この章では、統合モードでトランザクション・データをキャプチャするようにOracle GoldenGateキャプチャ・プロセスを構成する手順について説明します。Extractのモードの詳細は、第5章「キャプチャおよび適用モードの選択」を参照してください。
この章の内容は次のとおりです。
注意: アクティブなExtract構成をクラシック・モードから統合モードにモードに切り替えるには、次の構成手順を実行し、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
統合モードでExtractを構成する前に、次の項のガイドラインを満たす必要があります。
Managerプロセスを構成して、ソース・システムにOracle GoldenGateインスタンスを作成します。Oracle GoldenGate Windows and UNIXの管理を参照してください。
また、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXのガイドラインも確認してください。
次の手順では、プライマリExtract(データ・ソースからトランザクション・データをキャプチャ)、およびデータ・ポンプExtract (trail
にローカルに格納されているキャプチャ済データをソース・システムからターゲット・システムに伝播)の基本的なExtractパラメータ(構成)ファイルの構成方法について説明します。ビジネス要件によってはより複雑なトポロジが必要ですが、この手順がその他の構成手順の基礎となります。
手順を実行することで、次のことが可能です。
基本的な構成ファイルが作成されます。
後で環境に適用する機能や要件について決定を下してパラメータを追加し、それらを拡張します。
コピーを使用して、一から作成するよりも短時間で追加パラメータ・ファイルを作成します。
プライマリExtractがログマイニング・サーバーからログ変更のレコードをキャプチャするマイニング・データベースは、ローカルまたはソース・データベースからダウンストリームのいずれかが可能です。次の手順では、いずれかの場所から統合モードでトランザクション・データをキャプチャするようにプライマリExtractを構成します。ダウンストリーム・マイニング・データベースからの取得の詳細は、付録B「ダウンストリーム・マイニング・データベースの構成」および付録C「ダウンストリーム・マイニング構成の例」を参照してください。
注意: マルチテナント・コンテナ・データベース内の単一データベースまたは複数のプラガブル・データベースからキャプチャするには、一般的に1つのExtractグループで十分です。第6章「マルチテナント・コンテナ・データベースでのOracle GoldenGateの構成」を参照してください。 |
ソース・システムのGGSCIで、Extractパラメータ・ファイルを作成します。
EDIT PARAMS name
説明: name
は、プライマリExtractの名前です。
次に示す順序でExtractパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。通常のデータベースおよびマルチテナント・コンテナ・データベースの例を示します。2つの違いは、TABLE
およびSEQUENCE
指定の2つの部分からなるオブジェクト名を使用する必要があるか、または3つの部分からなるオブジェクト名を使用する必要があるかです。詳細およびパラメータの説明は、表7-1を参照してください。
ソース・データベースがマイニング・データベースおよび通常のデータベースの場合のExtractの基本的なパラメータ
EXTRACT financep
USERIDALIAS tiger1
LOGALLSUPCOLS UPDATERECORDFORMAT COMPACT DDL INCLUDE MAPPED ENCRYPTTRAIL AES192EXTTRAIL /ggs/dirdat/lt
SEQUENCE hr.employees_seq;
TABLE hr.*;
ソース・データベースがマイニング・データベースおよびマルチテナント・コンテナ・データベースの場合のExtractの基本的なパラメータ
EXTRACT financep
USERIDALIAS tiger1
LOGALLSUPCOLS UPDATERECORDFORMAT COMPACT DDL INCLUDE MAPPED SOURCECATALOG pdb1 INCLUDE MAPPED SOURCECATALOG pdb2 ENCRYPTTRAIL AES192EXTTRAIL /ggs/dirdat/lt
TABLE test.ogg.tab1;
SOURCECATALOG pdb1
SEQUENCE hr.employees_seq;TABLE hr.*;
SOURCECATALOG pdb2
TABLE sales.*;
TABLE acct.*;
マイニング・データベースがダウンストリーム・データベースおよび通常のデータベースの場合のExtractの基本的なパラメータ
EXTRACT financep USERIDALIAS tiger1 TRANLOGOPTIONS MININGUSERALIAS tiger2 TRANLOGOPTIONS INTEGRATEDPARAMS (MAX_SGA_SIZE 164, & DOWNSTREAM_REAL_TIME_MINE y) LOGALLSUPCOLS UPDATERECORDFORMAT COMPACT DDL INCLUDE MAPPED ENCRYPTTRAIL AES192 EXTTRAIL /ggs/dirdat/lt SEQUENCE hr.employees_seq; TABLE hr.*;
マイニング・データベースがダウンストリーム・データベースおよびマルチテナント・コンテナ・データベースの場合のプライマリExtractの基本的なパラメータ
EXTRACT financep USERIDALIAS tiger1 TRANLOGOPTIONS MININGUSERALIAS tiger2 TRANLOGOPTIONS INTEGRATEDPARAMS (MAX_SGA_SIZE 164, & DOWNSTREAM_REAL_TIME_MINE y) LOGALLSUPCOLS UPDATERECORDFORMAT COMPACT DDL INCLUDE MAPPED SOURCECATALOG pdb1 INCLUDE MAPPED SOURCECATALOG pdb2 ENCRYPTTRAIL AES192EXTTRAIL /ggs/dirdat/ltTABLE test.ogg.tab1;
SOURCECATALOG pdb1
SEQUENCE hr.employees_seq;TABLE hr.*;
SOURCECATALOG pdb2
TABLE sales.*;
TABLE acct.*;
表7-1 統合キャプチャ・モードでのプライマリExtractの基本的なパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
EXTRACT |
|
USERIDALIAS |
Extractに割り当てられるユーザーのデータベース・ログイン資格証明の別名を指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、4項「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。 |
|
競合検出および解決に必要な列、統合Replicatのサポートに必要なスケジューリング列を含む、証跡に補足的にログに記録されるすべての列を書き込みます。(スケジューリング列は、主キー、一意索引および外部キー列です。)これらの列をGGSCIコマンドでログに記録するようにデータベースを構成します。3.2項「ロギング・プロパティの構成」を参照してください。 |
