この章では、レプリケーション環境のインスタンス化を構成および実行し、複数のデータベース間で同期状態を確立し、維持する方法について説明します。同期状態では、データをターゲット・オブジェクトに適用する前にデータで変換が実行されたかどうかによって、ソースおよびターゲット・オブジェクトに同じ値またはほぼ一致する値が含まれます。
この章の内容は次のとおりです。
インスタンス化手順では、ソース・データのコピーを作成し、そのコピーをターゲット・データベースにロードします。初期ロードではデータのポイントインタイム・スナップショットがキャプチャされます。Oracle GoldenGateでは、静的データのロード時に発生したトランザクション変更が適用され、その整合性が保たれます。インスタンス化の完了後、Oracle GoldenGateでは進行中のトランザクション変更の間、同期状態が保持されます。
Oracle GoldenGate処理をインスタンス化する場合、本番マシンにライブをデプロイする前にまずテスト環境でテストすることをお薦めします。これは、信頼できるソースのデータがレプリケーション・プロセスからアクセスされる可能性のあるアクティブ/アクティブまたは高可用性の構成で特に重要です。テストによって、ターゲットでの再ロードや他のトラブルシューティング・アクティビティのためにユーザー・アクティビティを中断することなく、構成の誤りやデータの問題を検出して解決できます。テストによって、インスタンス化プロセスが適切に構成されたことも保証されます。テストに成功した後、パラメータ・ファイルを本番装置にコピーし、本番データを使用して予測可能なインスタンス化を実行できます。
Oracle GoldenGateプロセスまたはネイティブ・データベース・ロード・プロセスを起動する前に、次の手順を実行する必要があります。
ターゲット・データベースおよびレプリケーション環境のインスタンス化を実行するには、オンライン変更キャプチャおよび適用グループが存在し、適切に構成されている必要があります。参照先:
インスタンス化を実行する前に、DDLアクティビティを無効化する必要があります。インスタンス化の終了後、DDLを再開できます。手順は、16.1項「DDL処理の一時的な無効化」を参照してください。
この前提条件は、次のインスタンス化方法に適用されます。
この前提条件は、15.3.1項「Oracle Data Pumpを使用したロードの構成」に説明されているインスタンス化方法には適用されません
。
ソース・データベースがいずれかの初期ロード方式でアクティブな場合、Replicatパラメータ・ファイルにコリジョン処理ロジックを追加する必要があります。このロジックでは、静的データのターゲット表へのロードと、Oracle GoldenGateによるターゲット表へのトランザクション変更のレプリケートが同時に行われるために発生する競合が処理されます。
次のコリジョンを処理するには、HANDLECOLLISIONS
パラメータをReplicatパラメータに追加して解決します。
すでに存在する行のINSERT
操作
存在しない行のUPDATE
およびDELETE
操作
インスタンス化手順の最後に(手順で尋ねられたときに)、ReplicatパラメータからHANDLECOLLISIONS
を削除する必要があります。HANDLECOLLISIONS
の詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
HANDLECOLLISIONS
関数を使用して、ロードによる増分データ変更を調整するには、各ターゲット表に主キーと一意キーがある必要があります。アプリケーションでキーを作成できない場合、TABLE
およびMAP
パラメータのKEYCOLS
オプションを使用し、Oracle GoldenGateで使用する代替キーとなる列を指定します。キーを作成できない場合、影響を受けるロードのソース表を停止する必要があります。KEYCOLSの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
ロードを高速に行い、エラーが起こらないようにするための推奨事項は、次のとおりです。
データ: ターゲット表が空であることを確認します。そうでない場合、行の重複エラーや既存の行とロードされる行との間に競合が発生することがあります。
索引: ターゲット表から索引を削除します。索引は、初期ロード・プロセスによって実行される挿入には不要で、速度を低下させます。ロードの完了後、索引を再度追加できます。
Oracle GoldenGateでは、Oracle専用の次のロード方式がサポートされます。
方法を選択してその構成手順に従い、ロード・プロセスとパラメータ・ファイルを作成します。
変更同期パラメータ・ファイルで使用するパラメータの一部は、初期ロードのExtractおよびReplicatパラメータ・ファイルにも必要です。共通性を利用するには、次の方法を使用します。
共通のパラメータを一方のパラメータ・ファイルから他方にコピーします。
共通のパラメータを中央のファイルに格納し、各パラメータ・ファイルでOBEY
パラメータを使用して取得します。
共通のパラメータに対するOracle GoldenGateマクロを作成し、MACRO
パラメータを使用して各パラメータ・ファイルからマクロをコールします。
パラメータ・ファイルの使用の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
この方法では、Oracle Data Pumpユーティリティを使用して、ターゲット・データを構築します。コピーが停止したときのSCNで、Extract、データ・ポンプおよびReplicatを起動します。整合性違反によるコリジョンを避けるために、コピーに含まれていたトランザクションはスキップされます。プロセスの開始地点から、Oracle GoldenGateはデータ同期を維持します。
この方法では、初期ロードOracle GoldenGateプロセスは不要です。
図15-2に、SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための構成を示します。
