リリース・ノート
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchリリース・ノート
2014年4月
このトピックには次のセクションが含まれます:
この製品について
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchを使用すると、IBMメインフレーム・バッチ・ジョブを安全かつ迅速にOracle Tuxedoに移行できます。これによって、莫大なコスト削減と柔軟性の向上が実現します。
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchによって実現されるユーティリティとサービスの組合せは、Batchメインフレーム・アプリケーションをそのままで実行することを可能にし、ビジネス・ロジックとデータに対する長年の投資を維持活用します。また、IBM互換のJCL機能と慣れ親しんだメインフレーム・ユーティリティを備えており、既存のアプリケーションを実行するとともに新しい機能で拡張することができます。
主要な機能と主要コンポーネント
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchは、IBM z/OS互換バッチ・ジョブのランタイム環境です。次のコンポーネントが含まれます。
- Tuxedo Job Enqueueing Service (TuxJES)。メインフレームのJESバッチ・キュー、イニシエータをエミュレートし、ネイティブJCLスクリプトまたは変換されたスクリプトで発行されたジョブのバッチ制御機能を提供します。
- バッチ実行エンジン。発行されたジョブをあらゆる標準JCL機能および共通ユーティリティで実行するためにイニシエータによって使用されます。
- バッチの操作、モニタリングおよび管理機能。ART BatchのISPF拡張をはじめとして、TSAM Plus Managerでのリアルタイム・モニタリングや、Oracle Enterprise ManagerのTSAM Plusプラグインで提供される広範なバッチ操作および管理機能をサポートします。
このリリースでの新機能
このリリースには、Batch Runtimeの次の新機能と強化が含まれます。
- JES機能とジョブ制御
-
artjesadmin
の同期ジョブ発行モード
-
artjesadmin
によるネイティブJCLジョブの発行
- 待機ジョブの優先度を動的に変更するための
artjesadmin
サブコマンド
- 特定のノードまたはイニシエータ・グループのネットワーク内でバッチ・ジョブをルーティングするための、NJEに類似した機能のサポート
- Oracle Entitlement ServerまたはLDAPを使用したロールベースのジョブ制御認可
- スプールのキュー・スペースが構成可能な制限値に近づいたときの自動ジョブ・パージ機能
- バッチ実行エンジン
- GDGメタデータ表をIBM DB2 LUWで管理するオプション
- Oracle Enterprise Manager (OEM)インシデント・マネージャ(構成可能なポリシー)による
ABEND
の取得およびアラート
- 外部
m_pkzip
APIでのDUMP
コマンドおよびアスタリスク・ワイルドカードのサポート
- ソート・ユーティリティの
JOINKEYS
コマンドの拡張サポート
- ファイル・カタログおよび関連機能(
IDCAMS LISTCAT
など)を使用した、ボリューム内でのDSN解決(データベースが必要)
- COBOLプログラムにおける構成可能な
SYSIN
およびSYSOUT
のリダイレクト
-
m_ProgramExec
関数を使用した、動的にロード可能なCプログラムの実行のサポート
- TMAを使用した、z/OS上のCICSに対するEXCIコールの拡張サポート
- 実際にジョブを実行する前における使用可能なファイルの有無のチェック
- バッチの操作、モニタリングおよび管理
- バッチ操作および管理用に
uni-SPF
およびARTISPF
拡張と統合することによる、ISPFパネルを通じた次の機能の提供(The Workstation Group, Ltd.社のuni-SPFおよびuni-REXXが必要):
- ジョブの検索とリスト、および個々のジョブの表示、編集、コピー、発行
- 発行されたジョブの表示、ジョブの詳細およびログへのドリルダウン、およびジョブ制御機能の実行
-
OUTPUT
キュー内のジョブの表示、およびそれらのSYSOUT
ファイルの参照
- JESおよびTuxedoログの表示
- イニシエータ、およびイニシエータが現在実行しているジョブの表示
- Oracle Tuxedoバッチ・ドメインの開始/停止
- バッチ・サブシステムのシステム設定の構成
- バッチ・サブシステムのユーザーおよびセキュリティ・プロファイルの構成
- ファイル・ロックの表示および解放
- ファイル・カタログへのアクセスによるファイルの検索/表示、カタログ化/カタログ化解除、および新規ファイルの割当て
- GDGメタデータへのアクセスによるGDGベースの表示、および個々の世代データセットへのドリルダウン
- バッチ操作および管理のためのOracle Enterprise Managerとの統合
- OEMの拡張検索機能による、ジョブ・ログおよび
SYSOUT
のOEM管理リポジトリへのアーカイブ
- OEMによるジョブのリストおよび発行
- OEMによるジョブの表示および制御
- OEMのインシデントおよびルール・セットをトリガーするための
ABEND
アラート・ポリシーの構成
- OEMのインシデントおよびルール・セットをトリガーするためのジョブ待機時間およびサービス・レベル・モニタリング・ポリシーの構成
- GDGベースの検索、および特定の世代データセットへのドリルダウン
- アクティブなジョブおよびアーカイブされたジョブのログ/
SYSOUT
ビューアと検索機能の拡張
- バッチの使用に関するBI Publisherベースのレポート
- 詳細な可用性およびパフォーマンス・メトリックと、構成可能なアラートしきい値によるバッチ・サブシステムのモニタリング
- ジョブ・ステップ・レベルでのCPU時間のモニタリング
- JESシステム・レベル・ログの統合
相互運用性
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batch 12cリリース2 (12.1.3)はOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)で稼働し、Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbench 12cリリース2 (12.1.3)、Oracle Tuxedo Application Runtime for IMS 12cリリース2 (12.1.3)、Oracle Tuxedo Application Runtime for CICS and Batch 12cリリース2 (12.1.3)およびOracle TSAM Plus 12cリリース2 (12.1.3)との動作が保証されています。
インストール
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batch 12cリリース2 (12.1.3)をインストールするには、Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.1.3)が事前にインストールされている必要があります。ISPF
拡張(ARTISPF
)を使用するには、The Workstation Group, Ltd.社(http://www.wrkgrp.com/index.html)のuni-SPFおよびuni-REXXが必要です。
IMSバッチ・ジョブを実行するには、Oracle Tuxedo Application Runtime for IMS 12cリリース2 (12.1.3)が必要です。
詳細情報は、 『Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchインストレーション・ガイド』を参照してください。
プラットフォーム・サポート
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batch 12cリリース2 (12.1.3)でサポートされるプラットフォームは、『Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchインストレーション・ガイド』の「サポート対象のプラットフォーム」に記載されています。
制限事項と既知の問題
Oracle Tuxedo Application Runtime for Batch 12cリリース2 (12.1.3)には、次の制限があります。
-
IEBGENER GENERATE
をMEMBER
とともに指定することはサポートされません。
-
SORT
操作でのシステム日付(DATE1
など)の比較はサポートされません。
-
DISP=SHR
を使用したPDSでの新しいメンバーの追加はサポートされません。
関連項目