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Oracle® Fusion Middleware Oracle Virtual Assembly Builderの使用
12c (12.1.2)
E47991-02
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5 Oracle Virtual Assembly Builderの使用

この章では、Oracle Virtual Assembly Builderの使用方法について説明します。内容は次のとおりです。

5.1 Oracle Virtual Assembly Builderのインタフェース

Oracle Virtual Assembly Builderには、製品のどの部分をインストールしたかに応じて、次のユーザー・インタフェースが用意されています。


注意:

Oracle Virtual Assembly Builder Studioインタフェースまたはabctlインタフェースの2つのセッションを同時に起動することはできません。


5.1.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioへのアクセス

Oracle Virtual Assembly Builder Studioは、次のコマンドを実行して起動します。

$AB_INSTANCE/bin/abstudio.sh

ここで、$AB_INSTANCEはOracle Virtual Assembly Builder Studioのインスタンスで、ab_instance<instance number>という形式で、Oracleホームにインストールされています。

図5-1に、Oracle Virtual Assembly Builder Studioを示します。

Oracle Virtual Assembly Builder Studioで操作を実行するには、複数の方法があります。ノードを右クリックしてコンテキスト・メニューを使用するか、メイン・メニュー・オプションを使用できます。「アセンブリ」メイン・メニューにはアセンブリ関連の操作が表示され、「アプライアンス」メニューにはアプライアンス関連の操作が表示され、「デプロイ」メニューにはデプロイヤ関連の操作が表示されます。

図5-1 Oracle Virtual Assembly Builder Studio

Oracle Virtual Assembly Builder Studio
「図5-1 Oracle Virtual Assembly Builder Studio」の説明

5.1.2 abctlコマンドライン・ツールへのアクセス

abctlコマンドライン・ツールは、次のコマンドを実行して起動します。

$AB_INSTANCE/bin/abctl

5.1.3 ログへのアクセス

ログ・ファイルは、$AB_INSTANCE/logs/assemblybuilder.logに格納されます。

ログ・ファイルには手動でアクセスします。そうしないと、Oracle Virtual Assembly Builder Studioの「メッセージ」ウィンドウにメッセージが表示されます。

5.1.4 Oracle Virtual Assembly Builder Studioの停止

Oracle Virtual Assembly Builder Studioを閉じるときに、ローカル・カタログとやり取りする長時間実行されるプロセスが進行中の場合は、操作が進行中であることを示す警告ダイアログが表示されます。停止を続行するのか、中断するのかを決定できます。再起動時に問題が起きないように、停止の前に操作を完了できるようにすることをお薦めします。

5.1.5 インタフェースの相違

Oracle Virtual Assembly Builder Studioインタフェースとabctlインタフェースは互いに補完しますが、まったく同じ機能ではありません。主な相違点は次のとおりです。

  • 「デプロイヤのみ」モードで実行している場合は、abctlインタフェースのみサポートされます。

  • Oracle Virtual Assembly Builder Studioにのみ、編集機能があります。つまり、abctlでは次の操作がサポートされていません。

    • ファイル・セット定義の管理: ファイル・セット定義の更新

    • デプロイメント・プランの作成または編集

  • Oracle Virtual Assembly Builder Studioでは、複数の参照システムのイントロスペクトし、結果を新しいアセンブリまたは既存のアセンブリに入れることができます。abctlでは、参照システムを1つずつイントロスペクトし、その後アセンブリに追加する必要があります。

  • abctlにのみ、Oracle VM 3.0環境へのターゲット接続を作成する機能があります。Oracle Virtual Assembly Builder Studioには、接続ウィザードがありません。

これらの相違点の詳細は、5.3項「アセンブリの作成に関連する操作」を参照してください。

5.1.6 ネーミング規則

ユーザー指定の名前は、次の規則に従う必要があります。

  • 名前はアルファベット文字で始める必要があります。

  • 名前に使用できるのは、英数字、アンダースコア(_)またはハイフン(-)のみです。

  • 名前の長さは4から40文字までにする必要があります。

5.1.6.1 名前の競合

同じ名前のアプライアンスまたはアセンブリがすでに存在するカタログにアプライアンスまたはアセンブリをインポートすると、カタログ内のアプライアンスまたはアセンブリ間で名前の競合が発生する可能性があります。Oracle Virtual Assembly Builderカタログでは大文字と小文字が区別されますが、大文字と小文字の混在する名前を使用できます。たとえば、"myAssembly"と"myassembly"は同じ名前とみなされます。

既存のアプライアンスまたはアセンブリを上書きする場合は、forceオプションを使用できます。

5.1.7 シンボリック・リンク

symlinkは、Oracle Virtual Assembly Builderではサポートされておらず、イントロスペクション、ファイル・セットの取得およびデプロイ時にエラーとなる可能性があります。Linux参照システムでは、symlinkを使用しないでください。

5.2 標準的なワークフロー

通常、次の方法でOracle Virtual Assembly Builderを使用します。

5.3 アセンブリの作成に関連する操作

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlコマンドライン・ユーティリティを使用してアセンブリの作成に関連する操作を実行する方法について説明します。

5.3.1 アプライアンスのイントロスペクション

1つ以上のアプライアンスを最上位カタログにイントロスペクトし、オプションでアプライアンスをアセンブリに含めることができます。イントロスペクション時、アプライアンスのメタデータは$AB_INSTANCE/catalog/metadataディレクトリに作成されます。一意のID (取得IDまたはcidと呼びます)がアプライアンスごとに生成され、メタデータに格納されます。さらに、ファイル・セット定義がカタログの共有領域に作成されます。

共有アプライアンスをアセンブリに追加するとメタデータがコピーされます。その後、共有アプライアンスのメタデータに対して行った変更(アセンブリ・ナビゲータの「イントロスペクトされたコンポーネント」パネルに表示される)は、同じアプライアンスのコピーを含むアセンブリには反映されません。同様に、共有アプライアンスのコピーのメタデータに変更を行っても、ソース・インスタンスには影響しません。

メタデータは共有されませんが、アプライアンスの様々なコピーに関連付けられたファイル・セットやテンプレートは、すべてのコピー間で共有されます。


注意:

イントロスペクションとファイル・セットの取得の間に、参照システムの構成またはコンテンツを変更すると、望ましくない結果となる可能性があるため、変更しないでください。たとえば、参照システムをある日にイントロスペクトし、後日"同じ"参照システムでファイル・セットを取得することはサポートされません。


イントロスペクションでサポートされる使用可能なアプライアンスは、サポートされるOracle製品プラグインのセット、または汎用製品です。汎用製品は、一般に、取得する製品ディレクトリのセットとアプライアンス・インスタンスに対して実行するスクリプトのセットを入力として取ることで、取得されます。アプライアンスのプロパティ、入力、出力を作成するための情報も取得できます。

イントロスペクションでサポートされるアプライアンスは次のとおりです。

  • 一般製品

  • Oracle Coherence*Web (WLSの別名)

  • Oracle Forms Services (WLSの別名)

  • Oracle HTTP Server

  • Oracle Real Application Clustersデータベース

  • Oracle Reports (WLSの別名)

  • Oracle単一インスタンス・データベース

  • Oracle RAC Database

  • Oracle SOA Platform Plugin (WLSの別名)

  • Oracle Traffic Director

  • Oracle Tuxedo 11g

  • Oracle WebLogic Server

イントロスペクションを成功させるために、一部のイントロスペクション・プラグインには参照システムの実行状態について特定の要件があります。表5-1に、Oracle Virtual Assembly Builderでサポートされる製品の前提条件を示します。

表5-1 イントロスペクション・プラグインの要件

イントロスペクション対象の製品 実行状態の前提条件

Oracle WebLogic Server

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Coherence*Web

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Forms*Web

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle SOA for WebLogic Server

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle HTTP Server (OHS)

要件なし。Oracle HTTP Serverは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle単一インスタンス・データベース

イントロスペクション・フェーズでは、データベースは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle RAC Database

イントロスペクション・フェーズでは、データベースは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Reports

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Traffic Director

イントロスペクション・フェーズでは、Oracle Traffic Directorアプリケーションは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Tuxedo

イントロスペクション・フェーズでは、Tuxedoアプリケーションは起動していても、停止していてもかまいません。


5.3.1.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したイントロスペクション

「アプライアンスのイントロスペクト」ウィザード(図5-2)は、アプライアンスを最上位カタログにイントロスペクトし、それらをアセンブリに配置するかどうかを選択できるスタンドアロン・インタフェースです。アクセスするには、「ファイル」 > 「新規」 > 「アプライアンス・イントロスペクション」を選択します。

図5-2 「アプライアンスのイントロスペクト」ウィザード

アプライアンスのイントロスペクト
「図5-2 「アプライアンスのイントロスペクト」ウィザード」の説明

次の情報を入力します。

  • アセンブリに含める: イントロスペクションに成功した後、アプライアンスをアセンブリに配置するかどうかを選択します。ドロップダウン・リストから親アセンブリを選択するか、「アセンブリに含めない」を選択します。

    アプライアンスをアセンブリにイントロスペクトするように選択した場合、そのアプライアンスはそのアセンブリに所有され、その他のアセンブリに含むことはできなくなります。これらのアプライアンスは、「アセンブリ」ナビゲータの「イントロスペクトされたコンポーネント」パネルに表示されます。

    アセンブリにイントロスペクトしない場合は、作成されたアプライアンスを任意の数のアセンブリに追加できます。これらのアプライアンスは、「アセンブリ」ナビゲータの「イントロスペクトされたコンポーネント」パネルに表示されます。

    アセンブリが存在しない場合、「アセンブリの作成」をクリックして「アセンブリの作成」ダイアログを開き、新規アセンブリを作成できます。その後、イントロスペクションのターゲット・アセンブリとして新規アセンブリを選択できます。

  • 「アプライアンス」タブでは次のように構成します。

    • 名前: アプライアンスに名前を付けます。名前は4から40文字で、先頭文字には数字以外の文字を使用する必要があり、スペースと特殊文字は使用できません(アンダースコアは使用できます)。アセンブリ名とアプライアンス名はローカライズできません。

    • 上書き: 最上位でイントロスペクションを実行する場合、このチェック・ボックスを選択すると最上位のアセンブリまたはアプライアンス・オブジェクトを上書きできます(未登録の場合)。

      既存のアセンブリのイントロスペクションを実行する場合、このチェック・ボックスを選択すると、アセンブリおよびそのアセンブリ内のアプライアンスのみ上書きされます。

    • タイプ: アプライアンスのタイプをリストから選択します。

    • ファイル・セットの取得: イントロスペクションの実行時にファイル・セットを取得する場合は、このチェック・ボックスを選択します。ファイル・セットは、イントロスペクションの実行時か、テンプレートの作成時に取得できます。第5.3.3.4項「ファイル・セットの取得」を参照してください。

    • 説明: 説明を入力します(オプション)。

  • 「接続」タブでは次のように構成します。

    • 名前: イントロスペクションするホストの名前を入力します。

    • ホスト名: イントロスペクションするホストのホスト名を入力します。ローカルにイントロスペクションする場合は、「ローカル・ホスト」を使用できます。

    • ポート: このホストに接続するポート番号を入力します。デフォルトのポート番号は22です。

    • ユーザー名: リモート・ホストにログインするSSHユーザーのユーザー名を入力します。このユーザーには、イントロスペクションが実行される構成へのアクセス権が必要です。

    • 認証: 「パスワード」を選択してパスワードを入力するか、「秘密鍵」を選択して、パスワードを指定するのではなく使用するSSH鍵を参照します。「秘密鍵」を選択した場合は、「参照」ボタンを選択し、ローカル・マシン上の秘密SSH鍵ファイルの場所までナビゲートします。秘密鍵ファイルを使用すると、Oracle Virtual Assembly Builderでパスワードを扱う必要がなくなるため、より高いセキュリティを実現できます。

    • 実行ユーザー: 操作を実行する前にsudoするリモート・マシン上のユーザーの名前を入力します。たとえば、「ユーザー名」にbob、「実行ユーザー」にjillと指定してログインすると、イントロスペクション・プロセスはbobではなくjillとして実行されます。その場合、bobはjillに対するsudo操作を実行する必要があります。

    • 作業ディレクトリ: イントロスペクションに必要なファイルをOracle Virtual Assembly Builderがステージングする、リモート・ホスト上のディレクトリへのパスを入力します。このファイルは再利用されることがあります。

    • 作業ディレクトリのクリーン・アップ: 作業ディレクトリにコピーされたアーティファクトをイントロスペクションの完了後に削除する場合に選択します。

    • 接続テスト: ホストに正常に接続できるかどうかをテストするには、「接続テスト」ボタンをクリックします。


      注意:

      データベース・インストール所有者のアカウントでデータベース・マシンにログインできない場合、データーベースのリモート・イントロスペクションを実行できません。リモート・イントロスペクションが必要な場合は、リモート・アクセス用のアカウントを有効にする必要があります。


  • 「パラメータ」タブで、アプライアンス・パラメータの必要な値を構成します。選択したアプライアンスのタイプに応じて、異なるセットのプロパティが表示されます。プロパティのセルを選択し、プロパティ値を入力して、アプライアンスのプロパティを設定します。必須のプロパティはアスタリスクで示されます。イントロスペクション・プロパティの詳細は、付録B「Oracle Virtual Assembly Builderのイントロスペクション・プラグイン」を参照してください。

5.3.1.1.1 イントロスペクション用のアプライアンスのサマリー

終了をクリックして、イントロスペクションを開始します。

イントロスペクションの進捗は、「タスク」ナビゲータで確認できます。Oracle Virtual Assembly Builder Studioでイントロスペクションが実行されているアプライアンスのノードが表示されます。イントロスペクションに失敗したら、ナビゲータに赤いXマークが表示されます。「タスク・ログの表示」ツールバー・ボタンを使用すると、「タスク」ナビゲータから失敗したタスクに関するタスク・ログを開くことができます。付録D「トラブルシューティング」も参照してください。

5.3.1.2 abctlを使用したイントロスペクション

abctlには、ローカルとリモートの両方のイントロスペクション機能があります。リモート・イントロスペクションの場合、Oracle Virtual Assembly Builderホストにはサブジェクト・マシンへのSSHアクセスが必要です。

-nameフラグはオプションです。

次に2つの例を示します。

例5-1 Oracle HTTP Serverのリモート・イントロスペクション

$ ./abctl introspectOHS -oracleInstance /path/to/oi –componentName ohs1 –name myOHS -remoteHost myReferenceSystemHost –remoteUser abdemo  

例5-2 Oracle WebLogic Serverのローカル・イントロスペクション

$ ./abctl introspectWLS -wlsHome /path/to/wls/wlserver -domainRoot /path/to/user_projects/domains/basic_domain -adminUser weblogic -name myWLS 

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.3.1.3 プラグインの管理と検出

Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.2)からは、各製品のOracle Virtual Assembly Builder用のプラグインがそれぞれの製品リリースに付属しており、インストール時にその製品の最上位のインストール・ディレクトリ(Oracle製品のORACLE_HOME)に展開されます。Oracle Virtual Assembly Builderでプラグインを使用できるようにするには、Oracle Virtual Assembly Builder環境にそのプラグインをインストールする必要があります。Oracle Virtual Assembly Builderのインストール後はいつでも、製品プラグインをOracle Virtual Assembly Builderに追加できます。

Oracle Virtual Assembly Builderでは、イントロスペクション・プラグインを管理し、ローカルまたはリモートのOracleホームから新しいOracle Virtual Assembly Builderイントロスペクション・プラグインをダウンロードしてインストールできるように、プラグイン・マネージャが提供されています。

5.3.1.3.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるプラグインの管理と検出

「プラグイン・マネージャ」ダイアログでは、Oracle Virtual Assembly Builderインストールのすべてのプラグインを表示および管理できます。ツールバーの「+」ボタンをクリックして新規プラグインの検出を起動したり、選択したプラグインのチェック・ボックスをクリックしてプラグインを有効または無効にしたり、あるいは「X」ボタンをクリックして選択したプラグインを削除できます。ベース・プラグインを無効にすると、そのすべての拡張機能が無効になります。このダイアログにアクセスするは、「ツール」「イントロスペクタ・プラグイン・マネージャ」を選択します。

図5-3 プラグイン・マネージャ

プラグイン・マネージャ
「図5-3 プラグイン・マネージャ」の説明

プラグインや拡張機能を製品ホームからインストールするには:

  1. ツールバーの「+」ボタンをクリックして新規プラグインの検出を起動します。

  2. プラグインの検出ウィザードのようこそページで、「次へ」をクリックします。

  3. プラグインが含まれるOracleホームの接続情報を指定します。

    • 「リモート・ホスト」または「ローカル・ホスト」:

    • 「リモート・ホスト」を選択した場合は、次の情報を構成します。

      • ホスト名: イントロスペクトするホストの名前を入力します。

      • ポート: このホストのSSH用のポート番号を入力します。デフォルトのポート番号は22です。

      • ユーザー名: リモート・ホストにログインするSSHユーザーのユーザー名を入力します。このユーザーには、プラグインへのアクセス権が必要です。

      • 認証: 「パスワード」を選択してパスワードを入力するか、「秘密鍵」を選択して、パスワードを指定するのではなく使用するSSH鍵を参照します。「秘密鍵」を選択した場合は、「参照」ボタンを選択し、ローカル・マシン上の秘密SSH鍵ファイルの場所までナビゲートします。秘密鍵ファイルを使用すると、Oracle Virtual Assembly Builderでパスワードを扱う必要がなくなるため、より高いセキュリティを実現できます。

      • リモート作業ディレクトリ: プラグイン検出に必要なファイルをOracle Virtual Assembly Builderがステージングする、リモート・ホスト上のディレクトリへのパスを入力します。このファイルは再利用されることがあります。

      • リモート・クリーン・アップ: 「リモート作業ディレクトリ」にコピーされたアーティファクトをプラグイン検出の完了後に削除する場合に選択します。

  4. ホストに正常に接続できることを検証するには、「接続テスト」をクリックします。

  5. 「次へ」をクリックします。

  6. プラグインが含まれるOracleホームまたは製品ルート・ディレクトリを入力します。

  7. ベースのOracle Virtual Assembly Builderインストールにインストールするプラグインを1つ以上選択します。インストールの進捗状況は「タスク・マネージャ」タブから追跡できます。


    注意:

    一部のプラグインが他のプラグインに依存していることもあります。特定のプラグインのインストールに失敗した場合、タスク・マネージャでエラーを表示し、依存の解決後にエラーの発生したプラグインのインストールを再試行します。


  8. 「終了」をクリックします。

    プラグインのインストールは、プラグイン・マネージャで確認できます。

5.3.1.3.2 abctlによるプラグインの管理と検出

インストール済のイントロスペクタのプラグインと拡張機能(ステータスを含む)のセットをリストするには、describePluginsコマンドを使用します。例5-3に、describePluginsコマンドを示します。

例5-3 describePluginsコマンド

$ ./abctl help –command describePlugins
$ ./abctl describePlugins

指定したイントロスペクタのプラグインまたは拡張機能を有効にするには、enablePluginコマンドを使用します。例5-4に、enablePluginコマンドを示します。

例5-4 enablePluginコマンド

$ ./abctl help –command enablePlugin
$ ./abctl enablePlugin -pn WLS -recurse 

指定したイントロスペクタのプラグインまたは拡張機能を無効にするには、disablePluginコマンドを使用します。例5-5に、disablePluginコマンドを示します。

