以下の項は、Oracle Tuxedo CORBA Domains環境のドメインの計画および構成の方法について説明します。
Oracle Tuxedo Domains構成は、「Oracle TuxedoのDomainsコンポーネントとは」で説明されているようにコアATMIドメイン環境を拡張したものです。Oracle Tuxedoドメイン(ビジネス・アプリケーション)は、完全に管理可能な構造体です。ドメインを参照するプログラミング・インタフェースはありません。ドメインを意識するのは管理者のみです。
Oracle Tuxedo Domains構成では、管理者はその構成の中でどのサーバーがほかのサーバーで利用できるかを構成できます。このため、CORBAの観点から見ると、Oracle Tuxedo DomainsコンポーネントはOracle Tuxedo CORBAアプリケーションが相互に作用してリソースを共有するための手段であると言えます。CORBAクライアントと参加アプリケーションは、Domains構成について何も意識する必要はありません。知っておく必要があるのは、どのファクトリ・オブジェクトが利用可能で、どうしたらそのオブジェクトにアクセスできるのかということだけです。
ドメイン間のこの透過性により、管理者は各ドメインのサービスを構成し、複数のドメイン間にリソースを分散することができます。ドメインに関する情報がアプリケーションに存在する場合、構成を変更すると、アプリケーションも同様に作成し直す必要があります。
図3-1は、2つのOracle Tuxedo CORBAアプリケーションで構成されたシンプルなDomains構成を示しています。
以降のシングル・ドメインとマルチ・ドメインに関する説明は、このシンプルなDomains構成に基づいています。
以下は、シンプルDomains構成におけるCORBAクライアントXとドメインA間のシングル・ドメイン通信の手順です。
この手順を通じて、クライアントはオブジェクトがどこにあるのか、つまりどのドメインにあるのかについて何も知りません。
クライアント・マシンは単純な構造で、必要なインフラストラクチャも少ないため(大部分はスタンドアロン)、クライアントをドメインAに接続するための管理は比較的単純です。もちろん、Oracle Tuxedoドメインへの接続はクライアントのプライマリ管理です。実際の管理作業は、ドメインAにあるISLのアドレスを設定することになります。
マルチ・ドメイン通信の場合、シンプルDomains構成のQ1はドメインCにあるオブジェクトR1のサービスを要求するので、ドメインの境界をまたいで上のステップ1 - 4に対応する処理を実行する必要があります。実際の手順は以下のようになります。
クライアントXで、オブジェクトQ1がドメインCのファクトリとオブジェクトを取得するには、何らかの管理タスクが必要です。シンプルDomains構成に示すように、ドメイン間通信にはドメイン・ゲートウェイを使用します。ドメイン・ゲートウェイは、ドメイン内のシステム・サーバーです。
システム・サーバーは、ユーザー定義のサーバーとは異なり、ネーム・サーバー、FactoryFinder、ISLなどと共にOracle Tuxedo製品の一部として提供されています。ドメイン・ゲートウェイは、ドメインの接続ポイントになるので、概念的にはISLと似ています。ただし、ISLと異なり、ドメイン・ゲートウェイは別のドメイン・ゲートウェイに接続し、それ自身がドメインの接続ポイントになります。つまり、ドメイン・ゲートウェイの役割は、別のドメイン・ゲートウェイに接続することです。したがって、2つのドメイン・ゲートウェイは相互に協調し合い、別のドメインに存在するオブジェクトの呼出しが、適切なドメインに確実にルーティングされるようにします。
Oracle CORBA Domains構成は、以下の要素で構成されます。
UBBCONFIG
ファイルと呼ばれるこのテキスト・ファイルでは、ドメイン名を指定し、ドメイン・ゲートウェイ・サーバーのグループ・エントリとサービス・エントリを設定します。UBBCONFIG
ファイルでは、ドメイン・ゲートウェイの属性は指定しません。これらの属性はすべて、次に説明するDomains構成ファイルで指定します。
Oracle Tuxedoの構成ファイルには、どのような名前でも付けられます。ただし、そのファイルの内容は『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のリファレンス・ページ「UBBCONFIG(5)」
で説明されている形式に準拠している必要があります。
DMCONFIG
ファイルと呼ばれるこのテキスト・ファイルでは、このドメイン(ローカル・ドメイン)に接続されるリモート・ドメインを指定します。Domains構成に参加するドメインごとに、1つのDMCONFIG
ファイルが必要です。ドメインが別のドメインに接続しない場合、DMCONFIG
ファイルは必要ありません。
Domains構成ファイルには、どのような名前でも付けられます。ただし、そのファイルの内容は『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のリファレンス・ページ「DMCONFIG(5)」
で説明されている形式に準拠している必要があります。
factory_finder.ini
と呼ばれるこのテキスト・ファイルでは、ドメインの境界をまたいで検索するファクトリを指定します。CORBA Domains構成に参加するドメインごとに、1つのfactory_finder.ini
ファイルが必要です。ドメインが別のドメインに接続しない場合、factory_finder.ini
ファイルは必要ありません。
factory_finder.ini
ファイルとDMCONFIG
を慎重に調整して、その両方が同じ接続ドメインに関する情報を持ち、同じ接続を提供するようにします。
FactoryFinder Domains構成ファイルには、どのような名前でも付けられます。ただし、そのファイルの内容は『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のリファレンス・ページ「factory_finder.ini(5)」
で説明されている形式に準拠している必要があります。
CORBAの観点から見ると、Oracle Tuxedo Domainsコンポーネントの中心的機能は、CORBAドメインのアプリケーションが、別のCORBAドメインのオブジェクトを呼び出す際に、クライアントまたはサーバー・アプリケーションがドメインを意識せずに処理できるようにすることです。ドメインの境界をまたぐこのような呼出しを、アプリケーションがドメインの境界を意識せずに実行するには、様々な構成情報が必要です。
オブジェクト参照を使用して、ローカル・ドメインまたはリモート・ドメインを指定できます。FactoryFinderがリモート・ドメイン内のファクトリに対するオブジェクト参照を返すと、通常リモート・ドメインの参照が発生します。また、ファクトリがそのリモート・ドメインのオブジェクト参照を作成して返しても、リモート・ドメインの参照が発生します(ただし、ファクトリのドメインに対するローカル参照になります)。
注: | アプリケーションは、オブジェクト参照のドメインを認識しません。つまり、アプリケーション側では、オブジェクト参照が参照するドメインを見つけられません。 |
