StorageTek Automated Cartridge System Library Software 高可用性 8.3 クラスタインストール、構成、および操作 リリース 8.3 E54098-01 |
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ACSLS HA は、コンポーネントやサブシステムに障害が発生した場合に、中断なしのテープライブラリの制御サービスを保証するためにデュアル冗長性、自動回復、および自動フェイルオーバー回復を提供するハードウェア構成およびソフトウェア構成です。このドキュメントでは、ACSLS ソフトウェアに可用性を提供するために必要な構成、設定、およびテストの手順について説明します。
手順を開始する前に、完全なインストールプロセスを確認します。クラスタ化されたアプリケーションのインストールプロセスには、細部まで厳しく注意する必要のある複数の手順が伴います。通常、この手順は Unix システム統合の専門家によって実行されます。
ACSLS HA システムに関連付けられたハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントが複数あるため、完全なインストール手順を実行するには数日間かかることもあります。既存の本番ライブラリ環境の場合、ACSLS HA インストールの処理中でもライブラリが運用されるように、お客様は単純なスタンドアロン ACSLS サーバーをインストールすることをお勧めします。
構成は 2 ノードのクラスタです。重大なシステム障害を検出できるモニタリングソフトウェアを備えた 2 つの完全なサブシステム (1 つはアクティブ、1 つはスタンバイ) が含まれます。サブシステムに回復不能な障害が発生した場合に、制御をプライマリからスタンバイシステムに切り替えることができます。この構成では、冗長電源装置、および一般的なスイッチオーバーの必要なしに即座にサブシステムの通信障害から回復できる冗長ネットワークと I/O の相互接続が提供されます。
ACSLS HA では、Solaris Cluster のモニタリングおよびフェイルオーバー機能および Solaris オペレーティングシステムのマルチパス機能を活用することで、最小の停止時間で回復性の高いライブラリの制御操作が実現されます。Solaris では、中断なしのネットワーク接続を保証する IP マルチパス、およびシステムデータへの中断なしのアクセスを保証する RAID-1 を使用したマルチパスディスク I/O が提供されています。Solaris Cluster は、オペレーティングシステム、内部ハードウェア、および外部 I/O リソースを含むシステムリソースの健全性を監視することで、必要に応じて、システムのスイッチオーバーを管理できます。さらに、ACSLS HA エージェントは、ACSLS アプリケーション、そのデータベース、そのファイルシステム、および StorageTek ライブラリリソースへの接続をモニターして、必要に応じて、Solaris Cluster のフェイルオーバーサービスを起動します。
このような冗長構成では、クラスタフレームワークの内外で常に認識されている単一の論理ホスト ID が ACSLS Library Control Server に割り当てられています。この ID は、必要に応じてクラスタノード間で自動的に転送されますが、転送時の停止時間は最小限です。
プロジェクトに着手する前に、ここで説明するように、ACSLS HA をインストールおよび構成する完全なプロセスを確認します。必要に応じて、Oracle の Advanced Customer Services でインストール全体の忠告、支援、および処理を対応できる場合もあります。
ACSLS-HA サーバーは、1 つの RAID ディスクアレイを共有する 2 台の Solaris サーバーノードで構成されます。
ACSLS-HA 8.3 は、Solaris Cluster 4.1 の最小ハードウェア要件を満たすシステム上で実行するようにしてください。特定のサーバープラットフォーム要件については、『Oracle Solaris Cluster のシステム要件』というタイトルのドキュメントを参照してください。
単一障害点を回避するには、各 ACSLS-HA サーバーノードに次のものを構成する必要があります。
デュアル (冗長) 電源装置
6 つの 10/100/1000 Base-T Ethernet ポート
2 つのファイバチャネルポート (FC 接続のストレージを使用している場合)
2 つの SAS ポート (SAS 接続のストレージを使用している場合)
システムが論理ライブラリ用に構成されている場合は、SCSI クライアントアプリケーションをサポートしている構成に、1 つ以上の専用ファイバチャネルポートを追加する必要があります。
ファイバ接続のライブラリ (StorageTek SL500 や SL150 など) 用に構成するには、1 つのファイバチャネルポートを追加する必要があります。
