Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B66703-06 |
|
前 |
次 |
この章では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント用のデータベースの準備手順について説明します。この手順には、データベースの初期設定、メタデータ・リポジトリのロードおよびデータベースのバックアップが含まれます。
この章には次の項が含まれます:
Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・トポロジでは、データベースにOracle Fusion Middlewareリポジトリが含まれています。これは、Oracle SOA SuiteコンポーネントやOracle WebCenter Contentコンポーネントなど、Oracle Fusion Middlewareの各種コンポーネントによって使用されるスキーマを集めたものです。このデータベースは、Oracle Identity Managementデータベースとは別になっています。これは、Oracle Internet DirectoryやDIPなどのコンポーネントによってOracle Identity Managementのエンタープライズ・デプロイメントで使用されます。
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントを構成するには、まずOracle Fusion Middlewareリポジトリをインストールする必要があります。リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して既存のデータベースにOracle Fusion Middlewareメタデータ・リポジトリをインストールします。RCUは、RCUディストリビューション、または表2-2に記載された場所から入手できます。エンタープライズ・トポロジでは、Oracle Real Application Clusters (RAC)データベースを強くお薦めします。
Oracle SOA Suiteコンポーネントを構成すると、メタデータ・リポジトリを含むデータベースへの接続情報を入力するようにFusion Middleware構成ウィザードで求められます。
メタデータ・リポジトリをデータベースにロードする前に、次の各項で説明されている要件をデータベースが満たしていることを確認してください。
データ層内のCUSTDBHOST1およびCUSTDBHOST2には、次の要件があります。
Oracle Clusterware
Linux用11gリリース1 (11.1)については、『Oracle Grid Infrastructureインストーレーション・ガイド』を参照してください。
Oracle Real Application Cluster
Linux用の11gリリース1 (11.1)については、Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド for Linux and UNIXを参照してください。Linux用の10gリリース2 (10.2)については、Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Linuxを参照してください。
自動ストレージ管理(オプション)
ASMでは、ノードが全体としてインストールされます。データベースのOracleホームとは別のOracleホームにインストールすることをお薦めします。このオプションはrunInstallerにあります。「構成の選択」ページで「自動ストレージ管理の構成」オプションを選択し、個別のASMホームを作成します。
Oracle WebCenter Contentでは、サポートされているデータベースおよびスキーマが存在することが要求されます。使用するデータベースが認証されていること、または認証済のすべてのデータベースを確認するには、「Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成」ページにあるOracle Fusion Middleware 11g リリース1 (11.1.1.x)の製品エリアを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
データベースのリリースをチェックするには、次のようにPRODUCT_COMPONENT_VERSION
ビューに問い合せます。
SELECT VERSION FROM SYS.PRODUCT_COMPONENT_VERSION WHERE PRODUCT LIKE 'Oracle%';
注意:
|
必要な最小値に次の初期化パラメータが設定されていることを確認してください。これは、リポジトリ作成ユーティリティによってチェックされます。
表5-1 必要な初期化パラメータ
構成 | パラメータ | 必要な値 | パラメータ・クラス |
---|---|---|---|
Oracle SOA Suite |
|
400以上 |
静的 |
Oracle WebCenter Content |
|
100以上 |
静的 |
Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenter Content |
|
500以上 |
静的 |
SQL*Plusを使用して初期化パラメータの値をチェックするには、SHOW PARAMETER
コマンドを次のように使用します。
SYSユーザーとして、SHOW PARAMETER
コマンドを次のように発行します。
SHOW PARAMETER processes
次のコマンドを使用して初期化パラメータを設定します。
ALTER SYSTEM SET processes=500 open_cursors=500 SCOPE=SPFILE;
データベースを再起動します。
注意: パラメータ値の変更に使用する方法は、パラメータが静的であるか動的であるかと、データベースがパラメータ・ファイルとサーバー・パラメータ・ファイルのどちらを使用するかによって異なります。パラメータ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルおよびパラメータ値の変更方法の詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。 |