この方法では、Oracle GoldenGate初期ロードExtractを構成して実行し、全ソース・レコードを抽出して初期ロードReplicatタスクに直接送信します。初期ロードReplicatタスクはSQL*Loaderと通信し、ダイレクトパス・バルク・ロードでデータをロードします。データ・マッピングと変換は、初期ロードExtractまたは初期ロードReplicat、あるいはその両方で行えます。ロード時、第7章「統合モードでのキャプチャの構成」または第8章「クラシック・モードでのキャプチャの構成」および第9章「Oracle GoldenGateの適用の構成」で構成した変更同期グループによって増分変更がレプリケートされ、ロードの結果に反映されます。
制限:
この方法では、LOB
またはLONG
のデータの抽出はサポートされません。かわりの方法については、15.4.3項「入力ファイルからSQL*Loaderへのインスタンス化の実行」を参照してください。
この方法では、サイズに関係なく、LOB
を含むマテリアライズド・ビューはサポートされません。データの暗号化もサポートされません。
SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための構成手順
LOCK ANY TABLE
をターゲットOracleデータベースのReplicatデータベース・ユーザーに付与します。
ソースおよびターゲット・システムでGGSCIを実行します。
両方のシステムでManagerを起動します。
START MANAGER
ソース・システムで、初期ロードExtractを作成します。
ADD EXTRACT initial-load_Extract
, SOURCEISTABLE
説明:
initial-load_Extract
は、8文字以内の初期ロードExtractの名前です。
SOURCEISTABLE
では、Extractに全レコードをソース表から直接読み取るように指示します。
ソース・システムで、初期ロードExtractパラメータ・ファイルを作成します。
EDIT PARAMS initial-load_Extract
次に示す順序で初期ロードExtractパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなる表名を示しています。詳細は、表15-1を参照してください。
EXTRACT initext USERIDALIAS tiger1 RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2 RMTTASK replicat, GROUP initrep TABLE hq.hr.*;
表15-1 SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための初期ロードExtractパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
|
|
Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。 |
|
ターゲット・システム、Managerが稼働しているポート、およびTCP/IP経由でのデータ暗号化(オプション)を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
|
プロセス・タイプ( |
|
キャプチャする表を指定します。
オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
ファイルを保存して閉じます。
ターゲット・システムで、初期ロードReplicatを作成します。
ADD REPLICAT initial-load Replicat
, SPECIALRUN
説明:
initial-load Replicat
は、初期ロードReplicatタスクの名前です。
SPECIALRUN
では、初期ロードReplicatを、継続的プロセスではなく、ワンタイム・タスクとして識別します。
ターゲット・システムで、初期ロードReplicatパラメータ・ファイルを作成します。
EDIT PARAMS initial-load Replicat
次に示す順序で初期ロードReplicatパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなるソース表名を示しています。詳細は、表15-2を参照してください。
REPLICAT initrep USERIDALIAS tiger2 BULKLOAD ASSUMETARGETDEFS MAP hq.hr.*, TARGET hr2.*;
表15-2 SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための初期ロードReplicatパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
|
|
Replicatに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。 |
|
Oracle SQL*Loaderインタフェースと直接対話するようReplicatに指示します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
|
ソースとターゲットの表が、セマンティクスを含めて同一であるものとします。ソースとターゲットの定義が異なる場合、変更同期と初期ロードの両方のプロセスが使用するソース定義ファイルを作成して指定する必要があります。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 データ定義ファイルの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
|
ソース表とターゲット表の関係を指定します。
オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
