ユーザーズ・ガイド
Business Transaction Management (BTM)の統合
この章には次のトピックが含まれます:
概要
TSAM PlusとBTMを統合することによって、ユーザーは次のことが可能になります。
- Tuxedoと、BTMによってモニターされるその他の製品にまたがってトランザクションを検出し、追跡する。
- BTMコンソールからトランザクションECIDを使用して、WTC側から発生するトランザクションのTSAM Plus呼出しパスの詳細情報までドリルダウンする。
図5-1は、JEEサーバーとTuxedoドメインにまたがるBTMトランザクションの標準的なシナリオを説明しています。
このシナリオでは、Tuxedo BTM委任オブザーバは、/Tドメイン・ゲートウェイ内でJNIテクノロジによって起動されたJVM内で実行されます。/Tドメイン・ゲートウェイは、インバウンド/アウトバウンド・メッセージを受信すると、BTMインバウンド/アウトバウンド要求をBTM委任オブザーバに送信します。
前提条件
BTMによってTuxedoをモニタリングするには、次の前提条件が満たされている必要があります。
- BTM 12.1.0.6がインストールされている。詳細は、Oracle® Business Transaction Managementインストレーション・ガイドを参照してください。
- WTCおよびBTM JavaEEオブザーバ(12.1.0.6以上)が、Weblogic 12.1.3.0以降で構成されている。
- BTMモニタリングのためには、TSAM 12.1.3.0.0以降が必要。
- Tuxedo 12.1.3.0.0のインストール時にTSAM Plusを有効にして、TSAM 12.1.3.0.0エージェントがインストールされている。
TuxedoからのBTMモニタリングの有効化
BTMの検出
BTMの検出はトラフィックに基づいています。監視対象のエンドポイントをメッセージが流れていない場合、Business Transaction Managementはアプリケーション・コンポーネントを検出できず、これらのコンポーネント間の依存性を検出することもできません。
検出を実行する前に、次の手順を行う必要があります。
- 監視する環境にオブザーバをインストールします。
委任オブザーバは、TSAM Plusのインストール後に$TUXDIR/udataobj
に組み込まれます。Tuxedoの監視用にオブザーバをインストールする必要はありません。WTCモニタリングを実行するには、Weblogic側にJavaEEオブザーバをインストールする必要があります。詳細は、「オブザーバのインストールの概要」を参照してください。
- BTMコンソールの「オブザーバ通信ポリシー」ページで、
DELEGATE
プローブが有効になっていることを確認します。
- BTMコンソールの「オブザーバ通信ポリシー」ページで、「オブザーバの動作」→「マッピング・アルゴリズム」の「完全修飾名(FQN)を使用」を選択します。
検出は次の手順で行われます。
- システムからトラフィックを送信します。
- コンテナが監視されていることを確認します。(Business Transaction Managementのインストール後にコンテナを再起動しただけでは、コンテナは認識されません。認識されるようにするには、トラフィックを送信する必要があります。)
- サービスを表示して、監視する対象のサービスがすべて検出されたことを確認します。
- サービスの「サマリー」タブまたは「分析」タブを参照して、測定が行われていることを確認します。スループット、トラフィック、最大応答時間および平均応答時間が、メッセージ・トラフィックに関係するすべてのサービスについて測定可能であることが必要です。測定が正確でないか欠落している場合は、Business Transaction Managementがトラフィックの測定値を計算するために十分な時間が経過していないか、場合によってはモニタリングが無効になっていることが考えられます。
注意: |
測定値を表示する前に、「Tuxedo操作用のBTMトランザクション」を作成したことを確認します。 |
- サービス・マップで依存性を調べて、システム内のトラフィックの流れを確認します。
- 必要に応じて調整します。一般に、検出された内容が期待どおりでない場合にまず行うことは、Business Transaction Managementが十分な時間をかけてシステムのすべての部分を検査できるように、より多くのトラフィックを流すことです。これでも問題が解決しない場合は、次のうち1つ以上を行う必要があると考えられます。
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GWTDOMAIN
の-m
オプションが正しく構成されていること、および「The BTM monitoring is enabled.」がULOGに出力されていることを確認します。
- 「オブザーバ通信ポリシー」の「
DELEGATE
」プローブが有効になっていることを確認します。
- WeblogicとTuxedoのバージョンがBTM Tuxedoモニタリングでサポートされているかどうか確認します。
- バージョニング・ポリシーまたはレプリケーションの問題による検出の問題を解決します。
BTMのTuxedoコンテナ
BTMモニターを有効にすると、GWTDOMIAN
は組込みJVMを起動し、BTM委任オブザーバを実行してWTCと自身の間の双方向呼出しをモニターします。このコンテナのタイプはDELEGATE
で、このコンテナのアドレスは常にdelegate://<Tuxedo host address>:11/
です。
同じベース・アドレスを持つすべてのTuxedoエンドポイントが、同じTuxedoコンテナに属します。このコンテナのアドレスはエンドポイントのベース・アドレスで、このコンテナのタイプはTUXEDO/<Tuxedo version number>
