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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理
11gリリース1 (11.1.1.8.3)
E51441-03
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14 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの管理

この章では、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションのインスタント・メッセージおよびプレゼンスを構成および管理する方法について説明します。

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションのバックエンドのツールとサービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンド行ツールを使用してください。デプロイ後にアプリケーションに加えた変更はすべて、MDSメタデータ・ストアにカスタマイズとして格納されます。第1.3.5項「Oracle WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」を参照してください。


注意:

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行ったインスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成変更は動的ではないため、変更を有効にするには、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。


この章には次のトピックが含まれます:


権限:

この章のタスクを実行するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールでWebLogic ServerのAdminロール、デプロイされたアプリケーションでAdministratorロールが付与されている必要があります。

  • WebCenter Portal: Administratorロール。ポータル・ビルダー管理から付与します。

  • Portal Frameworkアプリケーション: Administratorロール。管理コンソールから付与します。

ロールと権限の詳細は、第1.8項「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。


14.1 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続について

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)を使用すると、認証された他のアプリケーション・ユーザーのプレゼンス・ステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認して、インスタント・メッセージ(IM)やメールなどの対話オプションに簡単にアクセスできます。

バックエンド・プレゼンス・サーバーへの単一の接続が必要です。WebCenter Portalは、Microsoft Office Live Communications Server (LCS) 2005、Microsoft Office Communications Server (OCS) 2007およびMicrosoft Lync 2010での動作が保証されています。


注意:

Oracle Beehive Server接続は、このリリースではサポートされていません。


アプリケーションのプレゼンス・サーバー接続は、Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して登録できます。IMPを機能させるには、接続をアクティブとしてマークする必要があります。追加のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、一度にアクティブにできる接続は1つのみです。

14.2 インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの前提条件

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.2.1 Microsoft Live Communications Server (LCS)の前提条件

この項では、Microsoft Live Communications Server 2005 (LCS)をインスタント・メッセージおよびプレゼンスのプレゼンス・サーバーとして使用するための前提条件を示します。

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.2.1.1 Microsoft LCS: インストール

インストールの詳細は、Microsoft Live Communications Server 2005のドキュメントを参照してください。

14.2.1.2 Microsoft LCS: 構成

Microsoft Live Communications Server 2005をインスタント・メッセージおよびプレゼンスのプレゼンス・サーバーとして使用するには、Microsoft RTC API v1.3をインストールして構成し、Microsoft LCS 2005用のOracle RTC Webサービスをインストールする必要があります。

  1. Microsoft RTC API v1.3をインストールするには、Microsoft RTC Client API SDK 1.3からRTC SDKをダウンロードして、インストーラを実行します。インストーラにより必要なインストール・コンポーネントが用意されます。デフォルトのオプションを選択した場合、次の2つのインストーラがC:\Program Files\RTC Client API v1.3 SDK\INSTALLATIONに保存されています。

    • RtcApiSetup.msi

    • RtcSxSPolicies.msi

    RtcApiSetup.msiインストーラ、並列ポリシー・スイッチャのインストーラ(RtcSxSPolicies.msi)の順に実行したら、システムを再起動します。

  2. Microsoft Live Communications Server 2005用のOracle RTC Webサービスをインストールするには、Oracle Fusion MiddlewareコンパニオンCDからowc_lcs.zipファイルを解凍します。このファイルは、ディレクトリ/Disk1/WebCenter/services/imp/NTにあります。圧縮ファイルには、次のファイルが含まれています。

    /Bin

    /images

    ApplicationConfigurationService.asmx

    BlafPlus.css

    ExtAppLogin.aspx

    ExtAppLogin.aspx.cs

    Global.asax

    Log4Net.config

    RTCService.asmx

    Web.Config

    WebcenterTemplate.master

  3. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャを開きます。

  4. 「IIS マネージャー」ウィンドウでサーバー・ノードを開き、「Webサイト」を開きます。

  5. 「既定のWebサイト」を右クリックして「新規」「仮想ディレクトリ」を選択し、Oracle RTC Webサービス用のサイトを作成します(図14-1)。

    図14-1 仮想ディレクトリの作成

    図14-1の説明が続きます
    「図14-1 仮想ディレクトリの作成」の説明

    仮想ディレクトリの作成ウィザードが表示されます。

  6. 「次へ」をクリックします。

  7. 「エイリアス」フィールドに仮想ディレクトリの別名(たとえば、RTC)を入力します。

  8. owc_lcs.zipファイルを抽出したディレクトリのパスを入力します。あるいは、「参照」ボタンを使用して、そのディレクトリにナビゲートします。

  9. 「次へ」をクリックします。

  10. 仮想ディレクトリで、「読取り」、「実行」、「参照」権限があることを確認します。(図14-2)

