この章では、メールの機能とポータルでメールを管理する方法について説明します。また、「メールの送信」機能の構成方法についても説明します。「メールの送信」機能には、メール・サービスは必要ありません。つまり、ポータルでメール・サービスが構成されていなくても、WebCenter Portalおよびメールを使用するポータルで「WebCenter Portalのメール・サービス」オプションが選択されている場合、このオプションで「メールの送信」機能を使用できます。
この章の内容は、次のとおりです。
権限: この章のタスクを実行するには、ポータルの メールのタスク・フローをページに追加するには、 権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。 |
メール・サービスが機能するには、システム管理者はWebCenter Portalで次のタスクを実行する必要があります。
WebCenter Portalでメール・サービス・コンポーネントをインストールおよび構成し、2つのアプリケーション間の接続がアクティブであることを確認します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「メールの管理」の章を参照してください。
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「メールの送信」の通知の構成に関する項で説明されている手順に従って、WebCenter Portalで「メールの送信」機能を有効にします。
関連項目: Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のメールに関する問題のトラブルシューティングに関する項 |
ポータルでメール・サービスを使用できるようにするには、ポータル・モデレータか、Manage All
またはManage Configuration
権限を持つ任意のユーザーが、次のタスクを実行する必要があります。
(オプション)第48.2項「ポータルのメール配信リストの構成」で説明されている手順に従って、メール配信リストを更新します。 ポータルの作成時に、デフォルトの配信リストが作成されることに注意してください。
第48.5項「ページへのメール・サービスのタスク・フローの追加」で説明されている手順に従って、ポータルのページに「メール」タスク・フローを追加します。
注意: 「メールの送信」機能とメールの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のメールの送信と表示に関する項を参照してください。 |
メール配信リストは、ポータル通信用の効率的な機能を備えています。メール・サーバーがMicrosoft Exchangeで、Active Directory Server (ADS)がインストールされており、アクティブなディレクトリ接続の詳細(LDAP)がメール・サーバー接続の設定で提供されている場合、WebCenter Portalによってすべてのポータルにデフォルトの配信リストが作成されます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「メールの管理」の章を参照してください。
注意:
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メールはポータルの作成時に有効にされ、デフォルトの配布リストが作成されることに注意してください。ポータル名が一意でないと、デフォルトの配布リストの作成が失敗します。そのような場合、デフォルトの配布リストを選択することが必要になります。
各ポータルで、配布リストは構成済のメール・サーバー(Exchange Serverなど)で作成され、これにはポータルのメンバーのメール・アドレスが含まれます。そのため、配布リストにメールを送信すると、そのポータルのすべてのメンバーがメールを受信します。ポータル・メンバーは、ユーザーまたはグループである場合もあります。そのような場合、メールはそのグループのメンバーにも送信されます。これらのグループには、自身に関連付けられたメールIDがない場合があります。「メールの送信」オプションで、メールがメンバーに送信される際に誰を含めるかを指定することができます。
デフォルトの配信リストの名前は、portal_name
@
mail_domain
です。たとえば、Finance Project
という名前のポータル用のデフォルトの配信リストは、FinanceProject@
mail_domain
になります。mail_domain
は、「メール・サーバー接続の編集」画面(Oracle Enterprise Managerを介してアクセス)の「LDAPドメイン」から導出されます。メンバーがポータルから脱退したりポータルに参加したりすると、WebCenter Portalがデフォルトの配信リストを自動的に更新して、ポータル・メンバーシップと同期します。ただしこの機能は、メール・サーバーがMicrosoft Exchangeで、Active Directory Server (ADS)がインストールされている場合のみ提供されます。
メール・サービスが切断されている場合、WebCenter Portalはポータルに自動的に作成されたデフォルトの配布リストを削除して、ポータルのすべてのメンバーにメールを送信しようとします(『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のポータル・メンバーまたはモデレータへのメールの送信に関する項を参照)。「メールの作成」ウィンドウが開き、「宛先」フィールドにメール配布リストが入力されるかわりに空白のままになります。
