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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理の構成と管理
11gリリース1 (10.3.6)
B60997-10
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3 JDBCデータ・ソースの構成

この章では、JDBCデータ・ソースの構成方法とチューニング方法について説明します。

JDBCデータ・ソースの理解

WebLogic Serverでデータベース接続を構成するには、データ・ソースをWebLogicドメインに追加します。WebLogic JDBCデータ・ソースにより、データベースへのアクセスおよびデータベース接続管理が可能になります。各データ・ソースには、データ・ソースの作成時とサーバーの起動時に作成されるデータベース接続のプールが含まれています。アプリケーションは、JNDIツリーまたはローカル・アプリケーション・コンテキストでデータ・ソースをルックアップしてから、getConnection()を呼び出してデータ・ソースからデータベース接続を確保します。接続の使用後に、アプリケーションは、できるだけ早くconnection.close()を呼び出す必要があります。これにより、データベース接続をプールに戻して、他のアプリケーションが使用できるようにします。

WebLogic Server JDBCデータ・ソースのタイプ

WebLogic Serverは、次の3種類のデータ・ソースを提供します。

JDBCデータ・ソースの作成

WebLogicドメインにJDBCデータ・ソースを作成するには、管理コンソールまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用します。

次の各項では、管理コンソールからデータ・ソースの構成ウィザードを使用して、データ・ソースを作成するために使用する基本手順の概要について説明します。

JDBCデータ・ソースのプロパティ

「JDBCデータ・ソースのプロパティ」には、データ・ソースのアイデンティティを決定するオプションと、データベース接続でデータを処理する方法を決定するオプションがあります。

データ・ソース名

JDBCデータ・ソースの名前は、WebLogicドメイン内でデータ・ソースを識別するために使用されます。システム・リソース・データ・ソースの場合、そのリソース以外のすべてのJDBCシステム・リソース(データ・ソースおよびマルチ・データ・ソースを含む)間で一意の名前にする必要があります。名前の競合を避けるために、データ・ソースの名前は、その他の構成オブジェクト(サーバー、アプリケーション、クラスタ、JMSキュー、JMSトピック、JMSサーバーなど)の名前の間でも一意にする必要があります。特定のアプリケーションにスコープ設定されたJDBCアプリケーション・モジュールの場合、データ・ソースの名前は、同様にスコープ設定されたJDBCデータ・ソースおよびマルチ・データ・ソース間で一意にする必要があります。

JNDI名

単一の名前または複数の名前でJNDIツリーにバインドされるように、データ・ソースを構成します。単一のJDBC接続プールを指す複数のデータ・ソースを含む従来の構成のかわりに、複数JNDI名のデータ・ソースを使用できます。詳細は、『Oracle WebLogic Server JNDIのプログラミング』を参照してください。

データベース・タイプの選択

DBMSを選択します。サポート対象のデータベースの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの新機能』のサポート対象の構成に関する項を参照してください。

JDBCドライバの選択

管理コンソールを使用してJDBCデータ・ソースを作成すると、JDBCドライバ・クラスの選択を求めるプロンプトが表示されます。管理コンソールには、一般的なドライバ・クラス名の大部分が表示され、ほとんどの場合、ドライバの必要に応じたURLの作成が支援されます。ただし、コンソールでURLをテストする前に、そのURLが適切であることを確認してください。選択するドライバは、データ・ソースのデプロイ先のすべてのサーバーのclasspathに含まれている必要があります。管理コンソールに一覧表示されたすべてのJDBCドライバが、WebLogic Serverに付属している(または、classpathにすでに含まれている)わけではありません。

  • Oracle Thinドライバ

    • Oracle ThinドライバXA

    • Oracle Thinドライバ非XA

  • Oracle BI Serverのドライバ(タイプ4): Any

  • サード・パーティ製のJDBCドライバ(「WebLogic ServerでのJDBCドライバの使用方法」を参照):

    • MySQL (非XA)

  • 次に示すデータベース管理システム用の、WebLogicブランドのDataDirectドライバ(「WebLogicブランドのDataDirectドライバの使用」を参照):

    • DB2

    • Informix

    • Microsoft SQL Server

    • Sybase

これらのすべてのドライバは、weblogic.jarマニフェスト・ファイルで参照されるため、サーバーのclasspathに明示的に定義されている必要はありません。