複数のOracle Fusion Middleware製品が同じデータベースを共有する場合は、個別の専用のデータベース・サービスに接続するように、各製品を構成する必要があります。サービスを使用したOracle Databaseへの接続の詳細は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドのサービスとVIPアドレスを使用したOracleデータベースへの接続の概要に関する項を参照してください。データベース・サービスの作成および管理の詳細な手順は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドの自動ワークロード管理の概要に関する項を参照してください。
ランタイム接続のロード・バランシングでは、ロード・バランシングが有効化されるサービスごとにサービスレベルの目標値を使用して、Oracle RACロード・バランシング・アドバイザを構成する必要があります。SERVICE_TIME
またはTHROUGHPUT
について、Oracle RACロード・バランシング・アドバイザを構成できます。接続ロード・バランシングの目標をSHORT
に設定します。Oracle Database 10gまたは11gリリース1 (11.1)では、DBMS_SERVICE
パッケージを使用してこの変更を行います。Oracle Database 11gリリース2 (11.2)では、かわりにサーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)を使用します。
Oracle WebCenter Contentインストールは、wccedg.mycompany.com
サービスを使用するように構成されています。
注意: 簡略化のために、このガイドでのデータ・ソース構成の画面では同じサービス名( |
この項には次のトピックが含まれます:
10gおよび11gリリース1 (11.1)データベース・サービスは、DBMS_SERVICE
パッケージを使用して作成および変更できます。
10gまたは11.1データベース・サービスを作成および変更する手順は次のとおりです。
SQL*Plusにログインして、サービスを作成します。
sqlplus "sys/password as sysdba" SQL> EXECUTE DBMS_SERVICE.CREATE_SERVICE (SERVICE_NAME => 'wccedg.mycompany.com', NETWORK_NAME => 'wccedg.mycompany.com' );
注意:
|
SRVCTLのsrvctl
コマンドを使用して、データベースにサービスを追加し、それをインスタンスに割り当てます。
srvctl add service -d ecmdb -s wccedg.mycompany.com -r ecmdb1,ecmdb2
サービスを開始します。
srvctl start service -d ecmdb -s wccedg.mycompany.com
注意: SRVCTLを使用したデータベース・サービスの作成および管理の詳細な手順は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドのSRVCTLを使用したサービスの管理に関する項を参照してください。 |
次のどちらかのEXECUTE
コマンドを使用して、適切なサービス目標でサービスを変更します。
SQL>EXECUTE DBMS_SERVICE.MODIFY_SERVICE (service_name => 'wccedg.mycompany.com',goal => DBMS_SERVICE.GOAL_THROUGHPUT, clb_goal =>DBMS_SERVICE.CLB_GOAL_SHORT);
SQL>EXECUTE DBMS_SERVICE.MODIFY_SERVICE (service_name => 'wccedg.mycompany.com', goal => DBMS_SERVICE.GOAL_SERVICE_TIME, clb_goal =>DBMS_SERVICE.CLB_GOAL_SHORT);
11gリリース2 (11.2)データベース・サービスは、SRVCTLのsrvctl
コマンドを使用して作成および変更できます。
11.2データベース・サービスを作成および変更する手順は次のとおりです。
SQL*Plusにログインして、サービスを作成します。
sqlplus "sys/password as sysdba" SQL> EXECUTE DBMS_SERVICE.CREATE_SERVICE (SERVICE_NAME => 'wccedg.mycompany.com', NETWORK_NAME => 'wccedg.mycompany.com' );
注意:
|
次のsrvctl
コマンドを使用して、データベースにサービスを追加し、それをインスタンスに割り当てます。
srvctl add service -d ecmdb -s wccedg.mycompany.com -r ecmdb1,ecmdb2
サービスを開始します。
srvctl start service -d ecmdb -s wccedg.mycompany.com
注意: SRVCTLを使用したデータベース・サービスの作成および管理の詳細な手順は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドのSRVCTLを使用したサービスの管理に関する項を参照してください。 |
次のどちらかのsrvctl
コマンドを使用して、適切なサービス目標でサービスを変更します。
srvctl modify service -d ecmdb -s wccedg.mycompany.com -B SERVICE_TIME -j SHORT
srvctl modify service -d ecmdb -s wccedg.mycompany.com -B THROUGHPUT -j SHORT
別のサービス定義の詳細は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドのロード・バランシング・アドバイザに関する項を参照してください。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)はRCUディストリビューションから入手できます。データベースのシードに使用するRCUは、Oracle WebCenter Contentインストールのパッチ・セット・レベルと一致している必要があります。つまり、このエンタープライズ・デプロイメントにOracle WebCenter Content 11gリリース1 (11.1.1.8)をインストールする場合は、RCU 11gリリース1 (11.1.1.8)を使用する必要があります。