サポートされているディスクアレイサブシステムについては、『Oracle Solaris Cluster Storage Partner Program』というタイトルのドキュメントを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/solaris-cluster/partnerprogram-cluster-168135.pdf
合計で 7 つの IP アドレスを予約するようにしてください。
1 - 論理ホスト (クラスタの仮想 IP (VIP))
2 - ノード 1 の IP アドレス
3 - ノード 2 の IP アドレス
4 - ライブラリインタフェース 1 のソース IP アドレス (ノード 1)
5 - ライブラリインタフェース 2 のソース IP アドレス (ノード 1)
6 - ライブラリインタフェース 1 のソース IP アドレス (ノード 2)
7 - ライブラリインタフェース 2 のソース IP アドレス (ノード 2)
ライブラリ 1 とライブラリ 2 は異なるサブネット上に存在することが理想的です (図 2-1 を参照)。
新しい ACSLS HA システムをインストールする前、または ACSLS HA システムを新しいリリースにアップグレードする前に、ACSLS HA をインストールするお客様環境に関する情報を確認し、記録します。
次のインストール前チェックリストを記入すると、リスクが排除されます。これにより、インストールがスムーズに処理され、お客様環境に関する詳細の一部を待っている間も遅延されません。
たとえば、一時的なスタンドアロンの ACSLS サーバーの新しい IP アドレスや、新しいハードウェアの電源コードとお客様の電源装置との互換性が必要となります。
このお客様をサポートする現地の Oracle 担当者はだれですか。
Solaris システム管理の経験者はいますか。
ACSLS の経験者はいますか。
ACSLS HA の経験者はいますか。
ACSLS HA サーバーやお客様のネットワークなどのアクティビティーをサポートするお客様のシステム管理担当者はだれですか。
Solaris システム管理の経験者はいますか。
ACSLS の経験者はいますか。
ACSLS HA の経験者はいますか。
ネットワーク管理者はだれですか。
Oracle Sun サーバーのモデルは何ですか。
Solaris リリースおよび更新のレベルは何ですか。
メモリー (最小 4 GB)。
ディスクをミラー化するには、各サーバーにデュアルブートデバイスが必要です。
共有ディスクのモデルは何ですか。共有ディスクが Solaris Cluster でサポートされている必要がありますか。
各 ACSLS サーバーを共有ディスクアレイに接続するために使用される SAS またはファイバ HBA。
各 ACSLS サーバーに 6 つの Ethernet ポートが必要です。
ACSLS がファイバ接続のライブラリ (SL500 または SL150) を管理している場合や、ACSLS にファイバターゲットモードのポートを使用している論理ライブラリが表示されている場合は、各 ACSLS サーバー上にファイバ HBA が必要です。
お客様環境に Solaris サーバーおよびディスクアレイを接続するために必要な電源コードは何ですか。たとえば、HA のインストールが遅延しないようにするには、プラグがお客様サイトの電源コンセントと一致する必要があります。
HA のインストールを開始する前に、HA サーバーおよび共有ディスクアレイが正しく構成されていることを確認します。
ACSLS HA サーバーには、追加のネットワークインタフェースコントローラ (NIC) カードが必要です。
共有ディスクアレイと通信するには、ACSLS HA サーバーに適切な HBA を構成する必要があります。
ACSLS がファイバ接続のライブラリ (SL500 や SL150 など) と通信する場合は、ファイバ HBA が必要です。
ACSLS にファイバターゲットモードを使用している論理チャネルが表示されている場合は、Qlogic Fibre HBA が必要です。
次のネットワーク情報を確認します。
インストールするには、合計で 9 つの IP アドレスが必要です。
ACSLS サーバーノード 1 のローカルアドレス
ACSLS サーバーノード 2 のローカルアドレス
論理ホストアドレス (2 台の HA ノード間で共有される仮想 IP アドレス)
ノード 1 からのライブラリ接続 a
ノード 1 からのライブラリ接続 b (デュアル TCP/IP またはマルチ TCP/IP による冗長化の場合)
ノード 2 からのライブラリ接続 a
ノード 2 からのライブラリ接続 b (デュアル TCP/IP またはマルチ TCP/IP による冗長化の場合)
ノード 1 上の ILOM
ノード 2 上の ILOM
ACSAPI クライアントは ACSLS と通信しますか。
HA フェイルオーバー後の自動的な通信の再開を ACSAPI クライアントに許可するために、仮想 IP アドレスでアクティブな ACSLS HA ノードが使用されます。