    図14-2 仮想ディレクトリのプロパティ

    図14-2の説明が続きます
    「図14-2 仮想ディレクトリのプロパティ」の説明

  11. 「次へ」をクリックします。

  12. 「完了」をクリックします。

    「IISマネージャー」ウィンドウの「既定のWebサイト」の下に、新しく作成した仮想ディレクトリが表示されます(図14-3)。

    図14-3 仮想ディレクトリの追加

    図14-3の説明が続きます
    「図14-3 仮想ディレクトリの追加」の説明

  13. Oracle RTC Webサービス用に新しく作成した仮想ディレクトリを右クリックし、「プロパティ」を選択して「プロパティ」ダイアログを開きます。

  14. 「仮想ディレクトリ」タブの「アプリケーションの設定」で、「作成」をクリックします。

    ボタンのラベルが「削除」に変わり、新しく作成した仮想ディレクトリが「アプリケーション名」フィールドに表示されています。

  15. 「実行アクセス許可」ドロップダウン・リストから「スクリプトおよび実行可能ファイル」を選択します(図14-4)。

    図14-4 仮想ディレクトリのプロパティ

    図14-4の説明が続きます
    「図14-4 仮想ディレクトリのプロパティ」の説明

  16. 「ASP.NET」タブで、「ASP.NETバージョン」ドロップダウン・リストから2.0以上のASP.NETバージョンを選択します。

    ASP.NET 2.0アプリケーションを利用するようにIISを構成します。

  17. 「OK」をクリックします。

  18. LCS接続内のLSCプール名が設定されていることを確認します。

  19. 次のURL書式を使用してWebサイトにアクセスすることで、Webサービスをテストします。

    http://localhost/default_website/ApplicationConfigurationService.asmx
    

    default_websiteは、Oracle RTC Webサービス用に作成した仮想ディレクトリです。

    例:

    http://localhost/RTC/ApplicationConfigurationService.asmx
    

14.2.1.3 Microsoft LCS: セキュリティに関する考慮事項

ユーザーが資格証明を提供してLCSサーバーに対して自分を認証できるように、Microsoft Live Communications Server接続用の外部アプリケーションを構成する必要があります。

保護されたアプリケーションでは、ユーザーがプレゼンス・ステータスを取得できます。LCSでは、セキュリティが必要な場合、信頼できるプライベート・ネットワーク上にLCSが存在する必要があります。

LCSには、外部資格情報を変更するためのオプションが用意されています。これは、外部アプリケーションを使用するかわりになります。ログインしたユーザーは、「プレゼンス」タグをクリックし、メニューから「資格情報の変更」を選択できます。

詳細は、第14.3.1項「Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録」を参照してください。

14.2.2 Microsoft Office Communications Server (OCS)の前提条件

この項では、Microsoft Office Communications Server 2007 (OCS)をインスタント・メッセージおよびプレゼンスのプレゼンス・サーバーとして使用するための前提条件を示します。

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.2.2.1 Microsoft OCS: インストール

インストールの詳細は、Microsoft Office Communications Server 2007のドキュメントを参照してください。

14.2.2.2 Microsoft OCS: 構成

この項には次のサブセクションが含まれます:

Microsoft OCS 2007をIMPのプレゼンス・サーバーとして使用するには、Microsoft OCS 2007用のWebCenter PortalのProxyアプリケーションを、次のいずれかのトポロジでデプロイする必要があります。

14.2.2.2.1 シンプル・デプロイ

このトポロジでは、OCSボックス上にホストされているInternet Information Services (IIS)サーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。

  1. Microsoft Unified Communications Managed API (UCMA) 2.0をOCSボックスにインストールします。

    詳細は、第14.2.2.2.6項「UCMA v2.0のインストール」を参照してください。

  2. WebCenter PortalのProxyアプリケーションのIISサーバー上でのデプロイ

    このプロキシ・アプリケーションは、OCSサーバーとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。

    詳細は、第14.2.2.2.7項「WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール」を参照してください。

14.2.2.2.2 リモート・デプロイ

このトポロジでは、OCSボックスに対してリモートであるIISサーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。つまり、IISサーバーとOCSサーバーが別々のマシン上にホストされます。

このプロキシ・アプリケーションはリモート・ボックス上にホストされるため、アプリケーションとOCSサーバーの間に信頼関係を設定する必要があります。これは、アプリケーションのプロビジョニングと呼ばれます。プロビジョニングは、Microsoft UCMA v2.0に付属のApplication Provisionerユーティリティを使用して行います。詳細は、http://msdn.microsoft.com/en-us/library/dd253360%28office.13%29.aspxを参照してください。

図14-5に、様々なデプロイ・エンティティで実行される手順(UCMA v2.0のインストールを含む)の概要を示します。

図14-5 Microsoft OCSの構成: リモート・デプロイ

図14-5の説明が続きます
「図14-5 Microsoft OCSの構成: リモート・デプロイ」の説明

これらの手順の詳細は、次の項で説明します。

14.2.2.2.3 Application Provisionerの構築

この項では、OCSにアクセスする他のIISサーバーをプロビジョニングするための、Microsoft社による手順を示します。

  1. Visual Studio 2008を任意の開発者ボックスにインストールします(必ずしもIIS/OCSである必要はありません)。

  2. 第14.2.2.2.6項「UCMA v2.0のインストール」の手順に従って、UCMAバージョン2.0を同じボックスにインストールします。

    Application Provisionerアプリケーションは、UCMA SDKに付属しています。

  3. UCMA Coreをインストールした場所(たとえば、C:\Program Files\Microsoft Office Communications Server 2007 R2\UCMA SDK 2.0\UCMACore\Sample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerなど)の下にあるディレクトリSample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerへ移動します。

    このディレクトリにはApplication Provisionerアプリケーションが格納されています。

  4. Visual Studio 2008を使用してアプリケーションを構築します。

    これにより、ApplicationProvisioner.exeファイルが生成されます。

  5. この実行可能ファイルをOCSボックスにコピーします。

14.2.2.2.4 OCSサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニング
  1. UCMA v2.0のコア・ライブラリをOCSボックスにインストールします。

    第14.2.2.2.6項「UCMA v2.0のインストール」の手順に従ってください。ただし、Visual C++ 2008の再頒布可能ファイルのインストール後にOCSCore.msiを実行してください。

