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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
11g リリース 1 (11.1.1)
B61375-04
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2.5 高可用性環境の設定

11g リリース1 (11.1.1)には、第2.1項「このリリースでの新機能」表2-1に記載されているように、多数の高可用性(HA)強化機能があります。

この項では、高可用性環境の設定について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

2.5.1 高可用性の維持

Oracle Fusion Middlewareは、分散トポロジに配置可能な様々なコンポーネントで構成されています。Oracle Fusion Middlewareで高可用性を可能にするために使用される基礎となるパラダイムはクラスタリングです。クラスタリングでは、Oracle Fusion Middlewareの各種コンポーネントが一定の組合せで結合され、スケーラブルな統合機能が実現されながら、個々のコンポーネントのいずれかで障害が発生した場合に備えて冗長性も実現します。


注意:

Oracle Fusion Middlewareで高可用性を実現するための多様なソリューションと技法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Java EEエンタープライズ・デプロイメント・ガイドおよび『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。


2.5.2 rwservlet.propertiesファイルの構成

rwservlet.propertiesファイルを構成するには、次の手順を実行します。

  1. インプロセス・サーバーの名前が一意であることを確認します。サーバー名が一意であるかどうかを確認するには、rwservlet.propertiesのserverサブ要素をチェックします。

  2. rwservlet.propertiesファイルでクラスタを構成します。

    <cluster clustername="ha_cluster" clusternodes="ha_server2"/>
    

    clusternameは、すべてのrwservlet.propertiesファイルで同じにする必要があります。clusternodesには、クラスタの一部であるインプロセス・サーバーの名前(現在のサーバーを除く)を指定する必要があります。複数のサーバーを指定する場合はコロンで区切ります。

  3. サーブレット構成ファイルを保存します。

また、Oracle Enterprise Managerを使用してクラスタを構成する方法もあります。

  1. Enterprise Managerで、「Reportsアプリケーション・ホームページ」にナビゲートします。

  2. 「レポート」メニューから「システムMBeanブラウザ」を選択します。

    「システムMBeanブラウザ」ページが表示されます。

  3. 左のコンテンツ・ペインで、「アプリケーション定義のMBeans」から、「oracle.reportsApp.config」「サーバー: WLS_REPORTS」「アプリケーション: reports」「ReportsApp」の順に展開します。

  4. リストから「rwservlet」を選択します。

    「アプリケーション定義のMBean: ReportsApp:rwservlet」ページが表示されます。

  5. 「操作」タブをクリックします。

  6. 「addCluster」を選択します。

    「操作: addCluster」ページが表示されます。

  7. 「クラスタ名」フィールドおよび「ノード」フィールドに有効な値を入力します。

  8. 「起動」をクリックします。

rwservlet.propertiesファイルの詳細は、第8.3.1.1項「rwservlet」を参照してください。

2.5.3 Reports Serverでの高可用性の構成

データベースをジョブ・リポジトリとして使用してReports Serverで高可用性を構成するには、インスタンスごとに次の手順を実行します。

  1. すべてのReports Serverのrwserver.confファイルで、すべてのインスタンスのインプロセスReports Serverに対してデータベース・ジョブ・リポジトリを構成します。

    11g リリース1 (11.1.1)では、サーバー構成ファイルがrwserverconf.xsdファイル(第8.2.1項「Reports Serverの構成要素」を参照)に対応している必要があります。したがってサーバー構成ファイル内でエントリが出現する順序がランダムではなくなり、XSDによって決定されることになりました。このため、サーバー構成ファイルの<connection>要素の直前に次の要素を追加する必要があります。

    <jobRepository>
    <property name="dbuser" value="dbuser"/>
    <property name="dbpassword" value="csf:reports:dbpasswdKey"/>
    <property name="dbconn" value="dbconn"/>
    </jobRepository>
    

    資格証明ストアにパスワード・キーを追加する方法の詳細は、第15.1.4項「資格証明ストア」を参照してください。

  2. サーバー構成ファイルを保存します。

    また、Oracle Enterprise Managerを使用してデータベース・ジョブ・リポジトリを構成する方法もあります。

    1. Enterprise Managerで、「Reportsアプリケーション・ホームページ」にナビゲートします。

    2. 「レポート」メニューから「管理」「拡張構成」を選択します。

      「Reportsアプリケーション拡張構成」ページが表示されます。

    3. 「詳細構成」ページで、「ジョブ・リポジトリ」コンテンツ・ペインを探します。

    4. 「ジョブ・リポジトリDBを有効にします」チェック・ボックスを選択します。

    5. 「ユーザー名」「パスワード・キー」および「データベース」の各フィールドに有効な値を入力します。

    6. 「適用」をクリックします。

  3. すべてのインスタンスがアクセスする(読取りアクセス権だけでなく書込みアクセス権も必要)フォルダを構成するために、各サーバー構成ファイルの<cache>要素にCacheDirプロパティまたはJOCCacheDirプロパティを追加します。