データベースにOracle Fusion Middlewareリポジトリをロードする手順は次のとおりです。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)ディストリビューションを開いて、RCUホーム・ディレクトリのbin/ディレクトリからRCUを起動します。
cd RCU_HOME/bin
./rcu
「ようこそ」画面で(表示されている場合のみ)、「次へ」をクリックします。
「リポジトリの作成」画面で、「作成」を選択してコンポーネント・スキーマをデータベースにロードします。「次へ」をクリックします。
「データベース接続の詳細」画面(画面5-1)で、データベースの接続情報を入力します。
データベース・タイプ: 「Oracle Database」を選択します。
「ホスト名」にデータベースが存在するノードの名前を指定します。Oracle RACデータベースの場合は、VIP名を指定するか、またはノード名のいずれかをホスト名として指定します(例: CUSTDBVIP1)。
ポート: データベースのリスニング・ポート番号である1521を指定します。
ユーザー名: DBA
権限またはSYSDBA
権限を有するユーザーの名前(SYS
)を指定します。
パスワード: SYS
ユーザーのパスワードを入力します。
ロール: データベース・ユーザーのロール(SYSDBA)をリストで選択します(SYS
ユーザーに必要)。
「次へ」をクリックします。
使用中のデータベースでUTF-8文字セットを使用していない場合には警告メッセージが表示され、多言語サポート対応のデータベースを使用した場合にデータ損失の可能性がある旨を通知します。今後、多言語サポートを使用しない場合は、「無視」をクリックすることもできます。それ以外の場合は、「停止」をクリックします。
「コンポーネントの選択」画面(図5-2)で、次の手順を実行します。
「接頭辞の新規作成」を選択し、データベース・スキーマに使用する接頭辞を入力します(例: WCC
)。6文字まで接頭辞として指定できます。接頭辞は、データベースで複数のリポジトリの論理グループを作成するために使用されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。
ヒント: スキーマ名を書き留めておきます。この情報は後続の手順で必要になります。 |
WebCenter Content:
- Oracle WebCenter Content Server - 完了
- Oracle WebCenter Content: Imaging
- Oracle WebCenter Capture
SOAおよびBPMインフラストラクチャ:
- SOAインフラストラクチャ
- ユーザー・メッセージング・サービス(「SOAインフラストラクチャ」による自動選択)
AS共通スキーマ:
「Metadata Services」スキーマは、「Oracle WebCenter Capture」を選択すると自動的に選択されます。
「次へ」をクリックします。
「スキーマ・パスワード」画面(図5-3)で、「すべてのスキーマに異なるパスワードを指定」を選択して「次へ」をクリックします。次の画面で、各コンポーネントのスキーマ・パスワードを入力します。
ヒント: スキーマ名を書き留めておきます。この情報は後続の手順で必要になります。 |
「表領域のマップ」画面で、選択したコンポーネントの表領域を選択して「次へ」をクリックします。
確認のダイアログが表示され、選択したスキーマに存在しない表領域が作成されるという内容のメッセージが表示されます。「OK」をクリックして、このメッセージを確認します。
「サマリー」画面で「作成」をクリックします。
「完了サマリー」画面で「閉じる」をクリックします。
追加した新しいユーザーでデータベースに接続し、必要なスキーマが正常に作成されていることを確認します。
ORACLE_HOME/bin/sqlplus
WCC_OCS
ユーザーとしてログインし、パスワードを入力します。スキーマ・バージョンのレジストリを検索することで、簡単な確認を実行できます。
-bash-3.00$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus WCC_OCS/password as SYSDBA SQL> SELECT version, status FROM schema_version_registry where owner = "WCC_OCS"; VERSION STATUS-----------------------------------------11.1.1.8.0 VALID
注意: Oracle WSMポリシーを格納するには、Oracle Identity Management用のデータベースを使用することをお薦めします(第18章「Oracle Identity Managementとの統合」を参照)。そのため、OWSM MDSスキーマのOracle Identity Managementデータベース接続情報が使用されることが予想されます。これは、その他のOracle SOA Suiteスキーマで使用されるデータベース情報とは異なります。データベースで必要なスキーマを作成するには、Oracle Identity Managementデータベース情報を使用して前述の手順を繰り返します。ただし、手順6の「コンポーネントの選択」画面では「AS共通スキーマ: Metadata Services」のみを選択します。 |
使用中のデータベースにメタデータ・リポジトリをロードした後は、まずバックアップを実行し、その後でエンタープライズ・デプロイメント用ソフトウェアをインストールする必要があります。
データベースのバックアップは、今後の手順で問題が発生した場合に迅速なリカバリを行うために明示的に行います。この目的のためにデータベースのバックアップ戦略を使用することも、オペレーティング・システムのツールやRMANを使用して単純にバックアップすることもできます。データベースでOracle Recovery Managerを使用することをお薦めします(特に、Oracle ASMを使用してデータベースを作成した場合)。可能な場合、オペレーティング・システムのツール(tar
など)を使用してコールド・バックアップも実行できます。