デフォルトの配信リストを使用するかわりに、次のようにポータルのメールの配信リストを変更できます。
「ツールとサービス」ページ(第7.8.1項「ポータルのツールとサービスの管理へのアクセス」を参照)で、「メール」を選択します(図48-1)。
あるいは、「ツールとサービス」ページに直接移動するには、ブラウザで次のURLを入力します。
http://
host:port
/webcenter/portal/
portalName
/admin
/services
(オプション)現在のメール配布リストを変更する手順は次のとおりです。
「配信リストの検索」アイコンをクリックして、新しい配布リストの名前を検索して選択します。
「配信リスト」フィールドが空白のままの場合、「メールの作成」ダイアログでは「宛先」フィールドに配信リストが表示されません。
「ポータル・ユーザーとのDL同期を維持」を選択して、指定した配布リストをポータル・メンバーシップと同期します。
このオプションを選択すると、ポータルでメンバーシップを取り消したメンバーのメール・アドレスを削除し、新しいメンバーのメール・アドレスを追加することにより、カスタムの配布リストが自動的に更新されます。
「メールの送信オプション」で、チェック・ボックスを任意の組合せで選択します。
「配信リストを含む」を選択すると、「メールの作成」ダイアログの「宛先」フィールドには、「配信リスト」で指定した値が移入されます(デフォルトのポータルのメール配信リストか、ユーザー指定のカスタム配信リスト)。
「メール・アドレスに関連付けられているすべてのメンバーとグループを含める」を選択すると、「メールの作成」ダイアログの「宛先」フィールドには、関連付けられたメール・アドレスを持つすべてのメンバーとグループのメール・アドレスが移入されます。
ポータルに定義されたグループに関連付けられたメール・アドレスがない場合は、「メール・アドレスに関連付けられているすべてのメンバーとグループを含める」を選択すると、「メールの作成」ダイアログの「宛先」フィールドに、ポータルの各グループ(関連付けられたメール・アドレスを持たない)から、関連付けられたメール・アドレスを持つすべてのポータル・メンバーのメール・アドレスが移入されます。
注意: この選択を行うと、非常に大きな配信リストが生成され、パフォーマンス問題やメール・サーバー・エラーが発生する可能性があります。システム管理者は、WLST |
「保存」をクリックします。
共有メール接続を使用するようにポータルが構成されている場合、ユーザーがWebCenter Portalのメール・サービスを使用してメールを送信する際に、資格証明を指定する必要はありません。
ポータルの共有メール接続を構成するには:
WebCenter Portalがメールの送信にWebCenter Portalのメール・サービスを使用していることを確認します。
Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「メールの送信」の通知の共有メール接続の有効化に関する項を参照してください。
必要な共有資格証明で構成されている外部アプリケーションを使用するメール接続を設定するようFusion Middleware管理者に依頼し、そのメール接続の名前を記録します。
詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の共有メール接続の設定に関する項を参照してください。
ポータル管理(第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、「属性」をクリックします。
「属性の追加」をクリックします。
「属性の追加」ダイアログで、表48-1にリストされた(および図48-2に示される)カスタム属性を入力し、「追加」をクリックします。
(オプション)デフォルトでは、パブリック・ユーザーや匿名ユーザーには「メールの送信」の通知が無効になっています。ポータル内でこれらを有効にするには、次に示すポータルのカスタム属性を追加します。
notifications.anonymous.enabled = true
「メールの送信」機能には、WebCenter Portalの「メール」コンポーネントは必要ありません。つまり、WebCenter Portalで「メール」が構成されていなくても、「WebCenter Portalのメール・サービス」オプションを使用して「メールの送信」機能を使用できます。
システム管理者は「メールの送信」機能が使用するメール・クライアント(「WebCenter Portalのメール・サービス」コンポーネントまたはローカル・メール・クライアントのいずれか)を決定します。デフォルト値はローカル・メール・クライアントです。システム管理者がこのメール・クライアント設定をユーザーがオーバーライドできるようにしている場合は、「メール・プリファレンス」ページで別のメール・クライアントを使用することを選択できます(図48-3)。
WebCenter Portalが複数のメール接続にアクセスできる場合、使用する接続を選択する方法も提供します。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の優先するメール接続の選択に関する項を参照してください。
