Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B66703-06 |
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この章では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備方法について説明します。推奨されるディレクトリ構造とその場所に関する情報を示し、共有記憶域の構成手順も説明します。
この章には次の項が含まれます:
ファイル・システムの設定では、構成と管理が容易でわかりやすいエンタープライズ・デプロイメントを作成できるようにすることが重要です。この章の情報に従ってファイル・システムを設定することをお薦めします。この章で定義されている用語は、このガイド内のダイアグラムおよび手順で使用されます。
この章を参照情報として使用すると、インストールおよび構成手順で使用されているディレクトリ変数について理解できます。その他のディレクトリ・レイアウトも可能であり、サポートされていますが、このマニュアルで採用するモデルは、可用性を最大化するために選択されており、コンポーネントの最良の独立性と構成の対称性の両方を実現し、バックアップおよび災害からのリカバリを容易にします。ドキュメントの残りの部分では、このディレクトリ構造およびディレクトリ用語を使用します。
この項では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントを構成するためにこのガイドで使用されるディレクトリ環境変数について説明します。このガイドでは、インストールして構成するディレクトリを次のディレクトリ変数を使用して説明しています。
ORACLE_BASE: この環境変数と関連ディレクトリ・パスは、Oracle製品がインストールされているベース・ディレクトリを指しています。
MW_HOME: この環境変数と関連するディレクトリ・パスは、Oracle Fusion Middlewareが配置されている場所を指しています。
WL_HOME: この環境変数と関連ディレクトリ・パスには、Oracle WebLogic Serverをホストするために必要なファイルがインストールされて格納されています。
WEB_ORACLE_HOME: この環境変数と関連ディレクトリ・パスには、Oracle Web層(/u01/app/oracle/product/fmw/web/
)に必要なインストール・ファイルが格納されます。
ORACLE_HOME: この環境変数および関連するディレクトリ・パスは、Oracle WebCenter ContentまたはOracle SOA Suiteがインストールされている場所を指しています。
ORACLE_COMMON_HOME: この環境変数および関連ディレクトリ・パスは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびJava Required Files (JRF)に必要なバイナリ・ファイルとライブラリ・ファイルを含むOracleホームを参照しています。
DOMAINディレクトリ: このディレクトリ・パスは、WebLogic Serverドメイン情報(構成アーティファクト)が格納されている場所を指しています。後述のように、異なるOracle WebLogic Serverは、同じノード内にある場合でも異なるドメイン・ディレクトリを使用できます。
ORACLE_INSTANCE: Oracleインスタンスには、1つ以上のシステム・コンポーネントがあります。コンポーネントの例には、Oracle Web Cache、Oracle HTTP Server、Oracle Internet Directoryなどがあります。Oracleインスタンスのディレクトリには、更新可能なファイルがあります。それらのファイルの例には、構成ファイル、ログ・ファイル、一時ファイルなどがあります。
JAVA_HOME: Oracle JRockitまたは別のJDKがインストールされている場所です。
ASERVER_HOME: ドメイン構成の一次場所です。
MSERVER_HOME: 管理対象サーバーの起動および停止に使用されるドメイン構成のコピーです。
WEBGATE_ORACLE_HOME: Webゲート・インストールの場所です。
ヒント: この項で説明している場所には、ショートカットとして環境変数を使用し、ディレクトリに簡単に移動できます。たとえば、 |
次の各項では、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジで共有記憶域を使用するための基本的な推奨事項についていくつか説明します。
次の項では、Oracle Fusion Middleware Oracleホーム・ディレクトリで共有記憶域を使用するためのガイドラインについて説明します。
Oracle Fusion Middleware製品をインストールする際には、Oracleホームに製品バイナリをインストールします。Oracleホームにインストールされたバイナリ・ファイルは読取り専用で、Oracleホームにパッチをあてるか、新しいバージョンにアップグレードするまで変更されません。
通常の本番環境では、Oracleホーム・ファイルはドメイン構成ファイルとは別の場所に保存されます。その場所は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して作成されます。
Oracle Fusion Middlewareインストール用のMiddlewareホームには、Oracle WebLogic Serverのバイナリ、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・ファイルおよび任意のOracle Fusion Middleware製品固有のディレクトリが含まれています。
