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Oracle® GoldenGate Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.1.2)
E49844-07
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14 プロセス・グループの作成

この章では、変更同期プロセスと総称されるOracle GoldenGateプロセス・グループを作成する手順について説明します。少なくとも、1つのプライマリExtract、1つのデータ・ポンプおよび1つのReplicatプロセス・グループを作成します。Oracle GoldenGateプロセス・グループの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

14.1 これらの手順の前提条件

この章では、Oracle GoldenGateプロセス・グループの構成に進む前に、Oracle GoldenGateがインストールされ、使用可能な様々な処理オプションについてユーザーが理解し、事前に必要な次の構成手順が実行されていることを前提としています。

第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」

第3章「Oracle GoldenGateのためのデータベースの準備」

第7章「統合モードでのキャプチャの構成」

第8章「クラシック・モードでのキャプチャの構成」

第9章「Oracle GoldenGateの適用の構成」

第13章「DDLサポートの構成」(DDLサポートを使用する場合)

14.2 Extractのマイニング・データベースでの登録

Extractを統合モードで使用する場合は、REDOデータをキャプチャするためにデータベース・ログマイニング・サーバーを作成する必要があります。これは、プライマリExtractプロセスをマイニング・データベースに登録することで、GGSCIインタフェースから行います。ログマイニング・サーバーの作成によって、ソース・データベースのスナップショットをソース・データベースのREDOストリームに抽出します。ソース・マルチテナント・コンテナ・データベースで、キャプチャに含める各プラガブル・データベースにExtractを登録します。


警告:

Extractが処理を開始するログ・ストリームの最初のSCNを確認してください。Extractの開始SCN値を、REGISTER EXTRACTコマンドで基礎となるデータベース・キャプチャ・プロセスが作成されたときに指定された最初のSCNより小さい値にすることはできません。SCNオプションを使用できます。


  1. マイニング・データベースにログインし、環境に適切なコマンドを使用します。DBLOGINを使用すると、常にソース・データベースを参照します。

    ソース・データベースのデプロイ用のコマンド:

    DBLOGIN USERIDALIAS alias
    

    ダウンストリーム・マイニング・データベースのデプロイ用のコマンド:

    DBLOGIN USERIDALIAS alias
    MININGDBLOGIN USERIDALIAS alias2
    

    aliasでは、Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。DBLOGINの詳細は、『Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX』を参照してください。MININGDBLOGINの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

  2. Extractプロセスをマイニング・データベースに登録します。

    REGISTER EXTRACT group DATABASE [CONTAINER (container[, ...])] [SCN system_change_number]
    

    説明:

    • groupは、Extractグループの名前です。

    • CONTAINER (container[, ...])では、マルチテナント・コンテナ・データベース内のプラガブル・データベース(PDB)またはカンマで区切られたPDBのリストを指定します。REGISTERコマンドを実行する前に、指定されたPDBが存在している必要があります。Extractは、このコマンドでリストされるPDBからのみキャプチャします。たとえば、次のコマンドにより、PDB mypdb1およびmypdb4が登録されます。Oracle GoldenGateでは、マルチテナント・コンテナ・データベース内の他のPDBからの変更は無視されます。

      REGISTER EXTRACT myextract DATABASE CONTAINER (mypdb1, mypdb4, mydb5)
      

      Extractを停止し、DBLOGINコマンドを発行した後に、DATABASE{ADD | DROP} CONTAINERオプションを指定してREGISTER EXTRACTを発行することで、プラガブル・データベースを後から追加または削除できます。REGISTER EXTRACTの詳細は、『Oracle GoldenGate Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX』を参照してください。


      注意:

      既存のExtractの特定のSCNでCONTAINERを追加することはサポートされていません。

    • Extractを登録して、過去の特定のSCNでキャプチャを開始します。このオプションを使用しない場合、REGISTER EXTRACTが発行されたときからキャプチャが開始されます。指定したSCNは、ログ・ファイルのディクショナリ作成操作の開始SCNに対応している必要があります。次の問合せを発行して、有効なすべてのSCN値を検索できます。

      SELECT first_change#
         FROM v$archived_log 
         WHERE dictionary_begin = 'YES' AND 
            standby_dest = 'NO' AND
            name IS NOT NULL AND 
            status = 'A';
      
  3. 追加のExtractを同じソース・データベースのダウンストリーム・データベースに登録するには、このREGISTERコマンドを発行します。

    ソース・データベースごとに複数のExtractが必要な場合は、REGISTER EXTRACTを指定してSHAREを使用することで、パフォーマンスとメタデータの管理を向上できます。指定したSCNは、アーカイブ・ログでマイニングが開始されるSCNに対応している必要があります。

    REGISTER EXTRACT group DATABASE [CONTAINER (container[, ...])] [SCN system_change_number] SHARE
    

注意:

REGISTERコマンドがすぐに復帰した場合でも、プロセスの登録は、完了に数分かかる場合があります。

14.3 プライマリExtractの追加

次の手順では、変更データをキャプチャするプライマリExtractを追加します。

  1. ダウンストリーム・キャプチャおよび統合モードのExtractを使用する場合は、RMANアーカイブ・ログ削除ポリシーを次の値に設定します。

    CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY TO APPLIED ON ALL STANDBY
    

    これは、プライマリExtractを追加する前に行う必要があります。

  2. GGSCIを実行します。

  3. 統合キャプチャを使用する場合は、DBLOGINコマンドを発行します。

    DBLOGIN USERIDALIAS alias
    

    aliasでは、Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。

  4. ADD EXTRACTコマンドを発行して、プライマリExtractグループを追加します。

    ADD EXTRACT group name 
    {, TRANLOG | , INTEGRATED TRANLOG}
    {, BEGIN {NOW | yyyy-mm-dd[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]} | SCN value} 
    [, THREADS n]
     
