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Oracle® GoldenGate Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIX
12c (12.1.2)
E49846-06
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18 Oracle GoldenGate処理の監視

この章では、Oracle GoldenGate処理を監視する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

18.1 GGSCIでの情報コマンドの使用

処理情報を表示する主な方法は、GGSCIを使用することです。これらのコマンドの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

表18-1 プロセス情報を表示するコマンド

コマンド 表示内容

INFO {EXTRACT | REPLICAT} group [DETAIL]

実行ステータス、チェックポイント、ラグ概算および環境情報

INFO MANAGER

実行ステータスおよびポート番号

INFO ALL

システム上のすべてのOracle GoldenGateプロセスに関するINFO出力

STATS {EXTRACT | REPLICAT} group

処理量に関する統計(実行した操作の数など)。

STATUS {EXTRACT | REPLICAT} group

実行ステータス(起動中、実行中、停止済、異常終了済)

STATUS MANAGER

実行ステータス

LAG {EXTRACT | REPLICAT} group

処理された最新レコードとデータソースのタイムスタンプとの間のレイテンシ

INFO {EXTTRAIL | RMTTRAIL} trail

関連プロセスの名前、最後に処理されたデータの位置、最大ファイル・サイズ

SEND MANAGER

実行ステータス、子プロセスに関する情報、ポート情報、証跡消去設定

SEND {EXTRACT | REPLICAT} group

プロセスと選択したオプションに応じて、メモリー・プール、ラグ、TCP統計、長時間実行トランザクション、プロセス・ステータス、リカバリ進行状況などに関する情報が戻されます。

VIEW REPORT group

破棄ファイルとプロセス・レポートの内容

VIEW GGSEVT

Oracle GoldenGateエラー・ログの内容

COMMAND ER wildcard

COMMANDタイプに応じた次の情報:

INFO

LAG

SEND

STATS

STATUS

wildcardは、影響を受けるプロセス・グループに応じたワイルドカードの指定です。次に例を示します。

INFO ER ext*
STATS ER *

18.2 Extractリカバリの監視


注意:

このトピックは、Oracle以外のすべてのデータベース・タイプに適用されます。Oracleでは、制限リカバリと呼ばれる異なるリカバリ・メカニズムが使用されます。詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXBRパラメータに関する項を参照してください。

長時間実行トランザクションがオープンしているときにExtractが異常終了すると、Extractの再起動時のリカバリに時間がかかることがあります。処理状態をリカバリするため、Extractは、必要に応じて以前のオンライン・ログとアーカイブ・ログを検索し、その長時間実行トランザクションの最初のログ・レコードを検出する必要があります。トランザクションの開始時点が古いほど、一般的にリカバリにかかる時間も長くなり、Extractは停止したように見えることがあります。

Extractのリカバリ状況が適切であることを確認するには、SEND EXTRACTコマンドをSTATUSオプション付きで使用します。次のステータス記録のいずれかが表示されるため、リカバリの実行中にExtractがそのログ読取り位置を変更するのに応じて、作業の進行状況を追跡できます。

  • In recovery[1] – Extractは、トランザクション・ログのチェックポイントにリカバリ中です。

  • In recovery[2] – Extractは、チェックポイントから証跡の末尾にリカバリ中です。

  • Recovery complete – リカバリは終了し、通常の処理が再開されます。

18.3 ラグの監視

ラグ統計は、Oracle GoldenGateプロセスが、ビジネス・アプリケーションによって生成されたデータの量に後れを取らず適切に処理を進めているかどうかを示します。この情報によって、潜在的な問題を診断し、Oracle GoldenGateプロセスのパフォーマンスをチューニングしてソース・データベースとターゲット・データベース間のレイテンシを最小化できます。Oracle GoldenGateをチューニングしてラグを最小化する方法の詳細は、第19章「Oracle GoldenGateのパフォーマンスのチューニング」を参照してください。

18.3.1 ラグについて

Extractのラグとは、(システム・クロックに基づく)Extractがレコードを処理した時刻と、データ・ソース内のそのレコードのタイムスタンプとの差(秒)です。