この方法では、初期ロードExtractはソース表からソース・レコードを抽出し、抽出ファイルに外部ASCII形式で書き込みます。ファイルはSQL*Loaderによって読み取られます。ロード時、第4章で構成した変更同期グループによって増分変更がレプリケートされ、ロードの結果に反映されます。ロード処理の一環として、Oracle GoldenGateで初期ロードReplicatを使用して、データベース・ユーティリティに必要な実行ファイルと制御ファイルを作成します。制御ファイルは動的に生成され、変換ルールで事前構成できないため、すべてのデータ変換はソース・システムで初期ロードExtractによって実行される必要があります。
ファイルからSQL*Loaderへのロードを構成する手順
ソースおよびターゲット・システムでGGSCIを実行します。
両方のシステムでManagerを起動します。
START MANAGER
ソース・システムで、初期ロードExtractパラメータ・ファイルを作成します。
EDIT PARAMS initial-load Extract
次に示す順序で初期ロードExtractパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなる表名を示しています。詳細は、表15-3を参照してください。
SOURCEISTABLE USERIDALIAS tiger1 RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2 ENCRYPTTRAIL AES192 FORMATASCII, SQLLOADER RMTFILE /ggs/dirdat/ie TABLE hq.hr.*;
表15-3 ファイルからSQL*Loaderへロードするための初期ロードExtractパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
Extractを、ソース表から直接レコードを抽出する初期ロード・プロセスとして指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
|
Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。 |
|
ターゲット・システム、Managerが稼働しているポート、およびTCP/IP経由でのデータ暗号化(オプション)を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
|
リモート・ファイルでデータを暗号化します。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。 |
|
SQL*Loaderに対応した、固定長でASCII形式のリモート・ファイルを作成します。このパラメータは、 |
|
Extractによって作成され、ロード・データが書き込まれる抽出ファイルの絶対パスまたはフルパス名を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
|
キャプチャする表を指定します。
オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
パラメータ・ファイルを保存して閉じます。
ターゲット・システムで、初期ロードReplicatパラメータ・ファイルを作成します。
EDIT PARAMS initial-load Replicat
次に示す順序で初期ロードReplicatパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなるソース表名を示しています。詳細は、表15-4を参照してください。
GENLOADFILES sqlldr.tpl USERIDALIAS tiger2 EXTFILE /ggs/dirdat/ie ASSUMETARGETDEFS MAP hq.hr.*, TARGET hr2.*;
表15-4 ファイルからSQL*Loaderへロードするための初期ロードReplicatパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
データベース・ユーティリティの実行ファイルと制御ファイルを生成します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
|
Replicatに割り当てられているユーザーのデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。 |
|
Extractパラメータ |
|
ソースとターゲットの表が、セマンティクスを含めて同一であるものとします。ソースとターゲットの定義が異なる場合、変更同期と初期ロードの両方のプロセスが使用するソース定義ファイルを作成して指定する必要があります。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 データ定義ファイルの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
|
ソース表とターゲット表の関係を指定します。
オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
パラメータ・ファイルを保存して閉じます。
この手順では、ターゲット表のインスタンス化の間にOracle GoldenGateでソースの進行中のトランザクション変更をキャプチャし、ターゲットに適用されるまで格納します。ターゲット表のインスタンス化を実行するまでに、Oracle GoldenGate環境全体が変更のキャプチャと配信用に構成されている必要があります。Oracle GoldenGateを初期ロード・ユーティリティとして使用する場合は初期ロード・プロセスも同様です。
注意: Extractが新しいOracle GoldenGate構成で初めて起動されたとき、開いているソース・トランザクションはスキップされます。Extractの起動後に開始されたトランザクションのみキャプチャされます。 |
