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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解
12c (12.1.2)
E47970-02
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3 Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントの概要

この章ではOracle WebLogic Server、Oracle HTTP ServerおよびOracle CoherenceなどのOracle Fusion Middlewareのコンポーネントについて説明します。

3.1 Oracle WebLogic Serverの理解

Oracle WebLogic Serverは、スケーラブルな企業向けのJava Platform, Enterprise Edition (Java EE)アプリケーション・サーバーです。Oracle WebLogic Serverのインフラストラクチャは、様々な分散アプリケーションのデプロイメントをサポートしており、SOAに基づいてアプリケーションを構築するための理想的な基盤です。

Java EEは、Javaプログラミング言語においてサーバー・プログラミング用に広く使用されているプラットフォームです。Java EEプラットフォームでは、JavaのStandard Editionとは異なり、主にアプリケーション・サーバー上で実行されるモジュール形式のコンポーネントに基づいて、フォルト・トレラントな分散多層Javaソフトウェアをデプロイする機能を提供するライブラリが追加されています。

企業は、Oracle WebLogic Serverにより、Java EEの実装だけでなく、堅牢でセキュアな高可用性のある管理しやすいスケーラブルな環境にビジネスクリティカルなアプリケーションをデプロイすることができます。これらの特徴により、企業はOracle WebLogic Serverインスタンスのクラスタを構成し、ロードを分散し、ハードウェアまたはその他の障害が発生した際にかわりとなる処理能力を提供できます。新しい診断ツールにより、システム管理者はデプロイ済アプリケーションのパフォーマンスやOracle WebLogic Serverの環境自体を監視および調整できます。また、人による操作を介さずにアプリケーション・スループットを自動的に監視および調整するようにOracle WebLogic Serverを構成することもできます。広範なセキュリティ機能により、サービスへのアクセスが保護され、企業データの機密が保護され、悪質な攻撃が防止されます。

詳細は、「Oracle WebLogic Serverの理解」を参照してください。

3.2 Oracle Web Servicesの理解

Webサービスは、ネットワーク上の他のシステムから利用可能な1つのアプリケーションにパッケージされた一連の関数です。ネットワークは企業イントラネットでもインターネットでも構いません。Webサービスは、大部分のシステムに備わっている基本的な標準テクノロジに依存しているため、分散システムを相互接続する場合に適した方法です。これらは、Webベースの分散アプリケーションのコンポーネントとして共有および使用できます。カスタマ・リレーションシップ・マネジメント・システム、注文処理システム、他の既存のバックエンド・アプリケーションなどその他のシステムでは、Webサービス関数をコールし、データを要求したり、操作を実行できます。

Oracle Fusion MiddlewareのWebサービスの概要、各カテゴリでサポートされているWebサービスとクライアントの説明、およびOracle Fusion Middleware Webサービスの実装のロードマップの詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』のOracle WebLogic Web Servicesの概要に関する項を参照してください。

3.3 Oracle Coherenceの理解

Oracle Coherenceはクラスタ・データの管理において、読み書きアクセスに対しては完全な一貫性と単一のシステム・イメージ(SSI)およびスケーラビリティを、また、ストレージと処理に対しては透過的なフェイルオーバーとフェイルバック、そしてリニア・スケーラビリティを提供し、さらにシングル・ポイント障害(SPOF)のない、クラスタ全体のロックとトランザクションを提供します。

この基盤の上に、データベース・キャッシング、HTTPセッション管理、グリッド・エージェントの起動、分散問合せなど、Coherenceが提供する様々なサービスが構築されます。

Oracle Coherenceの詳細は、『Oracle Coherenceでのアプリケーションの開発』のCoherenceの概要に関する項を参照してください。

3.4 Oracle HTTP Serverの理解

Oracle HTTP Serverは、Apache HTTP Serverインフラストラクチャをベースとしており、Oracleが専用に開発したモジュールが含まれます。シングル・サインオン、クラスタ・デプロイメント、および高可用性の機能によって、Oracle HTTP Serverの動作が向上しています。Oracle HTTP Serverには、クライアント・リクエストを処理する次のコンポーネントがあります。

Oracle HTTP Serverの詳細は、『Oracle HTTP Serverの管理』を参照してください。

3.5 Oracle User Messaging Serviceの理解

Oracle User Messaging Serviceは、ユーザーとデプロイされたアプリケーション間での双方向通信を可能にします。主な機能は次のとおりです。

Oracle User Messaging Serviceの詳細は、『Oracle User Messaging Serviceの管理』を参照してください。

3.6 Oracle Platform Security Servicesの理解

Oracle Platform Security Servicesは、エンタープライズ製品開発チーム、システム・インテグレータおよび独立系ソフトウェア・ベンダーに、Java SEおよびJava EEアプリケーション向けの標準ベースの移植性の高いエンタープライズグレードの統合セキュリティ・フレームワークを提供します。

Oracle Platform Security Servicesは、基盤となるセキュリティ・プラットフォームとして、WebLogic Server、Server Oriented Architecture (SOA)アプリケーション、Oracle WebCenter、Oracle Application Development Framework (ADF)アプリケーション、Oracle Entitlement ServerなどのOracle Fusion Middlewareにセキュリティを提供します。

Oracle Platform Security Servicesは、セキュリティおよびID管理の実装の煩雑さから開発者を解放する、アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)形式の抽象化レイヤーを提供します。OPSSを使用すれば、開発者は、暗号キーの管理、リポジトリ・インタフェースや他のアイデンティティ管理インフラストラクチャについて詳しく把握しておく必要がありません。社内開発アプリケーション、サード・パーティ・アプリケーションおよび統合アプリケーションでは、OPSSを使用することで、企業全体で統一された同一のセキュリティ・サービス、アイデンティティ管理サービスおよび監査サービスを利用できます。

3.7 Oracle Data Integratorの理解

Oracle Data Integrator (ODI)には、複雑なデータ・ウェアハウスを構築、デプロイおよび管理するため、あるいはSOAまたはビジネス・インテリジェンス環境のデータ集中型アーキテクチャの一部として、完全に統一されたソリューションが用意されています。さらに、データ統合のあらゆる要素(データの移動、データの同期化、データ品質、データ管理、データ・サービス)を組み合せて、複雑なシステムにおいて情報の迅速さ、正確さおよび一貫性を保証します。

Oracle Data Integratorの特徴は、データ統合のあらゆるスタイル(データ中心、イベント中心、サービス中心)を組み込んだアクティブな統合プラットフォームです。ODIでは、大量のデータの効率的な変換、高度なチェンジ・データ・キャプチャ(CDC)機能によるリアルタイムのイベント処理、Oracle SOA Suiteに対するデータ・サービスの提供によって、分断化状態の統合が統一されます。また、堅牢なデータ整合性制御機能によって、データの一貫性と正確性が保証されます。異種のE-LT、宣言的な設計、ナレッジ・モジュールなど、中核となる強力な差別化機能によって、Oracle Data Integratorは、統合プラットフォームのパフォーマンス、柔軟性、生産性、モジュール性およびホットプラガブル性の要件を満たします。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のOracle Data Integratorの概要に関する項を参照してください。