    例:

    Windowsの場合:

    <property name="JOCCacheDir" value="folder_name"/>
    <property name="CacheDir" value="folder_name"/>
    

    UNIXの場合:

    <property name="JOCCacheDir" value="/net/machine_name/usrs/tmp"/>
    <property name="CacheDir" value="/net/machine_name/usrs/tmp"/>
    

    この場合、「/usrs/tmp」は、Reports Serverが複数のマシンで実行されているときに書込み権限を持つ場合の共有の場所です。


    注意:

    • JOCCacheDirとともにCacheDirを高可用性に使用すると、キャッシュの共有もできます。

    • 複数のインプロセスReports Serverが別々のマシンで稼働している場合、他のマシンやユーザーとフォルダを共有することで構成ができます。たとえばWindowsでは、各サーバー構成ファイルの<cache>要素に次のプロパティを追加することで、両方のインプロセスReports Serverの共有キャッシュを構成します。

      <property name="JOCCacheDir" value="\\host\shared"/>
      

      ここで、hostは共有フォルダがあるマシン、sharedはフォルダ名です。


    また、Oracle Enterprise Managerを使用してJOCキャッシュ・ディレクトリの値を指定することもできます。

    1. Enterprise Managerで、「Reportsアプリケーション・ホームページ」にナビゲートします。

    2. 「レポート」メニューから「管理」「拡張構成」を選択します。

      「Reportsアプリケーション拡張構成」ページが表示されます。


      注意:

      JOCキャッシュ・ディレクトリを初めて追加するときは、システムMBeanブラウザを使用できます。

      Enterprise Managerの「高可用性パラメータ」セクションが表示されるのは、サーバーがHAクラスタに属し、インプロセス・サーバーが実行している場合のみです。


    3. コンテンツ・ペインで、「高可用性パラメータ」セクションを探します。

    4. 「クラスタ・キャッシュ・ディレクトリ」フィールドに有効なフォルダ名を入力します。

    5. 「適用」をクリックします。

    JOCCacheDirプロパティとCacheDirプロパティ(Oracle Reports 11g リリース1 (11.1.1)の新機能)の詳細は、第8章「Oracle Reports Servicesの構成」を参照してください。

  4. rw_server.sqlファイルをデータベースにロードします(このファイルは、Oracle Reports ServicesインストールのORACLE_HOME\reports\admin\sqlに含まれる)。

    これによって、レポートのキュー情報を所有し、サーバーのキューAPIに対して実行権限を持つスキーマが作成されます。

  5. Reports Serverを再起動します。

  6. シェルで環境変数TNS_ADMINおよびORACLE_HOMEを設定し、ノード・マネージャ($FMW_HOME/wlserver_10.3/server/bin/startNodeManager.sh)を起動します。これは、Reportsインプロセス・サーバーからデータベースへの接続に必要です。

    詳細は、「TNS_ADMIN」を参照してください。

    Oracle WebCacheは、ロード・バランサとして使用できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイドを参照してください。

2.5.3.1 Oracle Enterprise Managerでの高可用性の構成

Oracle Enterprise Managerの2つの異なるドメイン間で高可用性を設定する場合は、Enterprise Managerの設定を構成する必要があります。これによって、両方のドメインからすべてのサーバーのデータへのアクセスが可能になります。

  1. Enterprise Managerで、「ドメイン・ホーム」ページにナビゲートします。

  2. 「WebLogicドメイン」メニューから「セキュリティ」「資格証明」を選択します。

  3. 「レポート」マップを選択して、EMServerPasswordKeyを編集し、パスワードを入力します。

  4. この1から3の手順を他のドメインでも実行して、同じパスワードを入力します。

  5. 両方のドメインでEnterprise Managerエージェントを再起動します。

    各ドメインのORACLE_INSTANCE/binは、次のとおりになります。

    ./opmnctl stopproc ias-component=<emagent_name>
    ./opmnctl startproc ias-component=<emagent_name>
    ./opmnctl restartproc ias-component=<emagent_name>
    
  6. 両方のドメインでReports Serverを再起動します。

両方のドメインでEnterprise Manager設定の構成を完了すると、Enterprise ManagerコンソールによってすべてのHAサーバーのジョブ・キュー内のジョブの監視および管理が実行されます。