2 演習1: データ・キャプチャ用の新規パラメータの追加

この演習では、データ・キャプチャ用の新しいパラメータをAnalyticsに追加する方法について説明します。

この演習の内容は次のとおりです。

第2.1項「概要」
第2.2項「イメージ・タグおよびそのJSPへの新規パラメータの追加」
第2.3項「次の手順」

2.1 概要

この演習では、FirstSite IIサンプル・サイトに基づいてAnalyticsを構成し、agentという新しいパラメータでのデータ・キャプチャを開始します。新しいagentパラメータを使用して、サイトの訪問者が使用するブラウザに関するRAWデータがキャプチャされます。

新しいagentパラメータをAnalyticsに追加したら、次の演習(第3章「演習2: DetailDefinition表への新規パラメータの追加」)に進み、新しいagentパラメータを認識するようにAnalyticsを構成します。次に、第4章「演習3: 新規Analyticsジョブの開発」の手順に従って、新しいパラメータを統計的に処理してレポート(このチュートリアルではNewBrowsers)に表示する、Analyticsジョブを作成します。処理されたagentパラメータの統計情報は、NewBrowsersレポートを作成するとそのレポートの表の列として表示されます。詳細は、第5章「演習4: 表示するレポートの作成および準備」を参照してください。

注意:

この演習では、FirstSite IIサンプル・サイトのみを使用することを前提としています。AnalyticsまたはWebCenter Sitesインタフェースで選択が求められた場合は、このサイトを選択します。

2.2 イメージ・タグおよびそのJSPへの新規パラメータの追加

最初に、新しいパラメータでデータ・キャプチャを開始できるように、Analyticsにそのパラメータを認識させます。この例では、FSIIWrapperエレメント内のAnalyticsイメージ・タグおよびAddAnalyticsImgTag JSPにパラメータを追加することによって、これを行います。次の手順を実行すると、センサー・サーブレットがパラメータ値のキャプチャを開始し、それらをRAWデータとして格納します。

新しいパラメータを、FSIIWrapperエレメント内のAnalyticsイメージ・タグ・コールに追加します。
1. 管理者またはCSElementアセットを編集できる権限を持つユーザーとして、WebCenter Sites管理インタフェースにログインします。
2. 選択を求められる場合は、FirstSite IIサンプル・サイトを選択します。
3. ボタン・バーで、「検索」をクリックします。
4. アセット・タイプのリストで、CSElementの検索をクリックします。
5. 「検索」フォームで、検索フィールドにFSIIWrapperと入力し、「検索」をクリックします。
6. 結果のリストで、FSIIWrapperアセットの横にある「編集」(鉛筆)アイコンをクリックします。
7. WebCenter Sitesの「編集」フォームにFSIIWrapperアセットが表示されます。
8. フォームの上部にあるセクション・セレクタで、「エレメント」をクリックします。
9. 「編集」フォームの「エレメント」セクションが表示されます。
10. エレメント・コードの編集を簡単に行うには、「エレメント・ロジック」フィールド内のテキストをすべて選択してコピーし、それを任意のテキスト・エディタに貼り付けます。コードを一時ファイルに保存します。
  - エレメント・コード内で、次のAnalyticsイメージ・タグへのコールを見つけます。
```
<render:callelement elementname="Analytics/AddAnalyticsImgTag">
    <render:argument name="c" value='<%=ics.GetVar("c")%>'/>
    <render:argument name="cid" value='<%=ics.GetVar("cid")%>'/>
    <render:argument name="site" value='<%=ics.GetVar("site")%>'/>
    <render:argument name="pagename" value='<%=ics.GetVar("childpagename")%>'/>
    <render:argument name="recid" value='<%=ics.GetVar("recid")%>'/>
</render:callelement>
```
  - Analyticsイメージ・タグ・コールの末尾で、終了の</render:callelement>タグの前に、次の文を挿入します。
```
<render:argument name="agent" value='<%= request.getHeader("User-Agent")%>'/>
```
    注意:
    