例5-5 disablePluginコマンド

$ ./abctl help –command disablePlugin
$ ./abctl disablePlugin -pn WLS

1つ以上のプラグインと拡張機能を製品ホームからインストールするには、installPluginsコマンドを使用します。このコマンドの実行時には、リモートSSHユーザーのパスワードの入力を求められる場合があります。例5-6に、installPluginsコマンドを示します。

例5-6 installPluginsコマンド

$ ./abctl help –command installPlugins
$ ./abctl installPlugins -productRoot myPath

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。

5.3.1.4 カスタム・スクリプトの準備

Oracle Virtual Assembly Builderは、次の機能のカスタム・スクリプトを提供するための共通スクリプトAPIをサポートしています。

  • カスタム再構成スクリプト - カスタム再構成スクリプト機能を使用すると、既存のイントロスペクタによって作成されたアプライアンスにスクリプトを追加できます。たとえば、WLSインストールの取得時に、スクリプトを追加することで、WLSのデプロイ先のVM上ですでに実行されている作業以外の追加作業を実行することができます。

    イントロスペクション時に、スクリプトとプロパティが取得され、アプライアンスに追加されます。取得したスクリプトは、様々な再構成操作の実行時に、vServer上でのプラグインと拡張機能の作成と一緒に実行されます。

  • 汎用アプライアンス(GenericProd)のイントロスペクタ・プラグイン・スクリプト - 特定の製品の取得とデプロイに既存のイントロスペクタ・プラグインを使用しない(使用できない)場合は、GenericProdイントロスペクタ・プラグインを使用して、製品ディレクトリのセットとスクリプトのセットを取得するアプライアンスを単純に作成できます。取得される製品ディレクトリはVM上の同じ場所に存在し、スクリプトを実行することで製品の再構成や開始/停止が行われます。たとえば、取得する製品のイントロスペクタ・プラグインは存在しないものの、別の環境で機能するように製品の構成を変更するための数行のスクリプトが簡単に作成できるような場合です。

各種再構成操作のそれぞれの実行時に実行されるように、1つ以上のスクリプトを指定できます。次の再構成操作がサポートされています。

  • 構成 - vServerの最初の起動時に実行されます。これにより、新しくデプロイしたvServerサーバー上で使用できるように製品が再構成されます。

  • 開始 - vServerの最初の起動時の「構成」操作の完了後と、その後のすべての起動時に実行されます。

  • 停止 - vServerの停止時に実行されます。これにより、製品が正常に停止します。

  • ping - vServerで実行中のデプロイされた製品のステータスを問い合せるために、外部アプリケーションによってオンデマンドに実行されます。汎用アプライアンスのみでサポートされます。

5.3.1.4.1 スクリプト・ルート・ディレクトリ

スクリプト・ルート・ディレクトリは、ユーザーによって指定される最上位ディレクトリで、次のサブディレクトリをゼロ個以上格納しています。

  • vServerサーバーで実行されるスクリプトを格納するサブディレクトリのセット。

  • 1つ以上のプロパティ・ファイルを格納するproperties/という名前のディレクトリ。

  • 1つ以上のエンドポイント・ファイルを格納するendpoints/という名前のディレクトリ(カスタム再構成スクリプトによって部分的にサポートされるのみ)。

スクリプト・ルート・ディレクトリには、一般的なサブディレクトリをすべて含める必要はなく、これらのサブディレクトリは空でもかまいません。

スクリプトのサブディレクトリの名前は、使用されるスクリプト機能によって異なります。ユーザーがこのスクリプト・ルート・ディレクトリを指定する方法も、使用されるスクリプト機能によって異なります。詳細は、それぞれのドキュメントを参照してください。

5.3.1.4.2 カスタム再構成スクリプトのスクリプト・サブディレクトリ

/etc/rc.d/と同様、各サブディレクトリには、適宜実行される1つまたは複数のスクリプトのセットが格納されます。カスタム・スクリプトのサブディレクトリには、次のような一般的に知られている名前が付いています。

  • vm-pre-app-config.d/ - VMの最初の起動時(初回のデプロイメント)のみに実行されます。

  • vm-post-app-config.d/ - VMの最初の起動時(初回のデプロイメント)のみに実行されます。

  • vm-pre-app-start.d/ - VMの最初の起動時のvm-*-app-config.d/に続いて、VMのすべての起動で実行されます。

  • vm-post-app-start.d/ - VMの最初の起動時のvm-*-app-config.d/に続いて、VMのすべての起動で実行されます。

  • vm-pre-app-stop.d/ - VMのすべての停止で実行されます。

  • vm-post-app-stop.d/ - VMのすべての停止で実行されます。

オプションで、/ovab/scripts.d/ルート・ディレクトリを作成し、既知のサブディレクトリのセットと実行スクリプトを移入できます。各イントロスペクションの最後に、このディレクトリが参照システムに存在するかどうかをチェックし、(見つかった場合は)これらのスクリプトをアプライアンスに追加します。次に、作成可能なルート・カスタム・スクリプト・ディレクトリの例を示します。

/ovab/scripts.d/
    vm-pre-app-config.d/
        00configthis.sh
        01configthat.sh
    vm-post-app-config.d/
        00configotherthing.sh
    vm-pre-app-start.d/
        00startthisfirst.sh
        01startthatsecond.sh
    vm-post-app-start.d/
        00startotherthinglast.sh
    ...

スクリプトのサブディレクトリには、実行可能なスクリプトのみを格納する必要があります。一般的に知られているサブディレクトリ内にディレクトリが存在していると、イントロスペクションの実行時にエラーが生成され、アプライアンスが作成されません。

5.3.1.4.3 汎用アプライアンス・スクリプトのスクリプト・サブディレクトリ

各サブディレクトリには、適切なタイミングで実行される1つ以上のスクリプト・セットが格納されることがあります。スクリプトのサブディレクトリには、次のような一般的に知られている名前を付ける必要があります。

  • vm-app-config.d/ - VMの最初の起動時(初回のデプロイメント)のみに実行されます。

  • vm-app-start.d/ - VMの最初の起動時のvm-app-config.d/に続いて、VMのすべての起動で実行されます。

  • vm-app-stop.d/ - VMのすべての停止で実行されます。

  • vm-app-ping.d/ - 外部アプリケーションからオンデマンドで実行されます。

次に、作成可能なルート・スクリプト・ディレクトリの例を示します。

/my/root/scriptdir/
    vm-app-config.d/
        00configthis.sh
        01configthat.sh
    vm-app-start.d/
        00startthisfirst.sh
        01startthatsecond.sh
    vm-app-stop.d/
        00stopthis.sh
    ...

スクリプトのサブディレクトリには、実行可能なスクリプトのみを格納する必要があります。一般的に知られているサブディレクトリ内にディレクトリが存在していると、イントロスペクションの実行時にエラーが生成され、アプライアンスが作成されません。

5.3.1.4.4 スクリプトの実行

各サブディレクトリ下のスクリプトは、イントロスペクション時に取得され、アプライアンスに格納されます。再構成操作時に、リクエストされた操作に応じて適切なスクリプト・セットが順次ソート順に実行されます。

すべてのスクリプトはrootユーザーとして実行されるため、root権限が必要な操作の実行や、必要に応じた別のユーザーへの切替えに柔軟に対応できます。

すべてのスクリプトは、成功時にゼロの終了ステータスで終了する必要があります。ゼロ以外の終了ステータスで終了するスクリプトの操作は失敗します。スクリプトは実行後そのスクリプトの終了を待ってから続行するため、操作はブロックされます。スクリプトは実行を完了し、適切な時期に終了する必要があります。

実行された各スクリプトから出力される標準出力(stdout)と標準エラー(stderr)は、リダイレクトされて、$AB_INSTANCE/logsディレクトリ内のVM上のスクリプト固有のコンソール・ログ・ファイルに追加されます。コンソール・ログの名前は、次のようにスクリプト名とスクリプト・サブディレクトリ名の組合せから生成されます。<script-subdir-name>_<script-name>.log

5.3.1.4.5 スクリプト環境

次の環境変数は、すべてのスクリプトの実行環境に設定されます。

  • $AB_PROPFILE_DIR: アプライアンスに追加され、再構成環境でメタデータに応じて変更されるプロパティ・ファイルを含むディレクトリ。

  • $AB_ENDPOINT_DIR: 再構成環境でメタデータから生成されるエンドポイント・ファイルを含むディレクトリ。

  • $AB_CLI: vServerで実行されるスクリプトで使用できるOracle Virtual Assembly Builderコマンドライン・ユーティリティへのフルパス。

環境内の現在の作業ディレクトリは未定義であり、スクリプト実行時に信頼しないでください。

その他の環境変数は、使用されるスクリプト機能によって存在が決まります。詳細は、それぞれのドキュメントを参照してください。

5.3.1.4.6 プロパティ・ディレクトリ

スクリプト・ルート・ディレクトリには、properties/サブディレクトリが含まれる場合があります。properties/ディレクトリが存在する場合は、ディレクトリ内のすべてのファイルが取得され、アプライアンスに追加されます。

<filename>.userprops or <filename>.pwpropsのネーミング・スキームを持つファイルはプロパティ・ファイルとして解析されます。<filename>部分に':'を含めないでください。この文字はプロパティ名生成でデリミタとなるためです。このネーミング・スキームに準拠しないpropertiesディレクトリ内のファイルは解析なしでそのままコピーされます。

プロパティ・ファイルが'properties/'ディレクトリから取得された場合、プロパティ名はアプライアンスへの追加時に次のように変更されます。

<prefix>:<filename>:<propertyname>

プロパティは、アプライアンス内で編集された値またはデプロイメント・プランでオーバーライドされた値を含め、デプロイ時に元の名前を使用してプロパティ・ファイルに書き戻されます。プロパティ・ファイルには、実行時に$AB_PROPFILE_DIR環境変数を使用してスクリプトでアクセスできます。

5.3.1.4.7 プロパティ・ファイル

プロパティ・ファイルはゼロ以上の行で構成され、各行はプロパティ宣言、コメントまたは空白行である必要があります。プロパティ宣言は<name>=<value>の形式で1行に格納されている必要があります。行を"\"で終わると、行は継続されません。プロパティ名には文字、数字、'_' (アンダースコア)、'.' (ピリオド)、'-' (ダッシュ)のみを含めることができます。

プロパティ・ファイル内の各プロパティは、ユーザー・プロパティとしてアプライアンスに追加されます。他のユーザー・プロパティと同様に、これらのプロパティは生成されたアプライアンスで編集でき、デプロイメント・プランでオーバーライドできます。

'.userprop'ファイル内のすべてのプロパティは"STRING"型として追加されます。'.pwprop'ファイルのすべてのプロパティが"PASSWORD"型として追加され、指定された値は暗号化形式である必要があります。暗号化形式の値を取得する方法の説明は、第5.3.1.4.10項「暗号化サポート」を参照してください。

すべてのプロパティには、アプライアンス・メタデータで'required'のマークが付けられます。値が割り当てられていない('='の後に何もない)プロパティ宣言は、アプライアンス・メタデータでnullに設定されるため、デプロイ前にそのプロパティに値を割り当てる必要があります。

5.3.1.4.8 エンドポイント・ディレクトリ

スクリプト・ルート・ディレクトリには、endpoints/サブディレクトリが含まれる場合があります。このサブディレクトリには、イントロスペクションの一部としてアプライアンスに追加されるApplianceInputおよびApplianceOutputを記述したファイルが含まれることがあります。ApplianceInputは、製品が接続をリスニングして受け入れるホストとポートに関連する製品の構成を表しています。ApplianceOutputは、製品が他の製品(または他のマシン上にあるそれ自身のインスタンス)に対する接続を開始するホストとポートに関連する製品の構成を表しています。

各エンドポイントは次のネーミング戦略で、別々のファイルに記述されます。

  • ApplianceInputの場合: <input-name>.input

  • ApplianceOutputの場合: <output-name>.output


注意:

エンドポイント作成のために、イントロスペクションの実行時にエンドポイント・ディレクトリを指定できるのは、GenericProdプラグインのみです。どちらの機能も、再構成操作の実行時に使用するためにvServer上に作成されたエンドポイント・ディレクトリにアクセスできます。


再構成時に、アプライアンスのすべてのApplianceInputとApplianceOutputに対してエンドポイント・ファイルが作成されます。さらに、そのアプライアンスの接続先となる他のアプライアンスのすべてのApplianceInputに対するファイルも作成されます。

5.3.1.4.9 エンドポイント・ファイル

カスタム再構成スクリプト機能では、エンドポイント・ファイルは作成できません。この機能では、アプライアンスを作成した基礎となるプラグインによって作成される読取りエンドポイント・ファイルのみを作成できます。これとは対照的に、汎用製品では、エンドポイント・ファイル(イントロスペクションの実行時)と読取りエンドポイント・ファイル(再構成操作の実行時)の両方を作成できます。

*.input/*.outputファイルは、1行に1つ、<key>=<value>形式のキー/値ペアで表されるプロパティで構成されます。キーは有効なシェル変数名であることが保証されていないため、エンドポイント・ファイルをソーシングしてシェル変数を作成することはできません。

*.inputファイルには次のプロパティを含めることができます。

- port : required
- protocols : required, comma separated list with no whitespace
- host : derived internally, available at rehydration userprop.
- userprop.<property-name> : optional, always type='STRING'
- pwprop.<property-name> : optional, always type='STRING'
- sysprop.<property-name> : optional, always type='STRING'
- original-port : optional
- original-host : optional

'required'と示されたプロパティは、イントロスペクション時に提供されるファイルに指定する必要があります。'host'プロパティは、ユーザーが指定できず、かわりにリハイドレーション時に自動的に導出されます。リハイドレーション・スクリプトでは、'host'プロパティの値を使用して、ApplianceInputの構成時にはリスニング・アドレスを、ApplianceOutputの構成時には接続アドレスを設定します。

*.outputファイルには次のプロパティを含めることができます。

- protocol : required
- connected-input : derived internally, available at rehydration
- userprop.<property-name> : optional, always type='STRING'
- pwprop.<property-name> : optional, always type='PASSWORD'
- sysprop.<property-name> : optional, always type='STRING'
- original-port : optional
- original-host : optional
- conn-userprop.<property-name> : optional
- conn-pwprop.<property-name> : optional
- conn-sysprop.<property-name> : optional

'required'と示されたプロパティは、イントロスペクション時に提供されるファイルに指定する必要があります。

'userprop.*'プロパティはすべてエンドポイント・ユーザー・プロパティです。

'sysprop.*'プロパティはすべてエンドポイント・システム・プロパティです。

'pwprop.*'プロパティはすべてPASSWORD型のエンドポイント・ユーザー・プロパティで、暗号化形式で指定する必要があり、暗号化形式で返されます。暗号化形式の値を取得する方法の説明は、第5.3.1.4.10項「暗号化サポート」を参照してください。

'conn-'が先頭に付いたプロパティは接続プロパティで、接続された入力の要件を指定するためのものです。入力は、出力のプロトコルをサポートし、出力の接続プロパティにユーザーとシステムのプロパティが指定されている場合にのみ所定の出力と互換性があります。これはアプライアンス・メタデータに接続を作成するときに強制されます。この情報を省略すると、出力と非互換の入力の関連付けが許可されることがあります。

original-hostおよびoriginal-portプロパティは、別々に取得されたアプライアンスの入力/出力が当初は相互に接続されアプライアンス・メタデータで再接続する必要がある場合に、どの入力がどの出力に接続されたかを決定するために役に立ちます。

'connected-input'プロパティは、ユーザーが指定できず、かわりにリハイドレーション時に自動的に導出されます。リハイドレーション・スクリプトでは、'connected-input'プロパティの値を使用して、名前の最後に'.input'を付加して*.inputファイルの名前を導出します。connected-inputプロパティで指定されるファイル名は、次の形式をとります。

<assembly-path>.<input-name>

ここで、<assembly-path>の各コンポーネントは'.' (ピリオド)で区切られます。

この入力ファイルは他の*.inputファイルと同様ですが、別のアプライアンス用のため先頭にアセンブリパスを付けて入力名の競合を避けます。たとえば、ターゲットGenericProdアプライアンスの'output1'という出力に接続された入力'otherInput'があるパス'mySite/otherAppliance'のアプライアンスを例にとると、接続された出力ファイル'output1.output'には次のプロパティが含まれることになります。

connected-input=mySite.otherAppliance.otherInput

'otherInput'を表す*.inputファイルは、次のフルパスに(他のすべての*.input/*.outputファイルと一緒に)あります。

$AB_ENDPOINT_DIR/mySite.otherAppliance.otherInput.input
5.3.1.4.10 暗号化サポート

ディスクへの平文パスワードの格納を避けるために、すべてのパスワード・プロパティを暗号化形式で指定する必要があります。リハイドレーション時に、パスワード・プロパティ(アセンブリ編集時またはデプロイメント・プランによって変更された可能性があります)は同様に暗号化形式でプロパティ・ファイルに書き戻されます。OVABは、プロパティ・ファイルの作成時に使用するための暗号化ユーティリティと、リハイドレーション操作時に起動するスクリプト用の復号化ユーティリティを提供しています。

abctlインタフェースのencryptPropertiesコマンドを使用して、プロパティ・ファイルの作成時にパスワード値を暗号できます。

abctl encryptProperties -propertyNames String ... [-outputFile String]

3つのプロパティを既存のファイルに適用してmyprop3プロパティで置換した実行例:

% abctl encryptProperties -propertyNames myprop1 myprop2 myprop3 -outputFile allmysecrets.pwprops
Enter value for property 'myprop1':
Confirm entered value for property 'myprop1':
Enter value for property 'myprop2':
Confirm entered value for property 'myprop2':
Enter value for property 'myprop3':
Confirm entered value for property 'myprop3':
 
Changes applied to pre-existing file 'allmysecrets.pwprops'.
Added property 'myprop1'.
Added property 'myprop2'.
Replaced property 'myprop3'.