ローカル・ドメインのサーバーから別のドメインのオブジェクト参照を取得する場合、アプリケーション側では、ローカル・ドメインのオブジェクト参照を取得する場合と同じ方法でFactoryFinderを使用します。アプリケーション側では、FactoryFinderが別のドメインのファクトリに対するリファレンスを返したことが認識されないので、同じ方法が使用されます。構成ファイルには、このことは示されません。
FactoryFinderまたはファクトリによってオブジェクト参照が取得されると、そのオブジェクト参照を任意の転送先に渡すことができます。たとえば、ローカル・ドメインのオブジェクトに渡したり、クライアントに返したり、別のドメインに渡すことができます。
次の3つの構成ファイルを使用して、CORBA Domains構成を設定します。
CORBA Domains構成の各ドメインでは、これら3つのファイルのセットが必要です。管理者は、構成ファイルの各セット内、および構成ファイルのセット間で構成を調整する必要があります。Domains構成でドメインの数が増えると、構成を調整する手間も増えることになります。
複数のドメインを構成するには、UBBCONFIG
ファイルで以下のパラメータを指定する必要があります。
単一のOracle Tuxedoドメイン(スタンドアロン・ドメイン)の場合は不要ですが、別のドメインに接続しているドメインにはDOMAINID
が必要です。このパラメータは、次のようにUBBCONFIG
ファイルのRESOURCES
セクションで指定します。
domain_name
の長さは1から13文字である必要があります。例:
domain_name
は、関連するDMCONFIG
ファイルのDM_EXPORT
およびDM_IMPORT
セクションで参照される名前です。domain_name
は次の形式で参照されます。
二重引用符も参照の一部として必要です。スラッシュ(//
)は、この名前がOracle Tuxedo ATMIドメインではなくOracle Tuxedo CORBAドメインに適用されることを意味します。例:
企業内の各ドメインには、一意のdomain_name
を指定する必要があります。
ほかのすべてのOracle Tuxedoシステム・サーバーと同じように、ゲートウェイのグループとサーバー名を指定する必要があります。たとえば、UBBCONFIG
ファイルのGROUPS
セクションで次のように指定します。
この例では、LGWGRP
はユーザーが選択した名前(おそらく、"Local Gateway Group"の略語)です。
Oracle Tuxedoドメイン・ゲートウェイ(TDomainゲートウェイ)のサーバー名はGWTDOMAIN
で、ほかのグループ同様、サーバー・グループおよびサーバーIDと関連付ける必要があります。GWTDOMAIN
名は、選択したサーバー・グループ名と関連付けられたSERVERS
セクションで指定します。例:
GWTDOMAIN SRVGRP=LGWGRP SRVID=1
このエントリは、TDomainゲートウェイを使用する必要があり、追加情報はDMCONFIG
ファイルに記載されていることをOracle Tuxedo CORBAアプリケーションに通知します。
Domains構成に参加する各Oracle Tuxedoドメインでは、それ専用のDMCONFIG
ファイルが必要です。DMCONFIG
ファイルでは、ローカル・ドメイン(DMCONFIG
ファイルのあるドメイン)と1つ以上のリモート・ドメイン(ローカル・ドメインが相互運用されるドメイン)の関係を指定します。
DMCONFIG
ファイルのほとんどのドキュメントでは、サービスを共有するためのOracle Tuxedo ATMIドメインの構成が中心的に説明されていますが、それはOracle Tuxedo CORBA環境には適切ではありません。Oracle Tuxedo CORBA Domains環境では、「サービス」はOracle Tuxedo CORBAリクエストにサービスできるOracle Tuxedoドメインの名前でしかありません。
CORBA Domains環境には、DMCONFIG
ファイルの次の7セクションが適用されます。
注: | DM_LOCAL セクションは、DM_REMOTE セクションの前になければなりません。 |
これら7つのセクションの多くのパラメータはATMI用のパラメータなので、CORBA Domains環境の構成には関係ありません。
以降の説明は、リスト3-1で示されているサンプルDMCONFIG
ファイルに基づいています。
#
BEA Tuxedo CORBA Domains Configuration File
##
*DM_RESOURCES
VERSION=Experimental8.9
*DM_LOCAL
LDOM GWGRP=LGWGRP TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="MUTT"
*DM_REMOTE
TDOM1 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="JEFF"
*DM_EXPORT
"//MUTT"
*DM_IMPORT
"//JEFF" RACCESSPOINT=TDOM1
*DM_TDOMAIN
LDOM NWADDR="//sanfran.kmart.com:2507"
TDOM1 NWADDR="//sanhose.kmart.com:3186"
注: | このリストのACCESSPOINTID パラメータはDOMAINID パラメータで置換でき、RACCESSPOINT パラメータはRDOM パラメータで置換できます。このリストでは、新しいDMCONFIG 用語が使われています。 |
DM_RESOURCES
セクションでは、グローバルのDomains構成情報、具体的にはユーザー指定の構成バージョン文字列を指定します。このセクションでは、VERSION=
string
が唯一のパラメータです。string
は、現在のDMCONFIG
ファイルのバージョン番号を入力できるフィールドです。このフィールドはソフトウェアによってチェックされません。
サンプルのDMCONFIG
ファイルでは、VERSION
パラメータが次のようにExperimental8.9
に設定されています。
*DM_RESOURCES
VERSION=Experimental8.9
DM_LOCAL
セクション(DM_LOCAL_DOMAINS
セクション)では、1つ以上のローカル・ドメイン・アクセス・ポイント(論理名)を定義します。定義した各ローカル・ドメイン・アクセス・ポイントについて、このセクションでアクセス・ポイントのドメイン・ゲートウェイ・グループ(TDOMAIN
など)を指定します。また、CORBA環境用に、アクセス・ポイントを通じてアクセスできるローカルOracle Tuxedoドメインのdomain_name
をDM_EXPORT
セクションで指定します。ローカル・ドメインは、1つ以上のリモートOracle TuxedoドメインのCORBAクライアントからローカル・ドメイン・アクセス・ポイントを通じてアクセス可能になります。
DM_LOCAL
セクションでは、UBBCONFIG
ファイルで定義されたドメイン・ゲートウェイ・グループごとに1つだけ必ずエントリが必要です。各エントリでは、グループで実行中のドメイン・ゲートウェイ・プロセスに必要なパラメータを指定します。