Replicatのラグとは、(システムクロックに基づく)Replicatが最後のレコードを処理した時刻と、証跡内のそのレコードのタイムスタンプとの差(秒)です。

ラグの統計を表示するには、GGSCIでLAGコマンドかSENDコマンドを使用します。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。


注意:

INFOコマンドでもラグ統計は戻されますが、この統計は、処理中の現在のレコードではなく、チェックポイントが指定された最後のレコードから取得された統計です。LAGINFOと比較して正確性の点で劣ります。

18.3.2 ラグのレポート方法の制御

LAGREPORTMINUTESパラメータまたはLAGREPORTHOURSパラメータを使用して、ManagerでExtractおよびReplicatのラグをチェックする間隔を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

LAGCRITICALSECONDSLAGCRITICALMINUTESまたはLAGCRITICALHOURSの各パラメータを使用して、クリティカルとみなすラグしきい値を指定し、しきい値に達したときに強制的にエラー・ログに警告メッセージを書き込みます。このパラメータは、ローカル・システムのExtractおよびReplicatプロセスに影響します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

LAGINFOSECONDSLAGINFOMINUTESまたはLAGINFOHOURSパラメータでは、ラグしきい値を指定します。ラグが指定した値を超えると、Oracle GoldenGateはエラー・ログにラグ情報をレポートします。ラグがLAGCRITICALパラメータで指定した値を超えると、そのラグはManagerによってクリティカルとしてレポートされます。それ以外の場合、ラグは情報メッセージとしてレポートされます。値ゼロ(0)を指定すると、LAGREPORTMINUTESまたはLAGREPORTHOURSパラメータで指定した間隔でメッセージが出力されます。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

18.4 処理量の監視

GGSCIでSTATSコマンドを使用すると、Oracle GoldenGateプロセスによって処理されているデータ量と、そのデータ量がOracle GoldenGateシステムを通じて移動されている速度を表示できます。この情報によって、潜在的な問題を診断し、Oracle GoldenGateプロセスのパフォーマンスをチューニングできます。それらのコマンドには、出力の選択やフィルタリングに使用できる様々なオプションがあります。

STATSコマンドには、STATS EXTRACTSTATS REPLICATSTATS ERの各コマンドがあります。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

SEND EXTRACTまたはSEND REPLICATコマンドにREPORTオプションを指定することで、いつでもレポート・ファイルに仮統計を送信できます。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

18.5 エラー・ログの使用

Oracle GoldenGateのエラー・ログを使用して、次の情報を表示できます。

  • GGSCIコマンドの履歴

  • 起動および停止したOracle GoldenGateプロセス

  • 実行された処理

  • 発生したエラー

  • 情報メッセージおよび警告メッセージ

エラー・ログにはイベントが発生順に記録されているため、エラーの(1つ以上の)原因を検出する場合に役立ちます。たとえば、次の情報を検索できます。

  • ユーザーがプロセスを停止したこと

  • プロセスがTCP/IPまたはデータベース接続の確立に失敗したこと

  • プロセスがファイルを開くことに失敗したこと

エラー・ログを表示するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • 標準のシェル・コマンドによるOracle GoldenGateのルート・ディレクトリに含まれるggserr.logファイルの表示

  • Oracle GoldenGate DirectorまたはOracle GoldenGate Monitor

  • GGSCIのVIEW GGSEVTコマンド。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

エラー・ログのサイズは、Oracle GoldenGateの使用に従って継続的に増加するため、ファイル内の最も古いエントリは、アーカイブして削除することを検討してください。

18.6 プロセス・レポートの使用

プロセス・レポートを使用して、(プロセスに応じて)次の情報を表示できます。

  • 使用中のパラメータ

  • 表および列マッピング

  • データベース情報

  • 実行時メッセージおよびエラー

  • 処理された操作の数に関する実行時統計

Extract、ReplicatおよびManagerのすべてのプロセスで、レポート・ファイルが生成されます。このレポートは、実行中に発生した問題(無効なマッピング構文、SQLエラー、接続エラーなど)を診断する場合に役立ちます。

プロセス・レポートを表示するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • 標準のシェル・コマンドによるテキスト・ファイルの表示