スクリプト実行時に、$AB_CLI環境変数で示されたユーティリティの'decryptProperty'コマンドを、プロパティ値の復号化に使用できます。

$AB_CLI decryptProperty -encryptedValue String

スクリプトからの実行例:

# encrypted value already obtained from property file
 
# execute decryption utility and store value in variable
THE_PASSWORD=$($AB_CLI -encryptedValue $THE_PASSWORD_ENCRYPTED)
 
# now ready to use $THE_PASSWORD to reconfigure a product

encryptPropertiesコマンドの詳細を参照するには、ソース環境内で標準のヘルプ機能abctl help <command>を使用してください。decryptPropertyコマンドの詳細を参照するには、vServer上で$AB_CLI help <command>を使用してください。

5.3.1.4.11 追加のプロパティ・サポート

特にカスタム再構成スクリプトの場合、その他のコンポーネントが、スクリプトの実行時にフェッチする必要があるプロパティを、アプライアンス内に作成することがあります。これらの値は当初プロパティ・ファイルから指定されたものではないので、再構成時にはどのプロパティ・ファイルにも存在しません。これらのプロパティはアプライアンス・メタデータから直接フェッチできます。スクリプトでは、$AB_CLIユーティリティの getPropertyコマンドをリハイドレーション操作時に使用できます。

$AB_CLI getProperty -propertyName String [-parentAssembly] [-systemProperty] [-instanceId String]

デプロイヤは、再構成操作の動作に影響する特定の構成パラメータをVMに提供します。これらのパラメータはアプライアンス・メタデータとは別ですが、まれにスクリプトに役立つ場合があります。$AB_CLIユーティリティのgetConfigParamコマンドは、再構成操作時にスクリプトで使用できます。

$AB_CLI getConfigParam -paramName String [-instanceId String]

5.3.1.5 プロパティの準備

この機能を使用すると、イントロスペクションで参照システムの1つ以上のプロパティ・ファイルからプロパティを取得し、結果のアプライアンスまたはアセンブリにユーザー・プロパティとして追加できるため、これらのプロパティを編集できます。

デプロイ時、ユーザーによる変更を含む元のプロパティ・セットは、これらのプロパティに基づいてカスタム処理を実行するためにユーザーが指定するスクリプトで使用可能になります。

5.3.1.5.1 プロパティ・ディレクトリ

プロパティ・ディレクトリは、カスタム再構成スクリプト機能のみでサポートされており、汎用アプライアンス・イントロスペクション・スクリプトではサポートされていません。

デハイドレーション時にプロパティ・ファイルが自動的に取得されるようにするために、プロパティ・ファイルを次の一般的に知られているディレクトリに入れることができます。

/ovab/scripts.d/properties/

このディレクトリは、取得される基礎となる製品と同じマシンに存在する必要があります。このディレクトリ内では、プロパティ・ファイルは次のネーミング方式に準拠する必要があります。

<filename>.userprops

<filename>には、コロン(:)を含めることはできません。この文字はプロパティ名の生成でデリミタとして機能するためです。

プロパティ・ディレクトリ内の前述のネーミング方式に準拠しないファイルは、追加のユーザー・プロパティを生成するために読み取られず、アプライアンスとともに盲目的に転送されます。これにより、内部プロパティや、再構成時にユーザー・プロパティの処理に役立つ他の情報を含む追加ファイルを指定できるようになります。

5.3.1.5.2 プロパティ・ファイル

プロパティ・ファイルはゼロ以上の行で構成され、各行はプロパティ宣言、コメントまたは空白行である必要があります。さらに正式には、プロパティ・ファイルは次の構文に準拠する必要があります。

property-file   = *line
line            = prop-decl | comment | blank-line
prop-decl       = name "=" value NL
comment         = *WS "#" *CHAR NL
blank-line      = *WS NL
name            = <any character in "a".."z", "A".."Z", "0".."9", "_", "-", ".">
value           = *XATTRCHAR
XATTRCHAR       = <any CHAR, escaped as necessary for XML element attribute interpretation>
CHAR            = <any character, excluding CTL (and NL), but including WS>
CTL             = <any control character (octets 0 -31) and DEL (127)>
NL              = <platform dependent line termination sequence>
WS              = <white space character>

前述の構文規則に準拠していないプロパティ・ファイルはエラーとなり、アプライアンスは作成されません。

プロパティ宣言は、1行で記述する必要があります。行を"\"で終わると、行は継続されません。

すべてのプロパティは、アプライアンス・メタデータで"required"のマークが付けられます。値が割り当てられていない("="の後に何もない)プロパティ宣言は、アプライアンス・メタデータでnullに設定されるため、デプロイ前にそのプロパティに値を割り当てる必要があります。

プロパティ宣言では、"="の左側のどこにも空白を指定することができません。"="の右側の空白は、目的の値の一部であると見なされ、維持されます。

コメントおよび空白行は、デハイドレーション時に維持され、リハイドレーション時にファイルが再生成されたときに再作成されます。

5.3.1.5.3 プロパティ名

プロパティ・ディレクトリ内の各*.userpropsファイルが読み取られ、アプライアンス・ユーザー・プロパティが各ファイルのプロパティごとに生成されます。プロパティ名は、プロパティがカスタムプロパティであり、特定のプロパティ・ファイルに属することを指定するため、次のように接頭辞を追加して変更されます。

  • カスタム再構成スクリプトの場合:

    custom:<filename>:<propname>

  • 汎用製品アプライアンスの場合:

    generic:<filename>:<propname>

<filename>部は、接尾辞".userprops"を削除したプロパティ・ファイル名からきています。<propname>部は、プロパティ・ファイルで見つかったプロパティ名から変更なしで直接コピーされます。

編集時、プロパティ名全体が表示されます。再構成時に、プロパティ・ファイルが再作成されるときに接頭辞"custom:<filename>:"は削除され、プロパティ・ファイルに表示されません(つまり、ファイルで見つかった元のプロパティ名は再作成されたファイルで維持されます)。

5.3.1.5.4 プロパティ値

前述の「プロパティ・ファイル」の項で示したように、プロパティ値は、XML要素属性の要件に準拠する必要があります。プロパティ値で必要な文字のエスケープは、プロパティ・ファイルを作成するときにユーザーが行います。

5.3.1.5.5 デプロイ時

再構成時、アプライアンス内のユーザー・プロパティを横断して、接頭辞"custom:<filename>:"を持つすべてのプロパティが、指定されたfilename(接尾辞".userprops"を追加)のプロパティ・ファイルに追加されます。

元のプロパティ・ファイル内でのプロパティおよびコメントの順序は、再生成されたプロパティ・ファイルで維持されます。

生成されたプロパティ・ファイルはすべて同じディレクトリに格納されます。そのディレクトリへのフルパスは、すべての再構成スクリプトに次の名前の環境変数として渡されます。

$AB_PROPFILE_DIR

5.3.2 アセンブリの作成

空の新規アセンブリを作成するには、「ファイル」「新規アセンブリ」を選択します。アセンブリ・エディタを使用して既存のアプライアンスをアセンブリに追加するか、アプライアンスをアセンブリにイントロスペクトできます。詳細は、第5.3.1項「アプライアンスのイントロスペクト」を参照してください。

アセンブリの次のフィールドを構成します。

  • 名前: 「アセンブリ名」フィールドに新規アセンブリの名前を入力します。

  • 上書き: 同じ名前のアプライアンスまたはアセンブリが存在する場合、それらが未登録であれば、「上書き」チェック・ボックスを選択して上書きできます。

  • 説明: オプションで、テキストの説明を入力します。

  • デフォルトVnet名: このアセンブリ用に作成するデフォルトVnet (仮想ネットワーク)の名前を入力します。Vnetには、複数のNICまたはvNICを接続できます。

「OK」をクリックしてアセンブリを作成します。

5.3.3 アプライアンスまたはアセンブリのテンプレートの作成

テンプレート作成では、仮想化されたプラットフォームにデプロイする準備ができた仮想マシン・テンプレートを生成します。Oracle Virtual Assembly Builderでは、Oracle VMが唯一サポートされるプラットフォームです。Oracle Virtual Assembly Builderでは、すべてのアプライアンスに対してOracle Enterprise LinuxゲストOSがサポートされます。

テンプレートを作成するには、オペレーティング・システムを含むシステム・ベース・イメージを指定する必要があります。サンプル・システム・ベース・イメージがニーズを満たさない場合は、独自のシステム・ベース・イメージを作成できます。

イントロスペクトされる製品に、特定の文字エンコーディングでエンコードされたファイルが含まれている場合、結果のアプライアンス用のテンプレートを作成するのに使用するシステム・ベース・イメージに、必要な文字エンコーディングが含まれていることを確認します。

Oracle Virtual Assembly Builderには、Oracle Enterprise Linuxテンプレートのサンプル・システム・ベース・イメージが用意されています。Oracle Enterprise Linuxテンプレートの作成時、Oracle Virtual Assembly BuilderではOracle VMのmodifyjeosツールを透過的に起動して仮想マシン・テンプレートを作成します。このツールを使用すると、ベース・イメージを変更またはカスタマイズできます(たとえば、ディスク領域をベース・イメージに追加したり、特定のRPMを指定できます)。カスタム・システム・ベース・イメージの作成方法の詳細は、『Oracle Virtual Assembly Builderインストレーション・ガイド』のシステム・ベース・イメージに関する項を参照してください。

5.3.3.1 ベース・イメージの検証

イントロスペクタ・プラグインは、テンプレートの作成時に強制されるベース・イメージの前提条件を表現できます。プラグインでは、失敗チェックに対する動作を指定できます。これは、エラー(テンプレートの作成に失敗します)、または警告(ユーザーには表示されますが、テンプレートの作成は続行できます)のいずれかです。

5.3.3.2 テンプレートの格納

テンプレートは、Oracle Virtual Assembly Builderインスタンスのカタログ・ディレクトリに格納されます。テンプレート作成は、Oracle VMのmodifyjeosがインストールされているOracle Virtual Assembly Builderホストで実行する必要があります。


注意:

ベース・イメージは、$AB_INSTANCEまたは$ORACLE_HOMEに格納されます。ベース・イメージ検出の優先順位は、次のとおりです。

  • -baseImageフラグによって指定される場所

  • $AB_INSTANCE/templates/baseImage/OVM/OEL

  • $ORACLE_HOME/templates/baseImage/OVM/OEL


5.3.3.3 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したテンプレートの作成

この操作では、アプライアンス用のテンプレートを作成できます。使用可能なアプライアンスを表示するには、「表示」「アプライアンス」を選択します。アプライアンスを右クリックして、「新規」OVMアプライアンス・テンプレートを選択します。

「ベース・イメージ・オプションの構成」ページで、テンプレートのデフォルトとして機能するベース・イメージを選択します。次のフィールドを構成します。

  • アセンブリ・レベルのベース・イメージ・パス: プラットフォームのデフォルトを選択するか、カスタム・ベース・イメージを選択して、ベース・イメージの場所を指定します。

  • プラットフォームのデフォルトの使用: デフォルト・ベース・イメージを使用するかどうかを選択します。

    • Oracle VMのOELベース・イメージを構成している場合、デフォルトの場所は次のとおりです: $AB_INSTANCE/templates/baseImage/OVM/OEL

  • カスタム・ベース・イメージの選択: カスタム・ベース・イメージを構成するかどうかを選択します。参照アイコンをクリックして、ベース・イメージに移動して選択します。

  • テンプレートにルート・パスワードを含める: テンプレートにOSルート・パスワードを含める場合に選択し、パスワードを入力します。

「次へ」をクリックして続行します。

5.3.3.4 ファイル・セットの取得

ファイル・セットの取得では、イントロスペクションから生成されたファイル・セット定義を取得し、これらのファイル・セットを1つ以上のzip (または他のRAW)ファイルにアーカイブして、結果のファイルをカタログの共有領域に格納します。

取得を成功させるために、一部のプラグインには参照システムの実行状態について特定の要件があります。表5-2に、Oracle Virtual Assembly Builderでサポートされる製品の前提条件を示します。

表5-2 取得プラグインの要件

イントロスペクション対象の製品 実行状態の前提条件

Oracle WebLogic Server

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Coherence*Web

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Forms*Web

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle SOA for WebLogic Server

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle HTTP Server (OHS)

要件なし。Oracle HTTP Serverは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle単一インスタンス・データベース

イントロスペクション・フェーズでは、データベースは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle RAC Database

イントロスペクション・フェーズでは、データベースは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Reports

管理サーバーが起動し、実行状態である(管理状態ではない)こと。管理対象サーバーは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Traffic Director

イントロスペクション・フェーズでは、Oracle Traffic Directorアプリケーションは起動していても、停止していてもかまいません。

Oracle Tuxedo

イントロスペクション・フェーズでは、Tuxedoアプリケーションは起動していても、停止していてもかまいません。


5.3.3.4.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したファイル・セットの取得

「新規アプライアンス・テンプレートの構成」ページで、アプライアンスのファイル・セットを構成します。表示されるファイル・セットは、イントロスペクタのプラグインによって構成されます(この時点では読取り専用)。

インスペクタ・プラグインでは、ファイル・セットが共有なのかローカルなのかを定義します。次のことについても定義します。

  • ファイル・セットが編集可能かどうか(ユーザーがファイル・セットのプロパティを変更できるかどうか)

  • 共有のファイル・セットをローカルのファイル・セットに切り替えることができるか、またその逆は可能か

これらのコントロールは、相互に独立しています。「ファイル・セット」ダイアログでは、イントロスペクタ・プラグインの定義に従っていることを確認します。たとえば、ファイル・セットは編集可能ではないが、共有状態は編集可能である場合(共有のファイル・セットをローカルにできるなど)、共有/ローカルのラジオ・ボタン以外のすべてのフィールドは読取り専用です。ただし、フラグ(それぞれ「編集可能」および編集可能な共有を示す)がプロパティ・インスペクタに表示されます。

ファイル・セットを追加できます。たとえば、Oracle HTTP ServerにDocumentRootパスがあるときに、このファイル・セットを取得する場合があります。

ファイル・セットの詳細

ファイル・セットについて次のパラメータを構成します。

  • 名前: ファイル・セットの名前を入力します。

  • ルート・ディレクトリ:ルート・ディレクトリを入力します。

  • OS所有者およびOSグループ: 各ファイル・セットに、OS所有者とOSグループを指定できます。製品では、ベース・イメージに所有者またはグループ(あるいは、その両方)が定義されているという保証はありません。デプロイ時、指定した所有者とグループを使用してファイル・セットが展開されます。所有者とグループのデフォルトは"oracle"です。

  • 除外: 各ファイル・セットに、取得しない、ルート・ディレクトリ下の場所を複数指定できます。この場所は、ルート・ディレクトリを基準とします。除外に指定できるパターンは、次のとおりです。

    • リテラル・パス。例: foo/bar

    • 後続のファイル名またはディレクトリ名の中に*。例:

      • foo/bar/*

      • foo/bar/*.log

      • foo/bar/tmp.*

      foo/barとfoo/bar/*の違いは、foo/barはbarを除外する一方、foo/bar/*はfoo/bar下のすべてを除外しますが、foo/bar自体は除外しません。


注意:

ベース・イメージには、所有者およびグループが定義されている必要があります。


ファイル・セットの取得

ファイル・セット定義を取得することができるディレクトリをこのファイル・セット内に作成します。ファイル・セット定義は、ファイル・セットを作成するための一連の手順です。ファイル・システム・タイプで許可されている場合は、ローカルとリモートの両方のファイル・セットを取得できます。「ファイルシステム・タイプ」を参照してください。

共有ファイル・セット

各ファイル・セットを共有またはローカルとして構成できます。共有の場合、ファイル・セットの取得を決定してもしなくてもかまいません。場合によっては、ローカルから共有、あるいはその逆にファイル・セットを移行できません。これは、初期ファイル・セットを作成したイントロスペクタのプラグインによって定義され、Oracle Assembly Builder Studioではその設定に従います。

また、共有ファイル・セットにはマウント・オプションを指定できます。これは、デプロイメント・プランの編集時にプロパティ・インスペクタ・ビューでのみ発生します。

ファイルシステム・タイプ

指定したファイル・セットの空き領域サイズを指定できます。各ファイル・セットに空き領域を定義できます。この値はファイル・セットごとに設定されます。ローカル・ファイル・セットの場合、ファイル・セットを取得しないことを選択し、VM上に空き領域を作成することもできます。

ファイル・システム・タイプを選択します。ローカル・ファイル・セットの場合は、次を選択できます。

  • Linux

    • ファイル・セットを取得できます。

    • 空き領域を定義できます。

「共有ファイル・セット」の場合は、次を選択できます。

  • NFS

    • ファイル・セットを取得できます。

    • 空き領域を定義できません。

  • RAW

    • ファイル・セットを取得できません。

    • 空き領域を定義できます。

  • ネイティブ

    • ファイル・セットを取得できます。

    • 空き領域を定義できます。

ファイル・セットの空き領域の定義

指定したファイル・セットの空き領域を定義します。空き領域の単位として、「メガバイト」、「ギガバイト」または「パーセント」を選択し、値を入力します。

空き領域の単位を「パーセント」として定義できるのは、ファイル・セットが取得される場合のみです。ネイティブ・ファイル・システム・タイプでは、ファイル・セットを取得できないため、「パーセント」を使用できません。

ベース・イメージの検証

「ベース・イメージの検証」ページで、各アプライアンスのベース・イメージが最小要件を満たしていることを確認します。このページに検証の結果が表示されます。検証に成功したら、次の操作に進めます。検証に成功しなかった場合は、不足している要件が示されます。

サマリー

「サマリー」ページには、作成するテンプレートのサマリーが表示されます。「終了」をクリックして、テンプレートの作成を開始します。


注意:

テンプレートの作成では多くの時間とリソース(ディスクおよびネットワークI/O)を使用します。作成するテンプレートの数によっては、完了までに1時間以上かかる場合があります。処理概要を確認し、終了をクリックしてプロセスを開始します。


特定のタスクの進捗状況を正確に取得するには、タスク・ログを使用します。特定のタスクのタスク・ログを表示するには、タスク・ビューアでタスクを選択し、タスク・ナビゲータの「タスク・ログの表示」ツールバーをクリックします。

5.3.3.4.2 abctlを使用したファイル・セットの取得

abctlintrospect*コマンドは現在、デフォルトではイントロスペクションの最後にファイル・セットを取得します。これは、captureFileSetsコマンドによってファイル・セットを個別に取得することを許可するフラグでオーバーライドできます。

abctlには、ローカルとリモートの両方のファイル・セット取得機能があります。リモート・ファイル・セット取得の場合、Oracle Virtual Assembly Builderホストにはサブジェクト・マシンへのSSHアクセスが必要です。

次に2つの例を示します。

例5-7 Oracle HTTP Serverのリモート・ファイル・セット取得

$ ./abctl captureFileSets –name myOHS -remoteHost myReferenceSystemHost –remoteUser abdemo

例5-8 Oracle WebLogic Serverのローカル・ファイル・セット取得

$ ./abctl captureFileSets -name myWLS -force

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細がコマンドのサンプル出力とともに記載されています。

「サマリー」ウィンドウには、「終了」をクリックした後に作成されるすべてのテンプレートがリストされます。テンプレートの作成にしばらく時間がかかる可能性があることを示す警告も表示されます。

5.3.3.5 abctlを使用したテンプレートの作成

例5-9から例5-10は、createTemplateコマンドの例です。

例5-9 Oracle WebLogic ServerのOracle VMゲストOSテンプレートの作成

$ ./abctl createTemplate -name myWLS -platform OVM

例5-10 OHSのOracle VMゲストOSテンプレートの作成

$ ./abctl createTemplate -name myOhs -platform OVM -baseImage /private/baseImage/OVM/OEL/System.img

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.3.4 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したアセンブリの編集

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したアセンブリの編集方法について説明します。アセンブリの作成後に、デプロイして接続を作成したり、オプションで他の変更を加えたりできるようにするには、アセンブリの編集が必要な場合があります。

アセンブリ・アーカイブを作成してしまったら、アセンブリの編集(接続の作成や、アセンブリに含まれるアプライアンスのプロパティの変更など)はできなくなります。

5.3.4.1 アプライアンスの接続

接続構成の管理には、出力への入力の接続、入力および出力のプロパティ値(JDBC接続文字列など)の設定または変更、アセンブリの一部としてデプロイされないコンポーネントに接続する出力の外部リソース・アプライアンスの作成があります。

一般に接続の定義は、出力を入力に接続し、必要に応じて入力および出力のプロパティを設定または変更することを意味します。"入力への出力の接続"ステップは、アプライアンスの出力を別のアプライアンスの入力に接続するか、アプライアンスの出力を外部リソース・アプライアンスの入力に接続することで達成できます。

