Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Portlets公開ガイド 11g リリース1(11.1.1) E51912-01 |
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Oracle BI Discoverer を使用して、Oracle Portal、Oracle WebCenter Portal、Oracle WebLogic Portalなどの様々なポータルで、Discovererワークシートのコンテンツを公開できます。
この章では、Oracle BI DiscovererおよびOracle Portalの概要について説明します。この項の構成は、次のとおりです。
Oracle Business Intelligence Discovererは、非定型クエリー、レポート作成、分析およびWeb公開用の直観的なツールセットで、これを使用することにより、ビジネス・ユーザーはデータベース内の情報へ素早くアクセスできます。
Oracle Business Intelligence Discovererにより、組織のあらゆるレベルのビジネス・ユーザーが、より多くの情報を得た上でビジネス上の意思決定を迅速に下すことができます。任意の標準Webブラウザを使用することで、リレーショナル・データソースおよびマルチディメンショナル・データソースの両方のデータに安全かつ素早くアクセスできます。Oracle Business Intelligence Discovererでは、基盤となるデータ構造の複雑さを意識させないようにビジネス・ビューを提供するため、ビジネス上の問題解決に集中できます。
Oracle Business Intelligence Discovererを構成する複数の統合コンポーネントは、Oracleデータベースとの連携により、完全かつ統合されたBusiness Intelligenceソリューションを提供します。
Discovererワークブックは、複数のワークシート集合に名前をつけたものです。各ワークシートには、データベースからのビジネス情報の抽出に必要なデータおよびグラフが含まれます。各ワークシートには、クエリーの結果が含まれます。
ワークシートでは、情報が次の形式で示されます。
セル内のデータ・ポイント(テーブルまたはクロス集計にフォーマットされます)
グラフ(Oracle BI Discovererでは様々なグラフ・タイプがサポートされます)
Discoverer Portlet Providerを使用すると、Oracle PortalユーザーがDiscovererワークシートにアクセスできるようになります。
ポートレットは、各種情報ソースのサマリーを作成したり、情報ソースへのアクセスを提供するための再使用可能な情報コンポーネントです。各ユーザーまたは各グループ・ベースでポートレットの外観をカスタマイズできます。
Discovererポートレットを使用して、ポータルを既存のDiscovererワークシートにリンクできます。Discovererでは2種類のポートレットが提供されます。
Discoverer PDK-Javaポートレット - これらのポートレットはOracle Portal Developer Kit-Java(PDK-Java)に基づいて作成され、Oracle PortalおよびOracle WebCenter Portal: Spacesでのみ公開可能です。
Discoverer WSRPポートレット - これらのポートレットは、Javaポートレット仕様(JSR 168)に基づいて作成され、ポートレット・プロバイダをDiscovererインストール上のWSRP(Web Services for Remote Portlets)アプリケーションとして使用できます。このWSRPアプリケーションにはWSDL URLを使用してアクセスできます。Discoverer WSRPポートレットはWSRPをサポートしているポータルであれば、どのポータルにも公開できます。
Discovererコンテンツに使用できるポートレット・スタイルの詳細は、「各種Discovererポートレット」を参照してください。
プロバイダはポートレットのコンテナとして機能します。プロバイダは所有するポートレットを管理し、ポートレットとOracle Portal間の通信を処理します。
Discoverer Portlet Providerは、Discovererコンテンツを公開するためのDiscovererポートレットを提供するDiscovererコンポーネントです。
Discoverer Portlet Providerを使用して、Oracle Portal、Oracle WebLogic PortalおよびOracle WebCenter Portal: SpacesにDiscovererコンテンツを公開できます。
DiscovererポートレットはIBM WebSphereなどのサードパーティ・ポータルにも公開できます。ポートレット・プロデューサの登録およびWebSphereへのポートレットの追加の詳細は、IBM WebSphereのドキュメントを参照してください。
注意: WebSphere 6.0はWSRP 2.0をサポートしていません。Discoverer Portlet ProviderをIBM WebSphereに登録する場合は、次のように、WSRP 1.0の登録URLを使用します。
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図1-1 Discoverer Portlet ProviderとOracle BI Discovererコンポーネントの関連