DM_LOCAL
セクションのエントリの形式は次のとおりです。
LocalAccessPoint
required_parameters
[
optional_parameters
]
LocalAccessPoint
は、UBBCONFIG
ファイルで定義されたゲートウェイ・グループを表すために選択したローカル・ドメイン・アクセス・ポイント識別子(論理名)です。ローカル・ドメイン・アクセス・ポイントは、UBBCONFIG
ファイルで指定されたdomain_name
またはゲートウェイ・グループと同じ名前ではありません。ローカル・ドメイン・アクセス・ポイントはDMCONFIG
ファイル内でのみ使用される名前であり、UBBCONFIG
ファイルが変更された場合の影響を限定します。UBBCONFIG
の変更はローカル・ドメイン・アクセス・ポイントに定義されたパラメータのみに影響し、DMCONFIG
ファイルを通じて使用されるローカル・ドメイン・アクセス・ポイントの論理名には影響しません。
このパラメータでは、このローカル・ドメイン・アクセス・ポイントに関連付けられたドメイン・ゲートウェイ・サーバー・グループの名前(UBBCONFIG
ファイルのGROUPS
セクションで指定された名前)を指定します。
TYPE
パラメータは、Oracle Tuxedo CORBA環境のTDomainゲートウェイを使用することを指定するために必要です。
ACCESSPOINTID
(DOMAINID
)パラメータは、リモート・ドメインとの接続を設定する際のセキュリティを目的として、このローカル・ドメイン・アクセス・ポイントと関連付けられたゲートウェイ・グループを識別するために使用します。GWGRP
パラメータで指定されたゲートウェイ・サーバー・グループは、セキュリティ・チェック時にこの文字列を使用します。UBBCONFIG
ファイルのRESOURCES
セクションにあるdomain_name
と対応させる必要はありません。ACCESSPOINTID
は、ローカル・ドメインとリモート・ドメインの両方にわたり、一意でなければなりません。string
の値には、一連の文字(“BA.CENTRAL01"
など)か、0x
で始まる16進数(“0x0002FF98C0000B9D6"
など)を指定できます。ACCESSPOINTID
は、32以下のオクテットで指定する必要があります。文字列を指定する場合は、32文字以内で指定する必要があります(最後のNULL
を含む)。
*DM_LOCAL
LDOM GWGRP=LGWGRP TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="MUTT"
この例では、LDOM
が、サーバー・グループ名LGWGRP
(UBBCONFIG
で指定)のローカルTDomainゲートウェイ・グループと関連付けられたローカル・ドメイン・アクセス・ポイントとして識別されます。ドメイン・ゲートウェイが常にドメイン間のセキュリティ・チェックの対象になる場合、MUTT
の名前で通過します。
注: | ドメイン・ゲートウェイが常にドメイン間のセキュリティ・チェックの対象になる場合で、かつローカル・ドメイン・アクセス・ポイントにCONNECTION_PRINCIPAL_NAME パラメータが指定されている場合、ゲートウェイはそのパラメータで指定された名前で通過します。 |
DM_LOCAL
セクションのオプション・パラメータは、ドメイン・ゲートウェイの操作で使用するリソースと最大値/最小値を指定します。以上のパラメータの詳細は、『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のリファレンス・ページ「DMCONFIG(5)」
を参照してください。
DM_REMOTE
セクション(DM_REMOTE_DOMAINS
セクション)では、1つ以上のリモート・ドメイン・アクセス・ポイント(論理名)を定義します。定義した各リモート・ドメイン・アクセス・ポイントについて、このセクションでアクセス・ポイントのドメイン・ゲートウェイ・グループ(TDOMAIN
など)を指定します。また、CORBA環境用に、アクセス・ポイントを通じてアクセスできるリモートOracle Tuxedoドメインのdomain_name
をDM_IMPORT
セクションで指定します。リモート・ドメインは、ローカル・ドメインのCORBAクライアントからリモート・ドメイン・アクセス・ポイントを通じてアクセス可能になります。
このセクションでは、複数のリモート・ドメイン・アクセス・ポイントを定義できます。リモート・ドメインと通信するためにこのOracle Tuxedoドメインで使用される各ドメイン・ゲートウェイ・グループについて1つ以上を定義できます。
DM_REMOTE
セクションのエントリの形式は次のとおりです。
RemoteAccessPoint
required_parameters
RemoteAccessPoint
は、UBBCONFIG
ファイルで定義された特定のゲートウェイ・グループから特定のリモート・ドメインにアクセスできるようにするために選択したリモート・ドメイン・アクセス・ポイント識別子(論理名)です。リモート・ドメイン・アクセス・ポイントは、ローカル・ドメインまたはリモート・ドメインのUBBCONFIG
ファイルで指定されたdomain_name
またはゲートウェイ・グループと同じ名前ではありません。リモート・ドメイン・アクセス・ポイントはDMCONFIG
内でのみ使用される名前であり、UBBCONFIG
が変更された場合の影響を限定します。UBBCONFIG
の変更はリモート・ドメイン・アクセス・ポイントに定義されたパラメータのみに影響し、DMCONFIG
ファイルを通じて使用されるリモート・ドメイン・アクセス・ポイントの論理名には影響しません。
TYPE = TDOMAIN
ACCESSPOINTID =
string
ACCESSPOINTID
(DOMAINID
)パラメータは、リモート・ドメインとの接続を設定する際のセキュリティを目的として、このリモート・ドメイン・アクセス・ポイントと関連付けられたリモート・ドメインを識別するために使用します。ゲートウェイは、セキュリティ・チェック時にこの文字列を使用します。ACCESSPOINTID
は、UBBCONFIG
ファイルのRESOURCES
セクションにあるdomain_name
と対応させる必要はありません。ACCESSPOINTID
は、ローカル・ドメインとリモート・ドメインの両方にわたり、一意でなければなりません。string
の値には、一連の文字(“BA.BANK01"
など)か、0x
で始まる16進数(“0x0002FF98C0000B9D6"
など)を指定できます。ACCESSPOINTID
は、32以下のオクテットで指定する必要があります。文字列を指定する場合は、32文字以内で指定する必要があります(最後のNULL
を含む)。
*DM_REMOTE
TDOM1 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="JEFF"
この例では、TDOM1
が、ローカルTDomainゲートウェイ・グループと関連付けられたリモート・ドメイン・アクセス・ポイント名として識別されます。ドメイン・ゲートウェイが、通信相手のゲートウェイとともに常にドメイン間セキュリティ・チェックの対象となる場合、ゲートウェイは通信相手がJEFF