アセンブリ・アーカイブを作成するためには、値を必要とするすべての入力/出力プロパティに値セットがあり、すべての出力が入力または外部リソースのいずれかと接続されている必要があります。入力は接続されている必要はありません。また、デプロイ時に設置する環境に応じて、他のすべてのプロパティを設定または変更することが必要な場合があります。

たとえば、次のようにします。

  • Webサーバー・ポート転送の構成: myohsで出力を選択し、mywlsアセンブリの管理対象サーバー入力との間に矢印を描いて、この2つのを接続します。

  • 各JDBC接続のJDBC接続文字列の指定: Oracle WebLogic ServerアセンブリのJDBC出力を選択して開きます。

    図5-4 アプライアンスの接続

    アプライアンスの接続
    「図5-4 アプライアンスの接続」の説明

    JDBC接続の場合、外部リソースを作成するか、データベースをイントロスペクトした後、Oracle WebLogic ServerのJDBC出力と外部リソースまたはイントロスペクトされたデータベース・アプライアンスの間に接続を作成します。

    JDBC接続ごとに異なる記述をします。その記述を使用して、それぞれがどのJDBCデータベース・スキーマに接続するかを把握します。JDBCエントリごとに、original-urlを調べ、hostnameおよびglobal-db-namemydbにコピーします。

    たとえば、jdbc:oracle:thin:@machine999.example.com:1521/orclでは、hostnameはmachine999.example.com、portは1521、global-db-nameはorclです。

    また、global-db-nameおよびportを外部データベース・リソース入力のプロパティとして、hostをデータベース・アプライアンス自体のプロパティとして指定します。

    portは、外部データベース・リソース入力のプロパティです。hostnameは、外部データベース・リソース自体に属する唯一のプロパティです。


    注意:

    アプライアンス固有の接続情報の詳細は、付録B「Oracle Virtual Assembly Builderのイントロスペクション・プラグイン」を参照してください。


5.3.4.2 自動接続

エディタ・ツールバーでは自動接続の提案を有効または無効にできます。無効にした場合、提案は表示されません。有効にすると、2つの方法で提案が表示されます。

「接続の提案」ツールバー・ボタンは、ユーザーが出力を選択したときに、提案する接続のみを表示します。ここでは、様々な有効な入力に対する有効な接続がすべて表示されます。有効な入力とは、出力と同じプロトコルに従う入力のことです。Oracle Virtual Assembly Builderでは、所定の1つの出力に対して1つの提案のみが提供されます。提案は、出力と入力の両方がキャンバスに存在するようになれば、即座に表示されます(たとえば、ドラッグ・アンド・ドロップ操作の後など)。

提案を受け入れるには、出力、入力、提案のいずれかを右クリックして、提案の受入れを選択します。提案は、未バインド出力に対してのみ表示されます。

未バインド出力を選択すると、可能な合法的な接続ごとにダッシュ付きの接続が1つずつ描画されます。可能な合法的な接続はグレーに色分けされますが、提案が存在する場合は、黒色でリスト内に残ったままになります。提案された接続を選択して右クリックすると、「受入れ」オプションが表示されます。「受入れ」ボタンをクリックすると、新しい接続が作成(バインド)されます。

5.3.4.3 プロパティ・インスペクタ

参照システムからの値が適切な場合、プロパティを変更する必要がないこともあります。必要な場合は、プロパティ・インスペクタを使用して変更します。

プロパティ・インスペクタ(図5-5)には、プロパティ値が表示されます。アセンブリの編集時とデプロイメント・プランの編集時に、プロパティ・インスペクタ内でプロパティがグループ化されます。必要に応じて、プロパティを設定します。

図5-5 プロパティ・インスペクタ

プロパティ・インスペクタ
「図5-5 プロパティ・インスペクタ」の説明

5.3.4.4 構造ペイン

アセンブリ、デプロイヤのアーティファクト(ターゲットなど)、アセンブリ・インスタンス、アプライアンス・インスタンスなどの要素を選択すると常に、構造ペインに移入されます(図5-6)。アセンブリを選択すると、構造ペイン(図5-7)には、すべてのアプライアンスの他にそのアプライアンスの入力、出力およびネットワーク・インタフェースを含め、そのアセンブリの構造が表示されます。構造ペインでアイテムを選択すると、その特定の選択にスコープ指定されたプロパティがプロパティ・インスペクタに移入されます。

図5-6 要素の選択

構造ペインでの要素の選択
「図5-6 要素の選択」の説明

図5-7 構造ペイン

構造ペイン
「図5-7 構造ペイン」の説明

5.3.4.5 タスク・ビューア

タスク・ビューアには、同じOracle Virtual Assembly Builder Studioセッションから起動したすべての非同期操作(タスク)の説明とステータスが表示されます。各タスクは、メイン・フレームの中央下に位置するドッキング可能なペインである、タスク・ビューアに表示されます。

存続期間中、タスクは一連の状態を進行していき、ユーザーはこれをビューアで観察できます。タスクの状態について、表5-3で説明します。

表5-3 タスクの状態

状態 アイコンまたはプログレス・バー 説明

保留中

時計のアイコン

初期状態。作成時に即座に実行されるタスクは観察できません。

実行中

アクティブなプログレス・バー

PENDING(保留中)状態から入ります。

取消中

背景に「取り消しています」と表示されるアクティブなプログレス・バー。

RUNNING(実行中)またはPENDING(保留中)状態から入ります。取消しに対するタスクの応答が非常に速い場合、観察できないことがあります。

取消済

アイコン付きの赤い円

最終状態。CANCELLING(取消中)状態から入ります。タスクが取消に対して応答していない場合(つまりタスクが成功したか、取消の試行後に失敗した場合)、この状態に入らないことがあります。

失敗

背景が赤い円に"X"の文字

最終状態。RUNNING(実行中)またはCANCELLING(取消中)状態から入ります。

成功

緑のチェック・マーク

最終状態。RUNNING(実行中)またはCANCELLING(取消中)状態から入ります。


表5-4では、各タスクに表示される情報について説明します。

表5-4 タスク・ビューア

状態 説明

説明

進行中のタスクの論理的な説明。例: 「ohs64のテンプレートを作成」

ステータス

タスクの現在の状態。この列には、表5-3で説明するようなアイコンまたはプログレス・バーが表示されます。タスクのステップ数が確定しているか、進捗の割合(パーセント)を使用できる場合、プログレス・バーは完了したステップまたはパーセントを表します。

開始

タスクがRUNNING状態になったローカル時間。

経過

タスクがRUNNING状態に入ってから経過した時間の合計。

完了

タスクが最終状態(SUCCEEDED、FAILED、またはCANCELLED)に到達したローカル時間。


5.3.4.5.1 タスク・アクションのログの表示

タスクのアクションと進捗のログを表示するには、タスク(行)を選択して、ツールバーのテキスト・アイコンをクリックします。メッセージを表示することで、キャンバス領域にテキスト・エディタが開き、そのタスクのみに関連付けられたメッセージが表示されます。表の中のタスクの行をダブルクリックすることでタスクのログを開くこともできます。

5.3.4.5.2 タスクのフィルタ処理

表示されたタスクのリストを状態に基づいてフィルタ処理できます。ラッチ型のツールバー・ボタンを使用して、CANCELLED、SUCCEEDED、またはFAILED状態のタスクを個別に非表示にできます。非表示にすると、タスク・ビューアにはその状態のタスクが表示されなくなります。PENDING、RUNNING、またはCANCELLING状態のタスクはフィルタ処理できません。

5.3.4.5.3 タスクの削除

タスク(行)を選択し、ツールバーの赤い"X"アイコンをクリックするか、[Delete]キーを使用することで、最終状態のタスクを削除できます。

5.3.4.5.4 タスクの取消

タスクを取り消すには、タスク(行)を選択します。タスクの取消しがサポートされている場合、ツールバーの停止(赤いブロック)アイコンをクリックできます。タスクの取消がサポートされていない場合、"停止"アイコンは無効になっています。

取消可能なタスクには次のタイプがあります。

  • アセンブリ・アーカイブの作成

  • ファイル・セットの取得(ローカルとリモートの両方)

  • OELテンプレートの作成

  • インポート(ディレクトリからとアセンブリ・アーカイブからの両方)

5.3.4.6 ファイル・セット定義エディタ

構造ペインでは、ファイル・セットを追加、編集、削除できます。ファイル・セット定義アクションを実行するには、構造ペインで特定のアプライアンスのファイル・セット、またはファイル・セット・フォルダを右クリックします。

ファイル・セットをクリックすることで、プロパティ・インスペクタにプロパティを表示できます。アプライアンスを右クリックして、「新規」→「ファイル・セット」を選択することで、ファイル・セット定義を作成できます。個々のファイル・セットを右クリックして、「開く」または「削除」オプションを選択することもできます。ファイル・セットが編集可能な場合は、ダイアログでプロパティを変更できます。そうでない場合、プロパティは読取り専用になります。

ファイル・セット定義を作成、編集、または削除するには:

  • アプライアンスの最上位の親アセンブリにアセンブリ・アーカイブが存在してはなりません。

  • アプライアンスが共有されている(つまり、バイナリが複数のアセンブリ間で使用されている)場合、何も格納されていない最上位アセンブリにアセンブリ・アーカイブが存在することになります。

アプライアンスにすでにテンプレートが格納されているか、取得済のファイル・セットが含まれているものの、そのアプライアンスがアセンブリやアセンブリ・アーカイブの一部ではない場合、何らかの変更を行い、その変更を受け入れると、そのアプライアンス(共有されている場合は複数のアプライアンス)のテンプレートとファイル・セットが削除されるという警告が表示されます。ファイル・セットの状態も表示できます(パッケージ化されているかどうか、システム・ファイル・セットとユーザー・ファイル・セットのどちらなのか)。

5.3.4.7 Oracle HTTP Server/Oracle Web CacheおよびOracle WebLogic Serverが含まれるアセンブリの編集

Oracle HTTP Server/Oracle Web Cachのデプロイメントの一環として、Oracle HTTP Server/Oracle Web CacheおよびOracle WebLogic Serverが含まれるアセンブリをEnterprise Managerとともにデプロイした場合、Oracle WebLogic ServerでホストされるEnterprise Managerアプリケーションにそのアプライアンスを登録するために"opmnctl registerInstance"がコールされます。この操作を有効にして正常に完了するには、アセンブリの編集時に次の手順を実行する必要があります。

  1. Oracle HTTP Server/Oracle Web CacheのEMRegistration出力とOracle WebLogic Serverの間に接続を定義します。

  2. プロパティ・インスペクタを使用して、Oracle HTTP Server/Oracle Web Cacheの依存関係をOracle WebLogic Serverに設定します。この操作を実行するには、「一般」セクションで「依存」ドロップダウン・メニューを選択します。

    この構成を行わない場合、管理サーバーが起動されないので、Enterprise Manager登録に失敗します。

  3. WebLogic Server Administration ServerがSSL接続のみを受け入れる構成になっていないことを確認します。"opmnctl registerInstance"では、WebLogic ServerへのSSL接続はサポートされていません。

5.3.4.8 Oracle HTTP ServerとOracle WebLogic Server間のアプリケーション・ルーティング

Oracle HTTP Server構成ファイルmod_wl_ohs.confでOracle HTTP ServerとOracle WebLogic Server間のアプリケーション・ルーティングを定義する場合、エディタでOracle HTTP ServerをOracle WebLogic Serverに接続する必要があります。

5.3.4.9 アセンブリ内でのVnetの作成

アセンブリが作成されると、そのアセンブリに対してデフォルトVnetが作成されます。デフォルトVnetの名前および説明は、アセンブリの作成時に変更できます。アセンブリが作成されると、デフォルトで作成されたものとは異なるVnetを追加作成することもできます。

新しいVnetを作成するには、アセンブリを右クリックして「新規」 > 「Vnet」を選択するか、アセンブリを選択して構造ペインで「Vnet」フォルダを右クリックし、コンテキスト・メニューから「新規Vnet」を選択します(図5-8)。新しいVnetの名前および説明を入力します。

5.3.4.10 アプライアンス内でのネットワーク・インタフェースの作成

各アプライアンスには1つ以上のネットワーク・インタフェースが必要で、各ネットワーク・インタフェースはゼロ個以上の仮想ネットワーク・インタフェースを含むことができます。アプライアンスがvServerにデプロイされると、そのアプライアンスに対して定義されている各ネットワーク・インタフェースがvServer上のネットワーク・インタフェースと対応します。インタフェースを作成する手順は、次のとおりです。

  • アセンブリ・エディタでアプライアンスを右クリックして「新規ネットワーク・インタフェース」を選択するか、アセンブリ・ナビゲータでアセンブリを選択してアプライアンスまたはアプライアンス下の「ネットワーク・インタフェース」フォルダを右クリックし、「新規ネットワーク・インタフェース」を選択して、物理ネットワーク・インタフェースを作成します。

  • 物理ネットワーク・インタフェースを右クリックし、「新規ネットワーク・インタフェース」を選択して、仮想ネットワーク・インタフェースを作成します。新しいインタフェースの名前および説明を要求されます。プロパティ・インスペクタを使用して他のプロパティを設定します。結果は、物理ネットワーク・インタフェースの子として構造ペインに表示されます。仮想ネットワーク・インタフェースは、VLANの概念をモデル化するために存在します。

5.3.4.11 Vnetへのネットワーク・インタフェースのバインド

アセンブリおよびアプライアンスには、Vnetおよびネットワーク・インタフェースがあります。各ネットワーク・インタフェースがバインドできるVnetは1つのみです。デプロイメント・プランは、Vnetおよびネットワーク・インタフェースを、デプロイメント環境に存在する物理ネットワークおよびIPアドレスと関連付けるために使用します。

バインディングは、プロパティ・インスペクタを使用して別のVnet (別のものが存在する場合)に変更できます。各論理ネットワークは、デプロイ時にデプロイメント・プランを使用して解決する必要があります(つまり、各ネットワークはデプロイメント・プランにプロパティを保持します)。

5.3.4.12 ネットワーク・インタフェースへのアプライアンス入力のバインド

アプライアンスの入力を構成するときには、その入力がデータを受信(またはリスニング)するネットワーク・インタフェースとポートを指定する必要があります。特定のネットワーク・インタフェースを選択して、入力がそのネットワーク・インタフェースから受信する入力のみをリスニングするようにするか、INADDR_ANYを選択して、入力がそのアプライアンスに対して構成された任意のネットワーク・インタフェースから受信する入力をリスニングするようにすることができます。INADDR_ANYがデフォルトです。

デフォルト・インタフェースをアプライアンスに設定するには、構造ペインでインタフェースを右クリックし、コンテキスト・メニューから「デフォルトに設定」を選択します。デフォルトは、仮想インタフェースまたは物理インタフェースのいずれかです。仮想インタフェースは、アセンブリ・エディタに表示されないことに注意してください。構造ペインでのみ選択できます。

5.3.4.13 アプライアンス出力からの外部リソースの作成

外部リソースを作成するには、アセンブリ・エディタで接続されていないアプライアンス出力を右クリックし、「新規外部リソース」を選択するか、キャンバスのツールバーにあるボタンを選択します。

「外部リソースの作成」ダイアログにはすべての未バインド出力が移入され、選択した未バインド出力に対して外部リソースを作成できます。外部参照にバインドする出力を選択できます。「OK」をクリックすると、出力にバインドされた外部参照がキャンバスに表示されます。この操作はcreateExternalResources abctlコマンドと類似しています。参照の名前は自動生成されます。

5.3.5 abctlを使用したアセンブリの編集

この項では、abctlを使用して実行できるアセンブリ編集操作について説明します。

空の最上位アセンブリの作成

createAssemblyコマンドを使用して、空の最上位アセンブリを作成します。例5-11に、createAssemblyコマンドを示します。

例5-11 createAssemblyコマンド

$ ./abctl help –command createAssembly
$ ./abctl createAssembly -name myAssembly -defaultNetwork intranet

最上位アセンブリへのアプライアンス(またはWebLogic Serverアセンブリ)の追加

addToAssemblyコマンドを使用して、アプライアンスを最上位アセンブリに追加します。例5-12に、addToAssemblyコマンドを示します。

例5-12 addToAssemblyコマンド

$ ./abctl help –command addToAssembly
$ ./abctl addToAssembly -name myAppliance -into myAssembly

入力への出力の接続

connectEndpointsコマンドを使用して、出力と入力の間に新しい接続を作成します。出力および入力のプロトコルは一致する必要があります。また、出力および入力の所有者は同じアセンブリに属する必要があります。例5-13に、connectEndpointsコマンドを示します。

例5-13 connectEndpointsコマンド

$ ./abctl help –command connectEndpoints
$ ./abctl connectEndpoints -from mySite/myOhs -fromOutput output1 -to mySite/myWls -toInput default

5.3.6 アセンブリ・パスワードのクリア

最上位の非原子性アセンブリとその子のアプライアンスおよびアセンブリに対するパスワードをすべてクリアして、すべてのパスワードをデプロイメント・プラン内で指定しなければならないようにすることができます。この操作により、すべてのユーザーとテンプレートのパスワードが削除されます(システム・プロパティのパスワードはデプロイメント・プランには反映されないので、この操作の対象にはなりません)。コマンドの実行時に値が入っていないオプションのパスワードは、デプロイメント・プランでは指定する必要がないものです。コマンドの実行時に値が入っているオプションのパスワードは、必須に設定され、値は未設定です。

このコマンドでデプロイメント・プランが変更されることはありません。デプロイの前にデプロイメント・プランにパスワードを指定する必要があります。デプロイメント・プランで値を指定しない場合、デプロイメント・プランの検証に失敗します。

5.3.6.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるアセンブリ・パスワードのクリア

「アセンブリ・パスワードのクリア」ダイアログでは、アセンブリおよびアプライアンス・メタデータのパスワードをクリアできます。「アセンブリ・パスワードのクリア」ダイアログにアクセスするには、「表示」「アセンブリ」を選択し、アセンブリを右クリックして、「アセンブリ・パスワードのクリア」を選択します。「OK」をクリックします。

この操作は「アセンブリ・アーカイブの作成」ウィザードからも実行できます。

5.3.6.2 abctlによるアセンブリ・パスワードのクリア

abctlコマンドライン・インタフェースのclearAssemblyPasswordsコマンドを使用して、アセンブリおよびアプライアンス・メタデータのパスワードをクリアできます。

例5-14に、アセンブリ・パスワードをクリアする方法を示します。

例5-14 アセンブリ・パスワードのクリア

 ./abctl clearAssemblyPasswords -name myWlsAssembly

5.3.7 アプライアンスまたは原子性アセンブリのコピー

アプライアンスまたは原子性アセンブリが最上位アセンブリに追加されると、アセンブリ内にメタデータ・コピーが作成されます。新規コピーでは、ファイル・セットおよびVMテンプレートがコピー元と共有されます。この動作により領域が節約されるため、通常はこれが理想です。ただし、場合によっては、ファイルおよびVMテンプレートを共有しないアプライアンスまたは原子性アセンブリのコピーが必要となります。

ファイル・セットまたはVMテンプレートを元のオブジェクトと共有しない、アプライアンスまたは原子性アセンブリのコピーを作成できます。この操作は、外部リソース・アプライアンス、原子性アセンブリ内に含まれるアプライアンス、または最上位の非原子性(ユーザー作成の)アセンブリには使用できません。

コピーはカタログのルートに配置されます。取得されたファイル・セットの共有または作成された仮想マシン・テンプレートが破壊されます。つまり、これらの新規コピーも作成されます。

5.3.7.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるアプライアンスまたは原子性アセンブリのコピー

