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Oracle® Fusion Middleware WebCenter Sitesインストレーション・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.8.0)
E49672-02
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4 Apache Tomcat Application ServerにWebCenter Sitesをインストールするための準備

この章では、WebCenter Sites WebアプリケーションをサポートするためのTomcatの構成について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

4.1 Tomcat Application Serverのセットアップのクイック・リファレンス

この項の内容は、次のとおりです。

4.1.1 手順の概要

開発、コンテンツ管理および配信の各環境の要件に応じて、次の手順を完了します。

ステップ1: Tomcat Application Serverの構成

  1. 第4.2.1項「Tomcat Serverポートの変更」の説明に従って、デフォルトTomcatポートを変更します。

  2. 第4.2.2項「データ・ソースの作成と構成」の説明に従って、データ・ソースを作成および構成します。

  3. 第4.2.3項「Javaオプションの設定」の説明に従って、Javaオプションを設定します。

  4. 第4.2.4項「クラスパスの設定」の説明に従って、クラスパスを設定します。

  5. 第4.2.5項「URIエンコーディングの構成」の説明に従って、URIエンコーディング文字セットを設定します。

  6. サーバーが、複数サーバー環境の一部である場合は、第4.2.6項「ロード・バランシングのためのTomcatサーバーの構成」の説明に従って、jvmRoute属性を設定します。

  7. Tomcatサーバーが、クラスタ環境の一部である場合は、第4.2.7項「クラスタリングのためのTomcatサーバーの構成」の説明に従って、クラスタリング用にサーバーを構成します。

  8. サーバーがSSLを介して実行されている場合は、第4.2.8項「SSLのためのTomcatサーバーの構成」の説明に従って、SSL用にTomcatサーバーを構成します。

ステップ2: Tomcat Application ServerとサポートされているWebサーバーとの統合

この手順は、次のような場合に必要です。

  • Apache Web Serverを使用してロード・バランシングされるクラスタ化された環境を作成する。

  • Tomcatの前にApache Web Serverを配置する。

TomcatをApache Web Serverと統合する手順は、第4.3項「ステップ2: Tomcat Application ServerとサポートされているWebサーバーとの統合」に記載します。

4.1.2 この章で使用されるパスとディレクトリ

表4-1は、この章で使用されるパスおよびディレクトリを示しています。

表4-1 Tomcat Application Serverの構成で使用されるパスとディレクトリ

名前 説明

<sites_install_dir>

WebCenter Sitesインストール・ディレクトリのパス。

<tomcat_home>

Tomcatインストール・ディレクトリのパス。

<shared_dir>

指定されたシステムの共有フォルダのパス。パスには、共有フォルダの名前が含まれます。


4.1.3 Tomcatの起動/停止コマンド

この項では、Tomcatインスタンスの起動および停止のコマンドをリストします。


注意:

すべてのコマンドは、CATALINA_HOMEおよびJAVA_HOMEが適切なディレクトリに設定されていることを必要とします。


Tomcatインスタンスを起動する手順は、次のとおりです。

次のコマンドを実行します。

  • UNIXの場合:

    <tomcat_home>/bin/startup.sh
    
  • Windowsの場合:

    <tomcat_home>/bin/startup.bat
    

Tomcatインスタンスを停止する手順は、次のとおりです。

次のコマンドを実行します。

  • UNIXの場合:

    <tomcat_home>/bin/shutdown.sh -force
    
  • Windowsの場合:

    <tomcat_home>/bin/shutdown.bat
    

4.2 ステップ1: Tomcat Application Serverの構成

この項では、次の手順を完了します。


注意:

この項の手順では、UNIXコマンドを使用します。


4.2.1 Tomcat Serverポートの変更

この項では、Tomcatによって使用されるデフォルト・ポートを変更する方法を説明します。同じ物理サーバー上で複数のTomcatサーバーを実行するには、これらのポートを変更し、ポートの競合を回避する必要があります。

  1. Tomcatサーバーを停止します。

  2. テキスト・エディタで<tomcat_home>/conf/server.xmlファイルを開き、次のポートを変更します。

    • 停止ポート(デフォルト8005)

      このポートは、Tomcatサーバーを停止するときに使用されます。

    • HTTPポート(デフォルト8080)

      これは、Webアプリケーションにアクセス可能になるメイン・ポートです。

    • リダイレクト・ポート(デフォルト8443)

      このポートは、HTTPとAJPの両方のコネクタで変更する必要があります。

    • AJPポート(デフォルト8009)

      このポートは、Apache Webサーバーとの通信に使用できます。

    • (SSLのみ) SSL HTTPポート(デフォルト8443)

