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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.7 for Linux x86-64
B69545-07
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6 Oracle Database Applianceでの仮想マシンの管理

Oracle Database処理に割り当てていないCPUコアの演算能力を利用するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームに仮想マシンをデプロイします。CPUプールおよびサイズ変更可能なOracle Databaseドメイン(ODA_BASE)により、割当済データベース・コアからまたは互いの割当済CPUコアからサイクルを消費しないユーザー・ドメインに仮想マシンを確実にデプロイできます。

この章は4つの項で構成されており、仮想マシン・イメージのデプロイ時に理解して構成する必要がある次の主要コンポーネントについて説明します。

必要に応じて、これらの項の概要の後の項に、関連コンポーネントの管理方法とそれに関連する一連の例を示します。

この章の最後の項「ODA_BASEのサイズ変更」では、ライセンス保有するOracleソフトウェアおよびインストールされたデータベースが格納されるODA_BASEドメインのサイズの変更方法について説明します。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのCPUプールについて

ワークロードを分離するには、CPUプールを作成して特定のCPUプールに仮想マシンをピン留めします。CPUプールに仮想マシンを割り当てる(ピン留めする)とき、仮想マシンがそのプール外のCPUを使用しないようにします。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを構成すると、default-unpinned-poolが各ノードに作成されます。Oracle Database Appliance X3-2ではdefault-unpinned-poolに32個のCPUが、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームではdefault-unpinned-poolに24個のCPUが含まれます。ODA_BASEドメインを作成すると、odaBaseCpuPoolという名前の新規CPUプールが両方のノードに作成され、必要なCPUがdefault-unpinned-poolから削除されます。ODA_BASEは、odaBaseCpuPoolのCPUを使用できる唯一のドメインです。他の仮想マシンは起動されると、それらの仮想マシンで実行される作業からODA_BASEを効率的にケージして、default-unpinned-poolに残されたCPUで稼働します。

他の仮想マシンは、CPUプールを追加作成してケージすることもできます。これらの追加プールを使用すると、1つ以上の仮想マシンを独自のCPUプールにピン留めできます。特定のCPUプールで稼働している仮想マシンは、他のCPUプールで稼働している仮想マシンとCPUサイクルを共有しません。CPUプールは必要な数だけ定義でき、上限はシステムの使用可能なCPUの数です。

アプリケーション要件が時間とともに変化する場合は、既存のプールをサイズ変更または削除して、新しいプールを追加できます。ODA_BASEドメインのサイズ変更もできますが、この場合はOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ライセンスの変更および特別なコマンドも必要になり、これについては「ODA_BASEのサイズ変更」で説明しています。

それぞれのノードに対するoakcli show cpupoolコマンドの次の出力に示すように、各ノードのCPUプールは同じでなくてもかまいません。

oakcli show cpupool -node 0
                 Pool           Cpu List                                VM List
default-unpinned-pool   [14, 15, 16, 17,  ['test1_odarepo1','sample5_odarepo1',
                         18, 19, 20, 21,   'vm_very_long_name_sample1_odarepo1'
                                 22, 23]                            ,'win_vm1']
               twocpu           [12, 13]                       ['vm1_odarepo1']
       odaBaseCpuPool    [0, 1, 2, 3, 4,                            ['oakDom1']
                          5, 6, 7, 8, 9,
                                 10, 11]
oakcli show cpupool -node 1
                 Pool            Cpu List                               VM List
default-unpinned-pool   [ 12, 13, 14, 15,  ['vm2_odarepo2','test2_odarepo2','sa
                          16, 17, 18, 19,  ample6_odarepo1,'vm_very_long_name_s
                          20, 21, 22, 23]                      ample2_odarepo2]
       odaBaseCpuPool     [0, 1, 2, 3, 4,                           ['oakDom1']
                           5, 6, 7, 8, 9, 
                                   10,11]

odaBaseCpuPoolではなく、CPUプールを管理するコマンドは、「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールの管理」を参照してください。

