確率分布の選択

プロット・データは、確率分布を選択するための指標の1つです。次のステップでは、スプレッドシート内の不確実性変数を最も正確に示す確率分布を選択するための別のプロセスについて説明します。

正しい確率分布を選択するには:

  1. 該当する変数を確認します。この変数に関する条件について判明していることをすべてリストします。

    不確実性変数に関する有用情報は実測データから収集できます。実測データを使用できない場合は、経験に基づく判断を駆使して、不確実性変数について判明していることをすべてリストします。

    たとえば、チュートリアル2 - Vision Research社で説明されている変数「治癒した患者」を参照してください。会社は、100人の患者をテストする予定です。これらの患者は治癒するか治癒しないかのいずれかであることがわかります。また、薬による治癒率は約0.25 (25%)であったこともわかります。これらの事実が変数に関する条件です。

  2. 確率分布の説明を確認します。

    確率分布の説明では、分布の基礎となる条件について説明し、各分布タイプの現実世界における例を示すことにより、各分布について詳細に説明しています。これらの説明を確認する際に、この変数に関してリストした条件を備えた分布を探してください。

  3. この変数を特徴づける分布を選択します。

    分布は、分布の条件が変数の条件と一致する場合に変数を特徴づけます。

    変数の条件は、Crystal Ball内の分布のパラメータの値を説明します。各分布タイプには独自のパラメータ・セットがあります。これらについては、次の説明を参照してください。

    たとえば、二項分布で説明されている二項分布の条件を参照してください:

    • 試行ごとに得られる結果は2つ(成功または失敗など)のみです。

    • 各試行は独立しています。最初の試行で発生した事象は2回目の試行には影響せず、これ以降の試行についても同様です。

    • 成功の確率はどの試行に対しても同じです。

      ここで、チュートリアル2 - Vision Research社の「治癒した患者」変数と二項分布の条件を比較します:

    • 患者が治癒するか治癒しないという2つの結果があり得ます。

    • 各試行(100)は互いに独立しています。最初の患者で発生した事象は2人目の患者には影響しません。

    • 患者が治癒する確率0.25 (25%)は患者のテストごとに同じままです。

      変数の条件は二項分布の条件と一致するため、二項分布は当該変数の正しい分布タイプとなります。

  4. 実測データが使用可能な場合、適合分布を使用して、データを最も正確に表す分布を選択します。

    Crystal Ballでは、データの分布に最も近い確率分布を自動的に選択できます。この機能の詳細は、履歴データに対する分布の適合を参照してください。また、カスタム分布に実測データを移入することもできます。

    分布タイプを選択した後、分布のパラメータ値を決定します。各分布タイプには独自のパラメータ・セットがあります。たとえば、二項分布には試行と確率という2つのパラメータがあります。変数の条件にはパラメータの値が含まれます。使用した例では、条件は試行100回と成功確率0.25 (25%)です。

標準パラメータ・セット以外にも、各連続分布(一様を除く)を使用して、1つ以上の標準パラメータのパーセンタイルを代替する代替パラメータ・セットから選択することもできます。代替パラメータの詳細は、代替パラメータ・セットの使用を参照してください。各確率分布のパラメータの要約リストは、Oracle Crystal Ballリファレンスおよびサンプル・ガイドを参照してください。