Oracle Fusion Middleware Oracleホームの構造と内容の詳細は、Oracle Fusion Middlewareコンセプトを参照してください。
Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のOracle WebLogic Serverドメインを構成できます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールしたり、複数のホストをインストールするためにOracleホストを再利用したりすることもできます。
注意: 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルまたは共有記憶域に配置できます。WebCenter Content管理対象サーバーやInbound Refinery管理対象サーバーで共有記憶域を使用する場合、各管理対象サーバーはモード固有のファイルを使用するため、これらのサーバーで別々のボリュームを使用する必要があります。
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Oracleホームが異なるホスト上の複数のサーバーで共有されている場合、いくつかの実施するべきベスト・プラクティスがあります。特に、整合性およびパッチの適用のため、各ホストにあるOracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory
)が更新されていることを確認してください。
ホストのoraInventory
を更新して、共有記憶域内のOracleホームに追加するには、次のコマンドを使用します。
ORACLE_HOME/oui/bin/attachHome.sh
Oracleインベントリの詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』のOracle Universal Installerインベントリに関する項を参照してください。
可用性を最大限にするには、共有記憶域での冗長バイナリ・インストールの使用をお薦めします。
このモデルでは、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの2つの同じOracleホームを2つの異なる共有ボリュームにインストールします。まず、Oracleホームの1つをサーバーの1セットにマウントし、もう一方を残りのサーバーにマウントします。いずれのOracleホームも同じマウント・ポイントを持つため、サーバーがどのOracleホームを使用しているかにかかわらず、Oracleホームは常に同じパスを持ちます。
片方のOracleホームが破損または使用不可になっても、影響を受けるのは半分のサーバーのみです。さらに保護を強化するために、これらのボリュームのディスク・ミラーを行うことをお薦めします。
共有記憶域で個別ボリュームが使用不可の場合、同じボリューム内の別々のディレクトリを使用して個別ボリュームをシミュレートしたり、ホスト側の同じマウント場所に個別ボリュームをマウントしたりすることをお薦めします。これによって複数ボリュームが提供するような保護が保証されるわけではありませんが、ユーザーによる削除や個々のファイルの破損からの保護は可能になります。
次の項では、エンタープライズ・デプロイメントでOracle Fusion Middleware製品を構成する際に作成するOracle WebLogic Serverドメイン構成ファイルで共有記憶域を使用するためのガイドラインについて説明します。
Oracle Fusion Middleware製品を構成すると、Oracle WebLogic Serverドメインが作成または拡張されます。各Oracle WebLogic Serverドメインは、1つの管理サーバーおよび1つ以上の管理対象サーバーで構成されます。
Oracle WebLogic Serverドメインの詳細は、Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解を参照してください。
エンタープライズ・デプロイメントでは、ドメインの管理対象サーバーがアクティブ/アクティブ型の高可用性のために構成される場合があることを理解しておく必要があります。ただし管理対象サーバーは構成できません。管理サーバーはシングルトン・サービスです。つまり、常に1つのホストのみでアクティブになります。
ドメイン構成ファイルのコピーを2つ作成することをお薦めします。
コピーのうち1つは管理サーバーの構成ファイル用です。
共有記憶域にこのディレクトリをインストールし、管理サーバーを実行しているホストに排他的にマウントします。
ホストで障害が発生した場合に、このディレクトリを別のホストおよびこのホストで起動された管理サーバーにマウントできます。
もう一方のコピーは管理対象サーバーの構成ファイル用です。
管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリは、ローカルまたは共有記憶域に配置できます。WebCenter Content管理対象サーバーやInbound Refinery管理対象サーバーで共有記憶域を使用する場合、各管理対象サーバーはノード固有のファイルを使用するため、これらのサーバーで別々のボリュームを使用する必要があります。
WebCenter Contentは、ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/mserver/
domain_name
/ucm/cs/bin/intradoc.cfg
を使用します。
Inbound Refineryは、ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/mserver/
