Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド 11gリリース1 (11.1.1.7.0) B52028-05 |
|
前 |
次 |
この付録では、Oracle ADF Fusion Webアプリケーションで使用できる様々な種類のデータ・コントロールについて説明します。また、データ・コントロールの種類ごとに、データ・アクセス機能の実装方法を簡単に比較します。
この付録には、次の項が含まれます。
データ・コントロールは、基本的に、ソースからのデータをADF Fusion Webアプリケーションのユーザー・インタフェースで使用できるように橋渡しをします。データ・コントロールのオブジェクトを使用して、データバインドされたユーザー・インタフェース・コンポーネントを作成することができます。
最も一般的に使用されているデータ・コントロールの種類は次のとおりです。
ADFビジネス・コンポーネント・データ・コントロール
この種類のデータ・コントロールは、ADFビジネス・コンポーネント・アプリケーションでアプリケーション・モジュールを作成したときにJDeveloperにより生成されます。
詳細は、12.3項「データ・コントロール・パネルの使用」を参照してください。
JavaBeanデータ・コントロール
この種類のデータ・コントロールは、POJO (Plain, Old Java Object)からデータ構造を取得します。
JavaBeanデータ・コントロールを作成するには、アプリケーション・ナビゲータでJavaクラス・ファイルを右クリックし、「データ・コントロールの作成」を選択します。
JavaBeanデータ・コントロールで使用できるデータ・コントロール・オブジェクトの詳細は、H.3項「データ・コントロール・オブジェクト」を参照してください。
EJBデータ・コントロール
EJBデータ・コントロールは基本的にはJavaBeanデータ・コントロールと同じですが、データ構造の取得に、EJBアーキテクチャにもともと備わっている機能が使用される点が異なります。
EJBデータ・コントロールは新規ギャラリから作成することができます。「Business Tier」ノードを展開し、「Data Controls」、「EJBデータ・コントロール」の順に選択し、「OK」をクリックします。
EJBデータ・コントロールで使用可能なデータ・コントロール・オブジェクトについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Java EE開発者ガイド』を参照してください。
URLサービス・データ・コントロール
URLサービス・データ・コントロールを使って、指定されたURLからデータ・ストリームにアクセスし、これを使用することができます。この種類のデータ・コントロールは更新できません。
URLサービス・データ・コントロールは新規ギャラリから作成することができます。「Business Tier」ノードを展開し、「Data Controls」、「URLサービス・データ・コントロール」の順に選択し、「OK」をクリックします。
URLサービス・データ・コントロールで使用できるデータ・コントロール・オブジェクトの詳細は、H.3項「データ・コントロール・オブジェクト」を参照してください。
Webサービス・データ・コントロール
Webサービス・データ・コントロールは、Webサービスで使用されるデータ構造をWSDLから取得します。
Webサービス・データ・コントロールは新規ギャラリから作成することができます。「Business Tier」ノードを展開し、「Data Controls」、「Webサービス・データ・コントロール」の順に選択し、「OK」をクリックします。
詳細は、13.3項「Webサービス・データ・コントロールの作成」を参照してください。
JMXデータ・コントロール
JMXデータ・コントロールは、JMX MBeanの構造をMBean Serverから取得します。
JMXデータ・コントロールは新規ギャラリから作成することができます。「Business Tier」ノードを展開し、「Data Controls」、「JMXデータ・コントロール」の順に選択し、「OK」をクリックします。JMXデータ・コントロール作成の詳細は、JMXデータ・コントロールの作成ウィザードのオンライン・ヘルプを参照してください。
JMXデータ・コントロールを作成するには、まず、JMX接続が必要です。JMX接続の詳細は、「JMX接続の作成」ダイアログのオンライン・ヘルプを参照してください。
JMXデータ・コントロールで使用できるデータ・コントロール・オブジェクトの詳細は、H.3項「データ・コントロール・オブジェクト」を参照してください。
プレースホルダ・データ・コントロール
プレースホルダ・データ・コントロールは、従来のデータ構造を必要としない、特別な種類のデータ・コントロールです。名前が暗示しているとおり、これはUI開発中に使用できるプレースホルダで、使用可能になったときに、実際のデータと置き換えられます。