|
|
|
ダウンストリーム・マイニング・データベース(使用する場合)で、ログマイニング・サーバーの接続情報を指定します。
データベース・ログマイニング・サーバーがソース・データベースと異なるデータベースにある場合にのみ |
TRANLOGOPTIONS [INTEGRATEDPARAMS ( |
(オプション)データベース・ログマイニング・サーバーを含むOracleデータベースにパラメータを渡します。ログマイニング・サーバー・パラメータをデフォルト設定から変更する場合にのみ使用します。A.1項「統合キャプチャ用のその他のパラメータ・オプション」を参照してください。 |
|
(オプション)チェックポイントが自動的にパージされるまでExtractが保持する日数を制御します。部分的な日数は、10進値を使用して指定されます。たとえば、8.25は8日と6時間を指定します。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。 |
|
無効なREDOレコードによりエラーが発生した場合にクラシックExtractが処理を続行できるようにします(オプション)。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。 |
|
DDL操作をレプリケートする場合に必要です。詳細は、第13章「DDLサポートの構成」を参照してください。 |
ENCRYPTTRAIL |
ローカル証跡を暗号化します。Oracle GoldenGate証跡の暗号化オプションの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 |
EXTTRAIL |
プライマリExtractによってキャプチャされたデータが書き込まれるローカル証跡のパス名を指定します。詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
|
このパラメータは、ソース・データベースがマルチテナント・コンテナ・データベースの場合に使用します。2つの部分からなる名前を含む後続のすべての |
{TABLE | SEQUENCE} |
データをキャプチャするデータ・オブジェクトを指定します。
ワイルドカードを使用または使用せずにオブジェクト名を指定する方法の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 パラメータ文はセミコロンで終えます。 名前をワイルドカード指定から除外するには、必要に応じて データのフィルタリング、マッピングおよび操作を制御するその他の |
構成に推奨されるオプションのExtractパラメータを入力します。このファイルは、GGSCIのEDIT PARAMS
コマンドを使用して、処理を開始する前の任意の時点で編集できます。詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
ファイルを保存して閉じます。
次の手順では、ローカル証跡を読み取り、データをネットワーク経由でリモート証跡に送信するデータ・ポンプを構成します。データ・ポンプはオプションですが、使用することをお薦めします。データ・ポンプの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。
ソース・システムのGGSCIで、データ・ポンプ・パラメータ・ファイルを作成します。
EDIT PARAMS name
説明: name
は、データ・ポンプExtractの名前です。
次に示す順序でデータ・ポンプ・パラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。入力変数は異なります。詳細は、表7-2を参照してください。
2つの部分からなるオブジェクト名を使用したデータ・ポンプExtractグループの基本的なパラメータ:
EXTRACT extpump USERIDALIAS tiger1 RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2 RMTTRAIL /ggs/dirdat/rt SEQUENCE hr.employees_seq; TABLE hr.*;
3つの部分からなるオブジェクト名を使用したデータ・ポンプExtractグループの基本的なパラメータ(プラガブル・データベースを含む):
EXTRACT extpump USERIDALIAS tiger1 RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2 RMTTRAIL /ggs/dirdat/rtTABLE test.ogg.tab1;
SOURCECATALOG pdb1
SEQUENCE hr.employees_seq;TABLE hr.*;
SOURCECATALOG pdb2
TABLE sales.*;
TABLE acct.*;
表7-2 データ・ポンプExtractグループの基本的なパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
EXTRACT |
|
USERIDALIAS |
Extractに割り当てられるユーザーのデータベース・ログイン資格証明の別名を指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在している必要があります。詳細は、第4章「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。 |
RMTHOST |
追加のオプションおよび暗号化の詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。 |
RMTTRAIL |
リモート証跡のパス名を指定します。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。 |
|
このパラメータは、ソース・データベースがマルチテナント・コンテナ・データベースの場合に使用します。2つの部分からなる名前を含む後続のすべての |
{TABLE | SEQUENCE} |
表または順序、またはワイルドカードで指定された複数のオブジェクトを指定します。ほとんどの場合、このリストは、プライマリExtractパラメータ・ファイルのリストと同じです。
ワイルドカードを使用または使用せずにオブジェクト名を指定する方法の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。 このパラメータ文はセミコロンで終えます。 表または順序をワイルドカード指定から除外するには、 データのフィルタリング、マッピングおよび操作を制御するその他の |
構成に推奨されるオプションのExtractパラメータを入力します。このファイルは、GGSCIのEDIT PARAMS
コマンドを使用して、処理を開始する前の任意の時点で編集できます。詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
構成のその他の考慮事項の詳細は、付録A「統合モード用のオプションのパラメータ」を参照してください。
ファイルを保存して閉じます。
統合キャプチャの基本的なパラメータ・ファイルを作成したら、次の追加の構成手順を参照してください。
第6章「マルチテナント・コンテナ・データベースでのOracle GoldenGateの構成」
第10章「Oracle GoldenGate構成のその他の考慮事項」
第13章「DDLサポートの構成」(Oracle GoldenGate DDLサポートを使用する場合)