domain_name
/ucm/ibr/bin/
を使用します。
intradoc.cfg
管理対象サーバーがドメイン・ディレクトリを共有すると、スケール・アウト手順が容易になります。ただし、管理対象サーバーの構成ファイルを共有すると、パフォーマンスに影響する可能性もあります。
よって、デプロイメントではストレージ・システムの要件があればそれに適合させる必要があります。ストレージ・システムには、複数のマシンで同じ共有ボリュームのマウントが容易になるような構成オプションを提供するものもあります。
このエンタープライズ・デプロイメント・トポロジで用意されている構成手順では、管理対象サーバーごとに各ノードのローカル・ドメイン・ディレクトリが使用されることを想定しています。
サーバーの障害や移行の場合にリカバリで複数のホストを利用可能にするには、JMSファイル・ストアとJTAトランザクション・ログは共有記憶域に配置する必要があります。
JMSおよびJTAに関する情報をファイル・ストアに保存する方法の詳細は、Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理のWebLogic永続ストアの使用に関する項を参照してください。
前述の前提条件に基づいて、次に示す各項目では推奨ディレクトリについて説明します。共有記憶域の場所が直接指定されている場合は必ず、そのディレクトリでは共有記憶域が必要とされることを意味します。ローカル・ディスクが使用されたり共有記憶域がオプションの場合、マウント指定では「共有記憶域を使用している場合」の語句で修飾されます。共有記憶域の場所は例であり、指定されたマウント・ポイントが使用されているかぎり変更できます。共有記憶域デバイスでは整合性と単純化のためこの構造をお薦めします。
/u01/app/oracle/
ORACLE_BASE
/product/fmw/
マウント・ポイント: ORACLE_BASE
/product/fmw/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/product/fmw/
(VOL1
とVOL2
)
マウント元: 少なくとも半分のノードで1つのインストールを使用し、残りの半分で他方のインストールを使用するように、ノードではVOL1
とVOL2
を互換的にマウントします。Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントでは、WCCHOST1がVOL1
をマウントし、WCCHOST2がVOL2
をマウントします。使用可能なボリュームが1つのみの場合は、ノードは共有記憶域の2つの別のディレクトリを互換的にマウントします(たとえば、共有記憶域の場所としてWCCHOST1ではORACLE_BASE
/product/fmw1/
が使用され、WCCHOST2ではORACLE_BASE
/product/fmw2/
が使用されます)。
注意: 共有記憶域に利用できるボリュームが1つしかない場合に、誤ってファイルを削除しないように、あるいはパッチを適用できるように、別のディレクトリを使用して冗長に構成することができます。2つのMiddlewareホームを使用できます。その場所は、少なくとも1つは |
ORACLE_BASE
/product/fmw/web/
マウント・ポイント: ORACLE_BASE
/product/fmw/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/product/fmw/
(VOL1
とVOL2
)
マウント元: 共有記憶域へのインストールの場合、少なくとも半分のノードで一方のインストールを使用し、もう半分で他方のインストールを使用するように、ノードではVOL1
とVOL2
を互換的にマウントします。WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントでは、WEBHOST1がVOL1
をマウントし、WEBHOST2がVOL2
をマウントします。使用可能なボリュームが1つのみの場合は、ノードは共有記憶域の2つの推奨ディレクトリを互換的にマウントします(つまり、共有記憶域の場所としてWEBHOST1ではORACLE_BASE
/
、WEBHOST2では
product/fmw1/ORACLE_BASE
/product/fmw2/
が使用されます)。
注意: Web層のインストールは通常、WEBHOSTノードのローカル記憶域で実行されます。共有記憶域を使用する場合は、層を横断する記憶域デバイスへのアクセスに対し適切なセキュリティ制限を検討する必要があります。 |
MW_HOME
/wlserver_10.3/
MW_HOME
/soa/
またはMW_HOME
/wcc/
MW_HOME
/oracle_common/
ORACLE_BASE
/admin/
instance_name
/
共有ディスクを使用している場合、マシンのマウント・ポイントは、ORACLE_BASE
/admin/
instance_name
/
(VOL1)
にマウントされたORACLE_BASE
/
admin/
instance_name
/
になります。
注意:
|
管理サーバー・ドメイン・ディレクトリのドメイン・ディレクトリ:
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/aserver/
domain_name
/
(最後のdomain_name
ディレクトリは、Fusion Middleware構成ウィザードで追加されます。)
マシンのマウント・ポイント: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/aserver/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/aserver/