プレースホルダ・データ・コントロールは新規ギャラリから作成することができます。「Business Tier」ノードを展開し、「Data Controls」、「プレースホルダ・データ・コントロール」の順に選択し、「OK」をクリックします。
詳細は、第29章「プレースホルダ・データ・コントロールによるページの設計」を参照してください。
使用を選択したデータ・コントロールの種類は、データ・アクセス機能の実装方法を左右します。表H-1はデータ・コントロールの種類ごとに、一般に使用されるデータ・アクセス機能の実装方法を比較したものです。
表H-1 データ・コントロールにおける機能実装の比較
ADFビジネス・コンポーネント・データ・コントロール | JavaBean データ・コントロール |
EJB データ・コントロール |
Webサービス・データ・コントロール | URLサービス・データ・コントロール | JMXデータ・コントロール | プレースホルダ・データ・コントロール | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
af:Query |
宣言 |
宣言 |
宣言 |
プログラム的に実装 |
使用不可 |
使用不可 |
使用不可 |
af:quickQuery |
宣言 |
宣言 |
宣言 |
プログラム的に実装 |
使用不可 |
使用不可 |
使用不可 |
af:inputComboListOfValues |
宣言 |
宣言 |
宣言 |
プログラム的に実装 |
使用不可 |
使用不可 |
宣言 |
af:Calendar |
宣言 |
プログラム的に実装 |
プログラム的に実装 |
プログラム的に実装 |
使用不可 |
使用不可 |
使用不可 |
af:Media |
宣言 |
プログラム的に実装 |
プログラム的に実装 |
プログラム的に実装 |
使用不可 |
使用不可 |
使用不可 |
この表に"プログラム的に実装"と表示されている機能は、特定のデータエントリ・コンポーネントで使用されるビジネス・クラスの実装に必要なJavaクラスを使用して実装できます。詳細は、該当するクラスのJavadocを参照してください。
「データ・コントロール」パネルでは、各データ・コントロール・オブジェクトがアイコンで表されます。表H-2は、各アイコンが表すもの、「データ・コントロール」パネルの階層内で表示される場所、そのアイコンを使用して作成できるコンポーネントを示しています。
「データ・コントロール」パネルから項目をドラッグし、それを特定のUIコンポーネントとしてページ上にドロップすることで、データバインドされたユーザー・インタフェースを設計できます。
表H-2で説明されているオブジェクトは、特に明記されていない限り、JavaBeanデータ・コントロール、JBデータ・コントロール、JMXデータ・コントロール、URL Serviceデータ・コントロールに該当します。その他の種類のデータ・コントロールで使用可能なデータ・コントロール・オブジェクトの詳細は、H.1項「データ・コントロールの概要」にリストされている目的の種類のデータ・コントロールのドキュメントを参照してください。
表H-2 「データ・コントロール」パネルのアイコンおよびJavaBean、EJBおよびURLのオブジェクト階層
アイコン | 名前 | 説明 | 作成できるコンポーネント |
---|---|---|---|
|
データ・コントロール |
データ・コントロールを表します。データ・コントロール自体を使用してUIコンポーネントを作成することはできませんが、そのデータ・コントロールの下に表示される子オブジェクトは使用できます。複数のデータ・コントロールが存在する可能性もあります。これらはそれぞれ、データ関数の論理グループを表しています。 一般に、与えられたソース1つにつき、データ・コントロールは1つ(Bean、EJBまたはURL)です。ただし、他のタイプのオブジェクト(アプリケーション・モジュール、Webサービスなど)に対して作成された追加のデータ・コントロールがある場合があります。 |
他のオブジェクトのコンテナとして機能します。なし。 |
|
メソッドの作成 |
Javaの新しいコンストラクタ・コールを使用してデータ・コレクション内にオブジェクトの新規インスタンスを作成する組込みメソッドを表します。「メソッドの作成」アイコンは、これらのアイコンが属するデータ・コレクションにちなんだ名前の付けられたノード内にあります。これらのデータ・コレクション・ノードは、このデータ・コントロールの下にあるConstructorsノード内にあります。作成メソッドの下に子として表示されるAttributesノードには、このデータ・コレクションの属性すべてが含まれます。このコレクションに、別のコレクションからの属性(リレーショナル・データベースで外部キーと呼ばれるもの)が含まれている場合、この属性は、アクセッサ戻りアイコンで表されます。この場合、アクセッサは単一オブジェクトを戻します。 このオブジェクトは、URLサービス・データ・コントロールでは使用できません。URLサービス・データ・コントロールは更新できないため、作成できるオブジェクトのインスタンスはありません。 このオブジェクトは、JMXデータ・コントロールでは使用できません。 |
