WCC統合システムでコンテンツ同期を設定する場合、同期ポイントのロールバックが必要になることがありますこの章では、ロールバック手順について説明するとともに同期トークンに関する情報を提供します。
この章は、次の項で構成されています。
WebCenter SitesおよびWebCenter Contentは生成されたトークンを介して同期され、コンテンツ同期プロセスが確立された後は、このトークンをリセットする必要はほとんどありません。
注意: 確立されたコンテンツ同期プロセスのトークンをリセットすることはお薦めしません。 |
ただし、システムの設定時、ルールまたはアセット・タイプの再構成に応じて、同期ポイントを元の開始ポイントまたは特定の更新にロールバックする必要が生じることがあります。ロールバックにはトークンのリセットが含まれます。
この項では、トークンのリセットについて説明する前に、トークンの詳細と、トークンがWebCenter ContentおよびWebCenter Sitesの間でどのように更新されるかについて簡単に説明します。
WebCenter Contentに初めて接続する際、WebCenter SitesはWebCenter Contentからトークンを受け取ります。トークン値の形式は次のとおりです。
トークン値の形式:
ClientID:Internally_used_database_identifier:update_number
例:
c10013:1344632434389:10012
更新を確認する際、WebCenter SitesはこのトークンをWebCenter Contentに渡し、update_number
を使用して前回のコール以降に変更が行われたかどうかを判断します。更新には、「サイトに同期化」オプションが有効な(または以前有効であった)コンテンツ・アイテムが含まれます。更新が行われた場合、WebCenter Contentは新しいupdate_number
を生成し、更新されたトークンをWebCenter Sitesに返します。
必要な場合は、次に説明するように、トークン値を元の値(元の同期ポイント)または特定の更新にロールバックできます。
注意: トークンは、システムの設定時に、同期関連オブジェクト(ルールなど)を構成、テストおよび再構成する場合にのみリセットしてください。システムが実稼働に向けて構成された後は、トークン値を変更しないでください。 |
トークン値を空の値で置き換えると、同期ポイントが元の開始ポイントにロールバックされます。コネクタの次回実行時、「サイトに同期化」オプションが有効な(または以前有効であった)すべてのコンテンツ・アイテムが再調査されて再同期されます。
注意: コネクタで、以前有効であった(現在は「サイトに同期化」オプションが有効でない)コンテンツ・アイテムを再調査するのは、念のために、対応するアセットをWebCenter Sitesから削除する必要がないかどうか確認するためです。 |
トークンのupdate_number
を以前生成されたupdate_number
で置き換えると、同期ポイントが以前の更新にロールバックされます。コネクタの次回実行時、コンテンツ・アイテムのバージョンのポーリングが新しい同期ポイントで開始されます。コネクタは、「サイトに同期化」オプションが有効な(または以前有効であった)すべてのアイテムを再調査して再同期します。コネクタで、以前有効であった(現在は「サイトに同期化」オプションが有効でない)コンテンツ・アイテムを再調査するのは、念のために、対応するアセットをWebCenter Sitesから削除する必要がないかどうか確認するためです。
トークン値とupdate_numbers
の履歴は、WebCenter Contentの「WCSキュー・サポート情報」ページで確認できます。同期ポイントのリセットの詳細は、次の項を参照してください。
トークン値の詳細は、第53.2項「生成されたトークン値について」を参照してください。
トークンを空の値にリセットすると、現在の同期ポイントが元の開始ポイントにロールバックされます。
元の開始ポイントに再同期するには:
WebCenter Sites Adminインタフェースで、「コネクタ管理者」タブを開きます。
「コンソール」を選択します。
「コネクタ・コンソール」フォーム(図53-1)で、トークン値(「次のトークンで実行」ボタンの横)を削除します。
トークンのupdate_number
を以前生成された値にリセットすると、現在の同期ポイントがその特定の更新にロールバックされます。
特定の更新にロールバックするには:
ロールバックするトークン値を検索します。
WebCenter Contentに管理者としてログインします。
「管理」→「WCS管理」の順に選択します。
「WCSキュー・サポート情報」ページが開きます(図53-2)。
ページ上部に「WCSキュー・サポート情報」の表が表示されます。「QueueId」列(「コンテンツID」に相当)を調べて、更新されたアイテムを見つけます。「トークン」列を調べ、アイテムのupdate_number
を取得します。
WebCenter Sitesでトークン値をリセットします。
WebCenter Sites Adminインタフェースで、「コネクタ管理者」タブを開きます。
「コンソール」を選択して「コネクタ・コンソール」フォームを開き、トークンのupdate_number
(前回の数値セット)を新しいupdate_number
で置き換えます。
生成されたトークン値には3つの部分があります。各部分はコロン(:)で区切られています。
ClientID:Internally_used_database_identifier:update_number
この項では、次の例を使って各部分について説明します。
c10013:1344632434389:10012
トークン値の最初の部分はClientIDです(例ではc10013
)。
この値は、WebCenter Sitesクライアントの初回接続時にWebCenter Contentによって生成されます。この値はクライアントに返され、クライアントでそれ以降のすべてのコールに使用されます。空のトークンで再接続すると、クライアントは新しいClientIDを取得します。
トークン値の中央部分はWebCenter Contentのデータベース表の一意の識別子です(例では1344632434389
)。
注意: トークン値の中央部分は編集しないでください。これはクライアント/サーバーの再同期用に内部で使用されます。 |
トークン値の最後の部分はupdate_number
です(例では10012
)。
WebCenter Contentは、次のようにコンテンツ・アイテムにupdate_number
を生成します。
新しくチェックインされたコンテンツ・アイテムの「サイトに同期化」オプションが有効な場合、そのコンテンツ・アイテムはupdate_number
を受け取ります。アイテムのコンテンツIDとupdate_number
はWCSキュー表に記録されます。その情報は、アイテムが削除された後も表に保持されます。
コンテンツ・アイテムの「サイトに同期化」オプションが有効な場合、そのコンテンツ・アイテムは新しいupdate_number
を受け取り、その値がWCSキュー表に記録されます。記録された情報は、コンテンツ・アイテムが削除された後も常に表に残ります。
コンテンツ・アイテムが更新されるか、その「サイトに同期化」オプションがリセットされると、そのコンテンツ・アイテムは新しいupdate_number
を受け取り、その値がWCSキュー表に記録されます。
「サイトに同期化」オプションが有効であったコンテンツ・アイテムが削除されると、そのコンテンツ・アイテムは新しいupdate_number
を受け取ります。アイテムは削除されますが、そのContentIdと新しいupdate_number
はWCSキュー表に残ります。これにより、削除されたコンテンツの通知が提供されるようになります。