データベースへの接続に使用するJDBCドライバを決定する際には、目的の環境で様々なベンダーのドライバを試してみることが必要です。通常、JDBCドライバのパフォーマンスは、アプリケーションで使用するSQLコードやJDBCドライバの実装など、様々な要因に応じて変化します。

サポート対象のJDBCドライバの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの新機能』のサポート対象の構成に関する項を参照してください。


注意:

データ・ソースの作成時に、管理コンソールに一覧表示されるJDBCドライバには、WebLogic Serverでの使用が保証されていないものもあります。JDBCドライバの一覧は、多数の使用可能なデータベース管理システムへの接続を円滑に作成するための利便性を目的として示されます。

JDBCドライバを使用してデータ・ソースにデータベース接続を作成するには、データ・ソースをデプロイするサーバーごとにJDBCドライバをインストールする必要があります。管理コンソールに一覧されるドライバは、データ・ソースの構成に役立つ既知の必須構成オプションとともに示されます。この一覧には、インストールされていないJDBCドライバも表示されます。ドライバのインストールには、システムのPathやClasspathなどの環境変数の設定が含まれることがあります。「サードパーティJDBCドライバに対する環境設定」を参照してください。JDBCドライバの更新に伴って、構成要件が変更されることがあります。管理コンソールは、WebLogic Serverソフトウェアがリリースされた時点での既知の構成要件を使用します。JDBCドライバの構成オプションが変更されているときには、その構成オプションの手動でのオーバーライドが必要になる場合があります。その場合、データ・ソースの作成時またはデータ・ソースの作成後にプロパティのページでオプションをオーバーライドします。


トランザクション・オプションの構成

管理コンソールを使用してJDBCデータ・ソースを構成すると、WebLogic ServerはJDBCドライバの種類に応じて特定のトランザクション・オプションを自動的に選択します。

  • XAドライバの場合、システムはグローバル・トランザクション処理のための「2フェーズ・コミット」プロトコルを自動的に選択します。

  • 非XAドライバの場合、ローカル・トランザクションは定義によってサポートされ、WebLogic Serverは次のオプションを提示します。

    グローバル・トランザクションのサポート: グローバル・トランザクションでデータ・ソースからの接続を使用する場合は、XAドライバを選択していないときにも、このオプションを選択します(デフォルトで選択済)。詳細は、「非XA JDBCドライバでのグローバル・トランザクションのサポートの有効化」を参照してください。

    「グローバル・トランザクションのサポート」を選択する場合は、グローバル・トランザクションを処理するときに、トランザクション・ブランチに使用するWebLogic Serverのプロトコルも選択する必要があります。

    • ロギング・ラスト・リソース: このオプションを選択すると、接続を使用するトランザクション・ブランチは、トランザクションのラスト・リソースとして処理され、ローカル・トランザクションとして処理されます。2フェーズ・コミット(2PC)トランザクションのコミット・レコードは、リソース自体の表に挿入され、その結果によりグローバル・トランザクションの準備フェーズの成功または失敗が決定されます。このオプションは、「2フェーズ・コミットのエミュレート」と比べて、パフォーマンス上の利点があり、データの安全性も向上しますが、いくつかの制限があります。「「ロギング・ラスト・リソース」トランザクション・オプションの理解」を参照してください。


      注意:

      ロギング・ラスト・リソースは、マルチ・データ・ソースで使用したデータ・ソースについてはサポートされていません。ただし、「LLRデータ・ソースに関する管理上の考慮事項と制限事項」で説明するように、Oracle RACバージョン10Gリリース2 (10GR2)以降で使用していたデータ・ソースを除きます。


    • 2フェーズ・コミットのエミュレート: このオプションを選択すると、接続を使用するトランザクション・ブランチは、トランザクションの準備フェーズの結果として常に成功を戻します。これは、パフォーマンス上の利点がありますが、障害の状況によってはデータに危険が及びます。このオプションは、ヒューリスティックな状況に耐えられるアプリケーションでのみ使用してください。「2フェーズ・コミットのエミュレート・トランザクション・オプションの理解」を参照してください。

    • 1フェーズ・コミット: このオプションを選択すると(デフォルトで選択済)、データ・ソースからの接続のみがグローバル・トランザクションに関与するようになり、そのトランザクションは1フェーズ・コミット最適化を使用して完了します。トランザクションに複数のリソースが関与していると、トランザクション・マネージャが1PCリソースのXAResource.prepareを呼び出したときに、例外がスローされます。