CPUプールのオーバーサブスクライブ

複数の仮想マシンを1つのCPUプールに割り当てることはできますが、CPUは1つのCPUプールにしか属することができません。CPUプールは、プール内のアクティブな仮想マシンがプールに構成された数を超えるCPUを必要とする場合、オーバーサブスクライブになります。たとえば、CPUプールに4つのCPUがある場合、それぞれ4つのCPUを使用するように定義しておいた2つの仮想マシンを起動できます。この場合、4つのCPUそれぞれが2つの仮想マシンをサポートしているため、CPUプールはオーバーサブスクライブします。同様に、これらの仮想マシンの一方を停止して2つのCPUを必要とする他方を起動した場合、CPUの2つが両方の仮想マシンをサポートしているため、依然としてCPUプールはオーバーサブスクライブします。CPUプールがオーバーサブスクライブした場合、そのプール内の仮想マシンのパフォーマンスを評価する必要があります。オーバーサブスクライブしたプールの共有によって許容できないレベルまでパフォーマンスが低下している場合は、1つ以上の仮想マシンを異なるCPUプールに再度割り当てる準備をする必要があります。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールの管理

Oracle Appliance Managerのコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの各ノードでCPUプールを管理します。

CPUプールに対して実行できるアクションは、次のとおりです。

  • Oracle Appliance Managerのoakcli create cpupoolコマンドを使用したCPUプールの追加作成。

  • Oracle Appliance Managerのoakcli configure cpupoolコマンドを使用したCPUプールに割り当てられるCPUの数の変更。

  • Oracle Appliance Managerのoakcli show cpupoolコマンドを使用した既存のCPUプールの調査。

  • Oracle Appliance Managerのoakcli configure vmコマンドの-cpupoolオプションを使用した特定のCPUプールへの仮想マシンのピン留め。複数の仮想マシンを同じCPUプールにピン留めできます。

この項で説明されているコマンドの例は、「Oracle Appliance ManagerのCPUプール管理コマンドの例」を参照してください。

Oracle Appliance ManagerのCPUプール管理コマンドの例

例1:   Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの新規CPUプールの作成

このコマンドでは、4つのCPUが含まれるwinpoolという名前のCPUプールがノード0に作成されます。

oakcli create cpupool winpool -numcpu 4 -node 0
例2   Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールに割り当てられるCPUの数の変更

このコマンドでは、ノード1のlinpoolという名前のCPUプールに割り当てられるCPUの数が変更されます。コマンド実行後、新しいCPUの数は6になります。

oakcli configure cpupool linpool -numcpu 6 -node 1
例3   Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのノードで構成されたCPUプールの表示

このコマンドでは、ノード0で各定義済CPUプールに割り当てられているCPUが表示されます。また、各CPUプールに割り当てられている仮想マシンがあれば、それも示されます。

oakcli show cpupool -node 0
例4   Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールへの仮想マシンの割当て

このコマンドでは、wintestという名前の仮想マシンがwinpoolという名前のCPUプールにピン留めされます。

oakcli configure vm wintest -cpupool winpool

注意:

odabasecpupoolは、oakcli cpupoolコマンドを使用して管理することはできません。かわりに、「ODA_BASEのサイズ変更」で説明されているように、ODA_BASEを構成するコマンドを使用する必要があります。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャについて

仮想マシン・テンプレートまたは仮想マシンの構成時に、仮想マシンへのアクセスに使用する特定のネットワークを定義するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントを理解する必要があります。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、すべてのネットワークにボンドおよびブリッジを事前に作成して、上位レベルのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントをすべて管理します。仮想マシンにアクセスするためのフロント・エンド・ポイントは、Dom 0に定義されたブリッジの1つになります。

表6-1および表6-2に、Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームのデフォルト・ネットワーク・インタフェースを示します。表6-3に、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデフォルト・ネットワーク・インタフェースを示します。Oracle Database Appliance X3-2およびOracle Database Applianceのいずれもすべての場合において、ユーザー・ドメインとの接続は、選択したインタフェースを介します。

表6-1 Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームのデュアル・ポート10 GbEネットワーク・インタフェース

Dom0でのインタフェース Dom0でのボンド・デバイス Dom0のブリッジ ODA_BASEドメインのインタフェース

eth0

eth1

icbond0

priv1

eth0


表6-2 Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームのオンボード・クアッド・ポート10 GbEネットワーク・インタフェース

Dom0でのインタフェース Dom0でのボンド・デバイス Dom0のブリッジ ODA_BASEドメインのインタフェース

eth2

eth3

bond0

net1

eth1

eth4

eth5

bond1

net2

eth2


表6-3 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インタフェース

タイプ Dom0でのインタフェース Dom0でのボンド・デバイス Dom0のブリッジ ODA_BASEドメインのインタフェース

プライベート

eth0

eth1

bond0

priv1

eth0

オンボード・パブリック

eth2

eth3

bond1

net1

eth1

第1ペア・クアッド・ポート

eth4

eth5

bond2

net2

eth2

第2ペア・クアッド・ポート

eth6

eth7

bond3

net3

eth3

10GbEインタフェース

eth8

eth9

xbond0

net4

eth4


仮想マシンの構成時に、関連ブリッジを指定して、仮想マシンが使用するネットワークを定義します。たとえば、myvm1という名前の仮想マシンをnet1ネットワークに接続するには、次のコマンドを使用します。

oakcli configure vm myvm1 -network "['type=netfront,bridge=net1']"