  • Oracle GoldenGate DirectorまたはOracle GoldenGate Monitor

  • GGSCIのVIEW REPORTコマンド。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

  • プロセスがレポートを生成せずに異常終了した場合に情報を表示するには、次のコマンドを使用して、(GGSCIでなく)オペレーティング・システムのコマンド・シェルからプロセスを実行し、端末に情報を送信します。

    process paramfile path.prm
    

    説明:

    • processの値は、extractまたはreplicatです。

    • path.prmの値は、パラメータ・ファイルの完全修飾名です。例:

      replicat paramfile /ogg/dirdat/repora.prm
      

デフォルトでは、レポートのファイル拡張子は.rptです(EXTORA.rptなど)。デフォルトの場所は、Oracle GoldenGateディレクトリのdirrptサブディレクトリです。ただし、これらのプロパティは、グループを作成するときに変更できます。レポート・ファイルは、一度作成したら、処理の開始後にOracle GoldenGateを適切に動作させるため、元の場所から移動しないでください。

プロセス・レポートの名前と場所を確認するには、GGSCIでINFO EXTRACTINFO REPLICATINFO MANAGERのいずれかのコマンドを使用します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

18.6.1 プロセス・レポートの実行時統計のスケジュール

デフォルトでは、実行時統計は、各実行の終了時に1回のみレポートに書き込まれます。長時間の実行や継続的な実行では、オプション・パラメータを使用することで、各実行の終了を待機せずにこれらの統計を定期的に表示できます。

実行時統計をレポートするスケジュールを設定するには、ExtractまたはReplicatのパラメータ・ファイルでREPORTパラメータを使用して、レポートで実行時統計を生成する日時を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

レポートにオン・デマンドで実行時統計を送信するには、必要に応じてその時点の実行時統計を表示するREPORTオプションを付けてSEND EXTRACTまたはSEND REPLICATコマンドを実行します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

18.6.2 プロセス・レポートのレコード数の表示

REPORTCOUNTパラメータを使用して、ExtractまたはReplicatが起動後に処理したトランザクション・レコードの数をレポートします。各トランザクション・レコードは、Oracle GoldenGateによって取得されたトランザクション内で実行された論理データベース操作を表します。レコード数は、レポート・ファイルおよび画面に出力されます。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。

18.6.3 ReplicatレポートがSQLエラーで一杯になることを防止する方法

WARNRATEパラメータでは、プロセス・レポートまたはエラー・ログにレポートされるまでの、ターゲット表で許容されるSQLエラー数のしきい値を設定します。エラーは警告としてレポートされます。お使いの環境で、多数のSQLエラーを許容できるときは、WARNRATEの値を増やすことによってこれらのファイルのサイズを最小限に抑えられます。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。

18.7 破棄ファイルの使用

デフォルトでは、プロセスがGGSCIのSTARTコマンドによって開始されると常に破棄ファイルが生成されます。破棄ファイルは、失敗したOracle GoldenGate操作に関する情報を取得します。この情報は、データ・エラー(無効な列マッピングに関連するエラーなど)を解決する場合に役立ちます。

破棄ファイルでは、次のような情報がレポートされます。

  • データベースのエラー・メッセージ

  • データソースまたは証跡ファイルの順序番号

  • データソースまたは証跡ファイルのレコードの相対バイト・アドレス

  • 破棄された操作の詳細(DML文の列値やDDL文のテキストなど)

破棄ファイルを表示するには、テキスト・エディタを使用するか、GGSCIでVIEW REPORTコマンドを使用します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

デフォルトの破棄ファイルには、次のプロパティがあります。

  • ファイル名は、ファイルを作成したプロセスの名前に、デフォルトの拡張子.dscを付けたものです。例: finance.dsc

  • ファイルは、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリのdirrptサブディレクトリに作成されます。

  • ファイルの最大サイズは50MBです。

  • 起動時に破棄ファイルが存在する場合、消去してから新しいデータが書き込まれます。

これらのプロパティを変更するには、DISCARDFILEパラメータを使用します。NODISCARDFILEパラメータを使用すると、破棄ファイルの使用を無効にできます。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

オペレーティング・システムのコマンドラインを使用してプロセスを開始した場合、デフォルトでは破棄ファイルは生成されません。DISCARDFILEパラメータを使用して、破棄ファイルを使用するかどうかと、そのプロパティを指定できます。

