サーバーに接続しているオペレータのユーザー名です。

    • passwordは、管理サーバーに接続しているオペレータのパスワードです。

    • host_nameは、管理サーバーのホスト名です。

    • port_numberは、管理サーバーのポート番号です。

    次に例を示します。

    connect(username='weblogic', password='mypassword', url='myhost.example.com:7001')
    

    次のように、対話モードでパラメータなしで管理サーバーに接続することもできます。

    wls:/offline> connect()
    Please enter your username :weblogic
    Please enter your password :
    Please enter your server URL [t3://localhost:7001]:t3://myhost.example.com:7001
    Connecting to t3://myhost.example.com:7001 with userid weblogic ...
    Successfully connected to Admin Server 'AdminServer' that belongs to domain 'wc_domain'.
    

    このコマンドのヘルプについては、WLSTコマンド・プロンプトでhelp('connect')と入力してください。


    注意:

    SSLが使用可能になっている場合は、wlst.shまたはwlst.cmdファイルを編集して、次のJVM_ARGSに追加する必要があります。

    -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
    -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
    

    またはsetenv CONFIG_JVM_ARGS

    -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
    -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
    

  3. 管理サーバーに接続したら、WebCenter Portal WLSTコマンドおよび他の任意の汎用WLSTコマンドを実行できます。

WebCenter Portal WLSTコマンドの実行のヒント

  • WebCenter Portal WLSTコマンドをリストするには、WLSTコマンド・プロンプトで、help('webcenter')と入力します。

    メッセージ「WebCenterのヘルプが見つかりません...」が表示される場合は、WLSTスクリプトを誤ったディレクトリから実行している可能性があります。たとえば、wlst.shまたはwlst.cmdを、WC_ORACLE_HOME/common/binではなくoracle_commonディレクトリから実行している可能性があります。

  • 特定のコマンドのヘルプについては、WLSTコマンド・プロンプトで、help('WLST_command_name')と入力します。

  • コマンドの実行時と、特にWLSTスクリプトの記述時に、引数名を含めます。たとえば、次のように入力することをお薦めします。

    createExtAppConnection(appName='webcenter', name='myXApp'...

    次のように入力することはお薦めしません。

    createExtAppConnection('webcenter', 'myXApp'...

    どちらの構文も有効ですが、引数名を含める場合に、エラーまたは構成ミスの可能性が少なくなります。また、将来、引数を追加する場合も、コマンドが失敗することや誤ったプロパティを構成することがありません。

  • クラスタ環境では、コマンドを実行するときに、必ず「server」引数を指定してください。すべてのWebCenter Portal WLSTコマンドには、クラスタにデプロイされているWebCenter Portalアプリケーションに必須のserver引数が含まれています。『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のWebCenter Portal WLSTコマンドに関する項も参照してください。

  • WebCenter Portal WLSTコマンドのオンライン・ドキュメントは、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のWebCenter PortalのカスタムWLSTコマンドに関する項から入手可能です。

1.13.4 システムMBeanブラウザ

Fusion Middleware Controlは、Oracle WebLogic Serverまたは選択されたアプリケーションのためにMBeanを参照できる、一連のMBeanブラウザを提供します。


注意:

システムMBeanブラウザからWebCenter PortalアプリケーションのMBeanを監視および構成できますが、構成のためのツールとしてはお薦めしません。WLSTコマンドを使用するか、Fusion Middleware ControlのWebCenter Portalの設定メニュー・オプション(アプリケーションのホームページから使用可能)を介してWebCenter Portalアプリケーションを構成することをお薦めします。


WebCenter PortalアプリケーションのアプリケーションMBeanにアクセスする手順は、次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、SpacesアプリケーションまたはFrameworkアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

    • Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

  3. 「アプリケーション定義のMBean」を開きます。

  4. 表示または構成するMBeanに移動します。

    たとえば、Frameworkアプリケーションの場合は、次のようにadf-config.xmlおよびconnections.xmlのMBeanに移動できます(図1-5)。

    • adf-config - 「oracle.adf.share.config」「サーバー: (サーバー名)」「アプリケーション: (アプリケーション名)」「ADFConfig」「ADFConfig」「ADFConfig」をクリックします。

    • connections - 「oracle.adf.share.connections」「サーバー: (サーバー名)」「アプリケーション: (アプリケーション名)」「ADFConnnections」「ADFConnnections」をクリックします。

  5. MBeanの属性を表示するには、「属性」タブを選択します。一部の属性は、値を変更できます。これを行うには、「値」列に値を入力します。

    図1-5 システムMBeanブラウザ

    システムMBeanブラウザ
  6. 「適用」をクリックして属性値を更新します。

  7. 親MBean (たとえば、ADFConfigまたはADFConnections)に移動して「操作」タブを選択し、「保存」をクリックして変更を保存します。

  8. WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーを再起動します。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

1.13.5 Spaces管理ページ

Spacesアプリケーションには、複数の独自の管理ページがあります。管理ページは、管理者のユーザー名とパスワードを使用してアプリケーションにログインしたユーザーのみに表示されます。

Spacesの管理ページでは、次のことができます。

  • Spacesアプリケーションのカスタマイズ

  • ユーザーおよびロールの管理

  • Spacesアプリケーションのためのサービス設定の管理

  • ポートレット・プロデューサおよび外部アプリケーションの管理

  • 個々のスペースおよびスペース・テンプレートの管理

  • ビジネス・ロール・ページの作成および管理

  • 個人用ページの管理

  • 個々のスペースおよびスペース・テンプレートのエクスポートおよびインポート

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのSpaces管理ページへのアクセスに関する項を参照してください。

1.13.6 WebCenter Portal管理コンソール

WebCenter Portal: Frameworkを使用して構築されたポータル・アプリケーションには、管理者が実行時に一般的な管理作業を実行できる、管理ページを含むこともできます。詳細は、第37章「WebCenter Portal管理コンソールの使用」を参照してください。