次のDiscovererポートレットをポータルで公開できます。
ワークシート・ポートレット(詳細は、「「Discovererワークシート」ポートレット」を参照)
ゲージ・ポートレット(詳細は、「「Discovererゲージ」ポートレット」を参照)
ワークシートのリスト・ポートレット(詳細は、「「Discovererワークシートのリスト」ポートレット」を参照)
図1-2 DiscovererポートレットとOracle BI Discovererコンポーネントの関連
「Discovererワークシート」ポートレットには、Discovererワークシートおよびグラフを含めることができます。
ポートレットを公開するユーザーは、ポートレットにリンク(「分析」)を含めることができます。ユーザーはこのリンクを使用することで、ワークシートをDiscoverer Viewerで開き、詳細な分析(ドリル、ピボットなど)を実行できます。
次の図では、「ビデオ・チュートリアル・ワークブック - クロス集計レイアウト」というワークシート・ポートレットに、特定期間の地域の収益金額を分析するためのDiscovererワークシートが含まれます。
詳細は、「Oracle Portalページに「Discovererワークシート」ポートレットを追加する方法」を参照してください。
「Discovererゲージ」ポートレットには、1つ以上の半円ゲージで示されたDiscovererワークシート・データが含まれます。ゲージの外観はスピードメータに似ています。ゲージは、一定範囲の値に含まれるデータを視覚化する1つの方法です。
「Discovererゲージ」ポートレットは、クロス集計ワークシートについてのみ作成できます。
低、許容および高しきい値を定義できます。値の範囲には、企業のキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)が反映されます。通常、ゲージはダッシュボード・アプリケーションで使用されます。
ポートレットを公開するユーザーは、ポートレットにリンク(「分析」)を含めることができます。ユーザーはこのリンクを使用することで、ワークシートをDiscoverer Viewerで開き、詳細な分析(ドリル、ピボットなど)を実行できます。
次の図は、「East」および「Central」地域の月次収益合計額を表示した2つのゲージを含む、「Discovererゲージ」ポートレットを示しています。
図1-4 Oracle Portalページに表示された「Discovererゲージ」ポートレット
詳細は、「Oracle Portalページに「Discovererゲージ」ポートレットを追加する方法」を参照してください。
「Discovererワークシートのリスト」ポートレットには、Discovererワークシートへのリンクが含まれます。ワークシートのリスト・ポートレット内のリンクをクリックすると、選択したワークシートがDiscoverer Viewerで開きます。
次の図では、「Discovererワークシートのリスト」ポートレットに、ビデオ・チュートリアル・ワークブック内のワークシート(「表のレイアウト」、「クロス集計レイアウト」など)へのリンクが含まれます。
詳細は、「Oracle Portalページに「Discovererワークシートのリスト」ポートレットを追加する方法」を参照してください。
Oracle PortalはOracle Fusion Middlewareのコンポーネントであり、企業クラス・ポータルの開発、配置、管理および構成に使用します。Oracle Portalには、ポータル構築フレームワークとともに、自分のポータル内で情報を作成、公開および管理できるセルフサービス公開機能が組み込まれています。自分のポータルでは、自分のデータベースおよびその他のソースの情報公開、内部および外部顧客への情報提供、およびこれらの顧客からの情報収集、さらにこれらの顧客が消費するコンテンツの管理が可能です。
ポータルは、数多くのソースから取得される様々なコンテンツをホスティングするページのグループで構成されており、これらのすべてが1つの場所、つまりポータルから提供されます。Oracle Portalで構築されるポータルの基本的な構造コンポーネントには、ページ・グループ、ページ、タブ、リージョン、ポートレットおよび項目があります。
Discoverer Portlet Providerを使用して、DiscovererポートレットをOracle Portalページに統合できます。Discoverer Portlet Providerは、PortalページでDiscovererコンテンツを公開するためのDiscovererポートレットを提供するDiscovererコンポーネントです。
Discoverer Plus Relational、Discoverer Plus OLAPまたはDiscoverer DesktopでDiscovererワークシートを作成した場合、Oracle Portalにより、ワークシートをPortalコミュニティに簡単に公開できます。
Discovererコンテンツに使用できるポートレット・タイプの詳細は、「各種Discovererポートレット」を参照してください。
次の図は、Discovererポートレットが含まれるOracle Portalのページを示しています。
DiscovererをOracle Portalと併用すると、いくつかの利点があります。
複数のデータソースからの複数のクロス集計、テーブルおよびグラフを1つのページに表示