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリについて

仮想マシン・テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームにデプロイする仮想マシンのソースとしてインポートして構成します。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでゲスト仮想マシンをデプロイするには、最初に仮想マシン・テンプレートを外部テンプレート・リポジトリからインポートする必要があります。複数の仮想マシン・テンプレートで構成されるアセンブリを、外部リポジトリからインポートすることもできます。同じテンプレートを両方のノードにインポートする場合は、2番目のノードにテンプレートをインポートするときに異なる名前を使用する必要があります。

仮想マシン・テンプレートをノードにインポートすると、ノードのストレージ・リポジトリに格納されます。ノードのストレージ・リポジトリには、デプロイする仮想マシンの定義も格納されます。各ストレージ・リポジトリのサイズの上限は、Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームでは300GB、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは250GBです。ノード0のリポジトリの名前はodarepo1、ノード1のリポジトリの名前はodarepo2です。


注意:

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想マシン・テンプレートを取得するには、最初にそれらをインポートする必要があります。このプラットフォームでテンプレートを直接作成またはクローニングすることはできません。

仮想マシン・テンプレートをインポートしたら、テンプレートを使用して新規仮想マシンを作成する前にOracle Appliance Managerのコマンドでテンプレートをカスタマイズできます。仮想マシンの管理に使用するすべてのコマンドの詳細は、「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリの管理」を参照してください。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリの管理

Oracle Appliance Managerのimportコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想マシン・テンプレートを格納して名前を付けます。Oracle Appliance Managerのその他のコマンドを使用して、テンプレートをカスタマイズおよび管理します。

この項で説明されているコマンドの例は、「Oracle Appliance Managerの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリ管理コマンドの例」を参照してください。

仮想マシン・テンプレートのインポート

Oracle Appliance Managerのoakcli import vmtemplateコマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリをインポートします。仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリは、ファイルのソースを特定するURLを使用して、リモート・リポジトリから直接インポートできます。オプションで、リモート・コピー・コマンドを使用してリモート・リポジトリからDom 0の/OVSディレクトリにファイルをコピーしてから、仮想マシン・テンプレートまたはアセンブリを特定するパスおよびファイル名を使用してファイルをインポートできます。

複数のテンプレート・ファイルを単一コマンドでインポートする場合、または複数のテンプレートが格納されたアセンブリをインポートすると、テンプレートに割り当てた名前は仮想マシン・テンプレート名を一意に保つように変更されます。1つ目のテンプレートの名前には番号"1"を追加し、 2つ目のテンプレートの名前には番号"2"を追加する、のようになります。

仮想マシン・テンプレート構成の表示および変更

ストレート・リポジトリに仮想マシン・テンプレートをインポートしたら、Oracle Appliance Managerのoakcli show vmtemplateコマンドでテンプレート名を指定して、テンプレート構成パラメータを調べることができます。特定の仮想マシンの要件に合せてテンプレートを再構成する必要がある場合、Oracle Appliance Managerのoakcli configure vmtemplateコマンドを使用します。これは、単一のテンプレートから同じ特性を持つ複数の仮想マシンをデプロイする場合に使用すると便利です。仮想マシンを1つしかデプロイしない場合、または異なる特性の複数の仮想マシンをデプロイする場合は、仮想マシン・イメージを作成するためのテンプレートをデプロイした後に、oakcli configure vmコマンドを使用して必要な値を設定できます。

格納済の仮想マシン・テンプレートの一覧表示

格納済の仮想マシン・テンプレートをすべて検出するには、パラメータを指定せずにOracle Appliance Managerのoakcli show vmtemplateコマンドを使用します。特定の仮想マシン・テンプレートが必要なくなった場合は、Oracle Appliance Managerのoakcli delete vmtemplateコマンドを使用してリポジトリからテンプレートを削除します。

Oracle Appliance Managerの仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリ管理コマンドの例