の名前で通過すると見なします。
注: | ドメイン・ゲートウェイが常にドメイン間のセキュリティ・チェックの対象になる場合で、かつリモート・ドメイン・アクセス・ポイントにCONNECTION_PRINCIPAL_NAME パラメータが指定されている場合、ゲートウェイは通信相手がそのパラメータで指定された名前で通過すると見なします。 |
DM_EXPORT
セクション(DM_LOCAL_SERVICES
セクション)では、CORBA環境において、DM_LOCAL
セクションで定義されたローカル・ドメイン・アクセス・ポイントを通じてエクスポートされるOracle Tuxedoドメインのdomain_name
を指定します。ローカル・ドメイン・アクセス・ポイントに指定されたOracle Tuxedoドメインは、1つ以上のリモートOracle TuxedoドメインのCORBAクライアントからアクセスできます。DM_EXPORT
セクションは、CORBA Domains構成では必須です。
DM_EXPORT
セクションのエントリの形式は次のとおりです。
service
[LACCESSPOINT=
local access point name
]
[ACL=...]service
の形式は次のとおりです。
このdomain_name
は、ローカルUBBCONFIG
ファイルのRESOURCES
セクションのDOMAINID
パラメータに割り当てられた名前です。DM_EXPORT
セクションでこの名前を入力すると、ローカル・ドメインがリモート・ドメインからのCORBAリクエストを受け付けます。また、ローカル・ドメインがルーティングの中継点として機能する場合のために、ローカル・ドメインのドメイン名以外のドメイン名に対するリクエストを受け付けるservice
エントリを指定することもできます。
オプション・パラメータのACL
では、アクセス制御リスト(ACL)の名前を指定します。ローカル・ドメインはこのリストを使用して、リモートOracle Tuxedo CORBAドメインからのローカル・ドメインへのリクエストを制限します。ACLの名前は、DMCONFIG
ファイルのDM_ACCESS_CONTROL
セクションで定義します。このパラメータを指定しないと、ローカル・ドメインに対するリモート・リクエストについてアクセス制御が実行されません。
この場合は、名前がMUTT
のローカル・ドメインが、DM_REMOTE
セクションで定義されたリモート・ドメイン・アクセス・ポイントを通じてリモートCORBAリクエストを受け付けます。
DM_IMPORT
セクション(DM_REMOTE_SERVICES
セクション)では、CORBA環境において、DM_REMOTE
セクションで定義されたリモート・ドメイン・アクセス・ポイントを通じてインポートされるOracle Tuxedoドメインのdomain_name
を指定します。リモート・ドメイン・アクセス・ポイントに指定されたOracle Tuxedoドメインは、ローカル・ドメインのCORBAクライアントからアクセスできます。DM_IMPORT
セクションは、CORBA Domains構成では必須です。
DM_IMPORT
セクションのエントリの形式は次のとおりです。
service
[RACCESSPOINT=
remote domain access point
]
[LACCESSPOINT=local domain access point
]
[TRANTIME=...]
このdomain_name
は、リモートUBBCONFIG
ファイルのRESOURCES
セクションのDOMAINID
パラメータに割り当てられた名前です。DM_IMPORT
セクションでこの名前を入力すると、リモート・ドメインがローカル・ドメインからのCORBAリクエストを受け付けます。また、リモート・ドメインがルーティングの中継点として機能する場合のために、リモート・ドメインのドメイン名以外のドメイン名に対するリクエストを受け付けるservice
エントリを指定することもできます。
*DM_IMPORT
"//JEFF" RACCESSPOINT=TDOM1
この場合は、名前がJEFF
で、リモート・ドメイン・アクセス・ポイントTDOM1
と関連付けられているリモート・ドメインが、DM_LOCAL
セクションで定義されたローカル・ドメイン・アクセス・ポイントを通じてCORBAリクエストを受け付けます。
DM_ACCESS_CONTROL
セクションでは、1つ以上のアクセス制御リスト(ACL)の名前を指定し、1つ以上のリモート・ドメイン・アクセス・ポイントを指定された各ACL名に関連付けます。ACL=
ACL_NAME
を設定してDM_EXPORT
セクションでACL
パラメータを使用すると、特定のローカル・ドメイン・アクセス・ポイントを通じてエクスポートされるローカル・ドメインへのアクセスをACL_NAME
と関連付けられたリモート・ドメイン・アクセス・ポイントのみに制限できます。
DM_ACCESS_CONTROL
セクションのエントリの形式は次のとおりです。
ACL_NAME
は、アクセス制御リストを指定するために使用されるidentifier
です。最大15文字まで使用できます。
ACLIST
=
identifier
[,
identifier
]
ACLIST
には、1つまたは複数のリモート・ドメイン・アクセス・ポイント名をカンマで区切って指定します。ワイルドカード文字(*)を使用すると、DM_REMOTE
セクションで定義したすべてのリモート・ドメイン・アクセス・ポイントがローカル・ドメインにアクセスできます。
DM_TDOMAIN
セクションでは、Oracle Tuxedo CORBAドメインを実装するTDomainゲートウェイのネットワーク・アドレス情報を定義します。DM_TDOMAIN
セクションでは次の要素を必ず指定します。
DM_TDOMAIN
セクションでは、1つ以上のWebLogic Serverアプリケーションに関連付けられた1つ以上のリモート・ドメイン・アクセス・ポイントの構成を定義して、アプリケーションでTuxedo CORBAサーバーとWebLogic Server Enterprise JavaBean (EJB)サーバーを結合することもできます。詳細は、Oracle Tuxedoの相互運用性のOracle WebLogic Serverとの相互運用性に関する項を参照してください。
DM_TDOMAIN
セクションのエントリの形式は次のとおりです。
AccessPoint
required_parameters
[
optional_parameters
]
AccessPoint
は、DM_LOCAL
セクションのローカル・ドメイン・アクセス・ポイントまたはDM_REMOTE
セクションのリモート・ドメイン・アクセス・ポイントを識別するために使用される識別子値です。
NWADDR =
string
string
の形式が"0x
hex-digits
"
または"\\x
hex-digits
"
の場合、偶数の有効な16進数を含める必要があります。これらの形式は、TCP/IPアドレスを含む文字配列に内部変換されます。アドレスは、次の2つの形式のいずれかでも構いません。 "//
hostname
:
port_number
"
"//
#
.