です。
依存性
WTCおよびTuxedoによるサービス呼出しでは、Tuxedoからのインバウンド呼出しであるかアウトバウンド呼出しであるかに関係なく、2つのサービスがBTMトランザクション内で定義され、それぞれTuxedoとWTCを表します。
TuxedoサービスとWTCサービスの間の依存性は、BTMコンソールに表示できます。
Tuxedo操作のためのBTMトランザクション
WeblogicとTuxedoに導入されたECID (実行コンテキストID)伝播機能を使用すれば、ECIDをインスタンスのメッセージ・キーとして使用してBTMコンソールでトランザクションを作成できます。ECIDを使用して、ポリシーを構成する際にTSAM管理コンソールでTuxedoドメイン内の呼出しパスを問い合せることができます。
トランザクションに基づくすべての測定値をBTMコンソールに表示できます。
注意: |
BTMオブザーバまたはBTM委任オブザーバ(GWTDOMAIN に組み込まれるものを含む)はすべて、同じシステム時間を持つマシンに配置する必要があります。 |
次に、Tuxedo操作に基づくBTMトランザクションを作成するための手順を示します。
- BTMコンソールから、左上角の「作成」→「トランザクション」をクリックします。
- ポップアップ・ウィンドウで、トランザクション中に呼び出される操作を選択します。
- 「OK」をクリックします。
依存性がすでにBTMによって検出されている場合は、関連した操作がトランザクションに自動的に追加されます。そうでなければ、このトランザクション中にモニターする操作を手動で追加する必要があります。
- 「開始メッセージ」および「終了メッセージ」を選択します。
- 「ロギング」タブをクリックします。インスタンス・ロギングとメッセージ・ロギングを有効にします。このステップは、すべてのトランザクション・インスタンスを記録する場合のみ必要です。
- 「メッセージ・キー」タブをクリックします。
- すべての操作の開始キーおよび終了キーとして、requestECIDを選択します。
- トランザクション名を入力します。
- 「OK」をクリックします。
注意: |
Tuxedoによって開始されるトランザクションでは、UBBCONFIG 内でOPTIONS としてECID_CREATE を構成する必要があります。 |
TSAMコンソールの呼出しパス
TSAM Plusが正しく登録され、LMSサーバーがTuxedoドメイン内で構成されていれば、BTMによってモニターされるリモートWTCからの呼出しごとに、GWTDOMAIN
からのTSAM呼出しパスが自動的に初期化されます。TSAM Plusコンソールから呼出しパス情報を取得できます。
BTMのTuxedoサービス
表5-1は、TuxedoサービスのBTMプロパティ定義のリストです。
表5-1 TuxedoサービスのBTMプロパティ定義
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tuxedo://<remote NWADDR>/ServiceName
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tuxedo://<WTCリモート・アクセス・ポイントのネットワーク・アドレス>/ServiceName
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urn:com.amberpoint.servicegenres:TUXEDO
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urn:com.amberpoint.servicegenres:TUXEDO_SERVICE
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表5-2は、WTCサービスのBTMプロパティ定義のリストです。
表5-2 WTCサービスのBTMプロパティ定義
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http://oracle.weblogic.wtc
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apwtc://weblogic address: LocalAccessPointPort/WTC_EXPORT/ServiceName (例: apwtc://localhost:10086/WTC_EXPORT/TOLOWER)
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apwtc://weblogic address:port/WTC_IMPORT/LocalAccessPointId_RemoteAccessPointId/ServiceName
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urn:com.amberpoint.servicegenres:WTC_EXPORT
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urn:com.amberpoint.servicegenres:WTC_IMPORT
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urn:com.amberpoint.servicegenres:WTC_SERVICE
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AmberPointObservedMessage
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