アプライアンスまたは原子性アセンブリを選択して、「別名保存」を選択します。アプライアンスまたはアセンブリをエクスポートして、別の名前でインポートすることで、コピーを作成することもできます。「別名保存」ダイアログでは、ファイル・セットおよびVMテンプレートを元のオブジェクトと共有しないコピーを作成できます。「別名保存」フィールドに新しいアプライアンスの一意の名前を入力し、「OK」をクリックします。

5.3.7.2 abctlによるアプライアンスまたは原子性アセンブリのコピー

abctlコマンドライン・インタフェースのcopyコマンドを使用して、ファイル・セットやVMテンプレートを元のオブジェクトと共有しないコピーを作成できます。

例5-15に、アプライアンスのコピー方法を示します。

例5-15 アプライアンスのコピー

 ./abctl copy -name mySite/myWls -copyTo wls2

5.3.8 エクスポート操作

次の各項では、使用可能なエクスポート・シナリオについて説明します。

5.3.8.1 カタログからのアプライアンスまたはアセンブリのエクスポート

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用してアプライアンスまたはアセンブリをカタログからエクスポートする方法について説明します。

あるカタログから別のカタログにアプライアンスまたはアセンブリをコピーするには、Oracle Virtual Assembly Builderのエクスポートおよびインポート機能を使用する必要があります。


注意:

あるカタログから別のカタログにディスク・ファイルを手動でコピーすることはサポートされておらず、機能しません。


5.3.8.1.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したカタログからのアプライアンスまたはアセンブリのエクスポート

「エクスポート」ダイアログ・ボックス(図5-9)にアクセスし、「ファイル」 > エクスポートを選択するか、「アセンブリ」ナビゲータでアセンブリを右クリックして「エクスポート」を選択し、アプライアンスまたはアセンブリをカタログからエクスポートします。

次の情報を入力します。

  • 名前: このフィールドには、エクスポート対象として選択したアプライアンスまたはアセンブリの名前が事前に移入されます。

  • ディレクトリ: エクスポートする場所のディレクトリ名を参照して選択するか、入力します。このディレクトリは空である必要があり、そのディレクトリが存在しない場合は作成されます。

  • 作業ディレクトリ: オプションで、作業ディレクトリへのパスを指定します。

  • メタデータのみ: メタデータのみ(関連するテンプレートまたはファイル・セットは除く)をエクスポートするには、このチェック・ボックスを選択します。

「OK」をクリックします。

図5-9 カタログからのアプライアンスまたはアセンブリのエクスポート

「エクスポート」ウィンドウ
「図5-9 カタログからのアプライアンスまたはアセンブリのエクスポート」の説明

5.3.8.1.2 abctlを使用したカタログからのアプライアンスまたはアセンブリのエクスポート

exportコマンドを使用して、アセンブリまたはアセンブリ・メタデータをエクスポートします。例5-16に、メタデータと、関連するテンプレートおよびファイル・セットをエクスポートするためのexportコマンドを示します。例5-17に、メタデータのみのエクスポートを示します。

例5-16 exportコマンド

$ ./abctl help –command export
$ ./abctl export -name myOhs -toDir /tmp/myOhs.export/
(some progress messages)
Successfully exported to /tmp/myOhs.export/.

例5-17 exportコマンド(メタデータのみ)

$ ./abctl export -name myOhs -to /tmp/myOhs.export/ -metadataOnly
(some progress messages)
Successfully exported to /tmp/myOhs.export/.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細がコマンドのサンプル出力とともに記載されています。

5.3.8.2 カタログへのアプライアンスまたはアセンブリのインポート

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用してアプライアンス、アセンブリまたはアセンブリ・アーカイブをインポートする方法について説明します。

あるカタログから別のカタログにアプライアンスまたはアセンブリをコピーするには、Oracle Virtual Assembly Builderのエクスポートおよびインポート機能を使用する必要があります。

5.3.8.2.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したインポート

「インポート」ダイアログ・ボックス(図5-10)にアクセスし、「ファイル」 > インポートを選択して、カタログにアプライアンスまたはアセンブリをインポートします。次の情報を入力します。

  • パス: エクスポートされたアセンブリまたはアプライアンスのディレクトリ名を参照して選択するか、入力します。パスおよび関連付けられているアセンブリがウィンドウに表示されます。

  • 上書き: 既存のメタデータ、関連するファイル・セットおよびテンプレートのオーバーライドを指定するには、このチェック・ボックスを選択します。これは名前競合の修正に使用します。既存のアプライアンスをオーバーライドできるのは、既存のアプライアンスを削除できる場合のみです。

「OK」をクリックします。

図5-10 アセンブリ・アーカイブのインポート

「インポート」ウィンドウ
「図5-10 アセンブリ・アーカイブのインポート」の説明

5.3.8.2.2 abctlを使用したアプライアンスまたはアセンブリのインポート

importコマンドを使用して、エクスポートされたメタデータと、関連するファイル・セットおよびテンプレートの疎コピーが含まれる1つ以上のファイルのコンテンツを(ターゲット・カタログに)インポートします。

新しいエントリがターゲット・カタログ内に作成されます。名前の競合がある場合(importコマンドが"mySite"を作成しようとして、カタログに"mySite"がすでにある場合など)、操作は失敗します。

例5-18に、前にexportコマンドを実行したディレクトリからのimportコマンドを示します。

例5-18 ディレクトリからのimportコマンド

$ ./abctl help –command import
$ ./abctl import -from /tmp/myOhs.export/
Successfully imported myOhs to /example/ab_home/catalog.

例5-19に、アセンブリ・アーカイブからのimportコマンドを示します。

例5-19 アセンブリ・アーカイブからのimportコマンド

$ ./abctl help –command import
$ ./abctl import -from /tmp/myOhs.ova
Successfully imported myOhs to /example/ab_home/catalog.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.3.8.3 アセンブリ・アーカイブのエクスポート(コピー)

Oracle Virtual Assembly Builder Studioカタログ内のアセンブリ・アーカイブは、$AB_INSTANCE/archivesディレクトリに格納されます。コピーまたはFTPを使用して、エクスポート・ユーティリティを使用せずにアセンブリ・アーカイブをこのディレクトリから転送できます。通常、アセンブリ・アーカイブをデプロイヤによって管理される「デプロイメント」ナビゲータにコピーします。

5.3.8.4 カタログへのアセンブリ・アーカイブのインポート

アセンブリ・アーカイブをインポートすると、アセンブリ・アプライアンスの編集ができるように、アセンブリ・アーカイブ・テンプレート・ファイルをディスクの場所からローカル・カタログにインポートできます。インポートでは、元のカタログと同じファイル・セットおよびテンプレート・アーティファクトでメタデータ構造を作成します。

アセンブリ・アーカイブをインポートするには、abctldownloadAssemblyArchiveコマンドを使用します。

例5-20 downloadAssemblyArchiveコマンド

$ ./abctl help –command downloadAssemblyArchive
$ ./abctl downloadAssemblyArchive -name MyAssembly -version 1 -fileName RenamedAssembly.ova

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.3.9 外部リソース名の変更

外部リソースを作成するときに、リソース名は自動的に選択されます。この名前の選択は、インフラストラクチャで実行され、再利用がサポートされています。機能的に同じである既存の外部リソースは可能なかぎり再利用できます。

外部リソースは名前を変更できます。この操作は、他のタイプのカタログ・オブジェクトではサポートされていません。名前を変更できるのは既存のリソースのみです。

5.3.9.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによる外部リソース名の変更

「名前の変更」ダイアログでは、外部リソース名を変更できます。このダイアログにアクセスするには、メイン・メニューで「ファイル」「名前の変更」を選択するか、外部リソースのコンテキスト・メニューから「名前の変更」を選択します。

「名前の変更」フィールドに、外部リソースの新しい名前を入力し、「OK」をクリックします。

5.3.9.2 abctlによる外部リソース名の変更

abctlコマンドライン・インタフェースのrenameExternalResourceコマンドを使用して、指定した外部リソースの名前を変更できます。

例5-21に、外部リソース名の変更方法を示します。

例5-21 外部リソース名の変更

 ./abctl abctl renameExternalResource -assembly mySite -currentName jdbc0 -newName myDatabase

5.3.10 アセンブリ・アーカイブの作成

指定したアセンブリのアセンブリ・アーカイブを作成できます。アセンブリ・アーカイブには、仮想化された環境でアセンブリのインスタンスをインスタンス化するのに使用されるアセンブリおよびアセンブリ・テンプレートに関するメタデータが含まれます。

アセンブリ・アーカイブが正常に作成されると、アセンブリはロックされます。この時点でアセンブリは変更不能になり、変更する場合はアセンブリ・アーカイブを明示的に削除する必要があります。

5.3.10.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したアセンブリ・アーカイブの作成

アセンブリのアセンブリ・アーカイブを作成するには:

  1. 「表示」「アセンブリ」を選択して、使用可能なアセンブリを表示します。

  2. アセンブリを右クリックして、「新規」OVMアセンブリ・アーカイブを選択し、アセンブリのアセンブリ・アーカイブを作成します。

  3. 「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  4. 「アセンブリ・アーカイブの作成」ページで、次の操作を実行します。

    1. アセンブリ・アーカイブを作成および圧縮する場合は、「アセンブリ・アーカイブの圧縮」チェック・ボックスを選択します。

    2. アーカイブに署名し、署名情報を提供する場合は、「アセンブリ・アーカイブに署名」チェック・ボックスを選択します。

    3. 「次へ」をクリックします。

  5. 「アセンブリ・パスワードのクリア」ページで、アセンブリおよびアプライアンス・メタデータからすべてのパスワードをクリアするかどうかを選択します。パスワードをクリアしても、既存のアプライアンス・テンプレートには影響しません。


    警告:

    パスワードをクリアすると、元に戻せません。


  6. 「既存のアプライアンス・テンプレートの再作成」ページで、「再作成」を選択することで、再作成の必要がある既存のアプライアンス・テンプレートを選択します。別のアセンブリ・アーカイブにすでに含まれているテンプレートは、再作成できません。

  7. 第5.3.3項「アプライアンスまたはアセンブリのテンプレートの作成」の説明に従って、残りのページ(「ベース・イメージ・オプションの構成」「新規アプライアンス・テンプレートの構成」「ベース・イメージの検証」「サマリー」)で必要な構成を行います。

5.3.10.2 abctlを使用したアセンブリ・アーカイブの作成

abctlを使用して、指定された最上位レベル・アセンブリのアセンブリ・アーカイブを作成できます。このコマンドは、最上位アセンブリに対してのみ呼び出すことができます。また、アセンブリ内のすべてのサブアプライアンスは、createTemplateコマンドを使用してすでにテンプレート化されている必要があります。

-platformオプションを使用して、プラットフォームをOracle VMと指定します。

例5-22は、createAssemblyArchiveコマンドの例です。

例5-22 アセンブリ・アーカイブの作成

$ ./abctl createAssemblyArchive -name myWlsAssembly -platform OVM -nocompress

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4 デプロイメントに関連する操作

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlコマンドライン・ユーティリティを使用してデプロイメントに関連する操作を実行する方法について説明します。

5.4.1 デプロイヤ接続の管理

デプロイヤへの接続を管理するには、「ツール」「デプロイヤ接続の管理」を選択します。「デプロイヤ接続マネージャ」ダイアログ(図5-11)が表示され、アセンブリ・アーカイブをデプロイヤにアップロード、登録、デプロイするための接続を作成、編集、または削除できるようになります。

図5-11 デプロイヤ接続マネージャ

デプロイヤ接続マネージャ
「図5-11 デプロイヤ接続マネージャ」の説明

デプロイヤへの接続を作成するには:

  1. 「作成」アイコンを選択します。

  2. 次の接続プロパティを構成します。

    • 名前: デプロイヤ接続の名前を入力します。

    • URL: デプロイヤ接続のURLを入力します。

    • ユーザー名: デプロイヤにアクセスするためのユーザー名を入力します。

    • パスワード: デプロイヤにアクセスするためのパスワードを入力します。

  3. 「接続テスト」をクリックして、正常に接続できることを検証します。

    HTTPS (TLS/SSL)を使用するデプロイヤ接続をテストする場合、追加のステップが必要となる可能性があります。デプロイヤ・トラスト・ストアにより信頼できる接続が判別される場合、必要な操作はありません。デプロイヤ・トラスト・ストアにおいて接続が信頼されない場合、デプロイヤによって返される一連の証明書が表示され、これらをデプロイヤ・トラスト・ストアに追加するかどうかをたずねられます。これを行うには、インストール中に指定したデプロイヤ・トラスト・ストアのパスワードを指定する必要があります。

  4. 「OK」をクリックします。

デプロイヤへの接続を編集するには:

  1. 「接続」ペインで接続を選択します。

  2. 「編集」アイコンを選択します。

  3. 必要に応じて、接続プロパティを更新します。

  4. 「OK」をクリックします。

デプロイヤへの接続を削除するには:

  1. 「接続」ペインで接続を選択します。

  2. 「削除」アイコンを選択します。

  3. 削除を確定します。

5.4.2 ターゲットの構成

Oracle VM ManagerおよびOracle Virtual Assembly Builder Deployerでデプロイメント・ターゲットを構成するためには、次の構成タスクが必要です。

  • Oracle VM Manager接続パラメータの構成

  • Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤ・プロパティの構成

  • デプロイヤからOracle VM Managerへの接続の構成

  • Oracle VMバックエンドのエンドポイントへの接続の定義

  • バックエンドでのデプロイメント・ターゲットの追加

5.4.2.1 Oracle VM Managerの構成

デフォルトでは、Oracle VM Managerがインストールされる際は、セキュアな接続(つまり、HTTPS)で設定されます。Oracle Virtual Assembly BuilderでJava Secure Socket Extension (JSSE)を使用してOracle VM Managerに接続するには、Oracle VM ManagerへのSSL通信を構成する必要があります。

Oracle VM ManagerにJSSEを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle VM ManagerのOracle WLS管理コンソールにログインします。

  2. 「サーバー」「AdminServer」「SSL」「拡張プロパティ」を選択します。

  3. 「JSSE SSLの使用」が選択されていることを確認します。


注意:

JSSE用の変更を行った場合は、Oracle VM Managerを再起動して変更を有効にする必要があります。

非SSL接続が有効化されている場合は、Oracle VM Managerへの非SSL接続(HTTP)を使用できます。


5.4.2.2 Oracle VM Manager接続パラメータの識別

次のOracle VM Managerの接続プロパティを識別します。

  • URL

  • ユーザー名/パスワード

  • プール

5.4.2.3 Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤの停止

次の手順に進む前に、Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤが実行中でないことを確認します。必要に応じて、Javaプロセスにps –ef | grepコマンドを使用します。デプロイヤ・ドメインの作成を完了した直後には、デプロイヤは実行されていません。サーバーを明示的に起動する必要があります。

5.4.2.4 デプロイヤ・プロパティの構成

プロパティを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤが実行中でないことを確認します。

  2. <deployer domain root>/config/fmwconfig/servers/AdminServer/mbeans/ovabconfig.propertiesファイルを編集してovab.webserver.urlプロパティを

    適切に設定します。デフォルトでは、「http\:localhost\:7001」に設定されています。「:」を「\」でエスケープしています。ホスト・マシンのIPアドレスを判別して、ovab.webserver.urlを適切に編集します。たとえば、次のようにします。

    ovab.webserver.url=http\://192.168.1.1\:7001
    

注意:

このIPアドレスは、到達可能である必要があります。IPが到達不能の場合、デプロイに関連付けられているデプロイヤ操作が失敗します。これは、Oracle VM Managerによってデプロイヤとの通信で使用されるコールバックURLです。


5.4.2.5 Oracle VM ManagerへのSSL接続のデプロイヤの構成

必要に応じて、Oracle VM ManagerへのSSL接続を作成するには、次の手順を実行します。

  1. デプロイヤにOracle VM Manager証明書をインストールします。

    1. 次のコマンドを発行します。

      /usr/bin/openssl s_client -connect <ovmm_host>:<port>
      

      たとえば、次のようにします。

      [ovab@localhost ~]$ /usr/bin/openssl s_client -connect
      ovmmhost.example.com:7002
      CONNECTED(00000003)
      depth=0 /C=US/O=Oracle/OU=OVMM/CN=weblogic
      verify error:num=18:self signed certificate
      verify return:1
      depth=0 /C=US/O=Oracle/OU=OVMM/CN=weblogic
      verify return:1
      ---
      Certificate chain
        0 s:/C=US/O=Oracle/OU=OVMM/CN=weblogic
          i:/C=US/O=Oracle/OU=OVMM/CN=weblogic
      ---
      Server certificate
      -----BEGIN CERTIFICATE-----
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      UzEPMA0GA1UEChMGT3JhY2xlMQ0wCwYDVQQLEwRPVk1NMREwDwYDVQQDEwh3ZWJs
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      AlVTMQ8wDQYDVQQKEwZPcmFjbGUxDTALBgNVBAsTBE9WTU0xETAPBgNVBAMTCHdl
      YmxvZ2ljMIGfMA0GCSqGSIb3DQEBAQUAA4GNADCBiQKBgQDVoMviwZXEyGTA0/gz
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      pawpiL2jG/FoVA4qZDgxmFSfq70Qo0x8Csm9ZRJObb1229UDlzz9i4/wOZywLT65
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      5tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      bAUGIELgtYnR/iG1RVEp4yQxSYqS9qdwoPwW/yhXspft9UwH0vNWUedzriRe5pA9
      216UH/+/RYtZ9wdFDDdOebT1u2bHWJExsVi8
      -----END CERTIFICATE-----
      subject=/C=US/O=Oracle/OU=OVMM/CN=weblogic
      issuer=/C=US/O=Oracle/OU=OVMM/CN=weblogic
      ---
      No client certificate CA names sent
      ---
      SSL handshake has read 1086 bytes and written 279 bytes
      ---
      New, TLSv1/SSLv3, Cipher is EDH-RSA-DES-CBC3-SHA
      Server public key is 1024 bit
      Secure Renegotiation IS supported
      Compression: NONE
      Expansion: NONE
      SSL-Session:
        Protocol : TLSv1
        Cipher : EDH-RSA-DES-CBC3-SHA
        Session-ID:
      517AF76A8665187015EC313D4FA2BC72B06B58A11268F3D4443F86517AF76A8
        Session-ID-ctx:
        Master-Key:
      517AF76A8BAC77A5C9571DA050343239C821CBCC3273CE781C64B8EF5E0137FBA93C67253D
      0D0A0E915CF517AF76A8
        Key-Arg : None
        Krb5 Principal: None
        Start Time: 1367013332
        Timeout : 300 (sec)
        Verify return code: 18 (self signed certificate)
      ---
      read:errno=0
      [ovab@localhost ~]$
      
    2. 上の出力の証明書部分(「BEGIN」から「END」まですべて)を/tmp/ovmm.certにコピーします。

      -----BEGIN CERTIFICATE-----
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      UzEPMA0GA1UEChMGT3JhY2xlMQ0wCwYDVQQLEwRPVk1NMREwDwYDVQQDEwh3ZWJs
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      AlVTMQ8wDQYDVQQKEwZPcmFjbGUxDTALBgNVBAsTBE9WTU0xETAPBgNVBAMTCHdl
      YmxvZ2ljMIGfMA0GCSqGSIb3DQEBAQUAA4GNADCBiQKBgQDVoMviwZXEyGTA0/gz
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      pawpiL2jG/FoVA4qZDgxmFSfq70Qo0x8Csm9ZRJObb1229UDlzz9i4/wOZywLT65
      tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      5tZh6pp/foLKF6tczer9CtH58gXdRKIjRsN3kYh1NUhYwdMQhwrJeWgvDzs/AFpMy
      bAUGIELgtYnR/iG1RVEp4yQxSYqS9qdwoPwW/yhXspft9UwH0vNWUedzriRe5pA9
      216UH/+/RYtZ9wdFDDdOebT1u2bHWJExsVi8
      -----END CERTIFICATE-----
      