#
.
#
.
#
:
port_number
"
これらの形式のうち最初の方では、gethostbyname
(3c)経由でアクセスされたローカルで構成された名前解決機能を使用して、アドレスがバインドされるとき、hostname
がTCP/IPホスト・アドレスに対して解決されます。"
#
.
#
.
#
.
#
"
はドットで区切った10進数の形式で、各#
は0から255までの10進数です。 Port_number
は、0 - 65535の10進数です(指定された文字列の16進表現)。
*DM_TDOMAIN
LDOM NWADDR="//sanfran.kmart.com:2507"
TDOM1 NWADDR="//sanhose.kmart.com:3186"
この例では、ゲートウェイ・グループLGWGRP
に属する(LDOM
アクセス・ポイントのDM_LOCAL
セクションで指定) TDomainゲートウェイが、リモート・ドメインからの接続リクエストをアドレス"//sanfran.kmart.com:2507"
でリスニングするように構成されています。また、TDomainゲートウェイは、TDOM1
アクセス・ポイントと関連付けられたリモート・ドメインにリクエストを送信するときには"//sanhose.kmart.com:3186"
への接続を開始するように構成されています。
DM_TDOMAIN
セクションのオプション・パラメータについては、『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のリファレンス・ページ「DMCONFIG(5)」
を参照してください。
factory_finder.ini
ファイルでは、ローカル・ドメインで使用できるリモート・ファクトリ・オブジェクトを特定します。また、リモート・ドメインで使用できるローカル・ファクトリ・オブジェクトも特定します。
factory_finder.ini
ファイルには、DM_REMOTE_FACTORIES
およびDM_LOCAL_FACTORIES
という2つのセクションがあります。次の例で明らかなように、factory_finder.ini
ファイルの形式はDMCONFIG
ファイルで使用される構文に基づいています。
*DM_REMOTE_FACTORIES
"local_factory_id.factory_kind
"
DOMAINID="domain_id
"
RNAME="remote_factory_id.factory_kind
"
...
*DM_LOCAL_FACTORIES
"factory_id.factory_kind
"
...
*DM_REMOTE_FACTORIES
"AccountFactory.FactoryKind"
DOMAINID="MyAccountFactoryDomain"
RNAME="MyAccountFactory.FactoryKind
AccountFactory
は、ローカル・ドメインのFactoryFinderにファクトリを登録する名前です。MyAccountFactoryDomain
は、リモート・ドメインの名前です。MyAccountFactory
は、リモート・ドメインのFactoryFinderにファクトリを登録する名前です。
注: | Domains構成に参加する2つのCORBAドメインで、factory_id.factory_kind 識別子が同じファクトリ・オブジェクトを持つことはできません。詳細は、「factory_finder.iniファイルでの一意のファクトリ・オブジェクト識別子の指定」を参照してください。 |
DM_REMOTE_FACTORIES
セクションでは、ローカル・ドメインからアクセスできる(ローカル・ドメインにインポートされる)リモート・ドメインのファクトリ・オブジェクトを指定します。このセクションには、リモート・ファクトリ・オブジェクトの識別子がリストされます。オブジェクト登録時にkind
値がFactoryInterface
に設定された識別子は、このセクションにリストされなければなりません。たとえば、TP Frameworkによって識別子Teller
でドメインNorwest
に登録されたリモート・ファクトリ・オブジェクトのエントリは、次のように指定されます。
*DM_REMOTE_FACTORIES
"Teller.FactoryInterface"
DOMAINID="Norwest"
RNAME="BankTeller.FactoryInterface"
RNAME
が指定されていない場合、ファクトリ名でfactory_kind
を指定し、ファクトリ名を引用符で囲まなければなりません。これらの条件を満たさないと、NameManagerが適切なファクトリを検出できません。factory_kind
が指定されていないエントリには、デフォルト値のFactoryInterface
が適用されます。
以下の例では、ファクトリ・オブジェクトが識別子Teller
でドメインNorwest
に登録されています。RNAME
が指定されていないので、factory_kind
値が指定され、ファクトリ名が引用符で囲まれていることに注意してください。
*DM_REMOTE_FACTORIES
"Teller.FactoryInterface"
DOMAINID="Norwest"
ドメイン構成内でファクトリの識別子が競合する場合があるため、ファクトリ識別子とRNAME
パラメータを使用して、リモート・ファクトリのローカル・ドメインに別の識別子(別名)を指定できます。リスト3-2は、TPフレームワークによってドメインNorwest
の識別子BankTeller
で登録されたリモート・ファクトリの例を2つ示しています。どちらの例でも、ファクトリはローカル・ドメインでTeller
という別名で使用可能になります。
#EXAMPLE 1:
*DM_REMOTE_FACTORIES
Teller
DOMAINID="Norwest"
RNAME="BankTeller.FactoryInterface"
#EXAMPLE 2:
*DM_REMOTE_FACTORIES
"Teller.FactoryInterface"
DOMAINID="Norwest"
RNAME="BankTeller.FactoryInterface"
同じリモート・ファクトリに複数の別名を割り当てることもできます。リスト3-3の例では、リモート・ファクトリがローカル・ドメインにTeller
とBankTeller
の2つの別名で登録されます。
*DM_REMOTE_FACTORIES
"Teller.FactoryInterface"
DOMAINID="Norwest"
RNAME="BankTeller.FactoryInterface"
"BankTeller.FactoryInterface"
DOMAINID="Norwest"
RNAME="BankTeller.FactoryInterface"
DM_LOCAL_FACTORIES
セクションでは、リモート・ドメインからアクセスできる(リモート・ドメインにエクスポートされる)ローカル・ドメインのファクトリ・オブジェクトを指定します。このセクションは、以下の方法で使用できます。
factory_finder.ini
にDM_LOCAL_FACTORIES
セクションが存在しない場合、または存在しても空の場合、ローカル・ドメインのすべてのファクトリ・オブジェクトがリモート・ドメインで使用できます。これにより、管理者がローカル・ドメインのファクトリ・オブジェクトごとにエントリを設定しなくても、ローカル・ファクトリ・オブジェクトをリモート・ドメインで使用することができます。factory_finder.ini
ファイルにDM_LOCAL_FACTORIES
セクションが存在し、予約されたキーワードのNONE