Discoverer Portlet Providerは、複数のプレゼンテーション(クロス集計、テーブル、グラフ)を1つのページに配置できるDiscovererコンポーネントです。これらのプレゼンテーションは、リレーショナル・データソースまたはOLAPデータソースのどちらのものでも使用できます。また、Discoverer Portlet Providerでは、Discovererの他のコンポーネントでは使用できない、ゲージという追加の視覚化機能が提供されます。
共通Portalページ・パラメータによるポートレットの制御
複数のプレゼンテーションを1つのページに配置できるだけではなく、これらのプレゼンテーションがすべてPortalページ・レベルの共通パラメータ・セットにより駆動されるように設定できます。
キャッシュ
Discovererポートレットでは、クエリーがスケジュールに基づいてバックグラウンドで実行され、即座に表示できるようにデータがキャッシュされるため、結果が瞬時に提供されます。
セキュリティによりユーザーが参照できる内容をより強力に制御
Discovererポートレットを使用すると、1つのPortalページを作成して別々のユーザーに異なる結果を表示できます。データは、DBユーザーまたはOracleAS Single Sign-Onユーザーのどちらでも、データベース上で識別されます。
パーソナライズ
Discovererポートレットは、「カスタマイズ」ページを使用するか「分析」リンクをクリックすることで、ユーザーが個別にパーソナライズすることもできます。
Oracle Portalの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Portal管理者ガイド』を参照してください。
次のリストに、Oracle PortalでDiscovererポートレットを公開するための前提となるタスクを示します。
Oracle PortalおよびOracle BI Discovererのインストール
詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』および『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。
Discoverer Portlet Providerの必須スキーマのインストール
Discoverer Portlet Providerは、Repository Creation Utility(RCU)を使用して<user-prefix>_DISCOVERERおよび<user-prefix>_DISCOVERER_PSスキーマがインストールされている必要があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』および『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。
Discoverer Portlet Providerの登録
Discovererポートレットを様々なポータルに公開するには、まず、対象のポータルにポートレット・プロバイダを登録する必要があります。
Discoverer Portlet Providerは、Oracle Fusion Middleware管理者がOracle Portalに登録します。詳細は、「Oracle PortalへのDiscoverer PDK-Java Portlet Providerの登録方法」および「Oracle PortalへのDiscoverer WSRP Portlet Providerの登録方法」を参照してください。
Oracle WebCenter PortalへのDiscovererポートレットの登録の詳細は、付録A「Oracle WebCenter PortalでのDiscovererワークシートの公開」を参照してください。
Oracle WebLogic PortalへのDiscovererポートレットの登録の詳細は、付録B「Oracle WebLogic PortalでのDiscovererワークシートの公開」を参照してください。
Discovererワークシートの作成
Discovererワークシートは、Discoverer PlusまたはDiscoverer Desktopエンド・ユーザーが作成します。
注意: Discovererワークシートを作成する前に、次のタスクが完了している必要があります。
メタデータ(EULまたはDiscovererカタログ)の作成
EULメタデータは、Oracle Discoverer AdministratorでDiscovererマネージャが作成します。Discovererカタログ・メタデータは、Oracle Fusion Middleware Controlで管理者がインストールします。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド』および『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。
パブリックまたはプライベート接続の作成
パブリック接続は、Oracle Fusion Middleware ControlでDiscovererマネージャが作成します。プライベート接続は、Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerでエンド・ユーザーが作成します。詳細は、次のマニュアルを参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド』
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Viewerユーザーズ・ガイド』
Discovererポートレットの追加
Discovererポートレットは、ポータルで、通常はDiscoverer PlusおよびDiscoverer Viewerエンド・ユーザーが追加します。