例1   Dom 0からの2つの仮想マシン・テンプレートのインポート

このコマンドでは、外部テンプレート・リポジトリからDom 0上の/OVSファイル・システムに事前にコピーされた、OVM_OL5U5_X86_64_PVM_10GB.tgzおよびOVM_OL5U6_X86_64_PVM_10GB.tgzという名前の2つの仮想マシン・テンプレート・ファイルがインポートされます。-list句の値を区切るカンマに注意してください。テンプレートには、それぞれ名前myol5u1およびmyol5u2が割り当てられ、ノード0上のリポジトリにインポートされます。

oakcli import vmtemplate myol5u
-files /OVS/OVM_OL5U5_X86_64_PVM_10GB.tgz,
/OVS/OVM_OL5U6_X86_64_PVM_10GB.tgz -repo odarepo1
例2   外部リポジトリURLを使用した仮想マシン・テンプレートのインポート

このコマンドでは、OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgzという名前の仮想マシン・テンプレート・ファイルが外部テンプレート・リポジトリからインポートされます。URLを囲む一重引用符に注意してください。テンプレートには、名前myol5u7_10gbが割り当てられ、ノード1上のリポジトリにインポートされます。

oakcli import vmtemplate myol5u7_10gb -files
'http://example.com/vmtmplt/OEL5/OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz'
-repo odarepo2
例3   外部リポジトリのアセンブリからの仮想マシン・テンプレートのインポート

このコマンドでは、外部テンプレート・リポジトリのアセンブリ・ファイルに格納されている仮想マシン・テンプレートがインポートされます。URLを囲む一重引用符に注意してください。アセンブリに3つの異なるテンプレートが格納されている場合、それらのテンプレートには、名前myol6u_15gb1myol6u_15gb2およびmyol6u_15gb3が割り当てられ、ノード1上のリポジトリにインポートされます。

oakcli import vmtemplate myol5u_15gb -assembly
'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM_15GB.ova'
-repo odarepo2
例4   仮想マシン・テンプレートの構成

このコマンドでは、myol5u7_10gbという名前の仮想マシン・テンプレートで特定のリソースに値が設定されます。

  • 仮想マシンの起動時に割り当てられるCPUの数(vcpu)

  • 仮想マシンに割り当てることができるCPUの最大数(maxvcpu)

  • 仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率(cpucap)

  • 仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量(memory)

  • 仮想マシンに割り当てることができるメモリーの最大容量(maxmemory)

  • 仮想マシンへのアクセスに使用されるネットワーク(network)

  • 仮想マシンで使用されるオペレーティング・システム(os)

これらの値は、後でOracle Appliance Managerのoakcli configure vmコマンドを使用して一部または全部を変更できますが、このテンプレートから作成される仮想マシンのデフォルト値になります。

oakcli configure vmtemplate myol5u7_10gb
-vcpu 2 -maxvcpu 4 -cpucap 40 -memory 1536M -maxmemory 2G
-network "['type=netfront,bridge=net1']" -os OTHER_LINUX
例5   既存の仮想マシン・テンプレートの一覧表示

このコマンドでは、各仮想マシン・テンプレートの名前およびリポジトリと、テンプレートから作成された仮想マシンにOracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量が表示されます。

oakcli show vmtemplate
例6   仮想マシン・テンプレートの構成済値の表示

このコマンドでは、myol5u7_10gbという名前の仮想マシン・テンプレートで構成可能なオプションの値が表示されます。

oakcli show vmtemplate myol5u7_10gb
例7   仮想マシン・テンプレートの削除

このコマンドでは、myol6u_15gb3という名前の仮想マシン・テンプレートがOracle Database Appliance仮想化プラットフォームから削除されます。

oakcli delete vmtemplate my0l6u_15gb3

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想マシンについて

ODA_BASEで稼働しているOracle Databaseソフトウェアとは無関係のCPUでアプリケーションおよびその他のソフトウェアを実行するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームに仮想マシンをデプロイします。テンプレートを使用して仮想マシンを定義し、Oracle Appliance ManagerおよびVMコンソールを使用して仮想マシンにアクセスし、管理します。

仮想マシンは、Linux、Windows、Solarisなどのオペレーティング・システムがインストールされ稼働しているコンピュータ環境のソフトウェア実装です。仮想マシンは、必要なオペレーティング・システムが含まれるテンプレートからOracle Database Appliance仮想化プラットフォームにデプロイします。また、仮想マシン・テンプレートにはソフトウェア・アプリケーションやデータも含まれることがあります。さらに、仮想マシン・テンプレートには通常、必要なCPUの数およびメモリー・サイズ、ネットワーク・インタフェースなどの基本構成情報が含まれます。

