Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング 12c (12.1.2.0) E47982-02 |
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この章では、既存のOracle Fusion Middleware 11gユーザーを対象にOracle Fusion Middleware 12cの概念および用語について説明します。
この章で説明する項は、次のとおりです。
関連項目: Oracle Fusion Middlewareの概要 Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング |
Oracle Fusion Middleware 11gユーザーは、12cで導入された新しい用語と概念および既存の11gの用語の変更点を理解する必要があります。
いくつかの重要な概念と用語が12cで再定義されました。アップグレードする前に新しい用語を理解することが重要です。また、多くの用語が非推奨になりました。
『Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』の12c リリース1 (12.1.2)における新しい用語および非推奨になった用語に関する項を参照してください。
Fusion Middleware 11gリリース1で使用されているアップグレードおよびパッチ適用の定義は、リリース12c (12.1.2)で再定義されました。次の用語の変更点を確認して、既存の環境の更新に必要なパスを確実に理解してください。
メジャー・リリースは、新しく革新的で標準に準拠した機能で構成されています。メジャー・リリースには、新しいデータベースRSF、JDBCドライバ、JDK依存関係および新しい動作保証と言語サポートが導入されている場合があります。
リリース12cでは、マイナー・リリースには、既存の機能のバグ修正に加え、非常に新しい機能の小さいセットが含まれています。マイナー・リリースにアップグレードすると、既存のすべての製品構成がサポートされ、新しい構成オプションを利用できるようになります。
リリース12cでは、アップグレードは、サポートされているFusion Middleware 11gデプロイメントでの新しい機能、機能拡張およびバグ修正を取得するために実行されます。次の例は、サポートされているアップグレード・パスを示しています。
11.1.1.6.0または11.1.1.7.0から12.1.2.0.0への移行
12.1.2.0.0から12.1.3.0.0への移行
リリース12cでは、バグを解決するためにFusion Middlewareのパッチ・セットがリリースされています。パッチ・セット・リリースには、新しい機能は含まれません。パッチ・セットは、新しいバイナリのセットと置き換えるかまたは既存のインストールに追加します。
『Opatchによるパッチ適用』では、リリース12c (12.1.2)でのパッチの適用に関する用語が説明されています。
Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.2)ライブラリは、12cのために再設計されました。アップグレード・ドキュメントはタスク別に整理され、タスク固有のページには、一般的なアップグレード手順および関連したドキュメントへのダイレクト・リンクが記載されています。このガイドでは、追加情報として次のライブラリ・ページのドキュメントを紹介します。
各Fusion Middlewareリリース12c (12.1.2)アップグレード・ガイドは、標準的なアップグレード・トポロジを説明します。標準的なアップグレード・トポロジは、コンポーネントに固有のインストレーション・ガイドで説明している標準的なインストール・トポロジに基づいています。標準的なインストール・トポロジは、例として説明されており、製品をサポートしている唯一のトポロジではありません。各インストレーション・ガイドでは、標準的なトポロジを作成するための特定の手順を説明していますが、目的が異なる場合のために、参照としてサポートしているドキュメントへのリンクが記載されています。
コンポーネント固有のアップグレード・ガイドでは、アップグレード・トポロジを構成する特定の手順を説明していますが、インストールまたは構成時に選択をカスタマイズする場合は、そのタスクを実行できるように、サポートしているドキュメントの参照が記載されています。
標準的なトポロジの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の開始点として標準的なインストール・トポロジを使用する方法に関する項を参照してください。
Oracle Fusion Middleware 12cソフトウェアは、製品ディストリビューションのシリーズとして取得されます。ディストリビューションは、Oracle Fusion Middleware製品および機能セットが事前定義されたセットをインストールするインストーラが含まれたアーカイブです。機能セットには、製品およびサービスが含まれており、これらは、該当する製品を選択すると、自動的にインストールされます。
製品ディストリビューションは、Oracle Software Delivery CloudまたはOracle Technology Networkのいずれかから取得できます。ディストリビューションを取得するためにアクセスする必要のあるサイトの詳細な情報は、「Oracle Fusion Middlewareダウンロード、インストールおよび構成のReadmeファイル」ページを参照してください。
Oracle Fusion Middlewareリリース12c (12.1.2)は、多くのアップグレード関連タスクを自動化するインストール、アップグレードおよび構成ツールのスイートを提供します。
これらのツールは、製品ディストリビューションの一部としてインストールされます。アップグレード時に使用されるツールについては、表1-1を参照してください。
表1-1 インストール、アップグレードおよび構成ツール
ツール名 | 説明 | 関連ドキュメント |
---|---|---|
Oracle Universal Installer (OUI) |
Universal Installerは、アップグレード・プロセス時に、12c製品ディストリビューションおよび機能セットをインストールするために使用します。 注意: 主要な各コンポーネントには、固有のインストレーション・ガイドがあります。これらのガイドは、コンポーネントでUniversal Installerを使用する方法の詳細を説明しています。 |
Oracle Universal Installerを使用したソフトウェアのインストール |
Oracle Upgrade Assistant (UA) |
リリース12c (12.1.2)で、Upgrade Assistantは全面的に再設計されました。Upgrade Assistantを使用して、サポートされている11gスキーマおよびWebLogicドメイン・コンポーネント構成を更新できるようになりました。 パッチ・セット・アシスタントは、スキーマのアップグレードに使用されなくなったため、Fusion Middleware 12c (12.1.2)に含まれていません。 注意: 主要な各コンポーネントには、固有のアップグレード・ガイドがあります。これらのガイドは、コンポーネントでUpgrade Assistantを使用する方法の詳細を説明しています。 |
