Oracle® Solaris Cluster 定足数サーバーリファレンスマニュアル

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更新: 2014 年 7 月、E51744-01
 
 

clquorumserver (1CL)

名前

clquorumserver, clqs - 定足数サーバーの管理

形式

/usr/cluster/bin/clquorumserver -V
/usr/cluster/bin/clquorumserver subcommand -?
/usr/cluster/bin/clquorumserver subcommand [-v] [quorumserver]
/usr/cluster/bin/clquorumserver clear 
     -c clustername -I clusterID [-y] quorumserver
/usr/cluster/bin/clquorumserver show 
     [+ | quorumserver[…]]
/usr/cluster/bin/clquorumserver start 
     {+ | quorumserver[…]}
/usr/cluster/bin/clquorumserver stop 
     [-d] {+ | quorumserver[…]}

説明

次のタスクには、clquorumserver コマンドを使用します。

  • 1 つ以上の定足数サーバーの無効な構成情報をクリーンアップする

  • 1 つ以上の定足数サーバーの構成を表示する

  • 1 つ以上の定足数サーバーを起動する

  • 1 つ以上の定足数サーバーを停止する

clqs コマンドは、clquorumserver コマンドの省略形です。どちらの形式のコマンドも使用できます。

このコマンドの一般的な形式は次のとおりです。

clquorumserver [subcommand] [options]

subcommand は、options–?–v、または –V オプションが指定されている場合のみ省略できます。

定足数サーバーは、クラスタの定足数デバイスとして構成してください。定足数サーバーの構成の詳細については、scqsd.conf(4) および scqsd(1M) を参照してください。quorum_server タイプの定足数デバイスのクラスタへの追加については、clquorum(1CL) を参照してください。

サブコマンド

サポートされるサブコマンドには次のものがあります。

clear

期限切れのクラスタ情報を定足数サーバーから削除します。定足数サーバーは、定足数デバイスとしてサービスを提供しているクラスタについての情報を保持しています。次の状況では、この情報が無効になる可能性があります。

  • clquorum remove コマンドを使用してクラスタ定足数デバイスを削除せずに、クラスタがデコミッションされた場合。

  • 定足数サーバーホストが停止している間に、quorum_server タイプの定足数デバイスをクラスタから削除した場合。


Caution

注意  -  定足数サーバーがクラスタから削除されていない場合に、このサブコマンドを使用して有効な定足数サーバーをクリーンアップすると、クラスタ定足数が損なわれる可能性があります。


特定のクラスタサーバーのクラスタ名とクラスタ ID を指定してください。詳細については、–c および –I オプションを参照してください。

スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.admin RBAC の承認が必要です。詳細については、rbac(5) を参照してください。

show

定足数サーバーについての構成情報を表示します。このサブコマンドは、定足数サーバーを定足数デバイスとして構成しているすべてのクラスタごとに、対応するクラスタ名、クラスタ ID、予約鍵のリスト、および登録鍵のリストを表示します。

プラス記号 (+) を使用すると、複数の定足数サーバーを使用できます。

オペランドを指定しない場合や、プラス記号 (+) をオペランドに指定した場合、このコマンドは動作しているすべての定足数サーバーの構成を表示します。

スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、RBAC の承認 solaris.cluster.read が必要です。詳細については、rbac(5) を参照してください。

start

定足数サーバーを起動します。

stop

定足数サーバーを起動します。

オプション

次のオプションがサポートされています。

–?
–-help

ヘルプ情報を出力します。

このオプションは単独でもサブコマンド付きでも使用できます。

  • このオプションを単独で使用する場合、使用可能なサブコマンドのリストが出力されます。

  • このオプションをサブコマンドを付けて使用する場合、そのサブコマンドの使用法オプションが出力されます。

このオプションを使用する場合、ほかの処理は実行されません。

–c clustername
–-clustername clustername

定足数サーバーを定足数デバイスとして使用するクラスタの名前を指定します。クラスタ名は、cluster show などの Oracle Solaris Cluster コマンドをクラスタノードで実行して取得できます。

このオプションは、clear サブコマンドで必要です。

–d
–-disable

システムリブート後の定足数サーバーの自動再起動を無効化します。

–I clusterID
–-clusterID clusterID

クラスタ ID を指定します。クラスタ ID は 8 桁の 16 進数です。クラスタ ID は、cluster show などの Oracle Solaris Cluster コマンドをクラスタノードで実行して取得できます。

このオプションは、clear サブコマンドで必要です。

–V
–-version

コマンドのバージョンを出力します。

このオプションには、サブコマンドやオペランドなどのオプションは指定しないでください。サブコマンド、オペランド、またはほかのオプションは無視されます。–V オプションは、コマンドのバージョンのみを表示します。その他の処理は行いません。