破棄ファイルは、一度作成したら、処理の開始後にOracle GoldenGateを適切に動作させるため、元の場所から移動しないでください。

18.8 破棄ファイルとレポート・ファイルの維持

デフォルトでは、破棄ファイルとレポート・ファイルは同じ方法でエージングされます。新しい破棄ファイルまたはレポート・ファイルは、新しいプロセス実行の開始時に作成されます。古いファイルは、名前に0(最新)から9(最も古い)までの順序番号を付加してエージングされます。

アクティブなレポートまたは破棄ファイルが、ある実行の終了前に(または、連続実行の最中に)最大ファイル・サイズに到達した場合、有効なエージング・スケジュールがなければ、そのプロセスは異常終了します。破棄ファイルやレポート・ファイルのエージング・スケジュールを設定するには、それぞれ、DISCARDROLLOVERパラメータおよびREPORTROLLOVERパラメータを使用します。これらのパラメータにより、プロセスの開始時に加え、定期的にファイルをロールオーバーするように指定されます。これは、ファイルのサイズを制御し、プロセスの停止を防止するだけでなく、アーカイブ・ルーチンに含めることができるアーカイブのセットが予測可能になります。詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX

  • Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX

プロセスは、最大10個のエージングされたレポートまたは破棄ファイルと1個のアクティブなレポートまたは破棄ファイルを保持できます。10個目のファイルがエージングされると、新規レポートの作成時に最も古いレポートが削除されます。サービス・リクエストの解決に必要とされる場合に備えて、エージングされたレポート・ファイルおよび破棄ファイルのアーカイブ・スケジュールを設定することをお薦めします。

表18-2 ExtractおよびManagerの現行レポートとエージングされたレポート

権限 X 日付 レポート

-rw-rw-rw-

1 ggs ggs
1193 Oct 11 14:59
MGR.rpt

-rw-rw-rw-

1 ggs ggs
3996 Oct 5  14:02
MGR0.rpt
-rw-rw-rw-
1 ggs ggs
4384 Oct 5  14:02
TCUST.rpt
-rw-rw-rw-
1 ggs ggs
1011 Sep 27 14:10
TCUST0.rpt
-rw-rw-rw-
1 ggs ggs
3184 Sep 27 14:10
TCUST1.rpt
-rw-rw-rw-
1 ggs ggs
2655 Sep 27 14:06
TCUST2.rpt
-rw-rw-rw-
1 ggs ggs
2655 Sep 27 14:04
TCUST3.rpt
-rw-rw-rw-
1 ggs ggs
2744 Sep 27 13:56
TCUST4.rpt
-rw-rw-rw-
1 ggs ggs
3571 Aug 29 14:27
TCUST5.rpt

18.9 システム・ログの使用

Oracle GoldenGateは、オペレーティング・システムのレベルで生成されたエラーを、Windowsのイベント ビューアまたはUNIXおよびLinuxのsyslogに書き込みます。Oracle GoldenGateイベントの形式は、基本的にUNIX、LinuxおよびWindowsのシステム・ログで同じです。システム・ログに出力されるOracle GoldenGateエラーは、Oracle GoldenGateエラー・ログにも出力されます。

UNIXおよびLinuxの場合、syslogに対するOracle GoldenGateメッセージ機能は、デフォルトで有効です。Windowsの場合、イベント ビューアに対するOracle GoldenGateメッセージ機能は、インストール・プロセスでOracle GoldenGateメッセージDLLを登録することによってインストールする必要があります。この機能は、addeventsオプションを付けてinstallプログラムを実行することによって、いつでも追加できます。このプログラムは、Oracle GoldenGateディレクトリのルートに格納されます。

SYSLOGパラメータでは、Oracle GoldenGateがWindowsまたはUNIXシステムのシステム・ログに送信するメッセージのタイプを制御します。次の処理を実行できます。

  • すべてのOracle GoldenGateメッセージを含める

  • すべてのOracle GoldenGateメッセージを抑止する

  • 情報、警告、エラーのいずれかのメッセージを記録するか、これらのタイプの任意の組合せを記録するためのフィルタ処理

SYSLOGは、GLOBALSまたはManagerパラメータ(あるいはその両方)として使用できます。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。