Oracle Data Pumpを使用してインスタンス化を実行する場合は、My Oracle Supportドキュメント1276058.1を参照してください。このドキュメントを入手するには、次のようにします。
http://support.oracle.com
に移動します。
「Sign In」の下部から言語を選択し、Oracleシングル・サインオン(SSO)でログインします。
「Dashboard」で、見出し「Knowledge Base」を展開します。
「Enter Search Terms」の下の箇所で、ドキュメントID「1276058.1
」を貼り付けるか入力し、「Search」をクリックします。
検索結果で「Oracle GoldenGate Best Practices: Instantiation from an Oracle Source Database [Article ID 1276058.1]」を選択します。
「Attachments」の下のリンクをクリックして、記事を開きます。
ソース・システムで、GGSCIを実行します。
プライマリ変更キャプチャExtractグループを起動します。
START EXTRACT group
データ・ポンプExtractグループを起動します。
START EXTRACT data_pump
順序値をレプリケートする場合、次のようにします。
update.Sequence
に対してEXECUTE
権限を持つ資格証明ストア内のユーザーのエイリアスで、DBLOGIN
コマンドを発行します。
DBLOGIN USERIDALIAS alias
次のコマンドを発行して、各ソース順序を更新し、REDOを生成します。このREDOから、Replicatがターゲット上の順序の初期同期を実行します。このコマンドの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
FLUSH SEQUENCE [container.]schema.sequence
初期ロードExtractを起動します。
START EXTRACT initial-load_Extract
警告: 初期ロードReplicatは起動しないでください。Managerプロセスで自動的に起動し、ロードの完了時に終了します。 |
ターゲット・システムでGGSCIを実行します。
VIEW REPORT
コマンドを発行し、SQL*Loaderへの初期ロードがいつ完了したかを確認します。
VIEW REPORT initial-load_Extract
ロードが完了したら、変更データReplicatグループを起動します。
START REPLICAT group
INFO REPLICAT
コマンドを発行します。初期ロード中に生成された変更データをReplicatですべて適用したと表示されるまで、コマンドの発行を続けます。たとえば、初期ロードExtractが12:05に停止した場合、Replicatがその時間までのデータを適用したことを確認します。
INFO REPLICAT group
変更配信ReplicatのHANDLECOLLISIONS
をオフにし、初期ロードのエラー処理を無効にします。
SEND REPLICAT group
, NOHANDLECOLLISIONS
変更配信Replicatパラメータ・ファイルを編集し、HANDLECOLLISIONS
パラメータを削除します。
EDIT PARAMS group
パラメータ・ファイルを保存して閉じます。
これ以降、Oracle GoldenGateでデータ変更の同期が続けられます。
注意: データにマルチバイト文字がある場合、特にオペレーティング・システムのキャラクタ・セットがデータベースのキャラクタ・セットと異なる場合、SQL*Loader方法は推奨されません。 |
ソース・システムで、GGSCIを実行します。
プライマリ変更キャプチャExtractグループを起動します。
START EXTRACT group
データ・ポンプExtractグループを起動します。
START EXTRACT
data_pump
順序値をレプリケートする場合、次のようにします。
update.Sequence
に対してEXECUTE
権限を持つ資格証明ストア内のユーザーのエイリアスで、DBLOGIN
コマンドを発行します。
DBLOGIN USERIDALIAS alias
次のコマンドを発行して、各ソース順序を更新し、REDOを生成します。このREDOから、Replicatがターゲット上の順序の初期同期を実行します。このコマンドの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
FLUSH SEQUENCE [container.]schema.sequence
ソース・システムのOracle GoldenGateのインストール・ディレクトリで、オペレーティング・システムのコマンドライン(GGSCIではない)から初期ロードExtractを起動します。
UNIXおよびLinux:
$ /OGG_directory
/extractparamfile
dirprm/initial-load_Extract
.prm reportfilepath
Windows:
C:\>OGG_directory
\extractparamfile
dirprm\initial-load_Extract
.prm reportfilepath
説明: initial-load_Extract
は、初期ロードExtractの名前で、path
は、Extractレポート・ファイルが作成される場所の相対パスまたは完全修飾パスです。
ソースからの初期抽出が完了するまで待ちます。コマンドラインからExtractレポート・ファイルを表示し、進捗と結果を確認します。
ターゲット・システムで、初期ロードReplicatを起動します。
UNIXおよびLinux:
$ /OGG directory
/replicatparamfile
dirprm/initial-load_Replicat name
.prm reportfilepath
Windows:
C:\>OGG directory
\replicatparamfile
dirprm\initial-load_Replicat