    

    説明:

    • group nameは、Extractグループの名前です。

    • TRANLOGでは、トランザクション・ログをデータ・ソースとして指定します(クラシック・キャプチャの場合のみ)。例14-1を参照してください。

    • INTEGRATED TRANLOGでは、Extractがデータベース・ログマイニング・サーバーを介して論理変更レコードを受信することを指定します(統合キャプチャの場合のみ)。例14-2を参照してください。このオプションを指定してADD EXTRACTを発行する前に、DBLOGINコマンドを使用してデータベースにログインしたこと、およびこのExtractをデータベースに登録したことを確認します。詳細は、14.2項「Extractのマイニング・データベースでの登録」を参照してください。

    • BEGINでは、特定の時間にデータのキャプチャを開始することを指定します。

      • NOWでは、ADD EXTRACTの発行と同じ時間をタイムスタンプとする最初のレコードから開始します。

      • yyyy-mm-dd[ hh:mi:[ss[.cccccc]]]では、明示されたタイムスタンプから開始します。このタイムスタンプからログが使用可能になります。統合モードのExtractの場合、タイムスタンプの値は、Extractがデータベースに登録されたときのタイムスタンプよりも大きい値である必要があります。

      • SCN valueでは、指定したOracleシステム変更番号(SCN)を持つREDOログ内のトランザクションでExtractを開始します。統合モードのExtractでは、SCN値はExtractがデータベースに登録された時点のSCNよりも大きい必要があります。詳細は、14.2項「Extractのマイニング・データベースでの登録」を参照してください。

    • THREADS nは、Oracle Real Application Cluster (RAC)に対するクラシック・キャプチャ・モードに必要で、クラスタによって使用されるREDOログ・スレッドの数を指定します。Extractで各スレッドを読み取って調整し、トランザクションの整合性を保ちます。統合キャプチャには必要ありません。


    注意:

    その他のオプションを使用できます。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

例14-1 タイムスタンプ開始点を指定したクラシック・キャプチャ

ADD EXTRACT finance, TRANLOG, BEGIN 2011-01-01 12:00:00.000000

例14-2 タイムスタンプ開始点を指定した統合キャプチャ

DBLOGIN USERIDALIAS myalias
ADD EXTRACT finance, INTEGRATED TRANLOG, BEGIN NOW

14.4 ローカル証跡の追加

次の手順では、プライマリExtractによってキャプチャされたデータが書き込まれるローカル証跡を追加します。

ソース・システムのGGSCIで、ADD EXTTRAILコマンドを発行します。

ADD EXTTRAIL pathname, EXTRACT group name

説明:

  • EXTTRAILでは、証跡がローカル・システムに作成されるよう指定します。

  • pathnameは、2文字の名前を含めた、証跡の相対名または完全修飾名です。

  • EXTRACT group nameは、プライマリExtractグループの名前です。

例14-3

ADD EXTTRAIL /ggs/dirdat/lt, EXTRACT finance

注意:

Oracle GoldenGateでは、この証跡が処理中に自動的に作成されます。

14.5 データ・ポンプExtractグループの追加

次の手順では、ローカル証跡を読み取り、データをターゲットに送信するデータ・ポンプを追加します。

ソース・システムのGGSCIで、ADD EXTRACTコマンドを発行します。

ADD EXTRACT group name, EXTTRAILSOURCE trail name 

説明:

  • group nameは、Extractグループの名前です。

  • EXTTRAILSOURCE trail nameは、ローカル証跡の相対名または完全修飾名です。

例14-4

ADD EXTRACT financep, EXTTRAILSOURCE c:\ggs\dirdat\lt

14.6 リモート証跡の追加

次の手順では、リモート証跡を追加します。Replicatによって準備されますが、この証跡はデータ・ポンプと関連付けられる必要があるため、ターゲットではなく、ソース・システムで追加される必要があります。

ソース・システムのGGSCIで、次のコマンドを発行します。

ADD RMTTRAIL pathname, EXTRACT group name

説明:

  • RMTTRAILでは、証跡がターゲット・システムに作成されるよう指定します。

  • pathnameは、2文字の名前を含めた、証跡の相対名または完全修飾名です。

  • EXTRACT group nameは、データ・ポンプExtractグループの名前です。

例14-5

ADD RMTTRAIL /ggs/dirdat/rt, EXTRACT financep

注意:

Oracle GoldenGateでは、この証跡が処理中に自動的に作成されます。

14.7 Replicatグループの追加

次の手順では、リモート証跡を読み取り、データ変更をターゲットOracle Databaseに適用するReplicatグループを追加します。

  1. ターゲット・システムでGGSCIを実行します。

  2. 統合Replicatを使用する場合は、DBLOGINコマンドを発行して、GGSCIからデータベースにログインします。

    DBLOGIN USERIDALIAS alias
    

    aliasでは、Replicatに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。

  3. 次の構文を使用して、ADD REPLICATコマンドを発行します。

    ADD REPLICAT group name, [INTEGRATED,] EXTTRAIL pathname
    

    説明:

    • group nameは、Replicatグループの名前です。

    • INTEGRATEDでは、統合Replicatグループが作成されます。

    • EXTTRAIL pathnameは、2文字の名前を含めた、リモート証跡の相対名または完全修飾名です。

      詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。

例14-6 非統合Replicatの追加

ADD REPLICAT financer, EXTTRAIL c:\ggs\dirdat\rt

例14-7 統合Replicatの追加

ADD REPLICAT financer, INTEGRATED, EXTTRAIL c:\ggs\dirdat\rt