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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.7 for Linux x86-64
B69545-07
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7 Oracle Database ApplianceでのOracle Databaseの管理

この章では、Oracle Database管理に伴う問題およびタスクについて詳しく説明します。この章は次の項で構成されています:


関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』

『Oracle Database 2日でデータベース管理者』

『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』


Oracle Databaseの管理および維持

次の各項で、Oracleソフトウェアの操作の概要について説明します。

Oracle Databaseの概要

Oracle Databaseは、オブジェクトおよびeXtensible Markup Language(XML)機能を使用するリレーショナル・データベースです。リレーショナル・データベースでは、すべてのデータが、行と列で構成される2次元の表に格納されます。Oracle Databaseを使用すると、高いパフォーマンス、信頼性およびスケーラビリティを保持しながら、データの格納、更新および効率的な検索を実行できます。


関連項目:

  • Oracle Database管理の概要は『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照

  • Oracle Databaseの概要は『Oracle Database概要』を参照


Oracle Enterprise Manager Database Controlについて

データベースを管理する主要なツールはWebインタフェースであるOracle Enterprise Manager Database Control (Database Control)です。Oracle Databaseをインストールし、データベースを作成またはアップグレードしてネットワークを構成すると、データベースの管理にDatabase Controlを使用できます。また、Database Controlは、パフォーマンス・アドバイザ用およびSQL*Loader、Recovery ManagerなどのOracleユーティリティ用のインタフェースも提供します。


関連項目:

Database Controlの概要は『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照

バックアップおよびリカバリの概要

Oracle Database Recovery Manager (RMAN)を使用して、Oracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリできます。


関連項目:

  • 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』

  • 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』


データのロードおよび移行について

新規アプリケーションをデプロイする場合、この項はスキップできます。既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたは移行する場合は、次のドキュメントを参照してください。

  • データ・ロードの詳細は『Oracle Databaseユーティリティ』を参照

  • Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)へのデータの移行方法の概要は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』のRMANを使用したOracle ASMデータ移行の実行に関する項を参照

Oracle Clusterwareリソース管理の概要

Oracle Clusterwareでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)に必要なクラスタ・テクノロジが提供されます。さらに、Oracle Clusterwareでは、アプリケーションおよびプロセスはOracle Clusterwareに登録するリソースとして管理されます。アプリケーションを管理するためにOracle Clusterwareに登録するリソースの数は、アプリケーションによって異なります。1つのプロセスでのみ構成されるアプリケーションは、ほとんどの場合、1つのリソースでのみ表されます。複数のプロセスまたはコンポーネント上に構築されたより複雑なアプリケーションでは、複数のリソースが必要な場合があります。


関連項目:

Oracle Clusterwareを使用したアプリケーションの可用性の向上の詳細は『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照

Oracle RAC One Nodeデータベース管理の概要

Oracle RAC One Nodeは、クラスタ内の1つのノードで実行されるOracle RACデータベースのシングル・インスタンスです。インスタンスを停止および起動するかわりに、Oracle RAC One Nodeのオンライン・データベース再配置機能を使用して、Oracle RAC One Nodeインスタンスを別のサーバーに再配置できます。

Oracle RAC One Nodeデータベースの管理は、Oracle RACまたはシングル・インスタンスのOracle Databaseとは若干異なります。管理者管理型のOracle RAC One Nodeデータベースでは、一方のノードが主要ノードで、もう一方のノードが候補ノードになり、主要ノードがエラーになったりメンテナンスのために停止した場合にサービスを引き受けることができます。候補ノードは汎用サーバー・プール内にあります。データベースおよびデータベース・サービスも汎用プール内にあります。


関連項目:

Oracle RAC One Nodeの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照

Oracle Real Application Clustersデータベース管理の概要

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)は、2つ以上の個々のコンピュータをリンクして1つのシステムとして機能させるテクノロジです。Oracle Database Appliance上にデプロイされたOracle RACによって、クラスタの各コンピュータ(またはノード)はOracleデータベースへのアクセスを共有できます。一方のクラスタ・ノードがエラーまたはオフラインになっても、もう一方のクラスタ・ノードは引き続き稼働し、Oracle RACデータベース全体が使用可能なままになります。各ノードは、1つのコンピュータとしてアプリケーションに表示されます。


関連項目:

Oracle RACの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照

複数のOracleホームでのデータベースの追加作成

この項の内容は次のとおりです。

Oracle Database Applianceでの複数のデータベースの管理について

Oracle Appliance Manager (oakcli)を使用して、Oracle Database Applianceで複数のデータベースを作成および管理できます。また、oakcliを使用して、複数のホームがあり、異なるデータベース構成を使用する複数のデータベースを管理できます。Oracle Database Applianceは、Oracle Database 11gリリース2バージョン11.2.0.2および11.2.0.3に対して複数のOracleホームをサポートしています。使用可能なデータベース・バージョンおよびクローン・ファイルの詳細はノート888888.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1

複数のOracleホームを使用すると、Oracle Databaseの複数のリリースを同時に実行できます。たとえば、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2.5)データベースから新規リリースにアプリケーションを移動する前に、11.2.0.3.3をインストールしてこの上でアプリケーションをテストできます。

Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。Oracle Appliance Managerでは、Oracle Flexible Architecture (OFA)ガイドラインに準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。

oakcliを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracle Grid Infrastructureが使用するクローニング・プロセスが開始されます。現在のリリースでは、ユーザーoracleがすべてのOracleホームを所有しています。


注意:

前のリリースからアップグレードしない場合は、インストール対象のOracle Databaseバージョンに対するOracle Database Appliance End User Bundleをダウンロードしてください。詳細は、ノート888888.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1


oakcliを使用して、複数のOracleホーム機能を使用したOracle Database Applianceで複数のデータベースを作成、管理およびアップグレードします。oakcli create databaseコマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを使用すると、デフォルトのホームでデータベースが作成されます。または、-ohまたは-version属性を使用して別のホームでデータベースを作成することもできます。


注意:

oakcliを使用して、新規データベースを既存のOracleホームと新規Oracleホームの両方で作成できます。

oakcli create database

oakcli create databaseコマンドを使用して、Oracle Database Applianceでデータベースを追加作成します。

構文

oakcli create database -db db_name [-oh home | -version version] [-params params_file]

パラメータ

表7-1 oakcli create databaseコマンド・パラメータ

パラメータ 説明

-db db_name

db_nameは、作成するデータベースの名前です。

-oh home

homeは、Oracle Databaseのインストール先となるホームの名前です。デフォルトでは、既存のホームが使用されます。

-version version

versionは、インストールするバージョンです。デフォルトでは、最新のバージョン(11.2.0.3.3)が使用されます。

-params params_file

params_fileは、構成ファイルです。デフォルトでは、Oracle Database Applianceはデフォルト構成ファイルを使用し、指定されたファイル名にファイル拡張子を自動的に追加します。


# oakcli create database -db sales1 -version 11.2.0.3.3
# oakcli create database -db sales2 -oh home2 -params salesdbtemplate

oakcli create db_config_params

oakcli create db_config_params -conf filenameコマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のデータベースを構成するための構成ファイルを作成します。filenameは、生成する構成ファイルの名前です。

構文

oakcli create db_config_params -conf filename

使用上の注意

  • ダイアログのポイントごとにデフォルトのオプションが用意されています。デフォルトの(1)を受け入れるか、2を入力し、別の値を指定します。

  • デプロイメント・タイプ(Oracle RAC、Oracle RAC One NodeおよびOracle Enterprise Edition)

  • dbconsoleの設定(Y/N)

  • DBクラス(大、中および小)

デフォルトのパラメータは、次のとおりです。

  • DB Block Size

  • DB Language

  • DB Territory

次の例は、oakcli create db_config_paramsコマンドの構成ダイアログを示しています。

# oakcli create db_config_params -conf myfile

Please select one of the following for Database Block Size  [1 .. 4]:
1 ==> 4096
2 ==> 8192
3 ==> 16384
4 ==> 32768
2
Selected value is: 8192

Specify the  Database Language (1. AMERICAN 2. Others) [1]:
Selected value is: AMERICAN

Specify the  Database Characterset (1. AL32UTF8 2. Others) [1]:
Selected value is: AL32UTF8

Specify the  Database Territory (1. AMERICA 2. Others) [1]:
Selected value is: AMERICA

Specify the  Component Language (1. en 2. Others) [1]:
Selected value is: en

Successfully generated the Database parameter file 'myfile'

既存のデータベース構成ファイルを参照するには、oakcli show db_config_paramsコマンドを使用します。次に例を示します。

# oakcli show db_config_params 
Available DB configuration files are: 
default 
largedb
extralargedb
mytest.params

拡張子は、デフォルト拡張子(.dbconf)でない場合以外は、出力に含まれません。

データベース構成ファイルを使用して1つのデータベースを作成する場合、あるいはプロファイルが同一のデータベースを多数作成する場合は、oakcli create databaseコマンドを使用し、その中に-params -conf file_nameオプションを含めます(file_nameは、必須構成ファイルの名前です)。

不要なデータベース構成ファイルを削除するには、oakcli delete db_config_params -confコマンドを使用し、構成ファイル名を-confパラメータ値として指定します。データベース構成ファイルと関連する他のOracle Appliance Managerコマンドと同様、ファイルの拡張子値がデフォルトである場合(.dbconf)は、拡張子を含める必要がありません。

Oracle Grid Infrastructureの管理グループおよびユーザーについて

構成時に、Oracle Database Applianceに2つの管理アカウントが作成されます。1つはGrid Infrastructureインストール所有者grid (UID 1000)で、もう1つはOracle Databaseインストール所有者oracle (UID 1001)です。

gridユーザーは、Oracle ASMシステム権限グループasmadmin (GID 1006)、asmdba (GID 1004)、asmoper (GID 1005)、およびOracle Databaseシステム権限グループracoper (GID 1003) (OPERデータベース・システム権限)、およびOracleインベントリ・システム権限グループoinstall (GID 1001)のメンバーです。

oracleユーザーは、Oracle ASMシステム・アクセス権限グループasmdba、およびOracle Databaseシステム権限グループdba (OSDBAシステム権限)、racoper (OPERデータベース・システム権限)、およびOracleインベントリ・システム権限グループoinstallのメンバーです。これらのユーザー名、UID、グループ名およびGIDは事前構成されており、変更できません。すべてのデータベースのORACLE_HOMESはoracleユーザーによって所有されていることに注意してください。


