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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発
11gリリース1 (11.1.1.8.3)
E49666-03
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51 最近のアクティビティの統合

この章では、WebCenter Portal Frameworkアプリケーションに最近のアクティビティ機能を統合する方法について説明します。この機能を使用すると、最新の更新をアプリケーションで表示できます。

この章の内容は、次のとおりです。


注意:

最近のアクティビティの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「最近のアクティビティの使用」を参照してください。


51.1 最近のアクティビティの概要

最近のアクティビティを使用すると、ユーザーは、最新の変更をアプリケーションで表示できます。たとえば、ドキュメント・ツールにより、最近のアクティビティでドキュメント・ライブラリへの最新の変更の表示に使用される情報が自動的に生成されます。これは、アプリケーションの特定の箇所に行われた追加または変更を素早く、簡単に表示する方法が必要なユーザーにとって有用です。

最近のアクティビティでは、次のポータル・オブジェクトの作成、変更および削除が追跡されます。

詳細は、第32章「お知らせの統合」第33章「ディスカッションの統合」第28章「ドキュメントの統合」および第17章「ページの実行時作成および管理の有効化」を参照してください。

APIを介して、ビジネス・アクティビティの表示を制御できます。


関連項目:

APIを使用したビジネス・アクティビティの追跡の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal Java APIリファレンスを参照してください。


この項には次のサブセクションが含まれます:

51.1.1 最近のアクティビティの理解

最近のアクティビティは、様々なツールとサービスに対する最近の変更のサマリー情報を提供するものです。タスク・フローの上部にあるリストから時間の範囲を選択することによって、最近と見なされる時間の範囲を指定できます。記録されるアクティビティには、ページ、ドキュメント、ディスカッション・フォーラムなどの追加や変更が含まれます。

デフォルトでは、最近のアクティビティは、ドキュメント、お知らせ、ディスカッションおよびページと連携して機能します。最近のアクティビティが追跡する対象を絞り込むことができます。この設定の詳細は、第51.3項「最近のアクティビティの詳細情報」を参照してください。また、第4章「WebCenter Portalのツールとサービス用アプリケーションの準備」では、Oracle WebCenter Portalのツールとサービスの使用方法を学習できます。

最近のアクティビティ機能とアクティビティ・ストリーム機能(詳細は、第37.1.1.1項「アクティビティ・ストリーム」を参照)は似ています。両方により統合されたツールとサービスのアプリケーション・アクティビティが追跡されますが、アクティビティ・ストリームでは、より幅広いツールとサービスが追跡されます。たとえば、最近のアクティビティは、ドキュメント、お知らせ、ディスカッションおよびページを追跡します。アクティビティ・ストリームは、これらに加えて、ピープル、Wikiおよびブログも追跡します。アクションを実行した人に関係なく、最近のアクティビティによりアクティビティが追跡されます。ユーザーの接続により実行されるアクティビティがアクティビティ・ストリームにより追跡され、アクティビティ実行者に関する情報が含まれます。最近のアクティビティには名前が含まれません。

最近のアクティビティとアクティビティ・ストリームとの間の基本的な相違点は、次のようにまとめられます。最近のアクティビティはアプリケーションにおける処理内容の概要を提供し、アクティビティ・ストリームはユーザーの接続における処理内容の概要を提供します。

51.1.2 実行時の処理

実行時に、最近のアクティビティ・タスク・フローは、アプリケーションで構成され実行されているツールとサービスに関する最新情報をフェッチします。図51-1は、実行時の最近のアクティビティ・タスク・フローの例を示し、アプリケーションで昨日から発生している次のアクティビティを表示しています。

  • ドキュメント・ツールを使用して1つのドキュメントがアップロードまたは追加されています

  • ディスカッション・ツールを使用して5つのディスカッション・スレッドが変更または追加されています

  • お知らせツールを使用して1つのお知らせが変更または追加されています

時間範囲の選択肢(「今日」、「昨日から」など)は、設計時に最近のアクティビティの時間範囲パラメータ値に設定されたデフォルト値に基づいて表示されます(表51-1を参照)。

最近のアクティビティは、WebCenterの検索機能を使用して、指定された期間のアクティビティを問い合せます。検索機能は、WebCenter Portalのドキュメント、お知らせ、ディスカッションおよびページの各ツールとサービスで実装されています。これらのサービスは、アプリケーションで構成されている場合、最近のアクティビティの問合せに応答し、検索基準に関するアイテムを返します。問合せへのレスポンス(検索結果)は、検索条件のDCMI_MODIFIED > [start time]に常に基づきます。ここで、start timeは、設計時に「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログで構成した期間の1つです。実行時には「表示」リストで期間を選択できます。

