この章では、すべてのポータルで使用可能な各種アセット、およびそれらのアセットに対して実行可能な共通操作の一部について説明します。共有アセットには、ナビゲーション・モデル、ページ・テンプレート、ページ・スタイル、リソース・カタログなどがあります。この章では、すべてのポータルで利用可能なアセットの使用について重点的に説明します。
個別のポータルで使用可能なアセットの詳細は、第20章「アセットの作成、編集および管理」を参照してください。
この章の内容は、次のとおりです。
権限: この章のタスクを実行するには、 アプリケーション・レベルの権限の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のアプリケーション・ロールと権限の理解に関する項を参照してください。 |
アセットとは、ポータルの構造、ルック・アンド・フィールおよびコンテンツを定義するオブジェクトのことです。
WebCenter Portalで使用できる各種アセットの詳細は、第20.1項「アセットについて」を参照してください。
共有アセットとポータル・アセット
アセットは、アプリケーション・レベル(共有アセット)またはポータル・レベル(ポータル・アセット)で存在します。これらの両方のレベルでは、使用できるアセットとその機能は同じです。共有アセットとポータル・アセットの違いは、次のような有効範囲の違いです。
共有アセットは、ポータルが特別に除外された場合を除き、すべてのポータルで使用できます。
ポータル・アセットは、その作成元のポータルでのみ使用できます。
共有アセットを作成および公開すると、そのアセットは自動的にすべてのポータルで使用できるようになります。ただし、共有アセットのプロパティを編集して、選択したポータルのみに使用を制限することができます。詳細は、第59.6項「共有アセットの可用性の設定」を参照してください。
共有アセットがポータルで使用可能な場合、そのポータルの「アセット」ページに表示されます。アセット名の横にある「共有」アイコン(図59-1)は、共有アセットであることを示します。ただし、共有アセットは、「共有アセット」ページでアプリケーション・レベルでのみ編集できます。
この章では、共有アセット固有のタスクを重点的に説明します。両方のタイプのアセットに適用されるタスク、およびポータル・アセット固有のタスクの詳細は、第20章「アセットの作成、編集および管理」を参照してください。
共有アセットには、「共有アセット」ページを使用してアクセスできます。「共有アセット」ページにアクセスすると、すべてのポータルで使用可能なすべてのアセットが一覧表示されます(図59-2)。
共有アセットにアクセスするには:
「ポータル」メニューで、「ポータル・ビルダー」を選択します。
詳細は、第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照してください。
「共有アセット」タブをクリックして、「共有アセット」ページを表示します(図59-2)。
ブラウザで次のURLを入力して、「共有アセット」ページに直接移動することもできます。
http://host:port/webcenter/portal/builder/assets
一部のアセットは最初から作成できます。また、既存アセットのコピーのみで作成できるアセットもあります。たとえば、ナビゲーション・モデルは最初から作成できますが、スキンは既存のスキンのコピーのみで作成できます。さらに、「共有アセット」ページで作成できない、コンテンツ・プレゼンタ表示テンプレートなどのアセットもあります。これらのアセットを作成するには、Oracle JDeveloperなどの開発ツールを使用する必要があります。
共有アセットの作成手順は、ポータル・アセットの作成手順と同様です。詳細は、第20.3項「アセットの作成」を参照してください。
「共有アセット」ページを使用して、共有アセットを編集できます。このページには、アセットを編集するための次の2つのオプションがあります。
編集: ページ・エディタまたは「編集」ダイアログでアセットを編集できます。
選択の編集: アセットのソース・コードを使用できます。
アセットのソース・ファイルをダウンロードし、JDeveloperで編集してWebCenter Portalにアップロードしなおさなくても、アセットのソース・ファイルを編集してそのコードに拡張編集を行うことができます。「ソースの編集」オプションを使用して、アセットを最初から作成することもできます。これは、アセットを作成して、そのデフォルトのソース・コードを独自のオリジナル・コードで置換することによって実行できます。ただし、手作業のコーディングが大量に必要になるため、このシナリオはお薦めしません。