.prm reportfilepath
説明: initial-load Extract
は、初期ロードReplicatの名前で、path
は、Replicatレポート・ファイルが作成される場所の相対パスまたは完全修飾パスです。
初期ロードReplicatが停止したら、コマンドラインからReplicatレポート・ファイルを表示し、結果を確認します。
ASCII形式のファイルおよび初期ロードReplicatが作成した実行ファイルと制御ファイルを使用し、SQL*Loaderを介してデータをロードします。
ロードが完了したら、変更配信Replicatグループを起動します。
START REPLICAT group
INFO REPLICAT
コマンドを発行します。初期ロード中に生成された変更データをReplicatですべて適用したと表示されるまで、コマンドの発行を続けます。たとえば、初期ロードExtractが12:05に停止した場合、Replicatがその時間までのデータを適用したことを確認します。
INFO REPLICAT group
変更配信ReplicatのHANDLECOLLISIONS
をオフにし、初期ロードのエラー処理を無効にします。
SEND REPLICAT group
, NOHANDLECOLLISIONS
変更配信Replicatパラメータ・ファイルを編集し、HANDLECOLLISIONS
パラメータを削除します。
EDIT PARAMS group
パラメータ・ファイルを保存して閉じます。
これ以降、Oracle GoldenGateでデータ変更の同期が続けられます。
ターゲットをインスタンス化し、レプリケーションが有効になったら、プロセスを制御し、レプリケーション環境の全体的な正常性を確認することができます。
プロセスを制御するには、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
すべてのプロセスが正常に実行され、エラーがエラー処理ルールに従って処理されることを確認するには、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。Oracle GoldenGateには、プロセスのステータス、ラグ、警告およびその他の情報を表示するコマンドやログが用意されています。
また、Replicatを統合モードで構成した場合は、STATS REPLICAT
コマンドを使用し、直接適用モードで適用されたトランザクション数と比較した、統合モードで適用されたトランザクション数に関する統計を確認できます。
STATS REPLICAT group
このコマンドの出力によって、適用されたトランザクションの数、直接適用にリダイレクトされたトランザクションの数、直接トランザクション比率などの統計が示されます。この統計値により、統合Replicatが意図したとおりに実行されているかどうかを判断できます。環境に問題がなく、直接適用操作率が高い場合は、非統合Replicatの使用を検討します。統合Replicatで並列度を構成できます。
注意: 統計値を現実的なものにするために、適用統計を表示するのは、Oracle GoldenGate環境が適切に確立され、構成エラーが解決され、予期された処理エラーが適切に処理されたことが確認された後にしてください。 |
インバウンド・サーバー・コンポーネントごとに、V$
ビューで統合Replicatの実行時統計を確認することもできます。詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
リーダー統計はV$GG_APPLY_READER
に記録され、読込みメッセージ数、使用されたメモリー、依存性カウントに関する統計が含められます。
適用コーディネータ統計はV$GG_APPLY_COORDINATOR
に記録され、トランザクションレベルで統計値が記録されます。
適用サーバー統計は、V$GG_APPLY_SERVER
に記録されます。このビューでは、適用サーバーの各プロセスの情報(parallelism
およびmax_parallelism
パラメータで制御された)が別個の行に記録されます。各適用サーバーの統計は、SERVER_ID
列で識別されます。0
のSERVER_ID
が存在する場合、ワークロードが引き下げられたために適用サーバーの集計が終了したことを示します。
データベースがReplicatから受信したメッセージ数に関する統計は、V$GG_APPLY_RECEIVER
表に記録されます。
また、次のビューを問い合せることができます。このビューの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
V$GOLDENGATE_TABLE_STATS
: インバウンド・サーバーで処理された、レプリケートされた各表で発生したDMLおよびコリジョンの統計を確認する場合。
V$GOLDENGATE_TRANSACTION
: Oracle GoldenGateインバウンド・サーバーで処理されたトランザクションに関する情報を確認する場合。
ソース・データとターゲット・データが同期されていることを確認するために、Oracle GoldenGate Veridata製品または独自のスクリプトを使用し、ソース・データとターゲット・データを選択して比較できます。
Oracle GoldenGateの処理を開始したら、障害に備えて処理の状態を残しておく上で、効果的なバックアップ・ルーチンが不可欠です。Oracle GoldenGateの作業ファイルをリストアできない場合、レプリケーション環境全体を再インスタンス化し、初期ロードを新たに完了する必要があります。
ベスト・プラクティスとして、バックアップ・ルーチンにOracle GoldenGateホーム・インストール全体を含めます。ディレクトリのルートに重要なサブディレクトリ、ファイルおよびプログラムが非常に多くあり、個別に追跡することは困難です。いずれにしても、最も重要なファイルがバックアップ領域の大半を占めるため、単純にインストール・ディレクトリ全体をバックアップすることは、高速で簡単なリカバリのためには理にかなっています。