Oracle PortalでのDiscovererポートレットの追加の詳細は、第3章「DiscovererポートレットによるOracle Portalページの作成」を参照してください。
Oracle WebCenter PortalでのDiscovererポートレットの追加の詳細は、付録A「Oracle WebCenter PortalでのDiscovererワークシートの公開」を参照してください。
Oracle WebLogic PortalでのDiscovererポートレットの追加の詳細は、付録B「Oracle WebLogic PortalでのDiscovererワークシートの公開」を参照してください。
注意: Discoverer Portlet Providerバージョン10.12または11.1.1.1.0、およびOracle Portal 10.1.2または11.1.1.1.0で使用するため9.0.4のメタデータ・リポジトリをアップグレードする場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。
ポートレット・プリファレンス・ストアは、コンシューマの登録ハンドルとポートレット・プリファレンス・データの保持に使用されます。
クラスタ化環境では、すべてのDiscovererインスタンスがDiscoverer WSRPポートレットのプリファレンス・ストアにアクセスできるようにするため、discoWsrpPrefStoreSharedPath
変数の値を、Discovererアプリケーションのデプロイメント・プランの共有パスに設定する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のクラスタ化環境におけるDiscoverer WSRP Portlet Producerの設定に関する項を参照してください。
Oracle PortalでDiscovererポートレットを公開する手順は、次のとおりです。
(オプション)Discoverer Portlet Providerが正しくインストールされていることを確認します。
Discoverer PDK-Java Portlet Providerのインストールを確認するには、インターネット・ブラウザに次のURLを入力します。
http://<host.domain>:<port>/discoverer/portletprovider/
Discoverer Portlet Providerが正しくインストールされている場合、PDK-Javaテスト・ページが表示され、「Congratulations!You have successfully reached your Provider's Test Page」というメッセージが表示されます。テスト・ページには、使用可能なDiscovererポートレットのタイプもリストされます。
Discoverer WSRP Portlet Providerのインストールを確認するには、インターネット・ブラウザに次のURLを入力します。
http://
host
:
port
/discoverer/portlets/
WSRPservice_version?
WSDL
例: http://myserver:80/discoverer/portlets/wsrp2?WSDL
Oracle PortalにDiscoverer Portlet Providerを登録します。詳細は、「Oracle PortalへのDiscoverer Portlet Providerの登録方法」を参照してください。
この手順は、インストール後に1回のみ実行する必要があります。通常、Oracle Fusion Middleware管理者がDiscoverer Portlet Providerを登録します。
Oracle Portalを使用して、DiscovererポートレットをPortalページに追加します(詳細は、第3章「DiscovererポートレットによるOracle Portalページの作成」を参照してください)。
通常、Portalページの設計者がDiscovererポートレットをPortalページに追加します。
Discoverer接続は、格納済のデータベース・ログイン詳細のセットであり、次のアイテムで構成されます。
データベース・ユーザー名: Discovererエンド・ユーザーを識別
データベース・パスワード: Discovererエンド・ユーザーを認証
データベース名: Discovererエンド・ユーザーが分析する情報が含まれるデータベースを指定
(オプション)Oracle Applications職責: DiscovererをOracle Applicationsと併用する場合のDiscovererエンド・ユーザーの職責を指定
(リレーショナル・データソースのみ)EUL: 使用するEnd User Layerを指定
言語: Discovererで使用する言語を指定
Discoverer接続により、エンド・ユーザーは、Discovererを起動するたびにデータベース・ログイン詳細を再入力することなく、Discovererを起動できます。Discoverer接続および関連情報は、DISCOVERER_PSスキーマに格納されます。
Oracleのシングル・サインオン機能を使用してデータベース接続を確立している場合は、Discovererの起動時にパスワード情報の入力は要求されません。DiscovererポートレットでDiscovererデータを公開するには、接続が存在している必要があるため、Discoverer接続について知っておく必要があります(詳細は、第3章「DiscovererポートレットによるOracle Portalページの作成」を参照してください)。