    3. 次のコマンドを発行します。


      注意:

      この例は、デプロイヤでデモ・トラストストアを使用している場合の手順を示しています。カスタム・トラストストアを使用している場合は、適切なトラストストアのパスおよびパス・フレーズで置き換えてください。


      keytool -import -v -trustcacerts -alias ovmm_cert -file /tmp/ovmm.cert -keystore <deployer's weblogic home>/server/lib/DemoTrust.jks
      

      注意:

      パスワードを求めるプロンプトが表示されます。パスワードは、DemoTrustKeyStorePassPhraseです。

      証明書を信頼するかどうか尋ねられます。「yes」と入力します。


      次に、実行例を示します。

      [ovab@localhost ~]$ keytool -import -v -trustcacerts -alias ovmm_cert -
      file /tmp/ovmm.cert -keystore
      /home/ovab/Oracle/Middleware/Oracle_Home/wlserver/server/lib/DemoTrust.jks
      Enter keystore password:
      Owner: CN=weblogic, OU=OVMM, O=Oracle, C=US
      Issuer: CN=weblogic, OU=OVMM, O=Oracle, C=US
      Serial number: 50866375
      Valid from: Tue Oct 23 05:29:25 EDT 2012 until: Fri Oct 21 05:29:25 EDT
      2022
      Certificate fingerprints:
        MD5: BE:75:9D:CF:5F:21:6E:40:6E:3D:1E:A0:37:BE:22:C2
        SHA1: 3C:69:CA:BA:58:DF:4D:AB:CF:2F:53:84:D9:B8:9D:40:CA:A3:F8:B5
        SHA256:
      EA:0A:49:A0:C3:15:31:C5:5D:4A:3F:2D:AD:3A:18:C4:CC:55:C2:11:67:93:A3:C2:F5
      :68:1F:BD:2F:21:63:BC
        Signature algorithm name: SHA1withRSA
        Version: 3
      Trust this certificate? [no]: yes
      Certificate was added to keystore
      [Storing
      /home/ovab/Oracle/Middleware/Oracle_Home/wlserver/server/lib/DemoTrust.jks
      ]
      [ovab@localhost ~]$
      

5.4.2.6 Oracle Virtual Assembly Builderデプロイヤの起動

デプロイヤをホスティングしているOracle WebLogic Serverを起動します。


注意:

サーバーがRUNNINGモードになるまで待ちます。


5.4.2.7 接続URL

HTTP/HTTPSプロトコルを使用してOracle VM 3.2.1のターゲット接続を構成する必要があります。

HTTPを使用して構成するには、「http://their-ovm-host:7001」形式のURLを指定します。

5.4.2.8 接続の資格証明

Oracle VM Managerへの接続を構成するには:

  1. Oracle VM Managerに接続するにはHTTP/HTTPSポートを使用します。Oracle VM ManagerプロトコルHTTPSを使用する場合(OVMMではデフォルトでHTTPが無効になっているので、こちらが通常の処理です)、ターゲットを作成する前に、Oracle VM Managerの証明書をデプロイヤ・トラスト・ストアにインポートする必要があります。

    トラストストアへの証明書のインポートの詳細は、第5.4.2.5項「Oracle VM ManagerへのSSL接続のデプロイヤの構成」を参照してください。

  2. abctlのcreateTargetコマンドを使用してターゲットを作成します。

    この操作は、CloudAdminによってのみ実行できますが、接続情報と、バックエンド・タイプに応じてバックエンドのユーザー資格証明を定義します。ここでは、ovm.vmmversion=3.2と、Oracle VMの資格証明を指定します。

5.4.2.9

例5-23に、Oracle VMのターゲットを作成する方法を示します。

例5-23 Oracle VMのターゲットの作成

 ./abctl createTarget -name slcTarget_http -type ovm -properties ovm.poolName=ab_ovm_30_stand_alone_pool ovm.vmOperationTimeout=3600 ovm.vmmversion=3.2 ovm.user=admin ovm.pwd ovm.url=https://example.com:7002 -connectionName localDeployer

例5-24に、Oracle VMのターゲットにユーザーを追加する方法を示します。

例5-24 Oracle VMのターゲットへのユーザーの追加

 ./abctl addTargetUser -user Username -target Targetname

5.4.3 デプロイメント・プランの作成

デプロイメント・プランにより、アセンブリのメタデータに定義されたプロパティ値をオーバーライドできるので、アセンブリの各デプロイメントをカスタマイズできるようになります。アセンブリのデプロイ時に、プランが適用されます。最上位アセンブリのみデプロイメント・プランを保持できます。

5.4.3.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したデプロイメント・プランの作成

デプロイメント・プランを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、アセンブリを右クリックし、「新規デプロイメント・プラン」を選択します。

    「デプロイメント・プランの作成」ウィザードが表示されます(図5-12)。

    図5-12 デプロイメント・プランの作成

    「デプロイメント・プランの作成」ウィンドウ
    「図5-12 デプロイメント・プランの作成」の説明

  2. デプロイメント・プランの名前を入力します。

  3. 「アセンブリ」ドロップダウン・メニューから関連付けられたアセンブリを選択します。

  4. 「OK」をクリックします。デプロイメント・プラン・エディタが開きます。

5.4.4 デプロイメント・プランの編集

デプロイメント・プラン・エディタには、アセンブリの読取り専用ビューが表示されます。このビューは、概要として役立ちます。また、プロパティ値をオーバーライドできるようにアイテムを選択するのに便利です。

5.4.4.1 必須ビュー

デプロイメント・プランの編集では、構造ペインとプロパティ・インスペクタの両方を使用します。どちらのビューも表示されていることを確認してください。

  1. 構造ペインを開くには、「ビュー」 > 「構造」を選択します。

  2. プロパティ・インスペクタを開くには、「表示」 > 「プロパティ・インスペクタ」を選択します。

5.4.4.2 新しいデプロイメント・プランの編集

新しいデプロイメント・プランを作成すると、デプロイメント・プラン・エディタが自動的に開きます。

5.4.4.3 既存のデプロイメント・プランの編集

既存のデプロイメント・プランを編集する手順は、次のとおりです。

  1. 「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、プランを右クリックし、「開く」を選択するか、「デプロイメント・プラン」ナビゲータの「プラン」アイコンをダブルクリックします。

    「デプロイメント・プラン」ナビゲータでデプロイメント・プランを選択し、構造ペインでアプライアンスまたはネットワーク・インタフェースを選択することで、デプロイメント・プランを編集することもできます。構造ペインで選択した要素のプロパティは、プロパティ・インスペクタに反映されます。

5.4.4.4 デプロイメント・プラン・エディタでのアイテムの選択

アプライアンス、入力、出力または他のアイテムのプロパティをオーバーライドするには、まず該当するアイテムを選択します。

デプロイメント・プラン・エディタでアイテムを選択するには、そのアイテムをクリックします。

5.4.4.5 構造ペインでのアイテムの選択

データが移入されると、構造ペインにはプランの他の詳細が表示されます。

構造ペインにデータを移入する手順は、次のとおりです。

  1. 「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、該当するプランを選択します。

    構造ペインにアセンブリ構造が移入されます。移入された構造ペインでアイテムを選択するには、そのアイテムをクリックします。

    デプロイメント・プラン・エディタでアイテムを選択しても、構造ペインに移入されます。

5.4.4.6 プロパティ値のオーバーライド

選択したアイテムのプロパティは、プロパティ・インスペクタに表示されます。

値をオーバーライドする手順は、次のとおりです。

  1. プロパティ・インスペクタで、フィールドに新しい値を入力します。

    青の箇条書きがオーバーライドされた値の横に表示されます。

5.4.4.7 オーバーライド値の削除

オーバーライドを削除する手順は、次のとおりです。

  1. プロパティ・インスペクタで、プロパティ値の右側にある下向き矢印(山形)をクリックします。

  2. ポップアップ・メニューから、リセットを選択します。

    リセット・メニュー項目に表示される値は常に、アセンブリ・メタデータに指定された元の値です。オーバーライドが削除されます。

5.4.4.8 アプライアンスの"ターゲット"件数をゼロに設定する機能(ゼロカウント・アプライアンス)

デプロイメント・プランの編集時に、デプロイメント・プランのターゲット・スケールをゼロに編集し、初めにアプライアンス・インスタンスがゼロのアセンブリをデプロイすることができます。

後続のスケーリング操作では、アセンブリ構成の一部であるのに初めにインスタンス数がゼロで"デプロイされた"アプライアンスに、アプライアンス・インスタンスを追加できます。

5.4.4.9 統合プロパティ

統合プロパティは、アセンブリを正常にデプロイするために必要なプロパティで、Oracle Virtual Assembly Builderによってアプライアンス、ネットワーク、ネットワーク・インタフェースに追加されます。このプロパティには、スケーリング、ネットワーク、リソースの要件やその他多数が含まれます。

アプライアンスのスケーラビリティ・プロパティをオーバーライドできます。オーバーライドすると、アセンブリのデプロイ時に存在する可能性があるアプライアンス・インスタンスの数が変わることがあります。このような潜在的アプライアンス・インスタンスにはそれぞれ、ホスト名、IPアドレス、MACアドレスおよびネットマスク・プロパティを含め、独自のネットワーク設定が必要です。プロパティ・インスペクタには、適切な数のインスタンス固有のネットワーク・プロパティが表示されます。スケーラビリティ値を変更すると、プロパティ・インスペクタでは、ネットワーク・プロパティの数が潜在的アプライアンス・インスタンスの数と一致するように自動的に調整されます。

5.4.4.9.1 アプライアンス・プロパティ

アプライアンスのネットワーク・プロパティを表示する手順は、次のとおりです。

  1. 構造ペインまたはデプロイメント・プラン・エディタで、アプライアンスをクリックして選択します。

  2. プロパティ・インスペクタで、「ネットワーク」カテゴリをクリックして開きます。

default-gatewaydns-domainsおよびdns-serversの各プロパティ値は、アプライアンスのすべてのネットワーク・インタフェースがDHCPを使用するように構成されていないかぎり、必須です。これらの値は、アプライアンスのすべてのインスタンスで共有されます。

hostname.0プロパティは必須です。アプライアンスがスケーラブルである場合、プロパティ・インスペクタには適切な数のプロパティ(hostname.0hostname.1など)が表示されます。値はすべて必須です。

5.4.4.9.2 ネットワーク・インタフェース・プロパティ

ネットワーク・インタフェースのデプロイメント・プラン・プロパティを表示するには、デプロイメント・プラン・エディタでネットワーク・インタフェースをクリックするか、構造ペインで「ネットワーク・インタフェース」フォルダを展開してフォルダ内のネットワーク・インタフェースをクリックします。

インタフェースのusedhcpプロパティをtrueに設定すると、これらのネットワーク・プロパティがデプロイメント・ターゲット環境で自動的に構成されるようにアサートします。usedhcptrueのとき、プロパティ・インスペクタには他のネットワーク・インタフェース・プロパティのすでに設定された値が表示されますが、これらのプロパティの値は変更できません。

usedhcpがfalseの場合、ip_address.0mac_address.0およびnetmaskの各プロパティは必須です。アプライアンスがスケーラブルである場合、プロパティ・インスペクタには適切な数のアドレス・プロパティ(ip_address.0ip_address.1、...、mac_address.0mac_address.1、...)が表示されます。値はすべて必須です。

5.4.4.9.3 Vnetプロパティ

Vnetは、デプロイメント・プラン・エディタには表示されないため、エディタで選択することはできません。Vnetのデプロイメント・プラン・プロパティを表示するには、構造ペインで「Vnet」フォルダを展開し、Vnetを選択します。

is_privateプロパティは、デプロイされたアセンブリ内部で使用するためにネットワークが高パフォーマンス・ネットワークとして自動的に構成されることを指定します。デプロイメント・ターゲット環境が高パフォーマンスのプライベート・ネットワークに必要なプラットフォームをサポートをしない場合、この値はfalseにする必要があります。Oracle Virtual Machineバージョン3.0に直接デプロイする場合は、この値をfalseに設定します。

network_nameプロパティは、デプロイメント・ターゲット環境で定義されるネットワークの名前を指定します。このプロパティは必須です。

デプロイメント・ターゲット環境によっては、ネットワーク名が一意であることが必要でない場合があります。ネットワーク名が一意でない場合、オプションのnetwork_idプロパティを使用して、デプロイメント・ターゲット環境で定義されるネットワークを一意に指定できます。is_privateプロパティがtrueの場合、このプロパティの値は無視されます。

5.4.4.10 デプロイメント・プランの検証

デプロイメント・プランを検証する手順は、次のとおりです。

  1. 「デプロイメント・プラン」ナビゲータで、プランを右クリックし、「検証」を選択します。

    検証の結果は、ダイアログ・ボックスに表示されます。

5.4.4.11 デプロイメント・プランの保存

デプロイメント・プランが変更されていると、「デプロイメント・プラン」ナビゲータとデプロイメント・プラン・エディタのタブの両方に名前がイタリック・フォントで表示されます。

デプロイメント・プランを保存する手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」 > 「保存」を選択します。

「ファイル」 > 「保存」メニュー項目が有効になっていない場合、デプロイメント・プランが選択されていない可能性があります。「デプロイメント・プラン」ナビゲータでプランを選択し、「ファイル」 > 「保存」を選択します。

1つのアセンブリに対して複数のデプロイメント・プランを作成、編集および保存できます。デプロイ時に、デプロイメントに対してプランを1つ選択します。このように、1つのアセンブリが複数のデプロイメントの基準として機能でき、各デプロイメントは固有のネットワークと他のプロパティ設定を保持します。

5.4.5 ターゲット・リソースのチェック

特定のデプロイメント・プランによってアセンブリをデプロイするための十分なリソースがターゲット・ネットワーク上に存在するかどうかをチェックできます。デプロイメント・プランを作成しておく必要があります。

Oracle Virtual Assembly Builder Studioでは、アセンブリとデプロイメント・プランの組合せに対応する十分なリソースが存在することを検証するために、4つの場所が用意されています。

  • ローカル・アセンブリ: アセンブリ・アーカイブを含むアセンブリを右クリックして、「使用可能なリソースのチェック」を選択できます。選択後、ユーザーにはデプロイメント・ダイアログの変更後のバージョンが表示されます。ユーザーは「リソースの確認」ボタンをクリックする前に、ターゲットとデプロイメント・プランを選択し、Vnetバインディングを解決する必要があります。十分なリソースが存在していれば、成功のダイアログが表示されます。そうでない場合は、デプロイメントに対して不足しているリソースを示す失敗のダイアログが表示されます。

  • アップロードされたアセンブリ: アップロードされたアセンブリ・アーカイブ・バージョンを右クリックして、「使用可能なリソースのチェック」を選択できます。その他の動作はすべてローカル・アセンブリと同じです。

  • 登録済アセンブリ: アセンブリ・アーカイブの特定の登録済インスタンスを右クリックして、「使用可能なリソースのチェック」を選択できます。ターゲットを選択する必要はありません。

  • デプロイメント・プラン: アセンブリの特定のデプロイメント・プランを右クリックして、「使用可能なリソースのチェック」を選択できます。デプロイメント・プランを選択する必要はありませんが、ターゲットは選択する必要があります。

「ターゲット・リソースのチェック」ダイアログで、次のフィールドを構成します。

  • ターゲット: デプロイ・ターゲットを選択します。

  • デプロイメント・プラン: デプロイメントのデプロイメント・プランを選択します。

  • Vnetマッピング: アセンブリからターゲット・ネットワークにVnetをマップします。マッピングに対する変更は、デプロイの前に選択済デプロイメント・プランに保存されます。Vnetにマップするターゲット・ネットワークを選択します。現在のマッピングはアスタリスクで指定されています。

5.4.6 デプロイヤ・リポジトリへのアセンブリ・アーカイブのアップロード

Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用して、アセンブリをデプロイヤ・リポジトリにアップロードできます。

5.4.6.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したアセンブリのアップロード

アセンブリ・アーカイブをアップロードするには、アセンブリを右クリックして、「アセンブリ・アーカイブのアップロード」「デプロイヤ」を選択します。

5.4.6.2 abctlを使用したアセンブリのアップロード

アセンブリ・アーカイブをアップロードするには、uploadAssemblyArchiveコマンドを使用します。

例5-25 uploadAssemblyArchiveコマンド

$ ./abctl help –command uploadAssemblyArchive
$ ./abctl uploadAssemblyArchive -fileName Path -name String [-description String] -connectionName String

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.7 アセンブリ・リソースのアップロード

アセンブリ・リソースとは、アセンブリの登録時やデプロイ時に使用するファイルの集まりです。アセンブリ・リソースはzip形式のファイルでアップロードし、特定のアセンブリ・アーカイブ・バージョンと一緒に格納します。一般的には、最初のzipファイルに必要なすべてのリソースを格納しますが、アップロード操作には、さらにリソースを追加できるようにアペンド・オプションも用意されています。デフォルトでは、削除操作を行うと、アセンブリ・バージョンに対するすべてのリソースが削除されます。ファイル・オプションを使用すると、一部のリソースを削除できます。ここで説明した2つのオプション(アペンドファイル)を使用すると、任意の更新が可能になります。

5.4.7.1 ボリューム管理

アセンブリ・リソース・ファイルには、アセンブリ登録時にzfsストレージ・デバイス上にファイル・システム・テンプレートを作成するために使用するディスク・イメージが格納されます。これらは、デプロイ時にVMにマウントされるファイルシステムにクローン作成されます。

リソースzipには、ディスク・イメージ・セットを含むdisksフォルダが格納されます。これらのイメージは、アセンブリのOVFメタデータによって参照されます。OVFメタデータの例を以下に示します。最初のエントリ(volume|MyVolume|content-filename)は、アセンブリのリソースzip内のディスク・イメージに対する参照で、構成不可です。その他のプロパティは、デプロイヤが設定に使用するボリュームの詳細で、デプロイ時にvServerに詳細を伝達するためのものです。

<ovf:ProductSection ovf:class="com.oracle.ovab.volumes">
  <ovf:Property 
    ovf:key="volume|MyVolume|content-filename" 
    ovf:type="string" ovf:userConfigurable="false" 
    ovf:value="myIsoFileName"/>
  <ovf:Property 
    ovf:key="volume|MyVolume|mount-options" 
    ovf:type="string" 
    ovf:userConfigurable="true" ovf:value=""/>
  <ovf:Property 
    ovf:key="volume|MyVolume|mount-target" 
    ovf:type="string" 
    ovf:userConfigurable="true" ovf:value=""/>
  <ovf:Property 
    ovf:key="volume|MyVolume|nfs-type" 
    ovf:type="string" 
    ovf:userConfigurable="true" ovf:value="nfs"/>
  <ovf:Property 
    ovf:key="volume|MyVolume|quota-size" 
    ovf:type="sint32" 
    ovf:userConfigurable="true" ovf:value="10"/>
  <ovf:Property 
    ovf:key="volume|MyVolume|quota-unit" 
    ovf:type="string" 
    ovf:userConfigurable="true" ovf:value="GB"/>
...