図51-1 実行時の最近のアクティビティ

図51-1の説明が続きます
「図51-1 実行時の最近のアクティビティ」の説明

51.2 最近のアクティビティの基本構成

この項では、最近のアクティビティ機能をPortal Frameworkアプリケーションに追加する方法について説明します。

この項には次のサブセクションが含まれます:

51.2.1 最近のアクティビティの接続の設定

最近のアクティビティ用に固有の接続を設定する必要はありません。追跡するWebCenter Portalコンポーネントが構成されていることのみ確認する必要があります。

51.2.2 最近のアクティビティの設計時の追加

最近のアクティビティを使用するには、そのタスク・フローをアプリケーションに追加する必要があります。追跡するコンポーネントがアプリケーションに1つ以上あることを確認します。「WebCenter Portal - サービス・カタログ」には使用可能な最近のアクティビティ・タスク・フローが1つあり、これをアプリケーションに追加できます。

最近のアクティビティでは、アプリケーション内の他のコンポーネントを自動的に認識し、これらのコンポーネント内での最近のアクティビティが検索されます。ただし、最近のアクティビティが含まれるアプリケーションを実行する前に、監視するコンポーネントがアプリケーションに1つ以上含まれていることを確認しておく必要があります。

最近のアクティビティ・タスク・フローをアプリケーションに追加するには:

  1. 第4.2.1項「ツールとサービスを利用するようにアプリケーションを準備する方法」の手順に従い、セキュリティを実装しカスタマイズ可能なページをPortal Frameworkアプリケーションで作成します。

  2. カスタマイズ可能なページのソースを開きます。

  3. 最近のアクティビティが追跡するコンポーネントが1つ以上アプリケーションに含まれていることを確認します。


    注意:

    これらのコンポーネントを1つも含まないアプリケーションを実行すると、最近のアクティビティから次のエラーが表示されます

    Warning: Unable to obtain recent activity data


  4. 「リソース・パレット」で「WebCenter Portal - サービス・カタログ」を開き、「タスク・フロー」フォルダを開きます。

  5. 「最近のアクティビティ」をクリックしてページの<af:form>タグの後にドラッグし、「リージョン」を選択します。

    図51-2 「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログ

    図51-2の説明が続きます
    「図51-2 「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログ」の説明

    図51-3の「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログでは、実行時に表示する時間の範囲の値を設定できます。この時間の範囲によって、次の項で示すように、表示するアクティビティが制御されます。これらのパラメータを空のままにすると、最近のアクティビティでは、デフォルト値が使用されます。

    表51-1は、これらのパラメータで使用可能な値について説明しています。第51.3.1項「最近のアクティビティの動作の調整」に記載されているように、この表に示されているデフォルト値はadf-config.xmlファイルに基づきます。

    表51-1 最近のアクティビティの時間範囲パラメータ値

    パラメータ

    groupSpace

    このパラメータはnullのままにします。

    注意: このパラメータはWebCenter Portalでのみ使用され、スコープが設定されていないアプリケーションには関係しません。

    timePeriodShort

    デフォルト値: Today

    指定できる値: TodayYesterdayまたは分単位の時間

    timePeriodMedium

    デフォルト値: Since Yesterday

    指定できる値: TodayYesterdayまたは分単位の時間

    timePeriodLong

    デフォルト値: 10080

    (10080分は7日に等しいです。)

    指定できる値: TodayYesterdayまたは分単位の時間

    timePeriodLongest

    デフォルト値: 43200

    (43200分は30日に等しいです。)

    指定できる値: TodayYesterdayまたは分単位の時間


    図51-3 最近のアクティビティの「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログの例

    図51-3の説明が続きます
    「図51-3 最近のアクティビティの「タスク・フロー・バインディングの編集」ダイアログの例」の説明

  6. 「OK」をクリックします。図51-4に示すとおり、バインディングはページ上に表示されます。

    図51-4 「デザイン・ビュー」内のページ上の最近のアクティビティ・タスク・フロー

    図51-4の説明が続きます
    「図51-4「デザイン・ビュー」内のページ上の最近のアクティビティ・タスクフロー」の説明

  7. プロジェクトを保存し、ページをブラウザで実行します。


    注意:

    最近のアクティビティ・タスク・フローをページに追加すると、groupSpaceというタスク・フロー・パラメータが表示されます。このパラメータのデフォルト値はnullで、アプリケーション全体で最近のアクティビティを検索するようタスク・フローに指示します。


51.2.3 最近のアクティビティ・タスク・フローのパラメータの変更

最近のアクティビティ・タスク・フローには、必須のタスク・フロー・バインディング・パラメータとオプションのタスク・フロー・バインディング・パラメータがあります。タスク・フローをページ上にドロップした時点またはページ上にタスク・フローを配置した後にパラメータを調整できます。パラメータの変更の詳細は、第32.2.2.3項「お知らせタスク・フローのパラメータを変更する方法」を参照してください。パラメータの変更手順は、すべてのタスク・フローで同一です。