    これにより、アプリケーションのプロビジョニングに必要なWMIクラスがインストールされます。

  2. 前の項で生成されたApplicationProvisioner.exeファイルを実行します。

    「Application Provisioner」ダイアログが表示されます。

  3. 「Application Provisioner」ダイアログで、「アプリケーション名」にアプリケーション名としてWebCenterProxyApplicationと入力し、「検索または作成」をクリックします。

  4. 「アプリケーション プールを作成します。」ダイアログの「OCS Pool Fqdn」の一覧で、使用するアプリケーションのOffice Communications Serverプールを選択します。

    • 「リッスンするポート」にアプリケーションのリスニング・ポートを入力します(例: 6001)。

    • 「アプリケーション サーバーFqdn」に、アプリケーションをデプロイするコンピュータの完全修飾ドメイン名(FQDN)を入力します。(これはIISボックスです。)

    • アプリケーションを複数のコンピュータにデプロイする場合、「負荷分散アプリケーション」チェック・ボックスを選択し、「ロード バランサーFqdn」にロード・バランサのFQDNを入力します。

    アプリケーション・プールは、「Application Provisioner」ダイアログに表示されます。

  5. サーバーのエントリをダブルクリックします。

    「サーバーの表示」ダイアログが表示されます。そこに表示される情報は、サーバーのFQDN、ポート、GRUUです。

  6. OCSサーバーでOffice Communications Server Certificateウィザードを使用して、前の手順で書き留めておいたサーバーFQDNをサブジェクト名として証明書を作成します。

    この証明書は、IISサーバーからの要求の認可に使用されます。

  7. 証明書が作成されたら、証明書を表示します。

  8. 「詳細」タブで、「ファイルにコピー」をクリックします。

    証明書のエクスポート・ウィザードが表示されます。

  9. 秘密鍵を使用して、証明書をファイルにエクスポートします。

    証明書の名前が付いた.pfx (Personal Information Exchange)ファイルが生成されます。

14.2.2.2.5 IISサーバーの構成

リモート・デプロイのシナリオでは、IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、前の項の情報を使用して、IISを信頼された認証局にしてください。

  1. 秘密鍵を使用してOCSサーバーによって発行された証明書をインストールします。OCSサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニングの手順7で生成した.pfxファイルをIISボックスにコピーし、それをダブルクリックします。

    証明書のインポート・ウィザードが表示されます。

  2. LOCAL_MACHINEの下の個人用フォルダに証明書をインポートします。

  3. 証明書を読み取るための権限をIIS_WPGユーザーに付与します。

    これは、証明書に対する適切な読取りアクセス権をIISサーバーに与えるために必要な作業です。これを行うために、Microsoft社が提供するWindows HTTP Services Certificate Configuration Tool (http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=c42e27ac-3409-40e9-8667-c748e422833f&displaylang=en)というユーティリティを使用できます。このユーティリティをダウンロードしてインストールしてください。インストールすると、winhttpcertcfg.exeという実行可能ファイルが作成されます。インストールした場所に移動し、次のコマンドを実行して権限を付与します。

    winhttpcertcfg.exe -g -c LOCAL_MACHINE\MY -s "<certificate-name>" -a "IIS_WPG"
    
  4. C:/WINDOWS/system32/drivers/etc/hostsにOCSサーバーのプール名のエントリを次の形式で作成します。

    <ip-address-of-ocs-box> <poolname-of-ocs-box>
    

    例:

    10.177.252.146 pool01.example.com
    
  5. IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、IISサーバーにMicrosoft UCMA v2.0をインストールします。

    詳細は、第14.2.2.2.6項「UCMA v2.0のインストール」を参照してください。

  6. UCMAをインストールしたら、プロキシ・アプリケーションをIISサーバー上にデプロイします。

    WebCenter PortalのProxyアプリケーションは、OCSサーバーとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。

    詳細は、第14.2.2.2.7項「WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール」を参照してください。

  7. WebCenter PortalのProxyアプリケーションが抽出された場所に移動して、Web.configを開き、appSettings XMLノードを編集して、前の項の手順7で書き留めておいた値を追加します。

    RemoteDeploymentの値がtrueに設定されていることを確認してください。

    たとえば、appsettings XMLノードは次のように表示されます。

    <appSettings>
      <add key="ApplicationName" value="WebCenterProxyApplication"/>
      <add key="RemoteDeployment" value="true"/>
      <add key="ApplicationFQDN" value="iis.server.com"/>
      <add key="ApplicationGRUU" value="sip:iis.server.com@EXAMPLE.COM;gruu;opaque=srvr:WebCenterProxyApplication:7mhSo94PlUK-5Q2bKPLyMAAA"/>
      <add key="ApplicationPort" value="6001"/>
    </appSettings> 
    

    信頼関係が確立され、WebCenter PortalのProxyアプリケーションがOCSと対話できるようになりました。

14.2.2.2.6 UCMA v2.0のインストール

Microsoft Unified Communications Managed API v2.0 (UCMA)は、OCS環境と対話可能なサーバー・アプリケーションを上級開発者が構築できるエンドポイントAPIです。

シンプル・デプロイでは、UCMAがOCSと同じボックスにインストールされます。リモート・デプロイでは、OCSコア・ライブラリはOCSボックスにインストールされ、UCMAはIIS(プロキシ)ボックスにインストールされます。