マウント元: このディレクトリをマウントする必要があるのは、管理サーバーが稼働しているノードのみです。管理サーバーが別のノードに再配置(フェイルオーバー)されたら、そのノードが同じマウント・ポイントで同じ共有記憶域をマウントします。トポロジ内の残りのノードがこの場所をマウントする必要はありません。
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/mserver/
domain_name
/
共有ディスクを使用している場合、マシンのマウント・ポイントは、ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/Node
n
/mserver/
にマウントされたORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/mserver/
になります(各ノードでは管理対象サーバー用に異なるドメイン・ディレクトリが使用されます)。
注意: この手順は実際、共有記憶域によって異なります。前述の例はNASに特有ですが、他の記憶域タイプでは別のタイプのマッピングによりこの冗長性が実現される場合があります。 |
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
cluster_name
/jms/
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
cluster_name
/tlogs/
マウント・ポイント: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
cluster_name
/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
cluster_name
/
マウント元: Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenter Contentコンポーネントが稼働するすべてのノードでこの共有記憶域の場所がマウントされる必要があり、その結果として、別のノードへのサーバーの移行が発生した際にトランザクション・ログおよびJMSストアの使用が可能になります。
注意:
|
Oracle WebCenter Content (Imaging入力ファイル、イメージ、サンプル、ビューア・キャッシュ・ディレクトリ)の場所
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
img_cluster_name
/input_files/
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
img_cluster_name
/input_files/Samples/
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
img_cluster_name
/images/
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
img_cluster_name
/ViewerCache/
マウント・ポイント: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
img_cluster_name
/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
img_cluster_name
/
マウント元: Imagingを含むすべてのノードはこれらの配置場所をマウントします。(入力ファイルおよび処理するイメージにすべてのノードがアクセスできる必要があります。)
入力ファイルおよびイメージの場所は、実装に対する顧客ごとの要求によって異なる可能性があります。ただし、イメージファイルは、システムのパフォーマンスを低下させる可能性のある他の同時アクセスが発生しないデバイスに配置することが妥当です。この目的においては、別のボリュームを使用できます。整合性のとれたバックアップおよびメンテナンスを実行するには、一般的にクラスタ・ディレクトリ構造の下にファイルを置くことをお薦めします。
マルチノード間のImagingインストールでは、この配置場所はすべての入力エージェント間で共有され、すべてのエージェントがアクセスできる必要があります。入力エージェントが異なるマシン上にある場合は、共有ネットワークにする必要があります。
注意: 入力ファイルを処理するには、入力エージェントが入力ディレクトリに対して適切な権限を持ち、入力ディレクトリにおいてファイル・ロックができる必要があります。入力エージェントを使用する場合は、WebLogic Serverのサービスを実行中のユーザー・アカウントが、入力ディレクトリと入力ディレクトリ内のすべてのファイルとサブディレクトリに対して、読取りと書込みの権限を保持している必要があります。この必要な権限によって、入力エージェントは、ファイルを処理する際に様々なディレクトリにファイルを移動できます。クラスタのサーバー間で処理を調整するために、共有上のファイル・ロックが入力エージェントに必要になります。 |
Oracle WebCenter Contentの保管場所(ネイティブ・ファイル・リポジトリ)の位置:
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
wcc_cluster_name
/cs/vault/
マウント・ポイント: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
wcc_cluster_name