51.2.4 最近のアクティビティのセキュリティの設定

最近のアクティビティでは、分析の対象となる基礎のコンポーネントに適用されるセキュリティを使用します。そのため、コンポーネントから返される情報には、現在のユーザーが少なくとも表示権限を持つコンテンツのみが含まれます。たとえば、ドキュメント・ライブラリ内のコンテンツを表示できる権限を持たないユーザーの場合、最近のアクティビティ・ビューに、最近追加されたドキュメントは表示されません。同様に、パブリック・ユーザーには、パブリックに公開されているコンポーネントについて返されるアクティビティのみが表示され、表示に認証を必要としません。

51.3 最近のアクティビティの詳細情報

タスク・フロー・パラメータに加えて、最近のアクティビティの動作も調整できます。この項ではその調整の実行方法について説明します。また、最近のアクティビティのRSSニュース・フィードを取得する方法についても説明します。

この項には次のサブセクションが含まれます:

51.3.1 最近のアクティビティの動作の調整

タスク・フローをアプリケーションに追加した後で、様々な最近のアクティビティのパラメータを変更できます。タスク・フローをページに追加すると、 ADF META-INFフォルダ内の「記述子」の下にある「アプリケーション・リソース」パネルにあるadf-config.xmlファイルに次のエントリも自動的に追加されます。

  <recentactivityC:adf-recent-activity-config 
 xmlns="http://xmlns.oracle.com/webcenter/recentactivity/config">
     <display-properties numServiceRows="25" shortPeriod="TODAY"
                        mediumPeriod="YESTERDAY" longPeriod="10080"
                        longestPeriod="43200"/>
    <services-filter>
      <exclude/>
    </services-filter>
  </recentactivityC:adf-recent-activity-config>

このエントリ内で、表51-2に示されている設定を変更できます。

表51-2 adf-config.xmlファイル内の最近のアクティビティ設定

設定 説明

numServiceRows

デフォルト値: 25

1つのコンポーネントに対して表示される最大行数。

最近のアクティビティの結果がこの値を超える場合は、この値を上限として、最新の結果が返されます。たとえば、最近変更されたドキュメントの数が32で、この設定が25の場合、最新の25個のみが結果に表示されます。

shortPeriod

デフォルト値: Today

表51-1を参照してください。この設定はtimePeriodShortタスク・フロー・パラメータと同じであり、タスク・フロー・パラメータが指定されない場合に使用されます。

mediumPeriod

デフォルト値: Yesterday

表51-1を参照してください。この設定はtimePeriodMediumタスク・フロー・パラメータと同じであり、タスク・フロー・パラメータが指定されない場合に使用されます。

longPeriod

デフォルト値: 10080(過去7日間)

表51-1を参照してください。この設定はtimePeriodLongタスク・フロー・パラメータと同じであり、タスク・フロー・パラメータが指定されない場合に使用されます。

longestPeriod

デフォルト値: 43200(過去30日間)

表51-1を参照してください。この設定はtimePeriodLongestタスク・フロー・パラメータと同じであり、タスク・フロー・パラメータが指定されない場合に使用されます。

services-filter

デフォルト値: null

追跡しないコンポーネントをフィルタ処理で除外するには、このタグを使用します。次の例では、ページ・サービスへの変更を、最近のアクティビティの表示から除外します。

<services-filter>
  <exclude>oracle.webcenter.page</exclude>
</services-filter>

デフォルトでは、除外されるコンポーネントはありません。

他のコンポーネントをフィルタ処理で除外するには、表F-7でリストされているサービスID値を使用します。


51.3.2 最近のアクティビティのRSSニュース・フィードURLの取得

WebCenter Portal機能をPortal Frameworkアプリケーションで公開できます。Portal Frameworkアプリケーション・ユーザーは、RSSニュース・フィードを通じて、特定のポータルで行われていることを知ることができます。

ユーザーがポータル内から最近のアクティビティを表示できるようにするには、最近のアクティビティのRSSニュース・フィードを構成します。最近のアクティビティのポータルRSSニュース・フィードURLを取得するには、次のいずれかのWebCenter Portal APIを使用します。

  • getServiceRssFeedURL

  • GetServiceRssFeedURLbyGUID

RSSフィードのURLを取得するには、ポータルを(名前またはGUIDで)特定し、必要なコンポーネントを(サービスIDで)指定する必要があります。最近のアクティビティのサービスIDは、GroupSpaceWSClient.RECENT_ACTIVITY_SERVICE_IDです。これらのAPIを使用する方法の詳細は、第56.1.5.3.9項「WebCenter PortalのツールとサービスのためのRSSフィードURLの取得」を参照してください。