      SSLを使用する場合、このポートをステップ2で使用したものと同じ値に変更します。

  3. 変更を保存します。

4.2.2 データ・ソースの作成と構成

  1. 使用するデータベースに対応するデータ・ソース情報を選択し、必要なJARファイルを<tomcat_home>/libディレクトリに配置します。表4-2のデータ・ソース情報は、次のステップでデータ・ソースを作成するために使用されます。

    表4-2 データ・ソース情報

    データベース・ドライバ パラメータ

    JTDS (サード・パーティ・ドライバ)

    • DriverClass

    • 必須.jarファイル

    • URL

    • net.sourceforge.jtds.jdbcx.JtdsDataSource

    • jtds-1.2.5 jar

    • jdbc:jtds:sqlserver://<server>:<dbport>/<dbname>

      例: jdbc:jtds:sqlserver://127.0.0.1:1433/contentDB

    DB2

    • DriverClass

    • 必須.jarファイル

    • URL

    • com.ibm.db2.jcc.DB2Driver

    • db2jcc.jar, db2cc_license_cu.jar

      注意: db2jcc4.jarファイルはサポートされていません。db2jcc4.jarファイルが使用されている場合、インストールに失敗します。

    • jdbc:db2://<hostname>:<dbport>/<dbname>

      例: jdbc:db2://127.0.0.1:50001/contentDB

    Oracle Thinドライバ

    • DriverClass

    • 必須.jarファイル

    • URL

    • oracle.jdbc.driver.OracleDriver

    • ojdbc6.jar

    • jdbc:oracle:thin:@//<hostname>:1521/<dbname>

      例: jdbc:oracle:thin:@//127.0.0.1:1521/contentDB


  2. テキスト・エディタで<tomcat_home>/conf/server.xmlファイルを開き、Hostタグ内に次のXMLコードを追加し、パラメータ化されている値をすべて置換します。

    <Context path="/<sites_context_root>" docBase="<sites_context_root>" reloadable="true" crossContext="true">
              <Resource name="<jndi_name>" auth="Container" type="javax.sql.DataSource"
                        maxActive="100" maxIdle="30"
                        username="<db_user_name>"
                        password="<db_user_password>"
                        driverClassName="<db_driver_class>"
                        url="<db_url>"/>
            </Context>
    

    Oracle Databaseの場合のサンプル・データ・ソース:

    <Context path="/cs" docBase="cs" reloadable="true" crossContext="true">
              <Resource name="csDataSource" auth="Container" type="javax.sql.DataSource"
                        maxActive="100" maxIdle="30"
                        username="csuser"
                        password="password"
                        driverClassName="oracle.jdbc.driver.OracleDriver"
                        url="jdbc:oracle:thin:@//127.0.0.1:1521/contentDB"/>
            </Context>
    

    注意:

    前述の例では、データベース接続の最大許容数は、100に設定されています。これは推奨される値ですが、環境の要件に応じて変更できます。


  3. 変更を保存します。

4.2.3 Javaオプションの設定

この項では、メモリー引数の設定およびWebCenter Sitesに必要なJavaオプションの追加方法について説明します。

  1. テキスト・エディタで<tomcat_home>/bin/setenv.shを開き、行CATALINA_OPTS="<java_opts>"を追加します。<java_opts>は、空白で区切られた次のオプションのリストです。

    • -Xms512m -Xmx2048m

      これらのオプションで、最小および最大メモリー・ヒープ・サイズが設定されます。これらは推奨されるサイズですが、環境の要件に応じて変更できます。

    • -XX:MaxPermSize=192m

      このオプションで、Permanent世代の容量の最大サイズが設定されます。これは推奨されるサイズですが、環境の要件に応じて変更できます。

    • -Dfile.encoding=UTF-8

      このオプションによってUTF-8ファイル・エンコーディングが指定されます。

    • -Dnet.sf.ehcache.enableShutdownHook=true

      このオプションによって、Ehcache停止フックが有効化されます。

    • -Djava.net.preferIPv4Stack=true

      このオプションで、IPv4アドレスの使用が指定されます。

    • -Duser.timezone=UTC

      このオプションは、JVMのタイムゾーンの設定に使用されます。すべてのWebCenter Sitesインストールで、この値をUTCに設定することをお薦めします。ただし、この値がすべてのWebCenter Sitesインストールで同一であるかぎり、任意のタイムゾーンを設定できます。完成したCATALINA_OPTSは次のようになるはずです。

      CATALINA_OPTS="-Xms512m -Xmx2048m -XX:MaxPermSize=192m
      -Dfile.encoding=UTF-8
      -Dnet.sf.ehcache.enableShutdownHook=true -Djava.net.preferIPv4Stack=true
      -Duser.timezone=UTC"
      