  1. UCMA v2.0を次の場所からダウンロードします。

  2. (前の手順でファイルが抽出された)ディレクトリに移動しvcredist_x86.exeを実行します。

    この手順により、UCMA APIに必要なVisual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。

  3. ディレクトリSetupに移動し、UcmaRedist.msiを実行します。

    この手順により、GACのUCMA 2.0アセンブリがインストールされます。

14.2.2.2.7 WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール
  1. コンパニオンCDからowc_ocs2007.zipを抽出します。

    OCSWebServicesという名前のディレクトリが作成されます。

  2. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャを開きます。

  3. インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャでサーバー・ノードを開き、「Webサイト」を開きます。

  4. 「既定のWebサイト」を右クリックして「新規」「仮想ディレクトリ」を選択し、Oracle RTC Webサービス用のサイトを作成します。

    仮想ディレクトリの作成ウィザードが表示されます。

  5. 「次へ」をクリックします。

  6. 「エイリアス」フィールドに仮想ディレクトリの別名(たとえば、RTC)を入力します。

  7. owc_ocs2007.zipファイルから抽出されたディレクトリのパスを入力します。

    このzipファイルを「C:\」に抽出した場合、パスには「C:\OCSWebServices」を指定します。または、「参照」ボタンをクリックして、当該ディレクトリに移動します。

  8. 「次へ」をクリックします。

  9. 仮想ディレクトリで、「読取り」、「実行」、「参照」権限があることを確認します。

  10. 「次へ」をクリックします。

  11. 「完了」をクリックします。

    「IIS マネージャー」ウィンドウの「既定のWebサイト」の下に、新しく作成した仮想ディレクトリが表示されます。

  12. Oracle RTC Webサービス用に新しく作成した仮想ディレクトリを右クリックし、「プロパティ」を選択して「プロパティ」ダイアログを開きます。

  13. 「仮想ディレクトリ」タブの「アプリケーションの設定」で、「作成」をクリックします。

    ボタンのラベルが「削除」に変わり、新しく作成した仮想ディレクトリの名前が「アプリケーション名」フィールドに表示されています。

  14. 「実行アクセス許可」ドロップダウン・リストから「スクリプトおよび実行可能ファイル」を選択します。

  15. 「ASP.NET」タブで、「ASP.NETバージョン」ドロップダウン・リストから2.0以上のASP.NETバージョンを選択します。

    IISはASP.NET 2.0アプリケーションを消費するように構成されます。

  16. 「OK」をクリックします。

  17. 次のURL書式を使用してWebサイトにアクセスすることで、Webサービスをテストします。http://localhost/default_website/OCSWebService.asmx

    default_websiteは、Oracle RTC Webサービス用に作成した仮想ディレクトリです。

    例:

    http://localhost/RTC/OCSWebService.asmx

14.2.2.3 Microsoft OCS: セキュリティに関する考慮事項

ユーザーが資格証明を提供してOCSサーバーに対して自分を認証できるように、Microsoft Office Communications Server接続用の外部アプリケーションを構成する必要があります。

保護されたアプリケーションでは、ユーザーがプレゼンス・ステータスを取得できます。OCSでは、セキュリティが必要な場合、信頼できるプライベート・ネットワーク上にOCSが存在する必要があります。

OCSには、外部資格情報を変更するためのオプションが用意されています。これは、外部アプリケーションを使用するかわりになります。ログインしたユーザーは、「プレゼンス」タグをクリックし、メニューから「資格情報の変更」を選択できます。

詳細は、第14.3.1項「Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録」を参照してください。

14.2.3 Microsoft Lyncの前提条件

この項では、Microsoft Lync 2010をインスタント・メッセージおよびプレゼンスのプレゼンス・サーバーとして使用するための前提条件を示します。

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.2.3.1 Microsoft Lync: インストール

インストールの詳細は、Microsoft Lync 2010のドキュメントを参照してください。

14.2.3.2 Microsoft Lync: 構成

この項には次のサブセクションが含まれます:

Microsoft Lyncの構成はMicrosoft OCSの構成に似ています。

Microsoft Lync 2010をIMPのプレゼンス・サーバーとして使用するには、Microsoft Lync 2010用のWebCenter PortalのProxyアプリケーションを、次のいずれかのトポロジでデプロイする必要があります。

14.2.3.2.1 シンプル・デプロイ

このトポロジでは、Lyncボックス上にホストされているInternet Information Services (IIS)サーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。

  1. Microsoft Unified Communications Managed API (UCMA) 2.0をLyncボックスにインストールします。

    詳細は、第14.2.3.2.8項「UCMA v2.0のインストール」を参照してください。

  2. WebCenter PortalのProxyアプリケーションのIISサーバー上でのデプロイ

    このプロキシ・アプリケーションは、Lyncサーバーとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。詳細は、第14.2.3.2.9項「WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール」を参照してください。

14.2.3.2.2 リモート・デプロイ

このトポロジでは、Lyncボックスに対してリモートであるIISサーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。つまり、IISサーバーとLyncサーバーが別々のマシン上にホストされます。

このプロキシ・アプリケーションはリモート・ボックス上にホストされるため、アプリケーションとLyncの間に信頼関係を設定する必要があります。これは、アプリケーションのプロビジョニングと呼ばれます。プロビジョニングは、Microsoft UCMA v2.0に付属のApplication Provisionerユーティリティを使用して行います。