/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
wcc_cluster_name
/
マウント元: WebCenter Contentを含むすべてのノードはこの配置場所をマウントします(入力ファイルおよび処理するイメージにすべてのノードがアクセスできる必要があります)。
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
ibr_shared_name
/
ORACLE_BASE
/admin/domain_name/
ibr_shared_name
/ibr
N
/
(N
はInbound Refineryインスタンスの番号を示します)
マウント・ポイント: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
ibr_shared_name
/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/
ibr_shared_name
/
マウント元: Inbound Refineryを含むすべてのノードはこの配置場所をマウントします。
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/aserver/applications/
マウント・ポイント: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/aserver/
applications/
共有記憶域の場所: ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/aserver/
ORACLE_BASE
/admin/
domain_name
/mserver/applications/
注意: このディレクトリは、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント環境ではローカルになります。 |
次に、推奨ディレクトリ構造と共有記憶域の理解に役立つ図と表を示します。
図4-1に、このディレクトリ構造を示します。
図4-1「Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントのディレクトリ構造」
図4-1のディレクトリ構造には、oracle_common
やjrockit
など、その他の必要な内部ディレクトリは示されていません。
表4-1は、図4-1で色分けされた様々な要素の意味を説明します。
表4-1 ディレクトリ構造の要素
要素 | 説明 |
---|---|
|
管理サーバーのドメイン・ディレクトリ、アプリケーション、デプロイメント・プラン、ファイル・アダプタ制御ディレクトリ、JMSとTxのログおよびMiddlewareホーム全体は共有記憶域上に配置されます。 |
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管理対象サーバー・ドメインのディレクトリは、ローカル・ディスクまたは共有ディレクトリに配置できます。また、管理対象サーバー・ドメインのディレクトリを複数のノード上で共有する場合、ノード間で同じ共有ディスクの場所をマウントする必要があります。Oracle Web層の |
|
固定名です。 |
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インストール依存名です。 |
表4-2は、記憶域を共有するOracle WebCenter ContentおよびOracle SOA Suiteの管理対象サーバーを含むOracle WebLogic Serverドメインのディレクトリ構造を要約しています。
サーバー | データのタイプ | 共有記憶域のボリューム | ディレクトリ | ファイル |
---|---|---|---|---|
WCCHOST1上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー |
WLSインストール |
|
|
各ボリューム内では個別ですが、どのサーバーからも同じディレクトリ構造に見えます。(WCCHOST1が |
WCCHOST2上で実行される管理サーバーおよびすべての管理対象サーバー |
WLSインストール |
|
|
各ボリューム内では個別ですが、どのサーバーからも同じディレクトリ構造に見えます。(WCCHOST2が |
AdminServer |
ドメイン構成 |
|
|
管理サーバーを実行している1つのサーバーのみで使用されます。(WCCHOST1が |
WLS_WCC1、WLS_IBR1、WLS_SOA1、WLS_IMG1、WLS_CPT1 |
ドメイン構成 |
|
|
各ボリューム内では個別ですが、両方のサーバーからは同じディレクトリ構造に見えます。(WCCHOST1が |
WLS_WCC2、WLS_IBR2、WLS_SOA2、WLS_IMG2、WLS_CPT2 |
ドメイン構成 |
|
|
各ボリューム内では個別ですが、両方のサーバーからは同じディレクトリ構造に見えます。(WCCHOST2が |
WLS_WCC1およびWLS_WCC2 |
Vaultファイル |
|
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|
WLS_WCC1およびWLS_WCC2 |
Webファイル |
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|
|
WLS_WCC1およびWLS_WCC2 |
ユーザー・プロファイル |
|
|
ユーザー・プロファイル用のディレクトリです。 |
WLS_IBR1およびWLS_IBR2 |
Inbound Refineryファイル |
|
|