これらの定義に基づいて、デプロイヤはアセンブリの登録時に、アセンブリ・リソースのディスク・イメージを使用して、ZFSストレージ・デバイスにファイルシステムを作成します。後でデプロイ時に、このファイルシステムは、アセンブリ内の個々のvServer固有の使用のためにクローン作成され、マウント・ポイント情報をvServerにvmapi経由で渡します。

ZFSストレージ・デバイスの接続情報は、デプロイヤの既存のターゲット構成インタフェースを使用して構成します。これには"zfs"という名前の新しいターゲット・タイプが存在します。このターゲット・タイプには次の設定があります。

  • zfs.host

  • zfs.port

  • zfs.user

  • zfs.pwd

  • zfs.pool

  • zfs.project

アセンブリ・アーカイブを登録するための操作には、使用するストレージ・ターゲットを宣言するための引数があります。また、仮想化ターゲットの定義にはstorageTargetsというプロパティがあり、これは仮想化ターゲットで使用するための有効なストレージ・ターゲットを宣言します。このプロパティは、所定の仮想化ターゲット内で作成したvServerに、一部のストレージ・ターゲットが表示されないことがあるために存在しています。つまり、すべてのターゲット情報を定義するCloudAdminによって可視性が宣言されるのです。

5.4.7.2 アプリケーション・ライフサイクル・スクリプト

アセンブリ・リソース・ファイルには、アセンブリの様々なライフサイクル・ポイントでデプロイヤから実行されるシェル・スクリプトが格納されていることがあります。リソース・ファイルには、デプロイヤが起動するvServerの固有のライフサイクル・ポイントで実行されるユーザー・スクリプトを格納した、scripts.dディレクトリと一連のサブディレクトリが含まれている場合があります。これらのスクリプトはデプロイヤ・プロセスで実行され、デプロイメント環境でアクションを実行することを目的としており、一般にVMそのものとのやり取りには使用されません。

  • pre-deploy.d - デプロイメントの開始前に実行されます。

  • post-deploy.d - デプロイメントの完了後に実行されます。

  • deployer-pre-vm-start.d - 各vServerの起動前に実行されます。

  • deployer-post-vm-start.d - 各vServerの起動後に実行されます。

  • deployer-pre-app-config.d - VMが起動し、ネットワークが構成された後、ただしVM上でアプリケーションが構成される前に実行されます。

  • deployer-post-app-config.d - VM上でアプリケーションが構成された後に実行されます。

  • pre-undeploy.d - アンデプロイの開始前に実行されます。

  • post-undeploy.d - アンデプロイの完了後に実行されます。

  • deployer-pre-vm-stop.d - 各vServerの停止前に実行されます。

  • deployer-post-vm-stop.d - 各vServerの停止後に実行されます。

これらのスクリプトには、単一の引数(ファイル・パスです)が渡されます。このファイル・パスは、ライフサイクルにおけるポイントに応じてデプロイヤが

VMAPI経由でVMに渡すのと同じプロパティ・セットを含むプロパティ・ファイル(名前/値ペア)を指しています。スクリプトはライフサイクルと結び付けられますが、その他の特定のアプライアンスやvServerとは結び付けられません。スクリプトは渡されたプロパティ・ファイルを使用して、必要なコンテキストを推断します。特定のサブディレクトリに複数のスクリプトが含まれている場合は、アルファベット順に実行されます。

スクリプトからゼロ以外の結果が返された場合は失敗とみなされ、それ以降のスクリプトは実行されません。その時点でデプロイヤは遷移に失敗したとみなします。スクリプトの1つの使用例として、アセンブリ外部の環境の構成が挙げられます。ロード・バランサ・エントリを変更して、デプロイ時にvServerへの経路が作成できるようにすることなどです。別の使用例としては、ライフサイクル・イベントの通知の送信があげられます。vServerそのものとやり取りできるかどうかは、環境によって決まります。Oracle Virtual Assembly Builder DeployerとvServerを同じネットワーク上で相互表示できるようにするための要件は存在しないからです。

セキュリティ上の理由で、アセンブリ・リソース・ファイルにスクリプトが格納されている場合、これをアップロードできるのはCloudAdminのみです。

5.4.7.3 abctlを使用したリソースのアップロード

アセンブリ・リソースをアップロードするには、abctluploadAssemblyResourcesコマンドを使用します。例5-26に、uploadAssemblyResourcesコマンドを示します。

例5-26 uploadAssemblyArchiveコマンド

$ ./abctl help –command uploadAssemblyArchive
$ ./abctl abctl uploadAssemblyResources -assemblyName myAssembly -version 1 -fileName resources.zip -connectionName myConnection

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.8 デプロイヤ・リポジトリからのアセンブリ・アーカイブのダウンロード

アセンブリ・バージョンに対応するアセンブリ・アーカイブを、デプロイヤ・リポジトリからOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログにダウンロードします。これが必要になるのは、アセンブリのローカル・コピーを持っていないときに、アセンブリを変更するかデプロイメント・プランを作成する必要が生じたような場合です。

5.4.8.1 Oracle Virtual Assembly Builderを使用したダウンロード

ダウンロードするには、「デプロイメント」ビューでアセンブリ・アーカイブを右クリックして、「アセンブリ・アーカイブのダウンロード」を選択します。

5.4.8.2 abctlを使用したダウンロード

downloadAssemblyArchiveコマンドを使用して、アセンブリのテンプレートを登録解除します。例5-27に、downloadAssemblyArchiveコマンドを示します。

例5-27 downloadAssemblyArchiveコマンド

$ ./abctl help –command downloadAssemblyArchive
$ ./abctl abctl downloadAssemblyArchive -name MyAssembly -version 1 RenamedAssembly.ova

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.9 ターゲットへのアセンブリ・アーカイブの登録

Oracle Virtual Assembly Builder Deployerにアセンブリ・アーカイブをアップロードすると、アセンブリ・アーカイブを特定のターゲットに登録できます。

5.4.9.1 Oracle Virtual Assembly Builderを使用した登録

登録は、次の2つのいずれかの方法で実行します。

  • 「デプロイメント」ナビゲータを開くには、「表示」 > 「デプロイメント」を選択します。「使用可能なアセンブリ」で、特定のアセンブリ・アーカイブ・バージョンを右クリックし、「登録」を選択します。

  • 特定のアセンブリ・アーカイブ・バージョンを目的のターゲットにドラッグ・アンド・ドロップします。「デプロイメント」ナビゲータの「使用可能なアセンブリ」でアセンブリ・アーカイブを選択し、「デプロイメント・ターゲット」のターゲットにドロップします。

どちらの方法でも登録が開始します。ターゲット・ノードがアセンブリ・アーカイブ・バージョンを表す新しい子で更新されます。ターゲット・ノードには読込み中のアイコンが表示され、登録が完了すると、標準のアセンブリ・アーカイブのアイコンに切り替わります。メッセージ・フィードバックが登録の進捗としてメッセージ・ログ・ウィンドウに表示されます。登録が失敗すると、ノードは非表示になり、失敗を説明するポップアップ・メニューが表示されます。

登録解除するには、登録されたノードを右クリックし、「登録解除」を選択します。ノードは、登録解除が完了すると削除されます。

5.4.9.2 abctlを使用した登録

registerAssemblyArchiveコマンドを使用して、アセンブリのテンプレートを登録解除します。例5-28に、unregisterAssemblyArchiveコマンドを示します。

例5-28 unregisterAssemblyArchiveコマンド

$ ./abctl help –command registerAssemblyArchive
$ ./abctl registerAssemblyArchive -connectionName MyDeployerConnection -name TheAssembly -version 1

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.10 アセンブリ・インスタンスのデプロイ

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用してアセンブリ・インスタンスをデプロイする方法について説明します。

登録済アセンブリをデプロイすると、アセンブリ・インスタンスとアプライアンス・インスタンスが作成および起動されます。Oracle Virtual Assembly Builder Studioでは、アセンブリ・インスタンスの作成と、アセンブリ・インスタンスのデプロイは、"デプロイ"操作にグループ化されます。abctlインタフェースでは、2つの別個のコマンドを実行します。

アプライアンス・インスタンス内のアプリケーションも起動します。アセンブリ・インスタンスのデプロイメントは、長時間実行される操作になる可能性があります。数分かかる場合があります。アセンブリ・インスタンスをデプロイするのにかかる時間は、作成および起動する必要があるVMの数によって変わります。

5.4.10.1 Virtual Assembly Builder Studioを使用したデプロイメント

アセンブリ・アーカイブが特定のターゲットに登録されると、そのアセンブリ・アーカイブを1回以上デプロイできます。

  1. 「デプロイメント」ナビゲータを開くには、「表示」 > 「デプロイメント」を選択します。

    「デプロイメント」ナビゲータの「デプロイメント・ターゲット」ペインで、ターゲットを展開し、デプロイできるアセンブリ・アーカイブのリストを表示できます。

  2. アセンブリ・バージョン(アセンブリ名とバージョン)を右クリックして、「デプロイ」を選択します。

    アセンブリ・インスタンスは、「デプロイメント・プラン」ナビゲータからデプロイメント・プランをドラッグして、登録されたアセンブリ・アーカイブの上にドロップしても起動できます。

  3. アセンブリ・アーカイブのデプロイ・ウィンドウで次の情報を入力します。

    • デプロイメント・プラン: デプロイメント・プランを選択します。ダイアログでは、ドロップダウン・リストに、デプロイするアセンブリの名前と一致するデプロイメント・プランを移入します。プランが存在しない場合は、デプロイする前にプランを作成する必要があります。

    • Vnetマッピング: デプロイメント・プランのVnetマッピングを確認(場合によっては修正)します。デプロイメント・プランの作成時点ではアセンブリのデプロイ先を認識できないため、Oracle Virtual Assembly BuilderはターゲットVnetの名前を検証できません。

      アセンブリに定義されたVnetごとに1行が表示されます。Vnetの論理名(アセンブリに定義されているとおり)がラベルとして表示され、対応するドロップダウンにはデプロイメント・ターゲットによって定義されているVnetが表示されます。デプロイメント・プランからの値をユーザーに示す目的で、デプロイメント・プランからの値は、たとえそのプランが無効な場合でもドロップダウン・リストに表示されます。デプロイメント・プランからの値(マッピング)は、アスタリスク(*)接尾辞付きです。

      現在のマッピングが無効の場合、値に赤のエラー枠線が表示され、「デプロイ」ボタンが無効になります。デプロイメント・プランに無効なマッピングが含まれている場合、アセンブリはデプロイできません。Vnetマッピングに加えられた変更は、アセンブリ・インスタンスの開始前にデプロイメント・プランに保存されます。

  4. 「デプロイ」をクリックして、デプロイメント・プランを新しいマッピングで更新し、アセンブリ・インスタンスを開始します。

    デプロイメント・オプションを確認すると、アセンブリのデプロイメントが開始されます。新しい子ノードが登録済ノード下に作成され、進捗を示します。新しい子ノードの名前はデプロイメントIDです。アセンブリ・インスタンスが最終状態になるまで読込み中のアイコンが表示されます。

    ネットワークが初期化されると、アプライアンスを展開して、そのアプライアンス用に起動された各仮想マシンのIPアドレスを表示できます。

    アプライアンス・インスタンス(およびアセンブリ・インスタンス)がアクティブに処理されている場合は、処理中であることを示すアイコンが表示されます。アセンブリのデプロイ中は、アプライアンス・インスタンスのアイコンが表示され、そのアセンブリ・インスタンスが処理中のアイコンからグレーのアイコンに変化する可能性があります。グレーのアイコンはアプライアンス・インスタンスがデプロイメントの中間状態に到達し、現在そこに止まっていることを意味します。数分間そのままの状態が続くこともありますが、その間に他のアプライアンス・インスタンスはアクティブに処理されます。アプライアンス間に依存関係が指定されている場合、これは特に重要です。

    アプライアンス・インスタンスが処理を再開したら、アイコンは処理中のアイコンに戻ります。

    アセンブリのデプロイ中にアセンブリ・インスタンスまたはアプライアンス・インスタンスを選択した場合、プロパティ・インスペクタで現在の状態を確認できます。

    デプロイメントの進捗は、「タスク」ナビゲータで確認できます。デプロイメントに失敗したら、ナビゲータに赤いXマークが表示されます。「タスク・ログの表示」ツールバー・ボタンを使用すると、「タスク」ナビゲータから失敗したタスクに関するタスク・ログを開くことができます。

5.4.10.2 abctlを使用したデプロイメント

例5-29に示すようにcreateAssemblyInstanceコマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを作成します。createAssemblyInstanceコマンドは、deployAssemblyInstanceコマンドに必要なassemblyInstanceIdを返します。

例5-29 createAssemblyInstanceコマンド

$ ./abctl help –command createAssemblyInstance
$ ./abctl createAssemblyInstance -deploymentPlan c:/zeroAppliancesSite_plan.xml -name SMALLOVA -version 1 -c cloudAdmin
Plan upload File Size: 700
Assembly Instance Id: gdc4_29x5_SMALLOVA_1
Assembly instance has been created.

アセンブリ・インスタンスを作成すると、例5-30に示すようにdeployAssemblyInstanceコマンドを使用してアセンブリ・インスタンスをデプロイできます。

例5-30 deployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command deployAssemblyInstance
$ ./abctl deployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 1d1599a0-434b-426a-ab29-7c6230b5fa33Request to deploy assembly instance has been submitted to deployer.

deployAssemblyInstanceコマンドは、非同期操作です。このコマンドは、デプロイ・リクエストを開始して、リクエストIDを返します。リクエストのステータスは、describeRequests操作を使用して問い合せることができます。操作が完了するまで待機する場合、-waitForComplete -pollTime 30のように追加パラメータを指定して、待機することもできます。

例5-31 deployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command deployAssemblyInstance
$ ./abctl deployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 1d1599a0-434b-426a-ab29-7c6230b5fa33Request to deploy assembly instance has been submitted to deployer.

例5-32に示すようにdescribeAssemblyInstancesコマンドを使用して、現在のデプロイメントをリストできます。

例5-32 describeAssemblyInstancesコマンド

$ ./abctl help –command describeAssemblyInstances
$ ./abctl describeAssemblyInstances -c cloudAdmin---------------------------------------------------------------------------------- Name     | Version | State      | Assembly Instance Id | Target  | Appliances---------------------------------------------------------------------------------- SMALLOVA | 3       | Undeployed | c1Lm-GyML_SMALLOVA_3 | LOCBOX1 | c1Lm-GyML_SMALLOVA_3:zeroAppliancesSite/myWls/Server_3Assembly Instances have been described.$

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.11 ワンステップ・デプロイメントの実行

ワンステップ・デプロイメントにより、アセンブリ・アーカイブを作成して1つの論理演算にデプロイする場合の複数のステップが統合されます。各ステップは実行に時間がかかる可能性のあるプロセスであり、統合によって、個々のステップを監視し、完了を待機してから次を開始する必要がなくなります。プロセスを開始しておいて、夜間や週末に実行できます。

5.4.11.1 前提条件

プロセスを開始する前に、次の条件を満たしている必要があります。

  • アセンブリに対するすべての変更が保存されている必要があります。

  • すべての出力が接続されている必要があります。

  • すべてのファイル・セットが取得されている必要があります。

  • デプロイヤ接続が存在し、1つ以上のデプロイメント・ターゲットが定義されている必要があります。

  • アセンブリに既存のアセンブリ・アーカイブがある場合、アセンブリ・アーカイブのプラットフォーム・タイプがターゲット・プラットフォームと一致する必要があります。

    • OVMアーカイブはOVMターゲットにデプロイされる必要があります。

  • アセンブリにまだアセンブリ・アーカイブが存在しない場合、ターゲット・プラットフォームに対してデフォルトのベース・イメージが存在する必要があります(デプロイメント・ターゲットにより決定)。

    • OVMターゲットにはOVMベース・イメージが必要です。

  • アセンブリに対して1つ以上のデプロイメント・プランが存在し、ターゲット・プラットフォームと一致している必要があります。

    • OVMターゲットにはOVMデプロイメント・プランが必要です。

    • デプロイメント・プランにテンプレートのパスワードが設定されている必要があります。

いずれかの前提条件を満たしていない場合、アセンブリをデプロイできなかった理由がエラー・ダイアログに示されます。

5.4.11.2 デプロイメントの考慮事項

デプロイ時には、次の条件を満たしている必要があります。

  • プラットフォーム・タイプを指定する必要があります。ワンステップ・デプロイメントでは、デプロイヤ接続タイプに特有のデプロイメント・プランのみが表示されます。

  • デフォルトでは、OVMターゲットに対するデプロイメント操作はOVMアーカイブです。

ワンステップ・デプロイメントでは、次のステップが統合されます。

  1. アプライアンス・テンプレートの作成: アセンブリに含まれる各アプライアンスには、ターゲット・プラットフォーム用のアプライアンス・テンプレートが必要です。アプライアンス・テンプレートがすでに存在する場合は、これが使用されます。ターゲット・プラットフォーム用のテンプレートがまだ存在しないアプライアンスについてのみ、テンプレートが作成されます。すべてのアプライアンスに既存のテンプレートがある場合、このステップはスキップされます。

  2. アセンブリ・アーカイブの作成: アセンブリにはターゲット・プラットフォーム用のアセンブリ・アーカイブが必要です。まだ存在しない場合、作成されます。アーカイブを作成する必要がある場合、圧縮されます。

    ターゲット・プラットフォーム用のアセンブリ・アーカイブがすでに存在する場合、このステップはスキップされます。

  3. アセンブリ・アーカイブのアップロード: アセンブリ・アーカイブの作成後、デプロイメント開始時にアクティブであった(「デプロイメント」ナビゲータで選択されていた)デプロイヤ接続を使用して、アーカイブがアップロードされます。アップロードされたアセンブリ・バージョンに割り当てられた説明はワンステップ・デプロイメントであり、バージョン番号がデプロイヤによって自動的に割り当てられます。

  4. アセンブリの登録: アップロードが正常に完了すると、新しくアップロードされたアセンブリ・バージョンが、「アセンブリのデプロイ」ダイアログで選択されたデプロイメント・ターゲットに登録されます。

  5. アセンブリのデプロイ: 登録が正常に完了すると、登録されたアセンブリが、「アセンブリのデプロイ」ダイアログで選択されたデプロイメント・プランを使用してデプロイされます。

5.4.11.3 デプロイメント用のアセンブリの発行

前提条件を満たしたら、アセンブリのコンテキスト・メニューから「デプロイ」を選択することで、ワンステップ・デプロイメント用にアセンブリを発行します。プラットフォーム・タイプを指定します。

5.4.11.4 タスク追跡

デプロイメント用にアセンブリを発行後、各ステップのエントリがタスク・ビューアに表示されます。最初のステップはアセンブリの状態によって異なりますが、すぐに実行が開始されます。残りのステップは、前述のタスクが正常に完了するまで保留状態となります。

いずれかのタスクが失敗した場合、保留中のタスクは取り消され、プロセスが終了します。

5.4.12 アセンブリ・インスタンスの停止

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用してアセンブリ・インスタンスを停止する方法について説明します。

アセンブリ・インスタンスを停止すると、VMとVM内で実行されているアプリケーションが停止します。停止状態のVMは、コンテキストを保持します。停止したVMは、VMを作成する必要がないため、元のデプロイメントよりもずっと短時間で再起動できます。

5.4.12.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるアセンブリ・インスタンスの停止

「デプロイメント」ナビゲータの「デプロイメント・ターゲット」ペインで、アセンブリ・インスタンスを開始、停止、デプロイまたはアンデプロイできます。アセンブリ・インスタンスを停止するには、停止する必要があるアセンブリ・インスタンスを選択し、「停止」をクリックします。

5.4.12.2 abctlによるアセンブリ・インスタンスの停止

stopAssemblyInstanceコマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを停止します。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceIdによって参照されます。describeAssemblyInstancesコマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスのリストを取得できます。例5-33および例5-34に、stopAssemblyInstanceコマンドを示します。

例5-33 stopAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command stopAssemblyInstance
$ ./abctl stopAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 8486522b-8a5e-4348-bdf1-a7d55fccf848Request for stop has been submitted to deployer.

