ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7)
B61381-06
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

6 取引パートナ・アグリーメントの作成とデプロイ

この章では、起案者および応答者の2つの取引パートナがビジネス・ドキュメントを交換できるようにするための条件が定義される取引パートナ・アグリーメントについて説明します。また、取引パートナ・アグリーメントを使用して、取引パートナ、取引パートナ識別子、ドキュメント定義およびチャネルを識別する方法についても説明します。

図6-1に示すように、Oracle B2Bプロセス・フローの最後の手順は、アグリーメントの作成およびデプロイです。

図6-1 Oracle B2Bプロセス・フロー

Oracle B2Bプロセス・フロー
「図6-1 Oracle B2Bプロセス・フロー」の説明

この章には次のトピックが含まれます:

詳細は、次を参照してください:

6.1 アグリーメントの概要

アグリーメントは、ホスト取引パートナおよび1つのリモート取引パートナの2つの取引パートナで構成され、これらのパートナ間におけるビジネス・トランザクションのタイプを表します。たとえば、Acme社とGlobalChips社がEDIFACTとRosettaNetの相互の交換に参加している場合は、各交換についてアグリーメントを作成します。交換が双方向の場合は、各方向についてアグリーメントが必要です。

たとえば、汎用ファイル・プロトコルを使用して送信するカスタム・ドキュメントを使用して、Acme社が販売オーダーをGlobalChips社に送信する場合は、Acme社がオーダーを送信するアウトバウンド方向のアグリーメント、およびAcme社が受信者になるインバウンド方向のアグリーメントを作成します。アグリーメントのコンポーネントに対する変更(ドキュメント定義の変更など)は、そのアグリーメントで自動的に有効になります。

アグリーメントの作成は、B2Bトランザクションの設計の最終ステップです。アグリーメントを作成する前に、ドキュメント定義の作成と取引パートナの構成を完了しておく必要があります。詳細は、第4章 ドキュメント定義の作成、および第5章 取引パートナの構成を参照してください。

6.2 アグリーメントの作成

図6-2に、アグリーメントを使用するためのOracle B2Bインタフェースを示します。リモート取引パートナのアグリーメントをホスト取引パートナとともに確認するには、リモート取引パートナ名をクリックします。

図6-2 アグリーメントの作成

アグリーメントの作成
「図6-2 アグリーメントの作成」の説明

図6-3に、アグリーメントを作成する手順を示します。

図6-3 アグリーメントの作成手順(ワークフローの概要)

アグリーメントの作成手順
「図6-3 アグリーメントの作成手順(ワークフローの概要)」の説明

手順1: リモート取引パートナの識別

ホスト取引パートナはアグリーメントに自動的に含まれるため、リモート取引パートナのみを識別する必要があります。これを行うには、次の2つの方法があります。1つは、「パートナ」リージョンからパートナを選択してアグリーメントを追加する方法です。もう1つは、ホスト取引パートナを選択して、「アグリーメント」リージョンの「追加」をクリックし、「新規アグリーメント」リージョンの「パートナの選択」ボタンをクリックする方法です。

手順2: ドキュメント定義の選択

ドキュメント定義はホスト取引パートナに対して選択します。図6-4に示すように、選択内容は「ドキュメント定義の選択」ダイアログに反映されます。

図6-4 ドキュメント定義の選択

ドキュメント定義の選択
「図6-4 ドキュメント定義の選択」の説明

アウトバウンドとインバウンドの両方のアグリーメントが必要になる交換の場合は、次の手順を実行します。

手順3: アグリーメントのIDと名前の指定

アグリーメント識別子とアグリーメント名を指定します。これらのフィールドには同じ値を指定できます(追跡するために同じ値にする必要がある場合)。

手順4: 検証、変換および機能確認のオプションの選択

表6-1では、アグリーメントの作成時に設定可能な検証、変換および機能確認のオプションについて説明します。

表6-1 アグリーメントのオプション

オプション 説明

検証

構成済のECSファイルに対してドキュメントの検証を有効にする場合に選択します。

変換

XMLからネイティブ・フォーマットへの変換、またはその逆の変換(例: EDIとHL7の間の変換)を有効にする場合に選択します。「トランスレーション」が選択されていない場合(トランスレーションなし)は、「B2BでFAを処理」プロパティの値に関係なく、B2Bで機能確認を含むビジネス・メッセージを相関付けることはできません。プロパティの詳細は、付録D.1「Fusion Middleware Controlで設定するプロパティ」を参照してください。

機能確認

成功またはエラーの条件に対して機能確認を有効にする場合に選択します。

B2Bによって処理されるFA

trueに設定すると、B2BでインバウンドEDIおよびHL7メッセージの機能確認(FA)メッセージが自動生成されます。インバウンドFAメッセージが使用されるのは、このオプションがtrueの場合です。このオプションをfalseに設定すると、B2BでFAドキュメントは自動生成されません。バックエンド・アプリケーション(ミドルウェア)がFAを生成し、アウトバウンド・メッセージとしてB2Bに提供する必要があります。このオプションを「false」に設定すると、インバウンドFAドキュメントはバックエンド・アプリケーションに戻されます。