「メール」では、使い慣れたメール機能がポータルに簡単に公開されます。「メール」は、通常のビジネス電子メールを提供する同じメール・サーバーで動作し、ポータルに公開されるメール・メッセージは、メール受信ボックスに表示されるのと同じメッセージです。また、多くの同じアクションもサポートされています。たとえば、添付ファイル付きメッセージの送信、メッセージの転送などが行えます。これは会社のメールに置き換わるものではありませんが、WebCenter Portal内でアクセスできるようにすることで、会社のメールを拡張します。
ユーザーは「WebCenter Portalのメール・サービス」コンポーネントを使用して、メールの表示、確認、作成、ファイルを添付しての作成、返信、転送、削除など、簡単なメール機能を実行できます。メールはすべて受信ボックスに格納され、そこからリンクを介してアクセスできます。
注意: メール機能の使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のメールの送信と表示に関する項を参照してください。 |
WebCenterメールは、受信ボックス・フォルダのみからメール・メッセージをフェッチします。他のフォルダからのメールのフェッチまたはメッセージの移動はサポートしていません。
IMAP4プロトコルとSMTPプロトコルに基づいたすべてのメール・サーバーがサポートされます。WebCenter Portalは複数のメール接続へのアクセスを提供します。ポータルのプリファレンス設定で選択することにより、異なるメール接続を使用できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の優先するメール接続の選択に関する項を参照してください。
「メール」タスク・フローはメール・サーバーの機能を公開します(図48-4)。「メール」タスク・フローは組込みイメージをレンダリングしないことに注意してください。電子メールにインライン・イメージが含まれる場合、メッセージ本文にではなく、添付ファイルとして表示されます。
「メール」タスク・フローは次の機能を提供します。
表示するメッセージを指定するためのメニュー
新しいメッセージの作成プロセスを開始するための「作成」アイコン
新しいメッセージを含むタスク・フローを更新するための「リフレッシュ」アイコン
ポータルの作成時に、すべてのポータル・メンバーのメーリング・リストを含むデフォルトのメール配信リストが自動的に作成されます。ポータル・モデレータは、異なる配布リストを構成できます。構成後は、ポータルへのメンバーの追加または削除の際に、メーリング・リストは自動的に更新されます。詳細は、第48.2項「ポータルのメール配信リストの構成」を参照してください。
ポータル・メーリング・リストに送信されたすべてのメールは、ポータル・ディスカッション・フォーラムにも投稿されます。
ユーザーはその他のポータル・ユーザーまたは「メール」コンポーネントをサポートするバックエンド・サーバーで認識される任意のユーザーにメールを送信できます。
「メール」をインスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)と統合することで、他のユーザーと連絡するための追加オプションが提供されます。各メール・メッセージには、送信者のユーザー名とステータス・アイコン(図48-5)が含まれています。ステータス・アイコンをクリックすると、チャット・セッションを開始または新しいメールを送信するためのオプションを含むコンテキスト・メニューを開くことができます。
注意: IMPがWebCenter Portalで構成されていない場合、ステータス・アイコンがグレー表示されます。インスタント・メッセージおよびプレゼンスの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のインスタント・メッセージおよびプレゼンス・ビューアの使用に関する項を参照してください。 |
ページ編集権限を持つユーザーは、Composerの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログを使用してタスク・フローのリージョン・パラメータにアクセスできます。「メール」タスク・フロー・プロパティの設定の詳細は、第48.6項「メール・サービスのタスク・フロー・プロパティの設定」を参照してください。
「メール」タスク・フローでは、ポータルのコンテキスト内に会社のメール・サーバー機能が公開されます。「メール」タスク・フローを使用すると、個人メールの表示、返信および管理が行えます。
ページに「メール」タスク・フローを追加する手順は、第14.2項「ページへのコンポーネントの追加」を参照してください。
ヒント: デフォルトでは、「メール」タスク・フローは、デフォルトのリソース・カタログに含まれています。このコンポーネントの有無や場所は、リソース・カタログの構成方法によって異なります。たとえば、デフォルトのリソース・カタログでは、「ソーシャルとコミュニケーション」フォルダを開き、「メール」の横の「追加」をクリックします。 |
この項では、「メール」タスク・フローの使用方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