データ・ソースをサポートするようにトランザクションを構成する方法の詳細は、「JDBCデータ・ソース・トランザクション・オプション」を参照してください。

接続プロパティの構成

接続プロパティは、データ・ソースとDBMSとの間の接続を構成するために使用します。一般的な属性には、データベース名、ホスト名、ポート番号、ユーザー名とパスワードがあげられます。


注意:

ホスト名を表すために、単一クライアント・アクセス名(SCAN)アドレスが使用できます。Oracle RAC 11.2以降を使用する場合は、次の点について考慮してください。

  • データ・ソースの接続先のOracle RAC REMOTE_LISTENERSCANに設定されている場合、データ・ソース接続URLにはSCANアドレスのみが使用できます。

  • データ・ソースの接続先のOracle RAC REMOTE_LISTENERList of Node VIPsに設定されている場合、データ・ソース接続URLにはVIPアドレスのリストのみが使用できます。

  • データ・ソースの接続先のOracle RAC REMOTE_LISTENERMix of SCAN and List of Node VIPsに設定されている場合、データ・ソース接続URLにはSCANアドレスとVIPアドレスの両方を使用できます。

SCANアドレスの使用方法の詳細は、『Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド11gリリース2 (11.2)』の自動ワークロード管理の概要に関する項を参照してください。


Oracle BI Serverの接続プロパティの構成

DBMSとしてOracle BI Serverを選択した場合は、「接続プロパティ」ページで追加の接続プロパティを構成します。構成手順は、『Oracle Business Intelligence Publisher管理者および開発者ガイド』接続文字列に関する項を参照してください。

接続のテスト

「データベース接続のテスト」を使用すると、データ・ソース構成をファイナライズする前に、表名またはSQL文を使用してデータベース接続をテストできます。必要に応じて、Properties属性とSystem Properties属性を使用すると、追加の構成情報をテストできます。

データ・ソースのターゲット設定

新しいJDBCデータ・ソースのデプロイ先に、1つ以上のターゲットを選択します。ターゲットを選択していない場合でもデータ・ソースは作成されますが、デプロイされません。そのデータ・ソースは、後でデプロイする必要があります。

接続プール機能の構成

各JDBCデータ・ソースは、そのデータ・ソースのデプロイ時またはサーバーの起動時に作成されるJDBC接続のプールを1つ保持します。アプリケーションは、プールからの接続を使用して、その接続を使用後にプールに返します。接続のプーリングにより、アプリケーション用のデータベース接続を作成するという負担のかかるタスクを排除して、パフォーマンスを向上できます。


注意:

特定のOracle JDBC拡張機能や、その他のドライバで使用できる他の非標準メソッドでは、プールされた接続の将来のユーザーが接続の動作を継承するという方法で、接続の動作を永続的に変更することが可能です。WebLogic Serverは、このようなタイプの呼出しに対して、可能な場合は接続の保護を試行します。


次の各項では、JDBCデータ・ソースの接続プール・オプションについて説明します。

次の項目を使用すると、さらに多くの情報を確認して、これらのオプションとその他の関連オプションを設定できます。

JDBCドライバ・レベルの機能の有効化

WebLogic JDBCデータ・ソースは、JDBCドライバで実装されるjavax.sql.ConnectionPoolDataSourceインタフェースをサポートしています。ドライバ・レベルの機能は、JDBCデータ・ソースのProperties属性にプロパティと値を追加することで有効化できます。Properties属性のドライバ・レベルのプロパティは、ドライバのConnectionPoolDataSourceオブジェクトで設定します。

接続ベースのシステム・プロパティの有効化

WebLogic JDBCデータ・ソースは、システム・プロパティの値を使用したドライバ・プロパティの設定をサポートしています。各プロパティの値は、指定されたシステム・プロパティから実行時に導出されます。接続ベースのシステム・プロパティを構成するには、管理コンソールを使用して、データ・ソース構成のSystem Properties属性を編集します。