仮想マシン・イメージを作成するには、Oracle Appliance Managerを使用して必要な仮想マシン・テンプレートをクローニングします。仮想マシン・イメージは、仮想マシン・テンプレートと同じノード上のストレージ・リポジトリに作成されます。ノード0のリポジトリの名前はodarepo1、ノード1のリポジトリの名前はodarepo2です。各ストレージ・リポジトリのサイズの上限は、Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームでは300GB、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは250GBです。

仮想マシン・イメージを作成すると、仮想マシンおよびVMコンソールを起動し、Oracle Appliance Managerのコマンドを使用してコンテンツにアクセスできます。仮想マシンには、VNCセッションを使用してアクセスすることもできます。

その他のOracle Appliance Managerのコマンドを使用して、仮想マシンの停止や再構成など、仮想マシンに関連するその他のタスクを実行します。アクティブな仮想マシンの再構成は可能ですが、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効にならないことに注意してください。すべての仮想マシンの概要情報や、単一仮想マシンの構成に関する詳細情報も表示できます。特定の仮想マシンが不要になった場合は、仮想マシン・イメージをストレージ・リポジトリから削除できます。

仮想マシンの管理に使用するコマンドの詳細は、「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの管理」を参照してください。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの管理

Oracle Appliance Managerのコマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化アプライアンスでユーザー・ドメイン仮想マシンを作成および管理します。アクティブな仮想マシンには、Oracle Appliance Managerを使用して開くGUI VMコンソールを使用してアクセスします。

Oracle Appliance Managerのコマンドは次のタスクに使用します。

  • 新規仮想マシンのイメージの作成

    oakcli clone vmコマンドを使用して、Oracle Database Applianceに新規仮想マシンのイメージを作成します。このイメージは、クローニングしたテンプレートからコンテンツおよび構成情報を継承し、テンプレートと同じリポジトリに格納されます。

  • 仮想マシン構成の表示および変更

    仮想マシン・イメージの現在の構成を参照するには、Oracle Appliance Managerのoakcli show vmコマンドを使用して、仮想マシンの名前を指定します。構成を変更する必要がある場合は、Oracle Appliance Managerのoakcli configure vmコマンドを実行します。


    注意:

    CPUの容量は、-cpupoolパラメータで仮想マシンに割り当てられるCPUプールによって、または-cpupoolパラメータで仮想マシンが構成されていない場合は、default_unpinned_poolによって制御されます。-vcpuパラメータと-maxcpuパラメータの値が割当済のCPUプール内のCPUの数より大きい場合は無視されます。


    注意:

    現在稼働している仮想マシンを再構成した場合、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。

  • 仮想マシンの起動および停止

    Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを起動する準備ができたら、Oracle Appliance Managerのoakcli start vmコマンドを実行します。同様に仮想マシンを停止するには、oakcli stop vmコマンドを実行します。

  • アクティブな仮想マシンへのアクセス

    アクティブな仮想マシンのGUI VMコンソールを開くには、Oracle Appliance Managerのoakcli show vmconsoleコマンドを実行します。コンソールが正しく表示されない場合は、コンソールを閉じ、DISPLAY環境変数をモニターに適した値に設定した後、oakcli show vmconsoleコマンドを再実行します。

  • リポジトリ内の仮想マシンの一覧表示

    Oracle Appliance Managerのoakcli show vmコマンドを使用して、既存の仮想マシンのリストを、それぞれの基本情報も含めて表示できます。

  • 仮想マシンのリポジトリからの削除

    Oracle Appliance Managerのoakcli delete vmコマンドを使用して、不要な仮想マシンを削除します。

この項で説明されている仮想マシンを管理するためのコマンドの例は、「Oracle Appliance Managerの仮想マシン・コマンドの例」を参照してください。

Oracle Appliance Managerの仮想マシン・コマンドの例

例1   仮想マシン・イメージの作成

このコマンドでは、myol15u_testという名前の仮想マシン・イメージが、ノード0のリポジトリ内に格納されているmyol15uという名前の仮想マシン・テンプレートから作成されます。

oakcli clone vm myol15u_test -vmtemplate myol5u -repo odarepo1
例2   仮想マシンの構成

このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンで特定のリソースに値が設定されます。

  • 起動時に仮想マシンに割り当てられるCPUの数(vcpu)