がある場合、そのローカル・ドメインのファクトリ・オブジェクトはリモート・ドメインで使用できません。NONE
キーワードを使用すると、管理者はローカル・ドメインのファクトリ・オブジェクトごとにエントリを設定しなくても、ファクトリ・オブジェクトへのアクセスを制限することができます。 ファクトリ・オブジェクト登録時に、kind値がFactoryInterface
に設定された識別子または名前は、DM_LOCAL_FACTORIES
セクションにリストされなければなりません。たとえば、TP Frameworkによって識別子Teller
で登録されたファクトリ・オブジェクトのエントリは、次のように指定されます。
*DM_LOCAL_FACTORIES
"Teller.FactoryInterface"
NameManagerで適切なファクトリ・オブジェクトを検索するには、factory_kind
が指定されていなければなりません。factory_kind
が指定されていないエントリには、デフォルト値のFactoryInterface
が適用されます。これにより、CORBA NamingServiceを使用できます。
ドメインAでファイルに挿入されるエントリは次のようになります:
*DM_REMOTE_FACTORIES
fA.FactoryInterface DOMAINID=B
このエントリは、ドメインAで識別子fAのファクトリを検索するというリクエストが、ドメインBのFactoryFinderによって実行できることを意味します。もちろん、2つのドメインのUBBCONFIG
およびDMCONFIG
ファイルで、これらのドメイン間のドメイン・ゲートウェイが接続されるように設定されていなければなりません。
CDE.FactoryInterface DOMAINID=B RNAME=fA.FactoryInterface
このエントリは、ドメインAで識別子CDE
のファクトリを検索するというリクエストが、ドメインBのFactoryFinderでID fA
を使用して実行されることを意味します。この別の形式は別名と呼ぶ場合もあります。
注: | ファクトリIDの最後には.FactoryInterface が必要です。わかりやすくするために、テスト構成についての説明では.FactoryInterface が省略されていますが、factory_finder.ini ファイルでは必ず必要です。 |
シングル・ドメイン構成では、ロード・バランシングを実現するために複数のファクトリ・オブジェクトが同じ名前であってもかまいません。ただし、Domains構成では、2つのドメインが同じfactory_id.factory_kind
識別子のファクトリ・オブジェクトを持つことはできません。2つのドメインで同じ識別子または名前が使用されている場合、ソフトウェアの動作は、Oracle WebLogic Enterpriseを使用してCORBA Domains環境を構成したかどうかによって異なります。
ドメイン全体で識別子や名前が一意であることを確認し、このような問題を回避するには、以下に示す2つの方法があります。
factory_finder.ini
ファイルでRNAME
パラメータを使用して、ローカルNameManagerでは別名を使用するように設定します。この方法では、ローカル・クライアントもリモート・ファクトリ・オブジェクトへのアクセスに別名を使用するように修正する必要があります。「リモート・ファクトリへの別名の割当て」のリストは、RNAME
パラメータを使用して別名を作成するfactory_finder.ini
ファイルの例を示しています。
起動時に、マスターNameManagerはfactory_finder.ini
ファイルを読み込みます。マスターNameManagerの起動される状況によって、factory_finder.ini
ファイルがすべて読み込まれるか、または一部のみ読み込まれるかが決まります。
factory_finder.ini
ファイルの全内容が読み込まれます。factory_finder.ini
ファイルのDM_REMOTE_FACTORIES
セクションに追加された新しいファクトリ・オブジェクトはすべて、ローカルのOracle Tuxedoアプリケーションに知らされます。factory_finder.ini
ファイルのDM_LOCAL_FACTORIES
セクションのみ読み込まれます。DM_REMOTE_FACTORIES
セクションに追加された新しいファクトリ・オブジェクトはすべて、ローカルのOracle Tuxedoアプリケーションに知らされません。 factory_finder.ini
ファイルのDM_REMOTE_FACTORIES
セクションにファクトリ・オブジェクトのある新しいドメインを追加するときには、マスターNameManagerを終了して再起動する必要があります。NameManagerの詳細は、『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のTMFFNAME (5)を参照してください。
Oracle Tuxedo Domainsコンポーネントを使用して複数のOracle Tuxedo CORBAドメインを接続する場合は、2種類の構成を設定できます。直接接続ドメインと間接接続ドメインという2種類の構成が可能です。どちらの構成も、管理者がDMCONFIG
ファイルを使用して設定できます。
Domains構成のすべてのドメインは、Domains構成のほかのすべてのドメインとゲートウェイ接続(直接接続)できます。ドメインが直接接続されている場合、リクエストは目的のドメインに直接届きます。
直接接続のDomains構成(「n方向」構成)はドメインの数が少ない場合は合理的ですが、構成に新しいドメインが追加されるたびに2つ、4つ、またはそれ以上の新しいゲートウェイが必要になります。ある時点で、間接接続ドメインを構成することで、送信速度ではなくドメイン接続の管理しやすさを優先しようと考えるようになります。
トラフィック・パターンについて検討する必要があります。相互作用が頻繁には行われないドメインは、ゲートウェイの削除に候補になります。それでも相互作用が行われる可能性はあるため、他のドメインに依然として到達できる必要があります。使用される手法は、ターゲット・ドメインに直接アクセスする中間ドメインを介したリクエストのルーティングです。
たとえば、図3-2に示すA、B、Cの3つのドメインについて考えます。
ドメインAとドメインBは直接接続されており、ドメインBとドメインCも直接接続されていますが、ドメインAとドメインCは直接には接続されていません。ドメインAとCが通信するには、中継点としてドメインBを使用しなければなりません。したがって、ドメインAのDMCONFIG
ファイルでは、ドメインB経由でドメインCに接続するよう指定し、ドメインCのDMCONFIGファイルでも、ドメインB経由でドメインAに接続するよう指定する必要があります。接続形態は以下のようになります。
Domains A <-> B <-> C
Gateways GAB GBA GBC GCB
ドメインAには、ドメインBに接続するゲートウェイ・プロセスGAB (AからBのゲートウェイ)があります。ドメインAのDMCONFIG
ファイルでは、GABがドメインBとC間のゲートウェイとして機能するように指定されています。ドメインCのDMCONFIG
ファイルでも同様に、GCBがBとAに接続されるように構成されています。ドメインBのDMCONFIG
ファイルには、Aに接続するゲートウェイ・プロセス(GBA)と、Cに接続するゲートウェイ・プロセス(GBC)の2つが設定されています。この構成を間接接続と呼びます。