      注意:

      Shift-JIS文字を使用する場合は、-Dcs.useJavaURLDecoder=falseオプションを追加します。


  2. 変更を保存します。

4.2.4 クラスパスの設定

この項では、WebCenter Sitesが必要とするパスを、アプリケーション・サーバー・クラスパスに追加する方法を説明します。

  1. テキスト・エディタで<tomcat_home>/bin/setenv.shを開き、行CLASSPATH="<paths>"を追加します。ここで、<paths>は、次のパスのコロン(:)で区切られたリストです。

    1. <sites_install_dir>/bin

      このパスには、必須のWebCenter SitesおよびCASの構成ファイルが含まれます。このファイルがないと、CAS Webアプリケーションは起動せず、WebCenter Sites管理インタフェースの「管理」タブの「システム・ツール」ノードの機能が低下します。

    2. $JAVA_HOME/lib/tools.jar

      このJARファイルは、JDK内にあります。

  2. 変更を保存します。

4.2.5 URIエンコーディングの構成

この項では、URIエンコーディングの文字セットをUTF-8に設定する方法を説明します。

  1. テキスト・エディタで<tomcat_home>/conf/server.xmlを開き、次のようにHTTP Connectorタグ内にURIEncoding属性を追加します。

    <Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1"
        connectionTimeout="20000"
        redirectPort="8443" URIEncoding="UTF-8" />
    
  2. 変更を保存します。

4.2.6 ロード・バランシングのためのTomcatサーバーの構成

この項では、ロード・バランシング環境の一部となることができるようにTomcatサーバーを構成する方法を説明します。

  1. テキスト・エディタで<tomcat_home>/conf/server.xmlを開き、次のようにEngineタグ内にjvmRoute属性を追加します。

    <Engine name="Catalina" defaultHost="localhost" jvmRoute="jvm1">
    
  2. jvmRouteの値を変更し、それが、ロード・バランシングされるすべての他のTomcatサーバーに対して一意になるようにします。

  3. 変更を保存します。

4.2.7 クラスタリングのためのTomcatサーバーの構成

この項では、クラスタの一部となるようにTomcatサーバーを構成する方法を説明します。

  1. テキスト・エディタで<tomcat_home>/conf/server.xmlファイルを開き、次のXMLコードを、Engineタグ内の最初のものとなるように追加します。

    <Cluster className="org.apache.catalina.ha.tcp.SimpleTcpCluster"
                     channelSendOptions="8">
              <Manager className="org.apache.catalina.ha.session.DeltaManager"
                       expireSessionsOnShutdown="false"
                       notifyListenersOnReplication="true"/>
              <Channel className="org.apache.catalina.tribes.group.GroupChannel">
                <Membership className="org.apache.catalina.tribes.membership.McastService"
                            address="228.0.0.4"
                            port="45564"
                            frequency="500"
                            dropTime="3000"/>
                <Receiver className="org.apache.catalina.tribes.transport.nio.NioReceiver"
                          address="auto"
                          port="4000"
                          autoBind="100"
                          selectorTimeout="5000"
                          maxThreads="6"/>
                <Sender className="org.apache.catalina.tribes.transport.ReplicationTransmitter">
                  <Transport className="org.apache.catalina.tribes.transport.nio.PooledParallelSender"/>
                </Sender>
                <Interceptor className="org.apache.catalina.tribes.group.interceptors.TcpFailureDetector"/>
                <Interceptor className="org.apache.catalina.tribes.group.interceptors.MessageDispatch15Interceptor"/>
              </Channel>
              <Valve className="org.apache.catalina.ha.tcp.ReplicationValve"
                     filter=""/>
              <Valve className="org.apache.catalina.ha.session.JvmRouteBinderValve"/>
              <Deployer className="org.apache.catalina.ha.deploy.FarmWarDeployer"
                        tempDir="/tmp/war-temp/"
                        deployDir="/tmp/war-deploy/"
                        watchDir="/tmp/war-listen/"
                        watchEnabled="false"/>
              <ClusterListener className="org.apache.catalina.ha.session.JvmRouteSessionIDBinderListener"/>
              <ClusterListener className="org.apache.catalina.ha.session.ClusterSessionListener"/>
            </Cluster>
    
  2. 必要に応じて、Membershipアドレスまたはポートを変更します。

    • 各クラスタは、メッセージの競合を回避するために、一意のMembershipアドレスとポートの組合せを持つ必要があります。

    • 1つのクラスタのすべてのメンバーは、Membershipアドレスおよびポートに対して同じ値を持つ必要があります。

  3. 必要に応じて、ReceiverポートまたはautoBindを変更します。

    レシーバは、ポートと、ポート+autoBindの範囲の空きポートにバインドすることで、ポートの競合を自動的に回避します。これらの値のいずれかを必要に応じて変更し、レシーバが使用するポートの範囲を制限します。