SQLコードを使用したデータベース接続の初期化

WebLogic Serverがデータ・ソース内にデータベース接続を作成したときに、サーバーがデータベース接続を初期化するSQLコードを自動的に実行するように設定できます。この機能を有効化するには、管理コンソールの「JDBCデータ・ソース: 構成: 接続プール」ページの「初期化SQL」属性で、SQLと入力し、その後に実行するSQLコードを空白を挟んで入力します。または、SQLを使用せずに単純な表名を指定できます。SELECT COUNT(*) FROM tablenameという文を使用します。この属性を空欄(デフォルト)のままにしておくと、WebLogic Serverは、データベース接続を初期化するコードを実行しなくなります。

WebLogic Serverは、データベース接続をデータ・ソースに作成するたびに、このコードを実行します。また、サーバー起動時、接続プールの拡張時および接続のリフレッシュ時にも、このコードを実行します。

この機能を使用して、DBMS固有の操作設定値(接続固有)を設定することも、必要な操作を実行するためのメモリーや権限を接続に用意することもできます。

コードの先頭には、SQLと、それに続けて空白を入力します。たとえば、Oracle DBMSでは次のようになります。

SQL alter session set NLS_DATE_FORMAT='YYYY-MM-DD HH24:MI:SS'

Informix DBMSでは次のようになります。

SQL SET LOCK MODE TO WAIT

SQL文はJDBC Statement.execute()を使用して実行します。InitSQLを使用して設定できるオプションは、DBMSに応じて異なります。サポートされている文については、データベース・ベンダーのドキュメントを参照してください。複数の文を実行する場合は、ストアド・プロシージャを作成して実行することもできます。この構文はベンダー固有です。たとえば、Oracleストアド・プロシージャを実行するには、次のように指定します。

SQL CALL MYPROCEDURE()

詳細な接続プロパティ

WebLogic JDBCデータ・ソースは、システム・プロパティの値を使用したドライバ・プロパティの設定をサポートしています。各プロパティの値は、指定されたシステム・プロパティから実行時に導出されます。接続ベースのシステム・プロパティを構成するには、管理コンソールを使用して、データ・ソース構成のSystem Properties属性を編集します。

次の項目を使用すると、さらに多くの情報を確認して、これらのオプションとその他の関連オプションを設定できます。

致命的エラー・コードの定義

データ・ソースと通信するバックエンド・データベースに、接続でアクセスできなくなったことを示す致命的エラー・コードを定義できます。その接続は無効のマークが付けられて、プールから取り除かれますが、データ・ソースが中断されることはありません。これらのエラーには、サーバーがブートできなくなるデプロイメント・エラーおよび接続を接続プールに戻せなくなる接続エラーが含まれます。

SQLExceptionの範囲内の例外コード(sqlException.getErrorCode()によって取得される)として指定されているコードは、致命的エラーが発生して接続が機能しなくなったために、その接続が接続プールから削除されることを意味します。Oracleデータベースでは、次の致命的エラー・コードがWLSに事前定義されており、構成ファイルに配置する必要はありません:

エラー・コード 説明

3113

通信チャネルでend-of-fileが検出されました

3114

Oracleに接続されていません

1033

Oracleの初期化またはシャットダウン中です

1034

Oracleは使用できません

1089

即時シャットダウン処理中 - 操作はできません

1090

シャットダウン処理中 - 接続はできません

17002

I/O例外


管理コンソールで致命的エラー・コードを定義する場合は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプ致命的エラー・コードの定義に関する項を参照してください。

Oracleパラメータの構成

WebLogic Serverには、Oracleドライバの使用時にデータ・ソースのパフォーマンスを向上できる、いくつかの属性が用意されています。詳細は、「Oracleドライバおよびデータベースの詳細な構成」を参照してください。

ONSクライアントの構成

ONSクライアントを構成して、汎用データ・ソースをGridLinkデータ・ソースに変更します。構成情報と追加の環境要件の詳細は、「GridLinkデータ・ソースの使用方法」を参照してください。

汎用データ・ソース接続プールのチューニング

WebLogic Serverドメイン内のJDBCデータ・ソースで、接続プールの属性を適切に構成すると、アプリケーションとシステムのパフォーマンスを向上できます。詳細は、「データ・ソース接続プールのチューニング」を参照してください。