この間接接続により、AのサーバーがCのオブジェクトに対するリクエストを呼び出した場合、Oracle Tuxedo CORBAサーバーは、ゲートウェイGABにリクエストを送信できることを認識します。Oracle Tuxedoゲートウェイは、Bのパートナ・ゲートウェイがリクエストを自身では処理できないが受入れは可能であることを認識しません。リクエストがドメインBに届くと、GBCを介してCにルーティングされ、Cがリクエストを処理できます。このため、リクエストは1つ追加のホップで処理されます。
ドメインBの2つのゲートウェイを1つにして、Bでホップが追加されないようにすることもできます。この場合、ドメインBでの処理は同じですが、1つのゲートウェイ・プロセスですべて処理されます。
次の例は、直接接続CORBAドメインの構成方法を示しています。これらの例を使用する場合は、APPDIR
、TUXCONFIG
、TUXDIR
の各変数を環境に合せて変更する必要があります。また、テキストが左山カッコ(<)と右山カッコ(>)で囲まれている(たとえば、<App Server Name>
など)場合は適切な情報で置換し、山カッコを削除する必要があります。
リスト3-4とリスト3-5に、3つの直接接続ドメイン(Here
、There
およびYonder
)のUBBCONFIG
ファイルを示します。これらのファイルを使用するには、host
をローカル・マシンの名前で置換する必要があります。
#
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
#
#
# RESOURCES
#
*RESOURCES
IPCKEY 123312
DOMAINID HereD
MASTER LAPP
MODEL SHM
LDBAL N#
# MACHINES
#
*MACHINES
<host>
LMID=LAPP
APPDIR="/tst1/wle4.2/test_dom/t07:
/tst1/wle4.2/dec_unix/wlemdomai"
TUXCONFIG="/tst1/wle4.2/test_dom/tuxconfig"
TUXDIR="/lclobb/lc"
MAXWSCLIENTS=10
#
# GROUPS
#
*GROUPS
DEFAULT: LMID=LAPP
ICEGRP GRPNO=11 OPENINFO=NONE
GROUP1 GRPNO=21 OPENINFO=NONE
LDMGRP GRPNO=3
LGWGRP GRPNO=4
#
# SERVERS
#
*SERVERS
DEFAULT: CLOPT="-A"
DMADM SRVGRP=LDMGRP SRVID=1
GWADM SRVGRP=LGWGRP SRVID=1
GWTDOMAIN SRVGRP=LGWGRP SRVID=2
TMSYSEVT SRVGRP=ICEGRP SRVID=1
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=2
CLOPT="-A -- -N -M -f<FF ini file for Here>
"
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=3 CLOPT="-A -- -N"
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=4 CLOPT="-A -- -F"
<App Server Name>
SRVGRP=GROUP1 SRVID=2
ISL SRVGRP=GROUP1 SRVID=1
CLOPT="-A -- -d /dev/tcp -n //<host>
:
<port>
"
#
# SERVICES
#
*SERVICES
UBBCONFIG File for the “There” Domain
#
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
# RESOURCES
#
*RESOURCES
IPCKEY 133445
DOMAINID ThereD
MASTER LAPP1
MODEL SHM
LDBAL N
#
# MACHINES
#
*MACHINES
<host>
LMID=LAPP1
APPDIR="D:\test_dom\t07;D:\Iceberg\qa\orb\bld\wlemdomain"
TUXCONFIG="D:\test_dom\tuxconfig"
TUXDIR="D:\Iceberg"
MAXWSCLIENTS=10
#
# GROUPS
#
*GROUPS
DEFAULT LMID=LAPP1
ICEGRP GRPNO=11 OPENINFO=NONE
GROUP1 GRPNO=21 OPENINFO=NONE
LDMGRP GRPNO=3
LGWGRP GRPNO=4
#
# SERVERS
#
*SERVERS
DEFAULT: CLOPT="-A"
DMADM SRVGRP=LDMGRP SRVID=1
GWADM SRVGRP=LGWGRP SRVID=1
GWTDOMAIN SRVGRP=LGWGRP SRVID=2
TMSYSEV SRVGRP=ICEGRP SRVID=1
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=2
CLOPT="-A -- -N -M -f<FF ini file for There>
"
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=3 CLOPT="-A -- -N"
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=4 CLOPT="-A -- -F"
<App Server Name>
SRVGRP=GROUP1 SRVID=2
ISL SRVGRP=GROUP1 SRVID=1
CLOPT="-A -- -d /dev/tcp -n //<host>
:<port>
"
#
# SERVICES
#
*SERVICES
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
# RESOURCES
#
*RESOURCES
IPCKEY 123334
DOMAINID YonderD
MASTER LAPP
MODEL SHM
LDBAL N
#
# MACHINES
#
*MACHINES
<host>
LMID=LAPP
APPDIR="/tst1/wle4.2/test_dom/t07p:
/tst1/wle4.2/<host3>
/wlemdomain"
TUXCONFIG="/tst1/wle4.2/test_dom/<host3>
/tuxconfig"
TUXDIR="/lclobb/lc"
MAXWSCLIENTS=10
#
# GROUPS
#
*GROUPS
DEFAULT: LMID=LAPP
ICEGRP GRPNO=11 OPENINFO=NONE
GROUP1 GRPNO=21 OPENINFO=NONE
LDMGRP GRPNO=3
LGWGRP GRPNO=4
#
# SERVERS
#
*SERVERS
DEFAULT: CLOPT="-A"
DMADM SRVGRP=LDMGRP SRVID=1
GWADM SRVGRP=LGWGRP SRVID=1
GWTDOMAIN SRVGRP=LGWGRP SRVID=2
TMSYSEVT SRVGRP=ICEGRP SRVID=1
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=2
CLOPT="-A -- -N -M"
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=3 CLOPT="-A -- -N"
TMFFNAME SRVGRP=ICEGRP SRVID=4 CLOPT="-A -- -F"