  4. 変更を保存します。

4.2.8 SSLのためのTomcatサーバーの構成

  1. 次のように証明書を生成します。

    keytool -genkey -alias tomcat -keyalg RSA –keystore
    <tomcat_home>/keys/.keystore
    
    1. -keystoreパラメータを、生成されたキーを格納する場所に設定します。

    2. キーストア・パスワードを求められたら、自身のパスワードを使用するか、デフォルトのchangeitを使用できます。カスタム・パスワードを入力する場合、server.xmlファイルの値の変更が必要になります(ステップ2で説明)。

    3. 求められたら、姓名、組織名、市区町村、都道府県および国コードを入力し、確認のために「Yes」をクリックします。

    4. 次に「Enter key password for <tomcat> (RETURN if same as keystore password)」が表示されたら、キー・パスワードはキーストア・パスワードと同じであるため、[Enter]キーを押します。

  2. <tomcat_home>/conf/server.xmlを編集し、SSLセクションを非コメント化し、次の属性をSSLコネクタに追加します。

    • keystoreType="JKS"

      この属性は、Javaキーストア(Javaのキーツールで生成される形式)の場合はJKSに設定されます。

    • keystoreFile="<tomcat_home>/keys/.keystore"

      この属性は、.keystoreファイルが作成され、ステップ1で使用されたものと同じパスに設定されます。

    • keystorePass="<new_password>"

      この属性は、ステップ1で使用されたキーストア・パスワードがchangeitではなく、使用されたカスタム・パスワードに設定する必要がある場合にのみ必要です。

  3. 変更を保存します。

  4. サーバーを起動した後、ブラウザにhttps://<tomcat_host>:<ssl_port>を指定します。

    システムが適切に機能している場合、証明書を受け入れるように求められます。証明書を受け入れると、Tomcat索引ページが表示されます。

4.3 ステップ2: Tomcat Application ServerとサポートされているWebサーバーとの統合

この項では、Tomcatサーバーを、選択したサポートされているWebサーバーと統合するためのガイドラインを示します。

4.3.1 Apache HTTPサーバーの構成

この項では、Tomcatで使用するために、mod_proxy_ajpプラグインをApache 2.2.xまたはApache 2.4.x HTTPサーバーで構成する方法について説明します。

  1. mod_so.cが有効化されていることを確認します。<apache_home>/bin/apachectl -lを実行します。mod_so.cが出力されたリストにない場合、-enable-module=soオプションを指定してApacheを再構築する必要があります。

  2. テキスト・エディタで<apache_home>/config/httpd.confを開き、そのファイルの最後に次のものを追加します。

    単一サーバー環境

    ProxyPass /cas ajp://<tomcat_server_host>:<ajp_port>/cas
    ProxyPassReverse /cas ajp://<tomcat_server_host>:<ajp_port>/cas
    ProxyPass /<sites_context_root> ajp://<tomcat_server_host>:<ajp_port>/<sites_context_root>
    ProxyPassReverse /<sites_context_root> ajp://<tomcat_server_host>:<ajp_port>/<sites_context_root>
    

    複数サーバー環境

    <Location /balancer-manager>
        SetHandler balancer-manager
        Order Deny,Allow
        Deny from none
        Allow from all 
    </Location>
    
    <Proxy balancer://cluster>
        BalancerMember ajp://<tomcat_server_host1>:<ajp_port1> loadfactor=1 route=<jvm_route1>
        BalancerMember ajp://<tomcat_server_host2>:<ajp_port2> loadfactor=1 route=<jvm_route2>
        ProxySet stickysession=JSESSIONID
    </Proxy>
    
    ProxyPass /cas balancer://cluster/cas
    ProxyPassReverse /cas balancer://cluster/cas
    ProxyPass /<sites_context_root> balancer://cluster/<sites_context_root>
    ProxyPassReverse /<sites_context_root> balancer://cluster/<sites_context_root>
    

    注意:

    この例では、バランサマネージャがすべてのアクセスを許可します。セキュリティを高めるために、Apacheのドキュメントを参照して、Deny fromおよびAllow fromの値を変更できます。

    AVI Sportsサンプル・サイトをインストールする場合は、各BalancerMember行の終わりにtimeout=180を追加します。


  3. 変更を保存します。

  4. 次のコマンドで、httpd.confファイルの構文を検証します。

    <apache_home>/bin/apachectl -t

  5. Webサーバーを再起動します。