データベースのセキュリティ資格証明の設定

次の各項では、DBMSのセキュリティ資格証明を渡す方法について説明します。

データ・ソース・プールのタイプ

Weblogic Serverは、セキュリティ権限に基づいて2つのタイプのデータ・ソース・プールを提供します。

  • 均一 - アプリケーションのエンド・ユーザーに関係なく、プール内のすべての接続では、DBMSにアクセスするために同じセキュリティ資格証明が使用されます。

  • 異種 - アプリケーションは、各種DBMS資格証明を持つ物理接続をプールすることで、特定のDBMS資格証明でJDBC接続を使用できます。

この項では、セキュリティ資格証明をDBMSに渡す方法を比較します。

表3-1 セキュリティ資格証明を渡す方法の比較

方法 接続プールのタイプ

ユーザー名/パスワードの使用


接続の均一プール。

接続時にクライアントIDを設定


接続の均一プール。

IDベースの接続プール


接続の異種プール。


ユーザー名/パスワードの使用

最も簡単なタイプの資格証明では、接続プールにDBMSのユーザー・アカウント名とパスワードを指定します。次に、プールのすべての接続が同じ資格証明を使用し、DBMSにアクセスします。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプJDBCデータ・ソースの作成に関する項を参照してください。


注意:

「プロパティ」フィールドに、名前と値のペアとしてパスワードを入力すること(本番環境では許可されません)、または「パスワード」フィールドにこれを入力することができます。物理データベース接続作成時にJDBCドライバに渡される「プロパティ」で定義されているパスワード値は、「パスワード」フィールドの値によりオーバーライドされます。プロパティ文字列のパスワード・プロパティのかわりにパスワード属性を使用することをお薦めします。パスワード値は構成ファイルで暗号化され(モジュール・ファイル内のjdbc-driver-paramsタグでパスワードで暗号化された属性として格納されます)、管理コンソールで表示されないためです。


接続時にクライアントIDを設定

データ・ソースで「接続時にクライアントIDを設定」属性が有効化されている場合は、アプリケーションによってデータ・ソースのデータベース接続がリクエストされたときに、WebLogic Serverインスタンスが現在のWebLogicユーザーIDを判別し、そのユーザーIDにマップされたデータベースIDを軽量なクライアントIDとして設定します。プールのすべての接続は、DBMSにアクセスするために同じ資格証明を使用します。基本的な構成手順は次のとおりです:

  1. 「接続時にクライアントIDを設定」を選択します。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプJDBCデータ・ソースの接続へのクライアントIDの設定の有効化に関する項を参照してください。


    注意:

    WebLogicユーザーIDおよびデータベースIDをマップする資格証明マッピングは、Oracle ThinドライバによるOracleデータベースでのみサポートされます。この機能は、Oracle DMSドライバでサポートされていません。


  2. WebLogicユーザーIDおよびデータベースIDをマップします。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプJDBCデータ・ソースの資格証明マッピングの構成に関する項を参照してください。

この機能は、JDBCドライバおよびDBMSの機能に依存します。ベンダー拡張メソッドを使用したOracleおよびDB2データベースでの使用にのみサポートされます。

  • oracle.jdbc.OracleConnection.setClientIdentifier(String id)

  • com.ibm.db2.jcc.DB2Connection.setDB2ClientUser(String user)


    注意:

    「接続時のクライアントIDの設定」と「アイデンティティ・ベース接続プーリングの有効化」は、相互に排他的です。アプリケーション環境でセキュリティ資格証明を渡すために両方のメカニズムが必要な場合は、別々のデータ・ソースを作成して、一方は「接続時にクライアントIDを設定」を指定し、もう一方は「IDベースの接続プールを有効化」を指定してください。


IDベースの接続プール

IDベースの接続プールにより、アプリケーションは、各種DBMS資格証明を持つ物理接続をプールすることで、特定のDBMS資格証明でJDBC接続を使用できます。

「IDベースの接続プールを有効化」属性がデータ・ソースで有効になっている場合、アプリケーションによってデータベース接続がリクエストされると、WebLogic Serverインスタンスは既存の物理接続を選択するか、WebLogicユーザー資格証明とDBMS資格証明のマップに基づいてリクエストしたDBMSアイデンティティとの新規物理接続を作成します。基本的な構成手順は次のとおりです:

  1. 「IDベースの接続プールを有効化」を選択します。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプ「JDBCデータ・ソースのIDベースの接続プールの有効化」を参照してください。