関連項目:

  • オペレーティング・システムの権限グループの詳細はOracle Grid Infrastructure for Linuxを参照

  • Oracle ASMのシステム権限の詳細は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照


Oracle Database ApplianceでのOracle RAC Databaseの管理について

管理者管理データベースのデータベース・リソースを確認すると、そのOracle Databaseと同じ名前で定義されたサーバー・プールが表示されます。このサーバー・プールは、Oracleで定義される特別なサーバー・プールの一部で、Genericと呼ばれます。Oracle RACは、Genericサーバー・プールを管理して管理者管理データベースをサポートします。Oracle Server Control Utility (SRVCTL)またはOracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して管理者管理型データベースを追加または削除すると、汎用のメンバーであるサーバー・プールが作成または削除されます。SRVCTLまたはOracle Clusterware Control Utility (CRSCTL)コマンドを使用して、汎用サーバー・プールを変更することはできません。


注意:

現在、Oracle Database Applianceは管理者管理型データベースのみをサポートしています。


関連項目:

  • 『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

  • 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』


シングル・インスタンス・データベースのOracle RACまたはOracle RAC One Nodeへの変換

コマンドライン・ユーティリティrconfigを使用すると、ConvertToRAC.xmlファイルで指定する値に応じて、シングル・インスタンス・データベースをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeに変換できます。


関連項目:

シングル・インスタンス・データベースを変換する手順は『Oracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成』の付録C「シングル・インスタンスのOracle DatabaseからOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換」を参照

インスタンス・ケージングを使用した複数データベース・インスタンスの管理

Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。インスタンス・ケージングとOracle Resource Manager(リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。


関連項目:


Oracle Database状態モニターを使用したOracle Database Applianceのチェック

状態モニターを使用して、Oracle Database Applianceのデータベースのステータスを判断します。状態モニター・チェック(チェッカ、ヘルス・チェックまたはチェックとも呼ばれます)では、データベースの様々なレイヤーとコンポーネントが検証されます。ヘルス・チェックでは、ファイルの破損、物理ブロックおよび論理ブロックの破損、UNDOおよびREDOの破損、データ・ディクショナリの破損などが検出されます。ヘルス・チェックにより、結果のレポートが生成されます。多くの場合、レポートには、問題解決に関する推奨事項が記載されています。ヘルス・チェックは次の2つの方法で実行できます。

  • リアクティブ — 障害診断インフラストラクチャでは、クリティカル・エラーの内容に応じてヘルス・チェックを自動的に実行できます。

  • マニュアル - DBMS_HM PL/SQLパッケージまたはOracle Enterprise Managerインタフェースのいずれかを使用して、ヘルス・チェックを実行します。ヘルス・チェックは定期的に実行できます。そうでない場合、Oracleサポート・サービスがサービス・リクエストについて対応する際にヘルス・チェックの実行を依頼する場合があります。


関連項目:

状態モニターの使用方法の詳細は『Oracle Database管理者ガイド』の状態モニターを使用したヘルス・チェックの実行に関する項を参照

Oracle Database Appliance X3-2へのストレージ拡張シェルフの追加

Oracle Database Appliance X3-2は、1つまたは2つのストレージ・シェルフを設置して稼働します。2番目のシェルフの容量は、データベースに使用できる容量の2倍になります。初めにOracle Database Appliance X3-2にストレージ・シェルフを1つのみ設置してデプロイした場合は、データベースまたはアプリケーションを停止することなく、いつでもストレージ拡張シェルフを追加できます。

ストレージ拡張シェルフを入手したら、次の手順に従ってユニットを設置してデプロイします。次の3つの各ステップの詳細は、Oracle Database Applianceオーナーズ・マニュアルを参照してください。

  1. Oracle Database Appliance X3-2にストレージ拡張シェルフを設置します。

  2. Oracle Database Applianceオーナーズ・マニュアルおよびセットアップ・ポスターに記載されているとおりに、付属ケーブルと電源コードを敷設します。

    『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』に加えて、セットアップ・ポスターにも、ストレージ拡張シェルフに関する配線情報が記載されています。

  3. 電源を入れます。

ストレージ拡張シェルフがAppliance Managerによって認識されるとすぐに、ディスク・グループのリバランスがASMによって自動的に開始されます。リバランス時にパフォーマンスが若干低下することがあるため、データベースでアクティビティが比較的少ないときにストレージ拡張シェルフを追加することをお薦めします。


注意:

ストレージ拡張シェルフは、初期設定時に設置したものであろうと、後から追加したものであろうと、Oracle Database Applianceから取り外さないことをお薦めします。