図14-6に、様々なデプロイ・エンティティで実行される手順(UCMA v2.0のインストールを含む)の概要を示します。

図14-6 Microsoft Lyncの構成: リモート・デプロイ

図14-6の説明が続きます
「図14-6 Microsoft Lyncの構成: リモート・デプロイ」の説明

これらの手順の詳細は、次の項で説明します。

14.2.3.2.3 Application Provisionerの構築

この項では、Lyncにアクセスする他のIISサーバーをプロビジョニングするための、Microsoft社による手順を示します。

  1. Visual Studio 2008を任意の開発者ボックスにインストールします(必ずしもIIS/Lyncである必要はありません)。

  2. 第14.2.3.2.8項「UCMA v2.0のインストール」の手順に従って、UCMAバージョン2.0を同じボックスにインストールします。

    Application Provisionerアプリケーションは、UCMA SDKに付属しています。

  3. UCMA Coreをインストールした場所(たとえば、C:\Program Files\Microsoft Lync 2010 R2\UCMA SDK 2.0\UCMACore\Sample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerなど)の下にあるディレクトリSample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerへ移動します。

  4. Visual Studio 2008でアプリケーションを開き、http://msdn.microsoft.com/en-us/library/gg448038.aspxに従ってApplication.csファイルを編集します。

  5. Visual Studio 2008を使用してアプリケーションを構築します。

    これにより、ApplicationProvisioner.exeファイルが生成されます。

  6. この実行可能ファイルをLyncボックスにコピーします。

14.2.3.2.4 LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニング
  1. Lyncセットアップ・パッケージに付属のOCSWMIBC.msiファイルを実行します。

    UCMA 2.0アプリケーションをLync Server 2010に対して直接デプロイする場合は、Lync Server 2010環境で使用されているSIPドメインを、Office Communications Server 2007 R2 SIPドメイン・リストに追加してからMerge-CsLegacyTopologyコマンドレットを実行する必要があります。アプリケーションは、OCS 2007 R2に対してデプロイされている場合と同様にデプロイされ、Lync Server 2010に対して実行されるように移行されます。ドメインを追加するには、第14.2.3.2.5項「WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加」を参照してください。

  2. 前の項で生成されたApplicationProvisioner.exeファイルを実行します。

    「Application Provisioner」ダイアログが表示されます。

  3. 「Application Provisioner」ダイアログで、「アプリケーション名」にアプリケーション名としてWebCenterProxyApplicationと入力し、「検索または作成」をクリックします。

  4. 「アプリケーション プールを作成します。」ダイアログの「Lync Pool Fqdn」の一覧で、使用するアプリケーションのプールを選択します。

    • 「リッスンするポート」にアプリケーションのリスニング・ポートを入力します(例: 6001)。

    • 「アプリケーション サーバーFqdn」に、アプリケーションをデプロイするコンピュータの完全修飾ドメイン名(FQDN)を入力します。(これはIISボックスです。)

    • アプリケーションを複数のコンピュータにデプロイする場合、「負荷分散アプリケーション」チェック・ボックスを選択し、「ロード バランサーFqdn」にロード・バランサのFQDNを入力します。

    アプリケーション・プールは、「Application Provisioner」ダイアログに表示されます。

  5. サーバーのエントリをダブルクリックします。

    「サーバーの表示」ダイアログが表示されます。そこに表示される情報は、サーバーのFQDN、ポート、GRUUです。

  6. 新しく作成した信頼済みエントリをLync Server 2010に移行します。

    第14.2.3.2.6項「Topology BuilderまたはPowerShellコマンドレットを使用した信頼済サービス・エントリの移行」を参照してください。

  7. LyncサーバーでLync Certificateウィザードを使用して、前の手順で書き留めておいたサーバーFQDNをサブジェクト名として証明書を作成します。

    この証明書は、IISサーバーからの要求の認可に使用されます。

  8. 証明書が作成されたら、証明書を表示します。

  9. 「詳細」タブで、「ファイルにコピー」をクリックします。

    証明書のエクスポート・ウィザードが表示されます。

  10. 秘密鍵を使用して、証明書をファイルにエクスポートします。

    証明書の名前が付いた.pfx (Personal Information Exchange)ファイルが生成されます。

14.2.3.2.5 WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加
  1. WBemTest.exeを起動するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウで、WBemTestと入力して[Enter]を押します。

  2. 「Windows Management Instrumentationテスト」ダイアログで、「接続」をクリックします。

  3. 「接続」ダイアログで、「接続」をクリックします。

  4. 「Windows Management Instrumentationテスト」ダイアログで、「クラスの列挙」をクリックします。

  5. 「スーパークラス情報」ダイアログで、「OK」をクリックします。

  6. 「クエリ結果」ダイアログで、「MSFT_SIPDomainData()」までスクロール・ダウンして、このエントリをダブルクリックします。

  7. 「MSFT_SIPDomainDataのオブジェクト エディタ」ダイアログで、「インスタンス」をクリックします。

    「クエリ結果」ダイアログが表示され、MSFT_SIPDomainData WMIクラスの各インスタンスのInstanceIDが表示されます。これらのエントリはAllowedDomainエントリです。

  8. AllowedDomainエントリを追加するために、「追加」をクリックします。

  9. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「アドレス」をダブルクリックします。

  10. 「プロパティ エディタ」ダイアログで、「NULLでない」ラジオ・ボタンを選択します。

  11. 「値」テキスト入力ペインに、Lyncサーバーのドメイン(例: contoso.com)を入力して、「プロパティの保存」をクリックします。

  12. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「権限あり」をダブルクリックして、「権限あり」プロパティをNullではなくFalseに設定してから、「プロパティの保存」をクリックします。