  2. WebLogicユーザー資格証明およびDBMS資格証明をマップします。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプJDBCデータ・ソースの資格証明マッピングの構成に関する項を参照してください。


    注意:

    「接続時のクライアントIDの設定」と「アイデンティティ・ベース接続プーリングの有効化」は、相互に排他的です。アプリケーション環境でセキュリティ資格証明を渡すために両方のメカニズムが必要な場合は、別々のデータ・ソースを作成して、一方は「接続時にクライアントIDを設定」を指定し、もう一方は「IDベースの接続プールを有効化」を指定してください。


異種接続の作成方法

次の項で、異種接続の作成方法について説明します。

  1. 接続プールの初期化で、データ・ソースのデフォルトのDBMS資格証明を使用して物理JDBC接続が作成されます。

  2. アプリケーションがデータ・ソースから接続を取得しようとします。

  3. 現在のサーバー・インスタンス資格証明がDBMS資格証明にマップされます。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプJDBCデータ・ソースの資格証明マッピングの構成に関する項を参照してください。

  • 一致なしの場合、デフォルトのDBMS資格証明が使用されます。


    注意:

    デフォルトのDBMS資格証明には、XAトランザクションを実行して接続テスト操作を実行する機能など、少なくともDBMS権限が必要です。


  • 一致が見つからない場合、DBMS資格証明と一致する物理接続を検出するために使用されます。

    • 一致が見つかった場合、接続が予約され、アプリケーションに返されます。

    • 一致が見つからない場合、プールの最大容量に基づき、接続が作成されるか、再使用されます。

      • 最大容量に到達していない場合、DBMS資格証明を使用して新しい接続が作成され、予約され、アプリケーションに返されます。

      • プールが最大容量に到達している場合、最低使用頻度(LRU)アルゴリズムに基づき、プールから物理接続が選択され、破棄されます。DBMS資格証明を使用して新しい接続が作成され、予約され、アプリケーションに返されます。

物理接続の作成方法に関係なく、プール内の各物理接続には、プールにより保持されている専用のDBMS資格証明情報があります。プールにより物理接続が予約された後では、現在のスレッドによりそのWebLogicユーザー資格証明が変更され、同じ接続を継続して使用する場合でも、そのDBMS資格証明は変更されません。

グローバル・トランザクションでのIDベースのプールの使用

グローバル・トランザクション内で実行する場合、アプリケーションが現在のスレッドの資格証明を変更し、異なる資格証明で複数のJDBC接続を取得する可能性があります。ただし、IDベースのプール機能は、グローバル・トランザクション内のWebLogic JDBCデータ・ソースの複数の論理JDBC接続を単一の物理JDBC接続にマップします。つまり、WebLogicサーバー・インスタンスごとの各WebLogic JDBCデータ・ソースに1つのDBMS資格証明のみがグローバル・トランザクションに対して受け付けられます。

LLRでのIDベースのプールの使用

次の変更を実行して、IDベースのプールでロギング・ラスト・リソース(LLR)トランザクションの最適化を使用する必要があります。

  • 完全修飾したLLR表名を使用して、LLRのカスタム・スキーマを構成する必要があります。これにより、LLRトランザクション表へのアクセス時に、すべてのLLR接続で、デフォルトのスキーマではなく、名前を付けたスキーマが使用されます。

  • データベース固有の管理ツールを使用して、すべてのユーザーに名前付きLLR表のアクセス権限を付与します。デフォルトでは、LLR表は、データ・ソース内の接続に対し構成されているユーザーにより、ブート中に作成されます。ほとんどの場合、データベースにより、このユーザーへのアクセスのみ許可され、マップされたユーザーへのアクセスは許可されません。

JDBCデータ・ソース・ファクトリ(非推奨)

以前のリリースのWebLogic Serverでは、アプリケーション・スコープのJDBC接続プールでデフォルトの接続プールの値を提供する場合、JDBCデータ・ソース・ファクトリに依存します。JDBCデータ・ソース・ファクトリは、WebLogic Server 9.2より非推奨となっており、下位互換性のみを目的としてリリースに含まれています。アプリケーション・スコープのJDBC接続プールは、JDBCアプリケーション・モジュールによって置き換えられます。詳細は、「パッケージ化されたJDBCモジュールのアプリケーション・スコープ」を参照してください。