IPv6は、次世代インターネット・プロトコルです。これによって、IPv4アドレスの枯渇など、IPv4のいくつかの問題が解決されます。また、ルーティングやネットワーク自動構成などにおいてIPv4に多くの改良が加えられています。IPv6は、モバイル・デバイスを強力にサポートし、QoSやセキュリティなど、ISPや通信会社に対して魅力的な機能を提供します。移行期間の数年間はIPv6とIPv4の共存が続きますが、現在徐々にIPv4からIPv6に移行しつつあります。
注: | Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.0)では、IPv6の基本的な機能のみがサポートされます。IPv6の高度な機能(QoSやフロー制御など)はサポートされていません。 |
1つのTuxedoプロセスで同時に複数のIPバージョンをサポートすることはできません。IPv4とIPv6を切り替えるには、TMUSEIPV6
環境変数を使用する必要があります。詳細は、Tuxedo 11gリリース11(11.1.1.0)マニュアルの『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のtuxenv(5)
を参照してください。
デフォルト値はn|N
(IPv4)です。TMUSEIPV6
をy|Y
に設定すると、ネットワーク・プロトコルとしてIPv6が使用されます。
TMUSEIPV6
は、UBBCONFIGファイルのセクション *MACHINES
、*GROUPS
、*SERVERS
で設定できます。つまり、Tuxedoの起動前に設定できます。
Tuxedoでは、V6アドレスについて次の2つの形式がサポートされます。
URLに含まれるIPv6アドレスは角カッコで囲みます。ホスト名の場合は、角カッコで囲む必要はありません。たとえば、//[fe80::202:55ff:fecf:50b]:9010
や//bjaix5:9010
のようになります。
IPv6のワイルドカード・アドレスとして[::]
または[0:0:0:0:0:0:0:0]
を使用できます。例:
bjaix5(デュアル・スタック・マシン)上で起動されたサーバーの場合、ワイルドカード・アドレスは//[::]:60120
または//[0:0:0:0:0:0:0:0]:60120
のようになります。
サーバーは、bjaix5のすべてのインタフェース(172.22.34.45
およびfe80::202:55ff:fecf:50b
)の60120
でリスニングします。サーバーはIPv6とIPv4のプロトコルを受け付けることができます。
IPv6をサポートするTuxedoコンポーネントは以下のとおりです。
注: | Tuxedoでは、データベースを操作する場合、データベースXAコールバックを呼び出します。XAでのIPv6サポートは、データベース・ベンダーに依存します。 |
注: | WEBGUIではIPv6はサポートされません。 |
Tuxedoでは、以下のTCP/IPアドレス形式がサポートされます。
注: | Windows 2000、2003、およびXPプラットフォームでは、デュアル・スタックはサポートされません。 |
表7-1は、IPv4とIPv6の相互運用性を示しています。
マスターがIPv6を使用し、NADDRおよびNLSADDRが//[IPv6 address]:port
として構成されている場合、すべてのスレーブ・ノードでもIPv6を使用する必要があります。IPv4を使用しているスレーブ・ノードは起動しません。
マスターがIPv4を使用している場合は、すべてのスレーブ・ノードで同様にIPv4を使用する必要があります。IPv6を使用しているスレーブ・ノードは起動しません。
注: | UBBCONFIGでOracle TuxedoのMPモードを構成する場合、ワイルドカード・アドレス([::] )を使用することはできません。MPモードにワイルドカード・アドレスを使用すると、tmloadcf が失敗し、ULOGにエラー・メッセージが送信されます。 |