–v
-–-verbose

詳細情報を標準出力 stdout に出力します。

このオプションは、このコマンドの任意の形式に指定できます。

–y
–-yes

このオプションは単独では使用できず、clear サブコマンドと一緒に使用します。このオプションは、clear サブコマンドによる確認の質問にあらかじめ答えます。このオプションを使用しない場合、clear サブココマンドによってクラスタ情報をクリーンアップするかが確認されたときに、ユーザーが yes または no で答える必要があります。このサブコマンドは、ユーザーが yes と答えた場合のみ処理を継続します。このオプションを使用すると、clear サブコマンドは確認の質問を行わず、指定された定足数サーバーのクラスタ情報をそのまま削除します。

オペランド

次のオペランドを指定できます。

quorumserver

1 つまたは複数の定足数サーバーの識別子を指定します。定足数サーバーは、ポート番号かインスタンス名で識別できます。ポート番号は、クラスタノードが定足数サーバーと通信するために使用されます。インスタンス名は、定足数サーバー構成ファイル /etc/scqsd/scqsd.conf で指定できます。scqsd.conf(4) を参照してください。

終了ステータス

指定したすべてのオペランドでコマンドが成功すると、コマンドはゼロ (CL_NOERR) を返します。あるオペランドでエラーが発生すると、コマンドはオペランドリストの次のオペランドを処理します。戻り値は常に、最初に発生したエラーを反映します。

次の終了値が返されます。

0 CL_NOERR

エラーなし

実行したコマンドは正常に終了しました。

1 CL_ENOMEM

十分なスワップ空間がありません。

クラスタノードがスワップメモリーまたはその他のオペレーティングシステムリソースを使い果たしました。

3 CL_EINVAL

無効な引数

コマンドを間違って入力したか、–i オプションで指定したクラスタ構成情報の構文が間違っていました。

6 CL_EACCESS

アクセス権がありません

指定したオブジェクトにアクセスできません。このコマンドを実行するには、スーパーユーザーまたは RBAC アクセスが必要である可能性があります。詳細は、su(1M)、および rbac(5) のマニュアルページを参照してください。

18 CL_EINTERNAL

内部エラーが発生しました

内部エラーは、ソフトウェアの欠陥またはその他の欠陥を示しています。

35 CL_EIO

I/O エラー

物理的な入出力エラーが発生しました。

36 CL_ENOENT

そのようなオブジェクトはありません。

次のいずれかの理由のために、指定したオブジェクトを見つけることができません。

  • オブジェクトが存在しません。

  • –o オプションで作成しようとした構成ファイルへのパスのディレクトリが存在しません。

  • –i オプションでアクセスしようとした構成ファイルにエラーが含まれています。

使用例 1 1 つの定足数サーバーの構成の表示

次のコマンドは、ポート 9000 を使用する定足数サーバーの構成情報を表示します。

# clquorumserver show 9000
使用例 2 複数の定足数サーバーの構成の表示

次のコマンドは、インスタンス名のリストに列挙された定足数サーバーの構成情報を表示します。

# clquorumserver show qs1 qs2 qs3
使用例 3 動作しているすべての定足数サーバーの構成の表示

次のコマンドは、動作しているすべての定足数サーバーの構成情報を表示します。

# clquorumserver show +
使用例 4 定足数サーバーの起動

次のコマンドは、構成されているすべての定足数サーバーを起動します。

# clquorumserver start +

次のコマンドは、ポート 9000 で待機している定足数サーバーを起動します。

# clquorumserver start 9000

次のコマンドは、インスタンス名が qs1 の定足数サーバーを起動します。

# clquorumserver start qs1
使用例 5 ポート番号による定足数サーバーの停止

次のコマンドは、ポート 9000 で待機している定足数サーバーを起動します。

# clquorumserver stop 9000
使用例 6 定足数サーバーからの期限切れのクラスタ情報のクリーンアップ

次の例は、sc-cluster という名前のクラスタについての情報を定足数サーバーから削除します。

この方法で定足数サーバーの構成を解除するときには、十分に注意してください。通常は、clquorum remove を使用して定足数サーバーデバイスをクラスタ構成から削除し、単一セットの定足数サーバー上で構成情報をクリーンアップする必要があります。このコマンドを使用するのは、clquorum remove 動作中にクラスタと定足数サーバーホスト間の通信が失われた場合だけです。

# clquorumserver clear -c sc-cluster -I 0x4308D2CF 9000
The quorum server to be unconfigured must have been removed from
the cluster. Unconfiguring a valid quorum server could compromise
the cluster quorum. Do you want to continue? (yes or no)

属性

次の属性については、attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
ha-cluster/service/quorum-server
インタフェースの安定性
発展中

関連項目

Intro(1CL), clquorum(1CL), cluster(1CL), scqsd(1M), scqsd.conf(4)

スーパーユーザーはこのコマンドのすべての形式を実行できます。

任意のユーザーは次のオプションを指定してこのコマンドを実行できます。

  • –? (ヘルプ) オプション

  • –V (バージョン) オプション

スーパーユーザー以外のユーザーがほかのサブコマンドを指定してこのコマンドを実行するには、RBAC の承認が必要です。次の表を参照してください。

サブコマンド
RBAC の承認
clear
solaris.cluster.admin
show
solaris.cluster.read
start
solaris.cluster.admin
stop
solaris.cluster.admin