ACSAPI クライアント上で ACSLS HA の仮想 IP アドレスまたはホスト名を設定する方法を知っていますか。(これは、クライアント上で実行されている ISV アプリケーションによって異なります。)
TCP/IP 接続のライブラリ (SL8500、SL3000、および 9310) と通信するために ACSLS で使用される IP アドレス。
ACSLS サーバーとライブラリ間の通信には、別々のサブネットが構成されているはずです。これらのサブネットは、一般的なネットワークブロードキャストトラフィックから保護されているはずです。
デュアル TCP/IP、マルチ TCP/IP、または冗長電子装置 (あるいはすべて) を使用して、ライブラリ (複数可) への冗長接続が構成されている場合、この通信は冗長性を提供するために 2 つの別々のサブネット上で行われるはずです。
ACSLS HA サーバーとライブラリ (複数可) 間のネットワーク図が役立つことがあります。
各 ACSLS HA ノード上のサービスプロセッサ (ILOM や ALOM など) にアクセスするために必要な IP アドレスとパスワード。
オペレーティングシステムをインストールするための CD ROM ドライブが搭載された 2 台の HA サーバーノードがありますか。あるいは、その要件に適切に対処できるジャンプスタートサーバーがローカルイントラネット内にありますか。
DVD ROM とコンソールアクセスを備えた 2 台の Solaris プラットフォーム、または ALOM/ILOM コンソールアクセスを使用してオペレーティングシステムをリモートでインストールする機能がありますか。
Oracle eDelivery の Web サイトからソフトウェア (Oracle Solaris Cluster、ACSLS、ACSLS-HA、その他の必要なパッケージやパッチなど) をダウンロードできるように、HA サーバーからインターネットへの直接的または間接的なアクセスを構築しますか。
間接的なアクセスの場合は、ファイルをインターネットから HA サーバーに転送できることを確認します。
ソフトウェアをインターネットからローカルマシンに直接ダウンロードする場合は、ブラウザの構成に必要な完全なプロキシ情報をインストール時に入手できることを確認します。
ACSAPI クライアント (バックアップや Information Lifecycle Management アプリケーションなど) は ACSLS と通信しますか。
ACSAPI クライアントが ACSLS と通信する場合、クライアントアプリケーション (NetBackup や Oracle SAM など) は何ですか。
使用するクライアントのバージョンは何ですか。
クライアントが Windows 上で実行され、LibAttach を使用している場合、実行されている LibAttach のバージョンは何ですか。
クライアントアプリケーションは、ファイバチャネルターゲットモードのポートを使用して ACSLS 論理ライブラリと通信しますか。
クライアントアプリケーション (NetBackup や Oracle SAM など) は何ですか。
使用するクライアントのバージョンは何ですか。
ACSLS HA を完全にインストールするには、次の手順を実行する必要があります。
一般的な外部ファイバチャネルまたは SAS2 ディスクアレイに接続されている 2 台の Solaris プラットフォームサーバーをインストールします。各サーバー上に Solaris 11.1 をインストールします。Oracle Technology Network ライブラリから入手可能な『Oracle Solaris 11 システムのインストール』ドキュメントを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/documentation/solaris-11-192991.html
基本的な Solaris システムを構成します。"ACSLS HA 用の Solaris システムの構成."を参照してください。
ユーザーアクセス権限
マルチパスネットワークアクセスとディスク I/O
ZFS ファイルシステムを構成します。"ZFS を使用したファイルシステムの構成."を参照してください。
ルートストレージプール
ACSLS ストレージプール
ソフトウェアパッケージをダウンロードします。"ソフトウェアパッケージのダウンロード."を参照してください。
ACSLS 8.3.0 (更新を適用済み)
Solaris Cluster 4.1 (更新を適用済み)
ACSLS-HA 8.3.0
ACSLS 8.3.0 とパッチ更新をインストールします。"ACSLS 8.3 のインストール."を参照してください。
Solaris Cluster 4.1 とパッチ更新をインストールします。"Solaris Cluster 4.1 のインストール."を参照してください。
ACSLS-HA 8.3.0 をインストールします。"ACSLS HA 8.3 のインストールと起動."を参照してください。
ACSLS HA 用に Cluster 操作を調整します。"ACSLS HA の微調整."を参照してください。