  13. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「既定のドメイン」をダブルクリックして、「既定のドメイン」プロパティをNullではなくTrueに設定してから、「プロパティの保存」をクリックします。

  14. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログで、「オブジェクトの保存」をクリックします。

14.2.3.2.6 Topology BuilderまたはPowerShellコマンドレットを使用した信頼済サービス・エントリの移行

Microsoft Lync Server 2010 Topology Builderを使用して信頼済サービス エントリを移行する手順は次のとおりです。

  1. Microsoft Lync Server 2010のトポロジ ビルダーを起動します。

  2. 既存のトポロジが読み込まれたら、「アクション」で「2007 トポロジのマージ」または「2007 R2 トポロジのマージ」を選択します。

  3. その結果として起動されるウィザードで、デフォルトのオプションをそのまま使用して最後まで進みます。

  4. 「トポロジの公開」を選択し、前の手順と同じようにウィザードを完了します。

  5. ウィザードが終了したら、正常に実行が完了したことを確認します。

    ユーザー・インタフェースにエラーが表示されていないことを確認してください。

Microsoft Lync Server 2010 PowerShellコマンドレットを使用して信頼済サービス エントリを移行する手順は次のとおりです。

  1. 「スタート」メニューから「Microsoft Lync Server 2010」プログラム・グループにある「Lync Server管理シェル」を実行します。

  2. 次のPowerShellコマンドレットを実行します。

    Merge-CsLegacyTopology -TopologyXmlFileName D:\output.xml
    
  3. 次のPowerShellコマンドレットを実行します。

    Publish-CsTopology -FileName D:\output.xml
    
14.2.3.2.7 IISサーバーの構成

リモート・デプロイのシナリオでは、IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、前の項の情報を使用して、IISを信頼された認証局にしてください。

  1. 秘密鍵を使用してLyncサーバーによって発行された証明書をインストールします。LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニングの手順7で生成した.pfxファイルをIISボックスにコピーし、それをダブルクリックします。

    証明書のインポート・ウィザードが表示されます。

  2. LOCAL_MACHINEの下の個人用フォルダに証明書をインポートします。

  3. C:/WINDOWS/system32/drivers/etc/hostsにLyncサーバーのプール名のエントリを次の形式で作成します。

    <ip-address-of-lync-box> <poolname-of-lync-box>
    

    例:

    10.177.252.146 pool01.example.com
    
  4. IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、IISサーバーにMicrosoft UCMA v2.0をインストールします。

    詳細は、第14.2.3.2.8項「UCMA v2.0のインストール」を参照してください。

  5. UCMAをインストールしたら、このプロキシ・アプリケーションをIISサーバー上にデプロイします。

    WebCenter PortalのProxyアプリケーションは、Lyncとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。詳細は、第14.2.3.2.9項「WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール」を参照してください。

  6. WebCenter PortalのProxyアプリケーションが抽出された場所に移動して、Web.configを開き、appSettings XMLノードを編集して、前の項(第14.2.2.2.5項「IISサーバーの構成」)の手順7で書き留めておいた値を追加します。

    RemoteDeploymentの値は、必ずtrueに設定します。たとえば、appsettings XMLノードは次のように表示されます。

    <appSettings>
      <add key="ApplicationName" value="WebCenterProxyApplication"/>
      <add key="RemoteDeployment" value="true"/>
      <add key="ApplicationFQDN" value="iis.server.com"/>
      <add key="ApplicationGRUU" value="sip:iis.server.com@EXAMPLE.COM;gruu;opaque=srvr:WebCenterProxyApplication:7mhSo94PlUK-5Q2bKPLyMAAA"/>
      <add key="ApplicationPort" value="6001"/>
    </appSettings> 
    

注意:

ログ・ファイルに次のような例外が記録されている場合は、

ErrorCode = -2146893039
FailureReason = NoAuthenticatingAuthority
e.Message = "Unable to perform authentication of credentials."
base {Microsoft.Rtc.Signaling.FailureResponseException} = {"Unable to perform authentication of credentials."}
InnerException = {"NegotiateSecurityAssociation failed, error: \-2146893039"}

Web.configに次のエントリを追加してください。

<identity impersonate="true" userName="Administrator" password="MyPassword*"/>

usernameは管理者のユーザー名、passwordは管理者のパスワードです。


信頼関係が確立され、WebCenter PortalのProxyアプリケーションがLyncと対話できるようになりました。

14.2.3.2.8 UCMA v2.0のインストール

Microsoft Unified Communications Managed API v2.0 (UCMA)は、Lync環境と対話可能なサーバー・アプリケーションを上級開発者が構築できるエンドポイントAPIです。

シンプル・デプロイでは、UCMAがLyncと同じボックスにインストールされます。リモート・デプロイでは、Lyncコア・ライブラリはLyncボックスにインストールされ、UCMAはIIS(プロキシ)ボックスにインストールされます。

  1. UCMA v2.0インストールを次の場所からダウンロードします。http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=b20967b1-6cf5-4a4b-b7ae-622653ac929f&displaylang=en

  2. UcmaSDKWebDownload.msiファイルをダウンロードして実行します。

    フォルダC:\Microsoft Unified Communications Managed API 2.0 SDK Installer package\amd64にファイルが抽出されます。

