ブートストラップ・ツールの結果の分析

ブートストラップ・ツールの分析例では、Crystal Ballのサンプル・モデルFutura Apartments.xlsxを使用します。このスプレッドシート・モデルでは、集合施設の損益を予測します。

ブートストラップ結果を生成するために、損益を対象予測としてブートストラップ・ツールを起動します。「手法」パネルで、単一シミュレーション手法と統計量オプションを選択します。「オプション」パネルで、次を選択します:

分析を実行すると、統計量ごとに分布の予測グラフが表示され、データが要約されたワークブックが作成されます(図9.11「ブートストラップの結果の例」)。

図9.11 ブートストラップの結果の例

この図は、ブートストラップ・サンプリング分布の結果を示しています。

「実行プリファレンス」ダイアログの「試行」タブに表示される精度コントロールの信頼度レベルである予測信頼度は、95%に設定されています。

ブートストラップ・ツールでは、多くの統計量について予測グラフにサンプリング分布が表示されます。他の統計量も計算されますが、これらは表示されません。

パーセンタイルについては、パーセンタイル・サンプリング分布が重ねグラフおよび傾向グラフに表示されます。個々のパーセンタイル予測グラフを表示するには、「グラフの表示」「予測グラフ」の順に選択します。

注:

「実行プリファレンス」ダイアログの「オプション」パネルで「値を上回る確率」オプションを選択した場合、パーセンタイルの意味が逆転し、1番目のパーセンタイルが最上位の1%を表し、99番目のパーセンタイルが最下位の1%を表します。この逆転の詳細は、統計量プリファレンスの設定を参照してください。

予測グラフは、各統計量の精度を視覚的に表します(図9.11「ブートストラップの結果の例」)。幅が狭く対称的な分布の方が、幅が広く歪んだ分布より正確に統計量が推定されます。

統計量ビュー(図9.12「平均値のブートストラップ予測統計量」)を使用すると、統計量のサンプリング分布をより詳細に分析できます。平均標準誤差または変動の係数が非常に大きい場合、統計が信頼できない可能性があるため、より多くのサンプルまたは試行が必要になる場合があります。この例の場合、標準誤差と変動の係数が比較的小さいため、予測平均値は母集団平均値の正確な推定となります。

図9.12 平均値のブートストラップ予測統計量

この図は、平均値の予測統計量を示しています。

結果ワークブックには、様々な統計量間の相関を表す相関マトリックスがあります。通常、特定の統計量間(平均値と標準偏差間など)の相関が高い場合、分布の歪度が高いことを示します。

また、ブートストラップ・ツールを使用してパーセンタイルの分布を分析することもできますが、サンプルごとに少なくとも1,000のブートストラップ・サンプルと1,000回の試行を実行しなければ、これらの統計量の正確なサンプリング分布を取得できません(参考: EfronおよびTibshirani; Oracle Crystal Ballリファレンスおよびサンプル・ガイドのCrystal Ballの参考文献一覧に関する項を参照)。