『Upgrade Assistantによるアップグレード』 |
Repository Creation Utility (RCU) |
Repository Creation Utility (RCU)は、データベースにスキーマを作成するために使用するツールです。アップグレードする内容によっては、Upgrade Assistantを実行する前にスキーマを作成する必要があります。 注意: アップグレード前に、すべてのコンポーネントに新しい12.1.2スキーマを作成する必要があります。詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 |
Repository Creation Utilityを使用したスキーマの作成 |
Oracle構成ウィザード |
WebLogicドメインでアプリケーションを開発および実行する前に、最初にWebLogicドメインを作成する必要があります。構成ウィザードは、ドメインの作成および拡張のプロセスを簡略化します。 注意: Oracle HTTP Server (OHS)などのスタンドアロン・システム・コンポーネントをアップグレードする場合、構成ウィザードを使用してドメインを構成しないでください。Upgrade Assistantを使用してスタンドアロン・ドメインを作成および構成します。 |
『構成ウィザードによるドメインの作成』の構成ウィザードの概要に関する項 |
Oracle再構成ウィザード(12.1.2の新機能) |
Oracle WebLogic Serverをアップグレードする場合、再構成ウィザードを実行してドメインを再構成する必要があります。 再構成ウィザードを使用してWebLogic Serverドメインを再構成すると、WLSのコア・インフラストラクチャおよびドメイン・バージョンは自動的に更新されます。 注意: これは、リリース12c (12.1.2)のFusion Middlewareの新しいツールです。 |
詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 |
OPatch |
OPatchは、リリース12c (12.1.2)のパッチを適用する場合に使用します。パッチ適用の命名体系は、12.1.2で変更されました。必ず新しいパッチ定義を確認してください。 注意: 12c (12.1.2)では、パッチ・セット・インストーラはありません。Oracle Universal Installerは、すべてのメジャーおよびマイナー・リリースをインストールする場合に使用します。 |
OPatchを使用したパッチ適用 |
12c (12.1.2)へのアップグレードを実行するために実行するタスクおよび使用するツールは、11gで使用される手順およびツールとは異なります。
図1-1は、12c (12.1.2) Fusion Middleware Infrastructureにアップグレードする場合に使用するアップグレード手順およびツールの概要を示しています。コンポーネント固有のアップグレードを完了するために実行するタスクは、この例とは異なる場合があります。
表1-2は、アップグレード手順の概要および追加情報へのリンクを示しています。
注意: 次のプロセス・フローは、12.1.2アップグレードを完了するために実行される新しい手順およびツールの内容を示しています。 コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントには、コンポーネントのアップグレードに必要な個別タスクの詳細が説明されています。 |
表1-2 基本的なアップグレード・プロセスおよびアップグレード・ツールの理解
手順 | タスク | 使用するツール | ドキュメント |
---|---|---|---|
1 |
12c (12.1.2)で使用される新しい概念、開始点およびアップグレード・トポロジを確認します。 |
なし |
詳細は、第2章「アップグレード戦略の開発」を参照してください。 |
2 |
完全バックアップ/リカバリ戦略を作成および実行します。 |
状況により異なります。 |
詳細は、第3章「アップグレードのバックアップ/リカバリ戦略」を参照してください。 |
3 |
新しいOracleホームに12.1.2製品ディストリビューションをインストールします。 |
Oracle Universal Installer (OUI) |
12.1.2のインストール方法の詳細は、コンポーネント固有のインストール・ドキュメントを参照してください。 Oracle Universal Installerの使用方法の詳細は、Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールを参照してください。 |
4 |
Fusion Middlewareコンポーネントに新しい12.1.2スキーマを作成します。 |
Repository Creation Utility (RCU) |
アップグレードに必要なスキーマの詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 Oracle Repository Creation Utilityの使用方法の詳細は、『Repository Creation Utilityによるスキーマの作成』を参照してください。 |
5 |
アップグレードするコンポーネントの11gデータベース・スキーマをアップグレードします。 |
Upgrade Assistant (UA) |
UAを使用してデータベース・スキーマをアップグレードする方法の詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 UAを使用してデータベース・スキーマをアップグレードする方法の一般情報は、『Upgrade Assistantによるアップグレード』を参照してください。 |
6 |
Oracle WebLogicドメインを再構成します。 |
再構成ウィザード |
再構成ウィザードを使用してドメインを再構成する方法の詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 |
7 |
コンポーネント構成をアップグレードします。 |
Upgrade Assistant (UA) |
UAを使用してドメイン・コンポーネント構成をアップグレードする方法の詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 UAを使用してコンポーネント構成をアップグレードする方法の一般情報は、『Upgrade Assistantによるアップグレード』を参照してください。 |
8 |
アップグレード後に必要なすべてのタスクを実行します。 |
状況により異なります。 |
コンポーネントに必要なアップグレード後のタスクの詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 |
9 |
アップグレードが成功したことを確認します。最低でもサーバーおよびノード・マネージャが開始され、アプリケーションが予想どおりに機能することを確認します。 |
状況により異なります。 |
アップグレードされた環境に対して実行する必要がある確認プロセスの詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。 |