  3. (前の手順でファイルが抽出された)ディレクトリに移動しvcredist_x86.exeを実行します。

    UCMA APIに必要な、Visual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。

  4. ディレクトリSetupに移動し、UcmaRedist.msiを実行します。

    GACのUCMA 2.0アセンブリがインストールされます。

14.2.3.2.9 WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール
  1. コンパニオンCDからowc_ocs2007.zipを抽出します。

    OCSWebServicesという名前のディレクトリが作成されます。

  2. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャを開きます。

  3. IISマネージャでサーバー・ノードを開き、「サイト」を開きます。

  4. 「Lync内部Webサイト」を右クリックして、「アプリケーションの追加」を選択します。

  5. アプリケーションの追加ウィザードで、「エイリアス」フィールドに仮想ディレクトリの別名(たとえば、RTC)を入力します。

  6. owc_ocs2007.zipファイルから抽出されたディレクトリのパスを入力し、「OK」をクリックします。

    たとえば、このzipファイルを「C:\」に抽出した場合は、C:\OCSWebServicesを入力します。あるいは、「参照」ボタンを使用して、そのディレクトリにナビゲートします。「OK」をクリックします。

  7. 新しく作成したアプリケーションを右クリックし、「アクセス許可の編集」を選択して「プロパティ」ダイアログを表示します。

  8. 「セキュリティ」タブで、アクセス許可を編集してユーザー「すべてのユーザー」に読取りアクセス許可を付与します。

  9. 次のURL書式を使用してWebサイトにアクセスすることで、Webサービスをテストします。http://localhost/lync_internal_web_site/OCSWebService.asmx

    lync_internal_web_siteは、Oracle RTC Webサービス用に作成した仮想ディレクトリです。

    例:

    http://localhost/RTC/OCSWebService.asmx

14.2.3.3 Microsoft Lync: セキュリティに関する考慮事項

ユーザーが資格証明を提供してLyncサーバーに対して自分を認証できるように、Microsoft Lync接続用の外部アプリケーションを構成する必要があります。

保護されたアプリケーションでは、ユーザーがプレゼンス・ステータスを取得できます。Lyncでは、セキュリティが必要な場合、信頼できるプライベート・ネットワーク上にLyncが存在する必要があります。

Lyncには、外部資格情報を変更するためのオプションが用意されています。これは、外部アプリケーションを使用するかわりになります。ログインしたユーザーは、「プレゼンス」タグをクリックし、メニューから「資格情報の変更」を選択できます。

詳細は、第14.3.1項「Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録」を参照してください。

14.3 インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

WebCenter Portalには複数のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、同時にアクティブにできる接続はそのうち1つのみです。

新しい(アクティブな)プレゼンス・サーバーの使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.3.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

プレゼンス・サーバー接続を登録するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • WebCenter Portalの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。

  4. 新しいプレゼンス・サーバーに接続するには、「追加」をクリックします(図14-7)。

    図14-7 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成

    図14-7の説明が続きます
    「図14-7 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成」の説明

  5. この接続の一意の名前を入力し、プレゼンス・サーバー・タイプを指定して、この接続をアプリケーションのアクティブな(またはデフォルトの)接続にするかどうかを指定します(表14-1)。

    表14-1 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 名前

    フィールド 説明

    接続名

    接続の一意の名前を入力します。この名前は、WebCenter Portalのすべての接続タイプにおいて一意である必要があります。

    接続タイプ

    プレゼンス・サーバーのタイプを指定します。

    • Microsoft Live Communications Server (LCS)

    • Microsoft Office Communications Server 2007 (OCS)

    初期設定のWebCenter Portalは、Microsoft LCS、OCSおよびLyncをサポートしています。

    注意: Microsoft Lync接続は、Microsoft Office Communications Server 2010接続タイプを使用します。(Oracle Beehive Server接続は、このリリースではサポートされていません。)

    アクティブな接続

    これを選択すると、この接続がWebCenter Portalでインスタント・メッセージおよびプレゼンスに使用されます。

    1つのアプリケーションに対して複数のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、IMPで使用される接続はデフォルトの(またはアクティブな)接続1つのみです。


  6. インスタント・メッセージおよびプレゼンスをホストするサーバーの接続の詳細を入力します(表14-2)。

    表14-2 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 接続の詳細

    フィールド 説明

    サーバーURL

    インスタント・メッセージおよびプレゼンスをホストするサーバーのURLを入力します。

    例: http://myocshost.com:8888

    ユーザー・ドメイン

    (OCS/Lyncのみ)この接続に関連付けられている(Microsoft Office Communications Server上の)Active Directoryドメインの名前を入力します。OCS/Lync接続の場合はユーザー・ドメインが必須です。

    ユーザー・ドメインの詳細は、Microsoft社のドキュメントを参照してください。

    プール名

    この接続に関連付けられているプールの名前を入力します。このプール名は必須です。

    プール名の詳細は、Microsoft社のドキュメントを参照してください。

    関連付けられている外部アプリケーション

    インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーを外部アプリケーションと関連付けます。外部アプリケーションの資格証明情報が、ユーザーをインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーに対して認証するために使用されます。

    外部アプリケーションは必須です。

    リストから既存の外部アプリケーションを選択することも、「新規作成」をクリックして新規の外部アプリケーションを構成することもできます。

    インスタント・メッセージおよびプレゼンス用に構成する外部アプリケーションでは、POST認証方式を使用する必要があります。また、Display to Userに構成(選択)されたAccountという追加のフィールド(名前プロパティ)も指定する必要があります。詳細は、第23章「外部アプリケーションの管理」を参照してください。


  7. 「拡張構成」フィールドにタイムアウトを入力します(表14-4)。

    表14-3 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 拡張構成

    フィールド 説明

    接続タイムアウト(秒)