例5-34 stopAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command stopAssemblyInstance
$ ./abctl stopAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 8486522b-8a5e-4348-bdf1-a7d55fccf848Request for stop has been submitted to deployer.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.13 アセンブリ・インスタンスの開始または再開

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用してアセンブリ・インスタンスを開始または再開する方法について説明します。停止されていたアセンブリ・インスタンスを再開できます。アセンブリ・インスタンスを再開すると、停止したすべてのVMが起動し、VM内のアプリケーションも起動します。アセンブリ・インスタンスは、停止する前の状態にリストアされます。この操作は、デプロイメント操作よりも短時間で完了します。

5.4.13.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるアセンブリ・インスタンスの再開

「デプロイメント」ナビゲータの「デプロイメント・ターゲット」ペインで、アセンブリ・インスタンスを開始、停止、デプロイまたはアンデプロイできます。アセンブリ・インスタンスを開始するには、アセンブリ・インスタンスを選択し、「開始」をクリックします。

5.4.13.2 abctlによるアセンブリ・インスタンスの開始または再開

startAssemblyInstanceコマンドを使用してデプロイメントを開始します。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceIdによって参照されます。describeAssemblyInstancesコマンドを使用して、デプロイメントのリストを取得できます。例5-35および例5-36に、startAssemblyInstanceコマンドを示します。

例5-35 アセンブリ・インスタンスの開始(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command startAssemblyInstance
$ ./abctl startAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 1936dff2-f8a7-4407-83f8-08521bb48fefRequest for start has been submitted to deployer.

例5-36 アセンブリ・インスタンスの開始(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command startAssemblyInstance
$ ./abctl startAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 1936dff2-f8a7-4407-83f8-08521bb48fefRequest for start has been submitted to deployer.

restartAssemblyInstanceコマンドを使用してアセンブリ・インスタンスを再開します。これは、stopAssemblyInstanceの後にstartAssemblyInstanceを実行することと同じです。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceIdによって参照されます。describeAssemblyInstancesコマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスのリストを取得できます。例5-37および例5-38に、restartAssemblyInstanceコマンドを示します。

例5-37 アセンブリ・インスタンスの再開(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command restartAssemblyInstance
$ ./abctl restartAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 126a97ef-89db-4b05-88d5-17b70e5cc3d2Request to restart assembly instance has been submitted to deployer.

例5-38 アセンブリ・インスタンスの再開(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command restartAssemblyInstance
$ ./abctl restartAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 126a97ef-89db-4b05-88d5-17b70e5cc3d2Request to restart assembly instance has been submitted to deployer.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.14 アプライアンスのスケーリング

この項では、アセンブリの初期デプロイ後に、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用して、選択したアプライアンス・インスタンスをスケーリングする方法について説明します。

アセンブリのデプロイ後、各アプライアンスのターゲット数のVMインスタンスが開始されます。各アプライアンス・インスタンスの初期ターゲット数は、デプロイメント・プランで指定されます。アセンブリのデプロイ後に新規ターゲットを動的に指定できます。新規ターゲットに達するまで、Oracle Virtual Assembly BuilderはVMインスタンスを動的に開始または停止(スケール・アップまたはスケール・ダウン)します。スケール・ダウン操作では、正しくデプロイされているインスタンスのみが停止されます。

5.4.14.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるアプライアンスのスケーリング

アプライアンスのインスタンス数をスケーリングする手順は、次のとおりです。

  1. 「デプロイメント」ナビゲータでアセンブリ・インスタンスを選択し、構造ペインでアセンブリ構造を展開します。

  2. スケーラブル・アプライアンスを右クリックし、「アプライアンスのスケール」を選択します。

  3. 「ターゲット・スケール」ドロップダウンからアプライアンスのVMインスタンスのターゲット数を設定します。現在のスケール・レベルは、適切な値の横に*が付いています。たとえば、1*または2*などです。

  4. 「OK」をクリックします。

5.4.14.2 scaleコマンドで使用するためのscalingGroupIdの取得

describeScalingGroupsコマンドを使用してscalingGroupIdを取得し、scaleコマンドに渡します。(例5-39):

例5-39 describeScalingGroupコマンド

$ ./abctl help -command describeScalingGroups
$ ./abctl describeScalingGroups

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.14.3 abctlによるアセンブリ・インスタンス内のアプライアンスのスケーリング

scaleコマンドを使用して、アプライアンスをスケールします(例5-40および例5-41)。

例5-40 scaleコマンド(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help -command scale
$ ./abctl scale -scalingGroupId 1gWT-t0Np_SMALLOVA_1:zeroAppliancesSite/myWls/Server_3 -target 1 -c cloudAdminRequest ID: c1d2c742-d2fe-4698-bf61-99d619be4fcaRequest for scaling operation has been submitted to deployer.

例5-41 scaleコマンド(完了を待機する場合)

$ ./abctl help -command scale
$ ./abctl scale -scalingGroupId 1gWT-t0Np_SMALLOVA_1:zeroAppliancesSite/myWls/Server_3 -target 1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: c1d2c742-d2fe-4698-bf61-99d619be4fcaRequest for scaling operation has been submitted to deployer.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.15 アセンブリ・インスタンスのアンデプロイ

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用してアセンブリ・インスタンスをアンデプロイする方法について説明します。

アセンブリ・インスタンスをアンデプロイすると、稼働中のVMはすべて停止します。また、障害が発生したVMが存在する場合は、そのVMのクリーンアップも行います。

5.4.15.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるデプロイメントのアンデプロイ

「デプロイメント」ナビゲータで、デプロイされたアセンブリ・インスタンスを右クリックし、「アンデプロイ」を選択すると、アセンブリ・インスタンスをアンデプロイできます。成功した場合は、ノードが削除されます。操作が失敗した場合は、赤のアイコンが表示されます。進捗メッセージは、メッセージ・ログ・ウィンドウに表示されます。

5.4.15.2 abctlによるアセンブリ・インスタンスのアンデプロイ

undeployAssemblyInstanceコマンドを使用すると、アセンブリ・インスタンスをアンデプロイできます。アセンブリ・インスタンスは、assemblyInstanceIdによって参照されます。describeAssemblyInstancesコマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスのリストを取得できます。例5-42に、undeployAssemblyInstanceコマンドを示します。

例5-42 undeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command undeployAssemblyInstance
$ ./abctl undeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: 6b0f1b14-466e-4b23-bcc3-8b8506fd40acRequest to undeploy assembly instance has been submitted to deployer.

例5-43 undeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command undeployAssemblyInstance
$ ./abctl undeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: 6b0f1b14-466e-4b23-bcc3-8b8506fd40acRequest to undeploy assembly instance has been submitted to deployer.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.16 ターゲットからのアセンブリ・アーカイブの登録解除

この項では、abctlを使用してOracle Virtual Assembly Builder Deployerからアセンブリ・アーカイブを登録解除する方法について説明します。この操作でアセンブリ・アーカイブの登録は解除されますが、アップロード済アーカイブは削除されません。

5.4.16.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioによるアセンブリ・アーカイブの登録解除

登録済のアセンブリ・アーカイブ・バージョンを右クリックし、「登録解除」を選択すると、バージョンの登録が解除されます(デプロイメント・ターゲットから)。

5.4.16.2 abctlによるアセンブリ・アーカイブの登録解除

unregisterAssemblyArchiveコマンドを使用して、アセンブリのテンプレートを登録解除します。例5-44および例5-45に、unregisterAssemblyArchiveコマンドを示します。

例5-44 unregisterAssemblyArchiveコマンド(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command unregisterAssemblyArchive
$ ./abctl unregisterAssemblyArchive -name SMALLOVA -version 1 -target LOCBOX1 -c cloudAdminRequest ID: f9f9d0b7-e334-4020-a038-2b728e9a0a37Request to unregister assembly has been submitted to deployer.

例5-45 unregisterAssemblyArchiveコマンド(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command unregisterAssemblyArchive
$ ./abctl unregisterAssemblyArchive -name SMALLOVA -version 1 -target LOCBOX1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: f9f9d0b7-e334-4020-a038-2b728e9a0a37Request to unregister assembly has been submitted to deployer.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.16.3 redeployAssemblyInstance

redeployAssemblyInstanceコマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを再デプロイします。例5-46および例5-46に、redeployAssemblyInstanceコマンドを示します。

例5-46 redeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command redeployAssemblyInstance
$ ./abctl redeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminRequest ID: eff86a4c-d064-4794-b1ae-0624a972ab06Request to redeploy assembly instance has been submitted to deployer.

例5-47 redeployAssemblyInstanceコマンド(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command redeployAssemblyInstance
$ ./abctl redeployAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdmin -waitForComplete -pollTime 30Request ID: eff86a4c-d064-4794-b1ae-0624a972ab06Request to redeploy assembly instance has been submitted to deployer.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.16.4 deleteAssemblyInstance

アセンブリ・インスタンスがアンデプロイ状態になったら、deleteAssemblyInstanceコマンドを使用して、アセンブリ・インスタンスを削除します。例5-48に、deleteAssemblyInstanceコマンドを示します。

例5-48 deleteAssemblyInstanceコマンド

$ ./abctl help –command deleteAssemblyInstance
$ ./abctl deleteAssemblyInstance -assemblyInstanceId gdc4_29x5_SMALLOVA_1 -c cloudAdminAssembly instance gdc4_29x5_SMALLOVA_1 has been deleted.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.17 デプロイヤ・リポジトリからのアセンブリ・アーカイブの削除

この項では、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用して、デプロイヤ・リポジトリからアセンブリ・アーカイブを削除する方法について説明します。

5.4.17.1 Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用したアセンブリ・アーカイブの削除

デプロイヤ・リポジトリからアセンブリ・アーカイブを削除するには、アップロードされたアーカイブを右クリックして、「アセンブリ・アーカイブの削除」を選択します。

5.4.17.2 abctlを使用したアセンブリ・アーカイブの削除

OVAB管理では、abctldeleteAssemblyArchiveコマンドを使用して、デプロイヤ・リポジトリからアセンブリ・アーカイブを削除できます。この操作は、アセンブリ・アーカイブの登録がない場合にのみ実行できます。

例5-49 deleteAssemblyArchiveコマンド(完了を待機しない場合)

$ ./abctl help –command deleteAssemblyArchive
$ ./abctl deleteAssemblyArchive -name TheAssembly -version 1 -connectionName myDeployerConnection

例5-50 deleteAssemblyArchiveコマンド(完了を待機する場合)

$ ./abctl help –command deleteAssemblyArchive
$ ./abctl deleteAssemblyArchive -name TheAssembly -version 1 -connectionName myDeployerConnection -waitForComplete -pollTime 30

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.18 EMソフトウェア・ライブラリとのやり取り

Enterprise Manager Grid Control Cloud Management Packを使用してデプロイメント操作をアセンブリ・アーカイブに対して実行する予定の場合、これらの操作を使用します。このシナリオでは、Oracle Virtual Assembly Builderを使用してアセンブリ・アーカイブを作成し、EMソフトウェア・ライブラリにアップロードします。Enterprise Manager Grid Control Cloud Management Packを使用して、アセンブリ・インスタンスをデプロイします。

5.4.18.1 Oracle Virtual Assembly Builder StudioによるEMソフトウェア・ライブラリへの接続の管理

EMソフトウェア・ライブラリへの接続を管理するには、「ツール」「EMソフトウェア・ライブラリ接続の管理」を選択します。「EMソフトウェア・ライブラリ接続マネージャ」ダイアログ(図5-13)が表示され、アセンブリ・アーカイブをEMソフトウェア・ライブラリにアップロードするための接続を追加、編集、または削除できるようになります。EMソフトウェア・ライブラリへの接続は1つのみ作成できます。

図5-13 EMソフトウェア・ライブラリ接続マネージャ

EMソフトウェア・ライブラリ接続マネージャ
「図5-13 EMソフトウェア・ライブラリ接続マネージャ」の説明

EMソフトウェア・ライブラリへの接続を作成するには:

  1. 「作成」アイコンを選択します。

  2. 次の接続プロパティを構成します。

    • EMホスト:*: 接続のホストを入力します。

    • ポート: 接続のポートを入力します。

    • EMユーザー名:*: Enterprise Managerにアクセスするためのユーザー名を入力します。

    • SSHポート:*: 接続のSSHポートを入力します。

    • SSHユーザー:*: 接続のSSHユーザーを入力します。

    • SSH認証:*: 「パスワード」を選択しパスワードを入力するか、「秘密鍵」を選択し、パスワードを指定するかわりに使用するSSHキーを参照します。「秘密鍵」を選択した場合は、「参照」ボタンを選択し、ローカル・マシン上の秘密SSH鍵ファイルの場所までナビゲートします。秘密鍵ファイルを使用すると、Oracle Virtual Assembly Builderでパスワードを扱う必要がなくなるため、より高いセキュリティを実現できます。

    • 作業ディレクトリ: アセンブリ・アーカイブをOracleソフトウェア・ライブラリにアップロードする際の作業ディレクトリを入力します。

    • 名前付きホスト資格証明: Oracleソフトウェア・ライブラリ用の認証情報を指定する名前付きホスト資格証明を入力します。

  3. 「接続テスト」をクリックして、正常に接続できることを検証します。

  4. 「OK」をクリックします。

EMソフトウェア・ライブラリへの接続を編集するには:

  1. 「接続」ペインで接続を選択します。

  2. 「編集」アイコンを選択します。

  3. 必要に応じて、接続プロパティを更新します。

  4. 「OK」をクリックします。

EMソフトウェア・ライブラリへの接続を削除するには:

  1. 「接続」ペインで接続を選択します。

  2. 「削除」アイコンを選択します。

  3. 削除を確定します。

5.4.18.2 abctlを使用したOracleソフトウェア・ライブラリへの接続の作成

Oracleソフトウェア・ライブラリへの接続を構成するには、abctlcreateEMConnectionコマンドを使用します。Oracleソフトウェア・ライブラリへの接続は、接続ファイルで維持されます。

リモートEnterprise Managerマシンの完全修飾ホスト名を指定する必要があります。例: myhostのかわりにmyhost.example.com

例5-51 createEMConnection

$ ./abctl createEmConnection -connectionURL emMachine:7791 -connectionUser admin -namedHostCredential hostCredential -remoteUser mySshUser -remoteWorkingDir /scratch/myovas [-sshPort 23] [-privateKeyFile ~/.ssh/id_rsa]

connectionPasswordを要求されます。

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.18.3 アセンブリのアップロード

Oracle Virtual Assembly Builder StudioカタログからOracleソフトウェア・ライブラリにアセンブリ・アーカイブをアップロードするには、Oracle Virtual Assembly builder Studioまたはabctlを使用します。

Oracle Virtual Assembly Builder Studioでアセンブリ・アーカイブをアップロードするには、アセンブリを右クリックして、「アセンブリ・アーカイブのアップロード」「EMソフトウェア・ライブラリ」を選択します。

abctlでアセンブリ・アーカイブをアップロードするには、abctluploadEMAssemblyArchiveコマンドを使用します。アセンブリ・アーカイブは、アセンブリを使用して作成しておく必要があります。

例5-52 Oracleソフトウェア・ライブラリへのアセンブリのアップロード

$ ./abctl uploadEMAssemblyArchive -name archiveName -description "my assembly archive"
 Assembly archive upload started
  Assembly archive upload at 10%
  Assembly archive upload at 20%
  Assembly archive upload at 30%
  Assembly archive upload at 40%
  Assembly archive upload at 50%
  Assembly archive upload at 60%
  Assembly archive upload at 70%
  Assembly archive upload at 80%
  Assembly archive upload at 90%
  Assembly archive upload at 100%
  Assembly archive upload complete
  Assembly archive version 0.1 uploaded
  Successfully uploaded the assembly archive mySite to EM Software Library.  Check the status of the assembly archive with describeEMAssemblyArchives before using.

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.18.4 Oracleソフトウェア・ライブラリのアセンブリ・アーカイブの記述

Oracleソフトウェア・ライブラリに存在する アセンブリ・アーカイブとそのバージョンをリストするには、abctldescribeEMAssemblyArchivesコマンドを使用します。

例5-53 EMソフトウェア・ライブラリのアセンブリ・アーカイブの記述

$ ./abctl describeEMAssemblyArchives [-name nameOfAssemblyArchive]

------------------------------------------------
Name   | Version | Description | Status
------------------------------------------------
mySite | 0.3     | mysite3     | READY
       | 0.2     | mysite3     | READY
       | 0.1     | mysite3     | READY
------------------------------------------------

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.18.5 Oracleソフトウェア・ライブラリからのアセンブリ・アーカイブの削除

Oracleソフトウェア・ライブラリから指定したバージョンのアセンブリ・アーカイブを削除するには、abctldeleteEMAssemblyArchiveコマンドを使用します。


注意:

describeEMAssemblyArchivesコマンドからのステータスがREADYになるまで、アセンブリ・アーカイブを削除しないでください。出力例は、例5-53「EMソフトウェア・ライブラリのアセンブリ・アーカイブの記述」を参照してください。


例5-54 Oracleソフトウェア・ライブラリからのアセンブリ・アーカイブの削除

abctl deleteEMAssemblyArchive -name archiveName -version 1.2

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。

5.4.18.6 Oracle Virtual Assembly Builderカタログへのアセンブリのダウンロード

EMソフトウェア・ライブラリからOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログにアセンブリをダウンロードするには、Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたはabctlを使用します。

Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用してアセンブリをダウンロードするには、「EMソフトウェア・ライブラリ」ビューでアセンブリを右クリックして、「アセンブリ・アーカイブのダウンロード」を選択します。


注意:

describeEMAssemblyArchivesコマンドからのステータスがREADYになるまで、アセンブリ・アーカイブをダウンロードしないでください。出力例は、例5-53「EMソフトウェア・ライブラリのアセンブリ・アーカイブの記述」を参照してください。


アセンブリ・アーカイブは、Oracle Virtual Assembly Builderメタデータ、ファイル・セットおよびテンプレートを作成してOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログで維持するために、リバース・エンジニアリングされます。

Oracleソフトウェア・ライブラリからOracle Virtual Assembly Builder Studioカタログにアセンブリをダウンロードするには、abctldownloadコマンドを使用します。

例5-55 アセンブリのダウンロード

abctl downloadEMAssemblyArchive -name archiveName -version 1.0 -force -downloadAs newName

詳細は、付録A「コマンドライン・リファレンス」を参照してください。この付録には、コマンドに渡すことができるパラメータの詳細が記載されています。