18.10 時間の差異の調整

ソース・システムとターゲット・システム間の時間の差異に対応するには、Extractパラメータ・ファイルでTCPSOURCETIMERパラメータを使用します。このパラメータにより、レプリケートされたレコードのタイムスタンプがレポート目的で調整されるため、同期ラグの解析が容易になります。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。

18.11 NonStopシステムへのイベント・メッセージの送信

WindowsまたはUNIXシステムのCollectorプロセスおよびReplicatプロセスで作成されたイベント・メッセージは、取得してNonStopシステムのEMSに送信できます。この機能によって、複数のプラットフォームにわたるOracle GoldenGateメッセージの集約表示が可能になります。この機能を使用するには、次の2つの手順を実行します。

  • WindowsまたはUNIXシステムでEMSクライアントを実行します。

  • NonStopシステムでCollectorプロセスを起動します。

18.11.1 WindowsまたはUNIXシステムでのEMSCLNTの実行

EMSCLNTユーティリティによって、WindowsまたはUNIXシステムで生成されたOracle GoldenGateイベント・メッセージを取得し、それらのメッセージをNonStopシステムのTCP/IP Collectorプロセスに送信します。EMSCLNTは、指定されたエラー・ログを読み取り、別のメッセージの送信を待機しながら無制限に実行されます。

WindowsまたはUNIXシステムのOracle GoldenGateディレクトリからemsclntを実行するには、次の構文を使用します。

emsclnt -h host_name | IP_address
-p port_number
-f file_name
-c Collector

説明:

  • -h host_name | IP_addressは、EMSメッセージの送信先となるNonStop Serverの名前またはIPアドレスです。

  • -p port_numberは、NonStop Collectorプロセスのポート番号です。

  • -f file_nameは、エラー・メッセージの配信元となるローカル・ファイルの名前です。ファイルがOracle GoldenGateディレクトリ以外の場所に存在する場合、フルパス名を使用してください。

  • -c Collectorは、このクライアントのEMS Collectorです。

次のWindowsの例では、DOSプロンプトからコマンドを実行し、エラー・メッセージのファイルD:\ogg\ggserr.logを読み取ります。エラー・メッセージは、ポート9876でリスニングしているNonStopホストmyhost.us.example.comのCollectorに送信されます。NonStopのCollectorプロセスは、フォーマットされたメッセージをEMS Collector $0に書き込みます。

例18-1 エラー・メッセージのログ・ファイルの読取り(Windows)

> emsclnt –h myhost.us.example.com –p 9876 –f d:\ogg\ggserr.log –c $0

次のUNIXの例では、エラー・メッセージのファイルggserr.logを読み取ります。エラー・メッセージは、ポート7850でリスニングしているIPアドレスが10.0.0.0のNonStop ServerのCollectorに送信されます。NonStopのCollectorは、フォーマットされたメッセージをems Collector $0に書き込みます。

例18-2 エラー・メッセージのログ・ファイルの読取り(UNIX)

emsclnt –h 10.0.0.0 –p 7850 –f ggserr.log –c '$0'

注意:

UNIXではドル記号は変数を示すため、$0は一重引用符で囲む必要があります。

18.11.2 NonStopでのCollectorの実行

NonStopシステムのCollector(このプラットフォームではServer-Collectorと呼ばれます)は、emsメッセージを収集して配信します。Collectorを起動するには、serverプログラムを実行します。WindowsまたはUNIXシステムで実行するEMSCLNTプロセスごとに、1つのserverプロセスをNonStopシステムで起動します。

たとえば、次の例では、serverを実行してメッセージを$DATA1.GGSERRS.SERVLOGに出力します。

> ASSIGN STDERR, $DATA1.GGSERRS.SERVLOG
> RUN SERVER /NOWAIT/ –p 7880

NonStop上でのCollectorの実行の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Mainframe for HP NonStop Guardianを参照してください。

18.12 パフォーマンス・チューニングに関するヘルプ情報の取得

Oracle GoldenGateのパフォーマンスをチューニングする方法の詳細は、第19章「Oracle GoldenGateのパフォーマンスのチューニング」を参照してください。