組込み共有アセットは編集できません。組込みアセットを変更するには、まずアセットのコピーを作成し、要件に応じてそのコピーを編集する必要があります。
WebCenter Portalでは、アセットのラウンドトリップ開発がサポートされています。アセットの機能性を強化するために、アセットをダウンロードし、JDeveloperで編集してポータルにアップロードしなおすことができます。詳細は、第20.6項「JDeveloperでのポータル・アセットの使用」を参照してください。
共有アセットの編集手順は、ポータル・アセットの編集手順と同様です。詳細は、第20.4項「アセットの編集」を参照してください。
「共有アセット」ページでは、共有アセットの作成と編集の他にも、アセットに対して実行できる操作があります。
共有アセットの管理手順は、ほとんどの場合、ポータル・アセットの管理手順と同様です。詳細は、第20.5項「アセットの管理」を参照してください。
デフォルトでは、共有アセットを作成および公開すると、そのアセットはWebCenter Portalのすべてのポータルで使用できます。ただし、共有アセットのプロパティを編集する際に、そのアセットを指定されたポータルから除外することを選択できます。詳細は、第59.6項「共有アセットの可用性の設定」を参照してください。
共有アセットは使用可能とマークされると、デフォルトで、すべてのポータルおよびホーム・ポータルで使用できるようになります。ただし、共有アセットをホーム・ポータルおよびすべてのポータルで使用可能にするか、選択したポータルのみで使用可能にするかは制御できます。
アセットの可用性は、アプリケーション・レベルでのみ設定できます。定義によるポータル・アセットは、そのアセットが作成されたポータルのみで使用できます。
「プロパティの編集」ダイアログの「アセット使用の除外」セクションを使用して、ホーム・ポータルまたはポータルでの共有アセットの可用性を設定できます。
共有アセットの可用性を設定するには:
「共有アセット」ページに移動します。
詳細は、第59.2項「共有アセットへのアクセス」を参照してください。
編集するアセットのタイプ(「ページ・テンプレート」など)をクリックします。
編集するアセットを選択します。
「アクション」メニューの「プロパティの編集」を選択します。
「プロパティの編集」ダイアログの「アセット使用の除外」セクションで、次の手順を実行します。
「ホーム・ポータルから除外」チェック・ボックスの選択結果は、次のとおりです。
選択すると、そのアセットがホーム・ポータルの「アセット」ページで非表示になります。
選択解除すると、そのアセットがホーム・ポータルの「アセット」ページに表示されます。
「ポータルから除外」では、次のいずれかを選択します。
「すべてのポータルに含める」: アセットがすべてのポータルの「アセット」ページで使用可能になります。
「すべてのポータルから除外」: アセットがすべてのポータルの「アセット」ページのリストから除外されます。
「選択したポータルから除外」: アセットを「アセット」ページのリストに表示しないポータルを指定します。
このオプションを選択すると、「追加/選択」リンクが表示されます。このリンクをクリックすると、「ポータルの追加」ダイアログが表示され、このダイアログでアセットを除外するポータルを選択できます。ポータルの選択が終了したら、「OK」をクリックします。
選択したポータルのリストが「プロパティの編集」ダイアログに表示されます。
「OK」をクリックします。
WebCenter Portalで提供されるブラウザベースのインタフェースの機能では対応できないアセットの編集が必要な場合があります。このようなアセットの編集を行うために、WebCenter Portalには、共有アセットをダウンロードしてそのアセットをJDeveloperなどのIDEにインポートする機能が機能強化の目的で装備されています。編集後、これらのアセットをWebCenter Portalにアップロードしなおすことができます。このプロセスは、ラウンドトリップ開発と呼ばれる場合があります。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のWebCenter Portalリソースの使用に関する項を参照してください。
注意: JDeveloperでは、アセットはポータル・リソースと呼ばれます。 |
JDeveloperでの共有アセットの使用手順は、ほとんどの場合、ポータル・アセットの使用手順と同様です。詳細は、第20.6項「JDeveloperでのポータル・アセットの使用」を参照してください。