この章では、変更同期プロセスと総称されるOracle GoldenGateプロセス・グループを作成する手順について説明します。少なくとも、1つのプライマリExtract、1つのデータ・ポンプおよび1つのReplicatプロセス・グループを作成します。Oracle GoldenGateプロセス・グループの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
この章の内容は次のとおりです。
この章では、Oracle GoldenGateプロセス・グループの構成に進む前に、Oracle GoldenGateがインストールされ、使用可能な様々な処理オプションについてユーザーが理解し、事前に必要な次の構成手順が実行されていることを前提としています。
第3章「Oracle GoldenGateのためのデータベースの準備」
第13章「DDLサポートの構成」(DDLサポートを使用する場合)
Extractを統合モードで使用する場合は、REDOデータをキャプチャするためにデータベース・ログマイニング・サーバーを作成する必要があります。これは、プライマリExtractプロセスをマイニング・データベースに登録することで、GGSCIインタフェースから行います。ログマイニング・サーバーの作成によって、ソース・データベースのスナップショットをソース・データベースのREDOストリームに抽出します。ソース・マルチテナント・コンテナ・データベースで、キャプチャに含める各プラガブル・データベースにExtractを登録します。
警告: Extractが処理を開始するログ・ストリームの最初のSCNを確認してください。Extractの開始SCN値を、 |
マイニング・データベースにログインし、環境に適切なコマンドを使用します。DBLOGIN
を使用すると、常にソース・データベースを参照します。
ソース・データベースのデプロイ用のコマンド:
DBLOGIN USERIDALIAS alias
ダウンストリーム・マイニング・データベースのデプロイ用のコマンド:
DBLOGIN USERIDALIASalias
MININGDBLOGIN USERIDALIASalias2
alias
では、Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。DBLOGIN
の詳細は、『Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX』を参照してください。MININGDBLOGIN
の詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
Extractプロセスをマイニング・データベースに登録します。
REGISTER EXTRACTgroup
DATABASE [CONTAINER (container
[, ...])] [SCN
system_change_number
]
説明:
group
は、Extractグループの名前です。
CONTAINER (
container
[, ...])
では、マルチテナント・コンテナ・データベース内のプラガブル・データベース(PDB)またはカンマで区切られたPDBのリストを指定します。REGISTER
コマンドを実行する前に、指定されたPDBが存在している必要があります。Extractは、このコマンドでリストされるPDBからのみキャプチャします。たとえば、次のコマンドにより、PDB mypdb1
およびmypdb4
が登録されます。Oracle GoldenGateでは、マルチテナント・コンテナ・データベース内の他のPDBからの変更は無視されます。
REGISTER EXTRACT myextract DATABASE CONTAINER (mypdb1, mypdb4, mydb5)
Extractを停止し、DBLOGIN
コマンドを発行した後に、DATABASE
の{ADD | DROP} CONTAINER
オプションを指定してREGISTER EXTRACT
を発行することで、プラガブル・データベースを後から追加または削除できます。REGISTER EXTRACTの詳細は、『Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX』を参照してください。
注意: 既存のExtractの特定のSCNでCONTAINER を追加することはサポートされていません。 |
Extractを登録して、過去の特定のSCNでキャプチャを開始します。このオプションを使用しない場合、REGISTER EXTRACT
が発行されたときからキャプチャが開始されます。指定したSCNは、ログ・ファイルのディクショナリ作成操作の開始SCNに対応している必要があります。次の問合せを発行して、有効なすべてのSCN値を検索できます。
SELECT first_change# FROM v$archived_log WHERE dictionary_begin = 'YES' AND standby_dest = 'NO' AND name IS NOT NULL AND status = 'A';
追加のExtractを同じソース・データベースのダウンストリーム・データベースに登録するには、このREGISTER
コマンドを発行します。
ソース・データベースごとに複数のExtractが必要な場合は、REGISTER EXTRACT
を指定してSHARE
を使用することで、パフォーマンスとメタデータの管理を向上できます。指定したSCN
は、アーカイブ・ログでマイニングが開始されるSCN
に対応している必要があります。
REGISTER EXTRACTgroup
DATABASE [CONTAINER (container
[, ...])] [SCN
system_change_number
] SHARE
注意: REGISTER コマンドがすぐに復帰した場合でも、プロセスの登録は、完了に数分かかる場合があります。 |
次の手順では、変更データをキャプチャするプライマリExtractを追加します。
ダウンストリーム・キャプチャおよび統合モードのExtractを使用する場合は、RMANアーカイブ・ログ削除ポリシーを次の値に設定します。
CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY TO APPLIED ON ALL STANDBY