Inbound Refineryファイルすべてのディレクトリです。(WCCHOST1およびWCCHOST2が |
WLS_SOA1およびWLS_SOA2 |
Txログ |
|
|
トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。(WCCHOST1およびWCCHOST2が |
WLS_SOA1およびWLS_SOA2 |
JMSストア |
|
|
トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。 |
WLS_IMG1およびWLS_IMG2 |
Txログ |
|
|
トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。(WCCHOST1およびWCCHOST2が |
WLS_IMG1およびWLS_IMG2 |
JMSストア |
|
|
トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。 |
WLS_CPT1およびWLS_CPT2 |
Txログ |
|
|
トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。(WCCHOST1およびWCCHOST2が |
WLS_CPT1およびWLS_CPT2 |
JMSストア |
|
|
トランザクション・ディレクトリは共通(WebLogic Serverにより決定)ですが、ファイルは別々です。 |
WLS_CPT1およびWLS_CPT2 |
ドライバ・ファイル |
|
|
テキスト・ファイル・コミット・ドライバ用のディレクトリです。 |
次のコマンドを使用して共有記憶域の場所を作成しマウントすることで、WCCHOST1およびWCCHOST2からは別々の2つのボリュームのバイナリ・インストールが同じ場所に見えます。
注意: 共有記憶域のファイル・システムの作成に使用されるユーザーIDは、これらのファイルに対する読取り、書込みおよび実行権限を持ちます。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーは、ファイルの読取りや実行は可能ですが、書込み権限はありません。インストールと構成の権限に関する詳細は、『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』のインストールと構成の権限およびユーザーに関する項を参照してください。 |
コマンドでnasfiler
は共有記憶域ファイラです。
mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/product/fmw ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs
WCCHOST2から:
mount nasfiler:/vol/vol2/ORACLE_BASE/product/fmw ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs
利用できるボリュームが1つのみの場合、共有記憶域で別々のディレクトリを2つ使用し、それらをOracle WebCenter Contentサーバーの同じディレクトリにマウントすることで、バイナリの冗長性を実現できます。
WCCHOST1から:
mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/product/fmw1 ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs
WCCHOST2から:
mount nasfiler:/vol/vol1/ORACLE_BASE/product/fmw2 ORACLE_BASE/product/fmw -t nfs
次に、異なるノード間においてWebCenter Content vault
ファイルを共有するためのコマンドを示します。
WCCHOST1およびWCCHOST2から:
mount nasfiler:/vol/vol6/ORACLE_BASE/admin/wcdomain/wcc_cluster_name ORACLE_BASE/admin/wcdomain/wcc_cluster_name -t nfs -o rw,bg,hard,vers=3
次に、異なるノード間においてImaging Txログの場所を共有するためのコマンドを示します。
WCCHOST1およびWCCHOST2から:
mount nasfiler:/vol/vol9/ORACLE_BASE/admin/domain_name/img_cluster_name ORACLE_BASE/admin/domain_name/img_cluster_name -t nfs
共有ストレージの構成の検証
構成した共有記憶域にテスト・ファイルを作成し、新しくマウントしたディレクトリでファイルの読取りおよび書込みができることを確認します。
例:
cd newly_mounted_directory
touch testfile
所有者と権限が正しいことを確認します。
ls -l testfile
ファイルを削除します。
rm testfile
注意: 共有記憶域には、NASデバイスまたはSANデバイスを使用できます。次は、NASデバイスの記憶域をWCCHOST1から作成する例を示しています。オプションは異なる場合があります。
mount nasfiler:/vol/vol1/fmw11shared ORACLE_BASE/wls -t nfs -o rw,bg,hard,nointr,tcp,vers=3,timeo=300,rsize=32768,wsize=32768
使用する環境に適切なオプションについては、ストレージ・ベンダーとマシン管理者と相談してください。 |