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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B66703-06
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1 エンタープライズ・デプロイメントの概要

この章では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントの概要を示します。

この章には次の項が含まれます:

1.1 エンタープライズ・デプロイメント・ガイドについて

エンタープライズ・デプロイメント・ガイドは、Oracle Fusion Middlewareの実証済Oracle高可用性テクノロジ、セキュリティ・テクノロジおよび推奨事項に基づいたベスト・プラクティスの青写真です。この青写真に示すベスト・プラクティスは、Oracle Database、Oracle Fusion Middleware、Oracle ApplicationsおよびOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlという技術スタック全体にわたるOracle製品を対象にしています。

Oracle Fusion Middlewareエンタープライズ・デプロイメントの特長は、次のとおりです。

高可用性の実現の詳細は、Oracle Technology NetworkのOracle MAAベスト・プラクティスのページ(http://www.oracle.com/technetwork/database/features/availability/maa-best-practices-155366.html)を参照してください。


注意:

  • このドキュメントは11gのネイティブ・ユーザー・インタフェースを使用していることを前提としています。

  • このドキュメントではLinux環境におけるエンタープライズ・デプロイメントを中心に説明していますが、エンタープライズ・デプロイメントは、UNIX環境やWindows環境でも実現できます。


1.2 Oracle WebCenter Contentについて

Oracle WebCenter Contentスイート(以前のOracle Enterprise Content Management SuiteまたはOracle ECM)では、ビジネス環境に合せた適切な情報へのシームレスなアクセスを実現する統合コンテンツ管理を利用できます。この手段として、文章や画像、豊富なメディア・ファイルを管理するとともに、Oracle Application Extension Framework (AXF)を介して、エンタープライズ・アプリケーションとの環境統合を実現するための戦略的なコンテンツ・インフラストラクチャを組織によって実装できます。

Oracle WebCenter Contentの主なメリットは次のとおりです。

このガイドの参照用エンタープライズ・デプロイメント・トポロジには、Oracle WebCenter Contentの次の機能セットが含まれています。

Oracle WebCenter Content

WebCenter Content(以前のOracle Universal Content ManagementまたはOracle UCM)にはOracle WebCenter Content Serverが含まれています。WebCenter Contentが提供する統一リポジトリを使用すると、構造化されていないコンテンツを格納し、そのコンテンツをビジネス・ユーザーに配信できます。この配信は適切なフォーマットで行われ、またビジネス・ユーザーの業務に親和性の高いアプリケーションのコンテキスト内で行われます。

Oracle WebCenter Content: Imaging

Imaging(以前のOracle Imaging and Process ManagementまたはOracle I/PM)は、最も包括的で、統合された、コスト・パフォーマンスの高いイメージング・プラットフォームで、エンタープライズ・ビジネス・プロセス内でのドキュメント・イメージをエンドツーエンドで管理できます。高機能なデータ・キャプチャにはOracle WebCenter Forms Recognitionを、LOBの編成やプロセス・コラボレーションにはAXFを、またイメージのキャプチャにはOracle WebCenter Captureを活用します。また、イメージの注釈付けとマークアップ、ルーティングと承認の自動化などの機能を提供するほか、エンタープライズ用アプリケーションをサポートするスケーラブルなリポジトリを提供します。組織では、Imagingを使用して、Oracleやサード・パーティのエンタープライズ・アプリケーション内でビジネス・プロセスを迅速に自動化できます。

Oracle WebCenter Content: Inbound Refinery

Inbound Refineryは、ドキュメント、デジタル・イメージ、動画などの電子アセット用のファイル変換を管理する変換サーバーです。変換機能の他に、Inbound Refineryでは、ドキュメントとイメージに対するサムネイル機能、ビデオのストーリーボード作成機能、デジタル・イメージからEXIFデータを抽出して使用する機能、およびAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどのプログラムから生成された電子ファイルからXMPデータを抽出して使用する機能があります。組織では、Inbound Refineryを使用して、Oracle WebCenter Content Serverに格納されているコンテンツ項目を変換できます。

Oracle WebCenter Capture

Captureは、集中型企業環境にも分散型企業環境にも適した拡張性の高いドキュメント・キャプチャを提供します。Oracle WebCenter Content: ImagingおよびOracle WebCenter Contentと完全に統合されているため、きわめて重要なビジネス・コンテンツのキャプチャ、保存、管理、取得が1つのシステムで可能になります。

Oracle WebCenter Captureには、インターネットや企業内のイントラネットを利用してリモート・ロケーションで実行可能なスキャン機能やオプションの索引付け機能があります。Captureでイメージをスキャンすると、ローカル・マシンにイメージがコピーされます。そのイメージのバッチを解放するまでは、ローカル・マシンでイメージを表示できます。その後、それらのイメージはサーバーに移動します。バッチのスキャン後、必要に応じた方法でドキュメントを編成します。ドキュメントはCaptureにインポート可能です。スキャナからドキュメントをインポートし、他のソースからアイテムを追加したら、索引を追加します。

1.3 エンタープライズ・デプロイメントの用語

このエンタープライズ・デプロイメント・ガイドで使用される用語は次のとおりです。

1.4 Oracle推奨事項のメリット

このガイドで説明するOracle Fusion Middleware構成では、すべての起動でセキュリティが確保され、ハードウェア・リソースが最大化され、様々なアプリケーションを使用したエンタープライズ・コンピューティングのために、信頼性が高く、標準に準拠したシステムを提供するために設計されています。

Oracle Fusion Middleware構成のセキュリティと高可用性のメリットは、次の項で説明するように、ファイアウォール・ゾーンの分離とソフトウェア・コンポーネントのレプリケーションを通じて実現されます。

1.4.1 組込みセキュリティ

エンタープライズ・デプロイメント・アーキテクチャのセキュリティを確保するためには、ソフトウェア・コンポーネントのすべての機能グループを各グループ固有のDMZで分離し、すべてのトラフィックをプロトコルとポートによって制限します。次の特長により、必要なレベルのすべてのセキュリティが確保され、高レベルの標準の準拠が実現します。

  • ポート80で受信した外部通信はすべてポート443にリダイレクトするように、外部のロード・バランサを構成します。

  • 外部クライアントからの通信は、必ずロード・バランシング・ルーター(LBR)を経由します。

  • ロード・バランシング・ルーターからデータ層への直接的な通信は許可されません。

  • コンポーネントは、Oracle Web層、アプリケーション層およびデータ層の異なる保護ゾーンで分離されています。

  • 一度に2つのファイアウォールをまたがる直接的な通信は禁止されています。

  • あるファイアウォール・ゾーンで開始された通信は、次のファイアウォール・ゾーンで必ず終了します。

  • Oracle Internet Directoryはデータ層内で独立しています。

  • Oracle Identity Managementコンポーネントは別のサブネットにあります。

  • 複数の保護ゾーンにおいて複数のコンポーネント間の通信はすべて、ファイアウォールのルールに従いポートとプロトコルによって制限されます。

1.4.2 高可用性

各コンポーネントまたはソフトウェア・コンポーネントの機能グループが別のコンピュータにレプリケートされており、コンポーネント・レベルでの高可用性を実現するように構成されます。このため、エンタープライズ・デプロイメント・アーキテクチャでは高い可用性が実現されます。