<App Server Name>
SRVGRP=GROUP1 SRVID=2
ISL SRVGRP=GROUP1 SRVID=1
CLOPT="-A -- -d /dev/tcp -n //<host>
:<port>
"
#
# SERVICES
#
*SERVICES
リスト3-6、リスト3-7およびLリスト3-8は、直接接続された3つのドメイン(Here
、There
およびYonder
)のDMCONFIG
ファイルを示しています。これらのリストをDomains構成で使用するには、Here
ドメインのhost1
、There
ドメインのhost2
およびYonder
ドメインのhost3
を、それぞれローカル・マシンの名前で置き換える必要があります。
#
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
#
# Tuxedo Domains Configuration File
#
*DM_RESOURCES
VERSION=U22
#
# DM_LOCAL
#
*DM_LOCAL
LDOM1 GWGRP=LGWGRP TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="HereG"
#
# DM_REMOTE
#
*DM_REMOTE
TDOM1 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="ThereG"
TDOM2 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="YonderG"
#
# DM_TDOMAIN
#
*DM_TDOMAIN
LDOM1 NWADDR="//
<host1>
:
<tcpport>
"
TDOM1 NWADDR="//<host2>
:
<tcpport>
"
TDOM2 NWADDR="//<host3>
:
<tcpport>
"
#
# DM_EXPORT
#
*DM_EXPORT
"//HereD"
#
# DM_IMPORT
#
*DM_IMPORT
"//ThereD" RACCESSPOINT=TDOM1
"//YonderD" RACCESSPOINT=TDOM2
次のリストをDomains構成で使用するには、There
ドメインのhost1
、Here
ドメインのhost2
、およびYonder
ドメインのhost3
を、それぞれローカル・マシンの名前と置き換える必要があります。
#
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
#
# Tuxedo Domains Configuration File
#
*DM_RESOURCES
VERSION=U22
#
# DM_LOCAL
#
*DM_LOCAL
LDOM1 GWGRP=LGWGRP TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="ThereG"
#
# DM_REMOTE
#
*DM_REMOTE
TDOM1 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="HereG"
TDOM2 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="YonderG"
#
# DM_TDOMAIN
#
*DM_TDOMAIN
LDOM1 NWADDR="//
<host1>
:
<tcpport>
"
TDOM1 NWADDR="//<host2>
:
<tcpport>
"
TDOM2 NWADDR="//<host3>
:
<tcpport>
"
#
# DM_EXPORT
#
*DM_EXPORT
"//ThereD"
#
# DM_IMPORT
#
*DM_IMPORT
"//HereD" RACCESSPOINT=TDOM1
"//YonderD" RACCESSPOINT=TDOM2
次のリストをDomains構成で使用するには、Yonder
ドメインのhost1
、Here
ドメインのhost2
、およびThere
ドメインのhost3
を、それぞれローカル・マシンの名前で置き換える必要があります。
#
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
#
# Tuxedo Domains Configuration File
#
*DM_RESOURCES
VERSION=U22
#
# DM_LOCAL
#
*DM_LOCAL
LDOM1 GWGRP=LGWGRP TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="YonderG"
#
# DM_REMOTE
#
*DM_REMOTE
TDOM1 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="HereG"
TDOM2 TYPE=TDOMAIN ACCESSPOINTID="ThereG"
#
# DM_TDOMAIN
#
*DM_TDOMAIN
LDOM1 NWADDR="//
<host1>
:
<tcpport>
"
TDOM1 NWADDR="//<host2>
:
<tcpport>
"
TDOM2 NWADDR="//<host3>
:
<tcpport>
"
#
# DM_EXPORT
#
*DM_EXPORT
"//YonderG"
#
# DM_IMPORT
#
*DM_IMPORT
"//HereD" RACCESSPOINT=TDOM1
"//ThereD" RACCESSPOINT=TDOM2
リスト3-9およびリスト3-10は、Here
ドメインとThere
ドメインのfactory_finder.ini
ファイルを示しています。Yonder
ドメインにはfactory_finder.ini
ファイルは必要ありません。
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
# Factory Finder Initialization file for Domain “Here”
# This is the local domain.
#
# DM_LOCAL_FACTORIES
#
*DM_LOCAL_FACTORIES
"AFactory.FactoryInterface"
#
# DM_REMOTE_FACTORIES
#
*DM_REMOTE_FACTORIES
"AFacYonder.FactoryInterface"
DOMAINID="YonderD"
RNAME="AFactory.FactoryInterface"
"BFactory.FactoryInterface"
DOMAINID="YonderD"
#
# Copyright (c) 1999 BEA Systems, Inc.
# All rights reserved
#
# Factory Finder Initialization file for Domain “There”
# This is a remote domain.
#
# DM_LOCAL_FACTORIES
#
*DM_LOCAL_FACTORIES
"AFactory.FactoryInterface"
#
# DM_REMOTE_FACTORIES
#
*DM_REMOTE_FACTORIES
"AFacYonder.FactoryInterface"
DOMAINID="YonderD"
RNAME="AFactory.FactoryInterface"
"BFactory.FactoryInterface"
DOMAINID="YonderD"