作成フォーム。 |
|
メソッド |
パラメータを受け入れ、なんらかのアクションまたはビジネス・ロジックを実行し、データまたはデータ・コレクションを戻すことのできる、データ・コントロールのカスタム・メソッドを表します。メソッドが URLサービス・データ・コントロールは、URLのコンテンツを取得するメソッド |
ボタンやリンクなどのUIのアクション。 |
|
メソッド戻り値 |
カスタム・メソッドによって戻されたデータ・コレクションを表します。メソッド戻りは、これを戻すメソッドの下に、子として表示されます。メソッド戻りの下に子として表示されるオブジェクトは、コレクションの属性、親コレクションに関連するコレクションを表すアクセッサ戻り、親コレクションに関連するアクションを実行するその他のメソッドおよび親コレクションで実行できる操作です。 |
フォーム、表、ツリーおよび範囲のナビゲーション・コンポーネント。 |
|
アクセッサ戻り値 |
ビジネス・サービスでBean形式のアクセッサ・メソッドによって返されるオブジェクトを表します。戻されるオブジェクトがJavaBeanである場合、アクセッサ・メソッドが使用されます。アクセッサ戻りは、メソッド戻りの下、別のアクセッサ戻りまたは組込みcreateメソッドの下にあるAttributesノードの中に子として表示されます。アクセッサ戻りは、親コレクション内の現在のオブジェクトに関係するオブジェクトです。この関係は、通常、両方のオブジェクトに共通する一意の属性に基づいています。たとえば、あるメソッドがユーザーのコレクションを戻す場合、このコレクションの子であるアクセッサ戻りは、特定のユーザーに割り当てられているサービス要求のコレクションである可能性があります。ADFでは、親および子コレクション間の関係はマスター/ディテール関係と呼ばれます。マスター/ディテール・オブジェクトの詳細は、第24章「マスター/ディテール・データの表示」を参照してください。 アクセッサ戻りは、コレクション、または単一オブジェクトです。たとえば、あるメソッドがサービス要求のコレクションを戻す場合、このメソッドの下のアクセッサ戻りの1つは、現在のサービス要求に対するサービス履歴の詳細のコレクションで、別のアクセス戻りは現在のサービス要求に割り当てられているシングル・ユーザーである可能性があります。デフォルトでは、データ・コントロールがPOJOを経由して、セッションBeanから作成されている場合、コレクションを戻すアクセッサの名前は アクセッサ戻りの下の子は、コレクションまたはオブジェクトの属性、他のアクセッサ戻り、コレクションまたはオブジェクトから値を戻すカスタム・メソッド、およびコレクションまたはオブジェクトに対して実行できる操作などです。組込みcreateメソッドの下のアクセッサ戻りは必ず単一オブジェクトで、子を持つことはありません。 |
コレクションの場合: フォーム、表、ツリー、レンジ・ナビゲーションの各コンポーネント、およびマスター/ディテール・ウィジェット。 単一オブジェクトの場合: フォーム、マスター/ディテール・ウィジェットおよび選択リスト。 コンストラクタの下の単一オブジェクトの場合: 選択リストのみ。 |
|
属性 |
オブジェクト内の個別データ要素を表します。属性は、メソッド戻りまたはアクセッサ戻りの下に子として表示されます。 |
ラベル、テキスト・フィールドおよび選択リストの各コンポーネント。 |
|
操作 |
親オブジェクトに対してアクションを実行する、組込みデータ・コントロール操作を表します。操作にパラメータが必要な場合は、メソッドの下に必須パラメータのリストを示すフォルダが表示されます。データ・コントロール操作は、メソッド戻りまたはアクセッサ戻りの下の「操作」ノード、およびルート・データ・コントロール・ノードの下に表示されます。特定のメソッド戻りまたはアクセッサ戻りの子である操作はその戻りオブジェクトに対してのみ作用しますが、データ・コントロール・ノードの下の操作は、データ・コントロールが表すオブジェクトすべてに作用します。 URLサービス・データ・コントロールは更新できないため、取得およびナビゲーション操作のみ可能です。 |
ボタンやリンクなどのUIのアクション。 |
|
パラメータ |
メソッドまたはその下に表示される操作によって宣言されたパラメータ値を表します。パラメータは、メソッドまたは操作の下のフォルダに表示されます。 URLサービス・データ・コントロールのパラメータは、ユーザーがURLに入れて渡したパラメータです。これらは、URLサービス・データ・コントロールが作成されたときに、 |
ラベル、テキストおよび選択リストの各コンポーネント。 |