  • CPUアクセスの優先度(cpuprio)

  • 仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率(cpucap)

  • 仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量(memory)

  • 仮想マシンに割り当てられるCPUプール(cpupool)

  • 仮想マシンのアクセスに使用するキーボード・タイプの定義(keyboard)

  • 仮想マシンのアクセスに使用するマウス・タイプの定義(mouse)

これらの値は、この仮想マシンの導出元となった仮想テンプレートのこれらと同じパラメータに割り当てられた値に優先します。仮想マシンは、親テンプレートまたは構成コマンドのいずれにも定義されていないパラメータにデフォルト値を使用します。

oakcli configure vm myol5u_test
-vcpu 2 -cpuprio 150 -cpucap 20 -memory 1G 
-cpupool linpool -keyboard en-us -mouse USB_MOUSE

注意:

CPUの容量は、-cpupoolパラメータで仮想マシンに割り当てられるCPUプールによって、または-cpupoolパラメータで仮想マシンが構成されていない場合は、default_unpinned_poolによって制御されます。-vcpuパラメータと-maxcpuパラメータの値が割当済のCPUプール内のCPUの数より大きい場合は無視されます。

例3   既存の仮想マシン・イメージの一覧表示

このコマンドでは、各仮想マシンの名前、リポジトリおよび現在の状態(オンラインまたはオフライン)が表示されます。出力には、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって各仮想マシンに割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量も含まれます。

oakcli show vm
例4   仮想マシンの構成済値の表示

このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンの定義が表示されます。出力には、すべての構成可能なパラメータの現在の値が、仮想マシンの自動起動設定などの追加情報とともに含まれます。

oakcli show vmtemplate myol5u_test
例5   仮想マシンの起動

このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンが起動します。

oakcli start vm myol5u_test
例6   仮想マシンのVMコンソールのオープン

このコマンドでは、myol5u_testという名前のアクティブな仮想マシンに対するGUI VMコンソールが開きます。

oakcli show vmconsole myol5u_test

注意:

oakcli show vmconsoleコマンドが正しく機能するには、DISPLAY環境変数の有効な定義が必要です。

例7   仮想マシンの停止

このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンが停止します。

oakcli stop vm myol5u_test
例8   仮想マシンの削除

このコマンドでは、myol5u_testという名前の仮想マシンがOracle Database Appliance仮想化プラットフォームから削除されます。

oakcli delete vm my0l5u_test

ODA_BASEのサイズ変更

インストール済のOracleデータベースの演算能力またはメモリーを増強する必要がある場合、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでODA_BASEドメインに割り当てられているCPUコアの数を増やします。また、仮想マシン・ドメインに割り当てられるCPUを増やす必要がある場合はCPUコアを減らします。各ノードの割当て済コア数は、2または2の倍数ずつ増減できます。

ODA_BASEのコア数を変更する場合、Oracleデータベースで重要なアクティビティが実行されていないときにこのタスクの実行を予定します。これは、サイズ変更プロセス中、ODA_BASEドメインが停止するためです。続行する準備ができたら、次の手順を実行します。

  1. Dom 0にログオンし、次の例に示すようにoakcli configure oda_baseコマンドを実行します。ODA_BASEのCPUコア数が6から8に変更されます。

    /opt/oracle/oak/bin/oakcli configure oda_base
    Core Licensing Options:
            1. 2 CPU Cores
            2. 4 CPU Cores
            3. 6 CPU Cores
            4. 8 CPU Cores
            5. 10 CPU Cores
            6. 12 CPU Cores
           Current CPU Cores       :6
            Selection[1 : 6]        : 4
            ODA base domain memory in GB(min 8, max 88)(Current Memory 48G)[default
    64]     : 36
    INFO: ODA Base configured with new memory
    INFO: ODA Base configured with new vcpus
    INFO: Configured oda base pool
    INFO: ODA Base configured with new memory
    INFO: ODA Base configured with new vcpus
    INFO: Configured oda base pool
    INFO: Node 1
    Please update /etc/sysctl.conf in oda_base domain with parameter "vm.nr_
    hugepages=9216"
    Changes will be incorporated after the domain is restarted.
    
  2. コマンドの出力に示されるアクションを実行します。この例では、パラメータ値を再設定して/etc/sysctl.confを更新するよう要求されています。

  3. 両方のノードのDom 0で次のrestartコマンドを実行し、ドメインを再起動してODA_BASEの変更後の構成を実装します。

    oakcli restart oda_base