(アグリーメント・レベルの設定が示すとおり)ドキュメントにFAが必要ない場合、このオプションは無視されます。このプロパティのデフォルト値はtrueです。

詳細は、付録D.1「Fusion Middleware Controlで設定するプロパティ」を参照してください。

「B2Bによって処理される機能確認」をfalseに設定する場合は、バックエンド・アプリケーションに送信するインバウンドFAに対する「インバウンド機能確認の通知」もfalseに設定する必要があります。(「B2Bによって処理される機能確認」がfalseに設定されているときに)「インバウンド機能確認の通知」をtrueに設定すると、着信997 (FAドキュメント)によって通知のみが生成され、着信997自体はバックエンド・アプリケーションに戻されません

ドキュメント再試行間隔

ドキュメント再試行間隔の時間を分単位で入力します。再試行の構成の詳細は、第5.5.7項 配信再試行オプションの構成を参照してください。

ドキュメント再試行数

メッセージを再試行する回数を入力します。再試行の構成の詳細は、第5.5.7項 配信再試行オプションの構成を参照してください。


手順5: リモート取引パートナのチャネルの選択

リモート取引パートナの設定時に作成したチャネルのリストが表示されます(リスニング・チャネルはアグリーメントに含まれません)。

手順6: 識別子の追加

ホスト取引パートナおよびリモート取引パートナの識別子タイプがリストされます。このアグリーメントに適用する識別子を選択します。複数の識別子を選択するには、[Shift]キーを押しながら識別子をクリックします。

アウトバウンド・アグリーメントについては、表6-2にリストされている識別子タイプを交換プロトコルとともに使用します。

表6-2 交換プロトコルとともに使用する識別子タイプ

交換プロトコル 識別子タイプ

Generic File-1.0

名前

Generic FTP-1.0

名前

Generic SFTP-1.0

名前

Generic AQ-1.0

名前

Generic JMS-1.0

名前

AS2 - 1.1

名前、AS2識別子

AS1-1.0

名前、AS1識別子

ebMS-1.0、ebMS-2.0

名前、ebMS識別子

RosettaNet-V02.00、RosettaNet-01.10

名前、DUNS

MLLP exchange

名前、MLLP ID

Generic HTTP-1.0

名前、一般識別子

Generic Email-1.0

名前、一般識別子


識別子タイプの詳細は、第10章 タイプの作成を参照してください。

手順7: アグリーメントの保存と検証

「保存」をクリックすると、アグリーメントが保存されて検証されます。

アグリーメントを作成するには:

  1. 「パートナ」タブをクリックします。

  2. 「アグリーメント」リージョンで、「追加」をクリックします。

  3. 「パートナの選択」をクリックします。

  4. リモート取引パートナを選択します。

  5. 「ドキュメント定義の選択」をクリックします。

  6. 起案者のドキュメント定義を選択します。

  7. アグリーメントのIDと名前を指定します。

  8. 表6-1の説明に従って、検証、変換および機能確認のオプションを選択します。

  9. 必要に応じて、説明、コールアウト(すでに作成済の場合)、開始日と終了日を指定します。

    コールアウトを使用して、ホスト取引パートナとリモート取引パートナの間で交換するメッセージの書式を変換します。第13章 コールアウトの管理を参照してください。

    ここで入力した終了日を経過すると、アグリーメントは期限切れになるためデプロイできません。

  10. ホスト取引パートナに対して、「追加」をクリックして識別子を選択します。

  11. リモート取引パートナに対して、チャネルを選択します。

  12. リモート取引パートナに対して、「追加」をクリックして識別子を選択します。

  13. 「保存」をクリックします。

アグリーメントの作成が完了すると、デプロイの準備が整います。アグリーメントは、「管理」「デプロイ」ページにリストされます。第6.3項 アグリーメントのデプロイを参照してデプロイを続行します。

6.3 アグリーメントのデプロイ

デプロイメントは、アグリーメントを設計時リポジトリから実行時リポジトリにアクティブ化するプロセスです。

アグリーメントをデプロイした後に、「デプロイメントの管理」タブおよび「レポート」タブを使用します。詳細は、次を参照してください:

アグリーメントの作成、保存および検証を行った後は、次の方法でアグリーメントをデプロイできます。

図6-5 「デプロイ」タブ: 有効なアグリーメントのリスト

「デプロイ」タブ: 有効なアグリーメントのリスト
「図6-5 「デプロイ」タブ: 有効なアグリーメントのリスト」の説明


注意:

プロパティb2b.deploy.validation=falseを設定して、デプロイメント中は検証をオフにします。

このプロパティは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlで設定します。プロパティを変更する場合は、SOAサーバーを再起動する必要があります。詳細は、付録D.1「Fusion Middleware Controlで設定するプロパティ」を参照してください。


「デプロイ」タブからアグリーメントをデプロイするには:

  1. 「管理」タブをクリックします。

  2. 「デプロイ」タブをクリックします。

  3. デプロイするアグリーメントを検索するには、検索パラメータを使用して「検索」をクリックします。

  4. 1つ以上のアグリーメントを強調表示して、「デプロイ」をクリックします。

6.3.1 アグリーメントの再デプロイ

以前にデプロイしたアグリーメントをデプロイすると、最初のバージョンは非アクティブ状態になり、最後にデプロイされたアグリーメントがアクティブになります。

6.4アグリーメントの削除とエクスポート

削除できるのは、ドラフト状態のアグリーメントのみです。アグリーメントをパージすると、そのアグリーメントのステータスはドラフト状態に戻ります。アクティブ、非アクティブまたはリタイアした状態のデプロイ済バージョンがあるアグリーメントは削除できません。

アグリーメントをZIPファイルにエクスポートするには、「アグリーメント」タブの「エクスポート」ボタンを使用します。