    agent変数は、Analyticsイメージ・タグがコールされる前に設定される必要があります。
  - 変更後のAnalyticsイメージ・タグ・コールは、次のようになります。
```
<render:callelement elementname="Analytics/AddAnalyticsImgTag">
<render:argument name="c" value='<%=ics.GetVar("c")%>'/>
<render:argument name="cid" value='<%=ics.GetVar("cid")%>'/>
<render:argument name="site" value='<%=ics.GetVar("site")%>'/>
<render:argument name="pagename" value='<%=ics.GetVar("childpagename")%>'/>
<render:argument name="recid" value='<%=ics.GetVar("recid")%>'/>
<render:argument name="agent" value='<%= request.getHeader( "User-Agent" )
%>'/>
   </render:callelement>
```
  - ファイルを保存して閉じます。
新しいパラメータを、Analyticsイメージ・タグJSPに追加します。
1. WebCenter Sitesエクスプローラを起動します。
2. WebCenter Sitesエクスプローラの画面で、「ファイル」→コンテンツ・サーバーを開くを選択して、「コンテンツ・サーバー・ログイン」ダイアログ・ボックスを表示します。
3. 次の値を入力します。
  - ホスト名またはアドレス: ホスト名またはIPアドレス。このフィールドは空白にしないでください。
  - ユーザー名: WebCenter Sitesユーザー名。
  - パスワード: WebCenter Sitesパスワード。
  - ポート: ポート番号(デフォルトは8080)。
  - プロトコル: 通常はHTTP。(WebサーバーがSSLを実行している場合は、HTTPSを選択できます)。
  - アプリケーション・サーバーURLパス: CSサーブレット(/cs/CatalogManager)オプションを選択します。
  入力済のログイン・フォームは、図2-1のようになります。
  
  図2-1 WebCenter Sitesエクスプローラのログイン・フォーム
  
  「図2-1 WebCenter Sitesエクスプローラのログイン・フォーム」の説明
4. 「OK」をクリックしてログインします。
  
  Sitesエクスプローラ・ウィンドウが表示されます。
5. 「localhost」ツリーで、「表」→「ElementCatalog」→「Analytics」を開きます。
6. Analytics表で、AddAnalyticsImgTag JSPを開きます。
7. AddAnalyticsImgTag.jspコードをコピーしてテキスト・エディタに貼り付け、次の行を見つけます。
```
String recid = ics.GetVar("recid");
String siteName = ics.GetVar("site");
```
8. 次の行を、直前の手順gに示されている2行の後に追加します。
```
String agent = ics.GetVar("agent");
```
  変更後のセクションは、次のようになります。
```
String recid = ics.GetVar("recid");
String siteName = ics.GetVar("site");
String agent = ics.GetVar("agent");
```
9. 次のコード部分を見つけて、太字のコードを、示されているとおりの位置に挿入します。
```
<script type="text/javascript">

</script>
<noscript>
<img style="display:none;" height="1" width="1" src="<%= statisticSensorPath%>?siteName=<%= siteName%>&objType=<%= UobjType%>&objID=<%= id%>&objName=<%= ics.GetVar("assetname")%>&URLENC=<%= ics.GetVar("objUrl")
%>&sessionID=<%= TsessionID%>
&agent=<%= agent %>&Referer=<%= referer%>&js=false"
alt="pixel" />
</noscript>
```
変更が行われたら、テキスト・エディタ内のすべてのコードを選択してコピーし、それをSitesエクスプローラのフィールドに貼り付けます。
「保存」でファイルを保存して閉じます。
アプリケーション・サーバーを再起動して変更を反映します。

2.3 次の手順

第3章「演習2: DetailDefinition表への新規パラメータの追加」では、データ・キャプチャ用のagentパラメータをDETAILDEFINITION表に追加します。これによってAnalyticsはagentパラメータを処理できるため、新しいagentパラメータでキャプチャされたRAWデータを処理するAnalyticsジョブ(第4章「演習3: 新規Analyticsジョブの開発」で作成)でパラメータを使用できるようになります。新しいAnalyticsジョブは、agentパラメータを処理してレポート(このチュートリアルではNewBrowsersレポート)に表示します。処理されたagentパラメータは、NewBrowsersレポートで表の列として表示されます。