この章では、コマンドラインからRCUを実行する方法について説明します。
コマンドライン・インタフェース(CLI)は、アプリケーションのデプロイ時に、Oracle Fusion MiddlewareインストーラおよびEnterprise Managerとの統合を行うために必要です。また、Xサーバーが構成されていない場合や、適切な表示機能を持たないtelnet端末を使用している場合にも、CLIを使用できます。
この章は、次の項で構成されています。
RCUのコマンドライン・インタフェースの構文は、次のとおりです。
rcu mode operation {parameters}
2つのモード(-silent
および-interactive
)と、4つの操作(-createRepository
、-generateScript
、-dataLoad
および-dropRepository
)があり、コマンドは次のように記述できます。
rcu [-silent | -interactive] [-createRepository | -generateScript | -dataLoad | -dropRepository] {parameters}
この項の表では、各モード、操作およびパラメータについて説明します。
表3-1では、コマンドラインから使用可能なRCUモードを示して説明します。
表3-1 コマンドラインから使用可能なRCUモード
コマンド | 説明 |
---|---|
|
コマンドラインから最小限のやり取りで、またはやり取りなしでRCUを実行します。 詳細は、第3.2項を参照してください。 |
|
RCUグラフィカル・インタフェースを実行します。 (指定されているかどうかに関係なく)このコマンドにより、コマンドラインで指定されたとおりに、特定の画面に情報をあらかじめ設定することができます。あらかじめ情報を設定できるのは、「リポジトリの作成」および「データベース接続の詳細」です。 詳細は、第3.3項を参照してください。 |
表3-2では、コマンドラインから実行可能なRCU操作を示して説明します。
表3-2 コマンドラインから実行可能なRCU操作
コマンド | 説明 |
---|---|
|
詳細は、第3.4項を参照してください。 |
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詳細は、第3.5項を参照してください。 |
|
詳細は、第3.6項を参照してください。 |
|
詳細は、第3.7項を参照してください。 |
表3-3では、様々なコマンドライン・パラメータを示して説明します。
表3-3 RCUのコマンドライン・パラメータとその説明
パラメータ | 必須 | 有効な操作 | 説明 |
---|---|---|---|
|
いいえ |
すべて |
|
|
いいえ |
すべて |
|
|
いいえ |
すべて |
接続するデータベースのタイプ。 完全なDBA権限を持つユーザーとしてシステム・ロードと製品ロードを同時に実行する場合、有効なオプションは システム・ロードおよび製品ロードを同時に実行する権限を持たないが、スクリプトを生成する必要がある場合は、 システム・ロードおよび製品ロードの詳細は、第1.2.1項を参照してください。 |
|
はい |
すべて |
データベースに接続するための資格証明。 OracleまたはEBR対応のデータベースについては、次の形式を使用します。 host:port:sid その他すべてのデータベース・タイプについては、次の形式を使用します。 server_name/host:port:database_name |
|
いいえ |
すべて |
エディション名。これは、 |
|
はい |
すべて |
データベース・ユーザー名(たとえば、Oracleデータベースのデフォルトのユーザー名は |
|
いいえ |
すべて |
データベース・ユーザー・ロール(たとえば、Oracleデータベースの |
|
いいえ |
- |
Unicodeのサポートについて、 |
|
いいえ |
|
スキーマの作成に失敗した場合に、スキーマのクリーンアップをスキップするかどうか。有効な値は |
|
いいえ |
|
システム・ロード・リポジトリに対して生成されたスクリプトを保存する場所を指定します。 |
|
いいえ |
|
すべてのスキーマに同じパスワードを使用するかどうか。有効な値は、 |
|
いいえ |
|
ご使用のコンポーネントの依存スキーマが、RCUによって自動的に選択されるかどうか。有効な値は、 |
|
いいえ |
すべて |
variablename |
|
いいえ |
すべて |
|
|
はい |
すべて |
追加または削除するコンポーネントのID。1つのコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。
-component component_ID
複数のコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。 -component component_ID -component component_ID 有効なコンポーネント(スキーマ) IDのリストについては、付録Bを参照してください。依存コンポーネントが原因で複数のコンポーネントが必要な場合があります。たとえば、Audit Services ( -component OPSS -component IAU |
|
はい |
|
コンポーネントの表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。 |
|
はい |
|
コンポーネントの一時表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。 |
コマンドを入力した後、最小限のやり取りでRCUを実行するには、-silent
を指定します。このコマンドでは、必須のコマンドライン・パラメータをすべて指定する必要があります。例:
rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser -database_user -component component
このシナリオでは、データベースおよびコンポーネント・スキーマのパスワードをコマンドラインで指定するように求められます。複数のコンポーネントを指定する場合は、コンポーネントの指定順にパスワードを入力するように求められます。
コマンドラインとのやり取りをまったく行わないようにする場合は、必要なパスワードをすべて含むテキスト・ファイル(1行に1個のパスワード)を作成し、-f
オプションを使用してこのパスワード・ファイルをRCUに渡すことができます。たとえば、passwordfile.txt
というファイルを作成する場合は、次のコマンドを使用できます。
rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser -database_user -component component1_name -component component2_name -f < passwordfile.txt
passwordfile.txt
ファイルの行は、次の順になります。
database_password component1_schema_password component2_schema_password
ファイルのパスワードを、コマンドラインのコンポーネントと同じ順序で指定することが重要です。
インストールが完了したら、パスワード・ファイルを削除する必要があります。パスワードはクリアテキスト形式で保持されるため、インストール後もパスワード・ファイルが残っていると、セキュリティ上の危険があります。
-interactive
を指定してRCUグラフィカル・インタフェースを実行します。-silent
と-interactive
のどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。
RCU操作を効率よく進めるために、コマンドラインで情報を指定してグラフィカル・インタフェースに追加できます。たとえば、RCUを次のコマンドで実行するとします。
./rcu
「データベース接続の詳細」ページには、次のように空白のフィールドが表示されます。
一方、コマンドラインでいくつかのパラメータを指定してRCUを実行するとします。