ローカル・メール・クライアントを使用している場合、WebCenter Portal内のメールにアクセスするには、まず、メールのログイン資格情報を指定する必要があります。初めて「メール」タスク・フローにアクセスすると、図48-6に示されているメッセージが表示されます。すべてのユーザーはメールにアクセスする際には最初にログインする必要があります。
「メール」タスク・フローにログインするには、次の手順を実行します。
「メール」タスク・フローに移動し、「メールにログイン」リンク(図48-6)をクリックします。
「外部アプリケーション・ログイン」ダイアログ(図48-7)が開きます。
注意: 「外部アプリケーション・ログイン」ダイアログには、この画面を提供するサービスの要件に応じて、追加のフィールドおよび情報が含まれている場合があります。外部アプリケーション、およびWebCenter Portalへのログイン資格情報の格納の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の外部アプリケーションのログイン情報の指定に関する項を参照してください。 |
ユーザー名とパスワード、およびメール・アプリケーションに必要なその他のログイン資格証明を入力します。
必須フィールドには、アスタリスク(*)が付いています。
(オプション)「ログイン情報を保存する」を選択して資格情報を格納します。
次回WebCenter Portalにログインするときには、記憶領域からメール資格証明が取得され、ログインできます。
「OK」をクリックすると、「メール」タスク・フローにより、受信ボックスからメールが表示されます。
注意: デフォルトで、メール・サーバー受信ボックス・フォルダから50件の最新メール・メッセージが表示されます。ただし、必要に応じて、追加のメールのフェッチが必要とするメモリー・キャッシュの増加をサーバーがサポートしている場合、システム管理者はこれをより高い値に構成できます。環境に適した値にするように注意する必要があります。この値はすべてのユーザーに影響します。つまり、メール・サービスが200件の最新メール・メッセージを読み取るように構成される場合、メール・サービスはすべてのユーザーの200件のメール・メッセージを読み取ります。 |
「メール」タスク・フローには、関連付けられているプロパティがあります。このプロパティには、十分な権限を持つユーザーがコンポーザの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログからアクセスできます(図48-8)。
次の項では、「メール」タスク・フローのプロパティに関する情報を提供し、「パラメータ」タブのプロパティについて説明します。
デフォルトのタスク・フロー・コンテンツは、「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「パラメータ」タブ上のプロパティによって制御されます。このタブのパラメータの詳細は、第48.6.2項「「メール」タスク・フローのパラメータ」を参照してください。一部のタスク・フローでは、このタブのパラメータにより、ページ・パラメータやページ定義変数へのタスク・フローの結付けが容易になります。詳細は、第19章「ページ、タスク・フロー、ポートレットおよびADFコンポーネントの結付け」を参照してください。
「表示オプション」タブ、「スタイル」タブおよび「コンテンツ・スタイル」タブのプロパティを変更すると、すべてのユーザーのタスク・フローの外観と動作に影響します。これらのプロパティは、すべてのタスク・フローに共通しています。詳細は、第14.3項「コンポーネントの変更」を参照してください。
「イベント」タブのコンテンツは、タスク・フローでサポートされるイベントによって異なります。詳細は、第14.3.7項「コンポーネントのコンテキスト・イベントの使用」を参照してください。
「子コンポーネント」タブには、現在のコンポーネントに含まれているすべてのコンポーネントが表示されます。このタブには、子コンポーネントを並べ替えたり、表示/非表示を切り替えるためのコントロールが用意されています。このタブには、子コンポーネントを並べ替えたり、表示/非表示を切り替えるためのコントロールが用意されています。詳細は、第14.3.5項「子コンポーネントの使用」を参照してください。
「パラメータ」タブと「表示オプション」タブのすべてのプロパティから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。エディタを開くには、プロパティ・フィールドの横にある「編集」アイコンをクリックします。
注意: 「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「表示オプション」タブで汎用の表示オプションについてELを入力すると、入力内容が自動的に検証されます。EL構文が無効な場合、エラーが表示され、値は適用も保存もされません。汎用の表示オプションとは、表14-1に掲載されているオプションです。 汎用以外の表示オプションには、ELの検証は行われません。 |
EL式に関してサポートが必要な場合、アプリケーション開発者がEL式を提供できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の式言語式に関する付録を参照してください。
「メール」タスク・フローには、1つの関連するリージョン・パラメータ(Tabular
)があります。EL値タイプを使用して、true
の値を入力し、件名、送信者、送信日などのメール・メッセージに関連付けられた情報を表形式で表示します。図48-9に、表形式の「メール」タスク・フローを示します。