これは、プライマリExtractを追加する前に行う必要があります。
GGSCIを実行します。
統合キャプチャを使用する場合は、DBLOGIN
コマンドを発行します。
DBLOGIN USERIDALIAS alias
alias
では、Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。
ADD EXTRACT
コマンドを発行して、プライマリExtractグループを追加します。
ADD EXTRACTgroup name
{, TRANLOG | , INTEGRATED TRANLOG} {, BEGIN {NOW |yyyy-mm-dd
[hh:mi:
[ss
[.cccccc
]]]} | SCNvalue
} [, THREADSn
]
説明:
group name
は、Extractグループの名前です。
TRANLOG
では、トランザクション・ログをデータ・ソースとして指定します(クラシック・キャプチャの場合のみ)。例14-1を参照してください。
INTEGRATED TRANLOG
では、Extractがデータベース・ログマイニング・サーバーを介して論理変更レコードを受信することを指定します(統合キャプチャの場合のみ)。例14-2を参照してください。このオプションを指定してADD EXTRACT
を発行する前に、DBLOGIN
コマンドを使用してデータベースにログインしたこと、およびこのExtractをデータベースに登録したことを確認します。詳細は、14.2項「Extractのマイニング・データベースでの登録」を参照してください。
BEGIN
では、特定の時間にデータのキャプチャを開始することを指定します。
NOW
では、ADD EXTRACT
の発行と同じ時間をタイムスタンプとする最初のレコードから開始します。
yyyy-mm-dd
[
hh:mi:
[
ss
[
.cccccc
]]]
では、明示されたタイムスタンプから開始します。このタイムスタンプからログが使用可能になります。統合モードのExtractの場合、タイムスタンプの値は、Extractがデータベースに登録されたときのタイムスタンプよりも大きい値である必要があります。
SCN
value
では、指定したOracleシステム変更番号(SCN)を持つREDOログ内のトランザクションでExtractを開始します。統合モードのExtractでは、SCN値はExtractがデータベースに登録された時点のSCNよりも大きい必要があります。詳細は、14.2項「Extractのマイニング・データベースでの登録」を参照してください。
THREADS
n
は、Oracle Real Application Cluster (RAC)に対するクラシック・キャプチャ・モードに必要で、クラスタによって使用されるREDOログ・スレッドの数を指定します。Extractで各スレッドを読み取って調整し、トランザクションの整合性を保ちます。統合キャプチャには必要ありません。
注意: その他のオプションを使用できます。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
次の手順では、プライマリExtractによってキャプチャされたデータが書き込まれるローカル証跡を追加します。
ソース・システムのGGSCIで、ADD EXTTRAIL
コマンドを発行します。
ADD EXTTRAILpathname
, EXTRACTgroup name
説明:
EXTTRAIL
では、証跡がローカル・システムに作成されるよう指定します。
pathname
は、2文字の名前を含めた、証跡の相対名または完全修飾名です。
EXTRACT
group name
は、プライマリExtractグループの名前です。
注意: Oracle GoldenGateでは、この証跡が処理中に自動的に作成されます。 |
次の手順では、ローカル証跡を読み取り、データをターゲットに送信するデータ・ポンプを追加します。
ソース・システムのGGSCIで、ADD EXTRACT
コマンドを発行します。
ADD EXTRACTgroup name,
EXTTRAILSOURCEtrail name
説明:
group nameは、Extractグループの名前です。
EXTTRAILSOURCE
trail name
は、ローカル証跡の相対名または完全修飾名です。
次の手順では、リモート証跡を追加します。Replicatによって準備されますが、この証跡はデータ・ポンプと関連付けられる必要があるため、ターゲットではなく、ソース・システムで追加される必要があります。
ソース・システムのGGSCIで、次のコマンドを発行します。
ADD RMTTRAIL
pathname,
EXTRACT
group name
説明:
RMTTRAIL
では、証跡がターゲット・システムに作成されるよう指定します。
pathnameは、2文字の名前を含めた、証跡の相対名または完全修飾名です。
EXTRACT
group name
は、データ・ポンプExtractグループの名前です。
注意: Oracle GoldenGateでは、この証跡が処理中に自動的に作成されます。 |
次の手順では、リモート証跡を読み取り、データ変更をターゲットOracle Databaseに適用するReplicatグループを追加します。
ターゲット・システムでGGSCIを実行します。
統合Replicatを使用する場合は、DBLOGIN
コマンドを発行して、GGSCIからデータベースにログインします。
DBLOGIN USERIDALIAS alias
alias
では、Replicatに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。
次の構文を使用して、ADD REPLICAT
コマンドを発行します。
ADD REPLICATgroup name
, [INTEGRATED,] EXTTRAILpathname
説明:
group name
は、Replicatグループの名前です。
INTEGRATED
では、統合Replicatグループが作成されます。
EXTTRAIL
pathname
は、2文字の名前を含めた、リモート証跡の相対名または完全修飾名です。
詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。