./rcu -interactive -createRepository -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:example_sid -dbUser SYS -component MDS
「データベース接続の詳細」ページには、コマンドラインで指定された情報が反映されます。
リポジトリを作成するためのRCUコマンドライン・インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -createRepository [-compInfoXMLLocation omponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-unicodeSupport [Yes|No]] [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]] [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema_prefix] -component component_ID -tablespace component_tablespace_name -tempTablespace component_temp_tablespace_name
正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocation
パラメータは-component
パラメータの前には指定しないでください。
-component
を指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、付録Bに一覧表示されています。
スキーマを作成する前に、ロードするコンポーネントのすべての依存性を認識し、指定する必要があります。たとえば、SOAINFRA
スキーマはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマに依存します。MDS
スキーマとORASDPM
スキーマの両方を指定せずにSOAINFRA
スキーマをロードしようとした場合、またはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、ロードが実行される前にRCUが停止します。
次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを作成するサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -createRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS
システム・ロード・スクリプトを生成するためのRCUコマンドライン・インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -generateScript [-compInfoXMLLocation omponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]] [-scriptLocation script_location] [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema_prefix] -component component_ID -tablespace component_tablespace_name -tempTablespace component_temp_tablespace_name
正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocation
パラメータは-component
パラメータの前には指定しないでください。
-component
を指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、付録Bに一覧表示されています。
スクリプトの作成前に、すべてのコンポーネントの依存関係を意識して指定する必要があります。たとえば、SOAINFRA
スキーマはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマに依存します。MDS
スキーマとORASDPM
スキーマの両方を指定せずにSOAINFRA
スキーマを指定する場合、またはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、操作が完了する前にRCUが停止します。
次に、UNIXオペレーティング・システムでシステム・ロード・スクリプトを作成するサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -generateScript -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -scriptLocation /home/Oracle/Products/Oracle_Home/oracle_common/rcu/log/logdir.date_timestamp -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS
リポジトリにデータをロードするためのRCUコマンドライン・インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -dataLoad [-compInfoXMLLocation omponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]] [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema_prefix] -component component_ID
次に、UNIXオペレーティング・システムでデータのロードを実行するサンプル・コマンドは次のとおりですう。
./rcu -silent -dataLoad -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS
リポジトリを削除するためのRCUコマンドライン・インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -dropRepository [-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-unicodeSupport [Yes|No]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema prefix] -component component_ID
正常に動作させるには、パラメータがリストされた同じ順序で指定されていることを確認してください。たとえば、-compInfoXMLLocation
パラメータは-component
パラメータの前には指定しないでください。
また、スキーマを削除する場合は、スキーマの依存関係も意識する必要があります(付録Bを参照)たとえば、一部のスキーマにはMDS
スキーマが必要であり、MDS
スキーマを削除すると、MDS
スキーマを必要とするすべてのスキーマが機能しなくなります。
次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを削除するサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -dropRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS
表3-4は、RCUが環境から取得する変数を示しています。その環境変数が設定されていない場合は、デフォルト値が使用されます。
表3-4 RCU環境変数
変数 | デフォルト | 説明 |
---|---|---|
|
|
RCUログ・ファイルの場所。 |
|
|
RCUログ・ファイル用に この変数を |
|
|
RCUログ・ファイルの名前。 |
|
|
RCUログ・レベルを決定します。 この変数を |