    接続の適切なタイムアウトを指定します。

    これは、WebCenter Portalが接続タイムアウト・メッセージを発行するまでにプレゼンス・サーバーからのレスポンスを待機する時間(秒)です。

    デフォルトは-1です。これは、デフォルトが使用されることを示します。デフォルトは10秒です。


  8. プレゼンス・サーバーに接続するためには追加のパラメータが必要になる場合があります。

    プレゼンス・サーバーへの接続に追加のパラメータが必要な場合は、「追加プロパティ」を開き、必要な詳細を入力します(表14-4)。

    表14-4 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 追加プロパティ

    フィールド 説明

    追加

    「追加」をクリックして、追加の接続パラメータを指定します。

    • プロパティ名: 接続プロパティの名前を入力します。

    • プロパティ値: プロパティのデフォルト値を入力します。

    • プロパティはセキュアか: 暗号化が必要かどうかを指定します。選択した場合、プロパティの値は、暗号化を使用してセキュアに格納されます。

      たとえば、この値が実際のパスワードである場合、admin.passwordプロパティを保護するためにこのオプションを選択します。

    削除

    「削除」をクリックして、選択したプロパティを削除します。

    「削除」をクリックする前に、正しい行を選択します。

    注意: 「OK」をクリックするまで、削除された行は無効として表示されます。


  9. 「OK」をクリックして、この接続を保存します。

  10. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

    詳細は、第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

14.3.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

WLSTコマンドのcreateIMPConnectionを使用して、プレゼンス・サーバーの接続を作成します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のcreateIMPConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

新規のIMP接続をアクティブに使用するようにインスタント・メッセージおよびプレゼンスを構成するには、default=trueを設定します。詳細は、第14.4.2項「WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択」を参照してください。


注意:

新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド行を使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。


14.4 インスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

WebCenter Portalには複数のインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、一度にアクティブにできる接続は1つのみです。アクティブな接続がWebCenter Portalのバックエンド・プレゼンス・サーバーになります。

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.4.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

アクティブな接続を変更するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • WebCenter Portalの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。

    「インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の管理」表に、現在のアクティブな接続(ある場合)が示されます。

  4. アクティブな(またはデフォルトの)接続にする接続を選択し、「編集」をクリックします。

  5. 「アクティブな接続」チェック・ボックスを選択します。

  6. 「OK」をクリックして、接続を更新します。

  7. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

    第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

14.4.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

WLSTコマンドのsetIMPConnectiondefault=trueで使用して、既存のプレゼンス・サーバー接続をアクティブ化します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetIMPConnectionに関する項を参照してください。

プレゼンス・サーバー接続を無効化するには、その接続を削除するか、別の接続を「アクティブな接続」にするか、removeIMPServicePropertyコマンドを使用します。

removeIMPServiceProperty('appName='webcenter', property='selected.connection')

このコマンドを使用すると、接続の詳細は保持されますが、この接続はアクティブな接続として示されなくなります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のremoveIMPServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。


注意:

このアクティブな接続の使用を開始するには、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド行を使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。


14.5 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続の詳細はいつでも変更できます。

更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.5.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの接続の詳細を更新する手順は、次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • WebCenter Portalの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。

  4. 接続名を選択し、「編集」をクリックします。

  5. 必要に応じて接続の詳細を編集します。

    パラメータの詳細は、表14-2「インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 接続の詳細」を参照してください。

  6. 「OK」をクリックして、変更を保存します。

  7. 更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

    詳細は、第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

14.5.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

WLSTコマンドのsetIMPConnectionを使用して、プレゼンス・サーバー接続の詳細を編集します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetIMPConnectionに関する項を参照してください。

プレゼンス・サーバーへの接続に追加のパラメータが必要な場合は、setIMPConnectionPropertyコマンドを使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetIMPConnectionPropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。


注意:

更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド行を使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。


14.6 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続はいつでも削除できますが、アクティブな接続を削除する際には注意が必要です。ユーザー・プレゼンス・オプションはバックエンド・インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーを必要とするため、アクティブな接続を削除すると、ユーザー・プレゼンス・オプションは使用できなくなります。

接続を削除するとき、インスタント・メッセージおよびプレゼンスに関連付けられている外部アプリケーションの目的がこの接続をサポートすることのみであれば、その外部アプリケーションを削除することを考慮してください。詳細は、第23.6項「外部アプリケーション接続の削除」を参照してください。

この項には次のサブセクションが含まれます:

14.6.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続を削除するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • WebCenter Portalの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。

  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。

  4. 接続名を選択し、「削除」をクリックします。

  5. この変更を行うには、WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

    詳細は、第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。


    注意:

    管理対象サーバーを再起動する前に、別の接続をアクティブとしてマークしてください。そうしないと、インスタント・メッセージおよびプレゼンスが無効になります。


14.6.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

WLSTコマンドのdeleteConnectionを使用して、プレゼンス・サーバーの接続を削除します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のdeleteConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

14.7 インスタント・メッセージおよびプレゼンスのデフォルトの設定

WLSTコマンドのsetIMPServicePropertyを使用して、IMPのデフォルトを設定します。

コマンドの構文と詳細な例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetIMPServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

14.8 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続のテスト

Oracle RTC Webサービスでは、呼び出して妥当性をテストできる一連のWebメソッドを公開しています。接続を検証するには、Webサービスのエンドポイントにアクセスしてみます。次の例は、アプリケーション・コンテキスト・パスを/RTCと仮定しています。