Oracle JDeveloper 12.1.3とOracle ADF Desktop Integration 12cを使用して、ADF Webアプリケーションに統合されるExcelワークブックを開発します。

はじめに、Excelワークブックに必要なビジネス・コンポーネントとページ定義バインディングがあらかじめ定義されたJDeveloperアプリケーションを使用します。Oracle ADF Desktop Integrationに準拠したワークブックを開き、Oracle ADFバインディングを使用して、Oracle ADF Desktop Integrationコンポーネントを作成します。次に、Excelのダウンロード表機能を設定します。さらに、別のページ定義を使用して、LOV機能と挿入/更新/削除機能を含むワークブックを定義します。

最後に、アプリケーションを使用してExcelワークシートを公開することで、アプリケーションを実行してテストします。

このチュートリアルを始める前に、次のことを確認してください。

  1. Oracle JDeveloper 12.1.3にアクセスできるか、またはインストール済みであること。この製品は、Oracle Technology Networkからダウンロードできます。任意のディレクトリにファイルをインストールしてください。このチュートリアルでは、このディレクトリをJDEVELOPER_HOMEと呼びます。

  2. Microsoft Office 2007または2010にアクセスできるか、またはインストール済みであること。

  3. HRスキーマを含むOracleデータベースにアクセスできるか、またはインストール済みであること。

  4. 事前に定義されたアプリケーションをインストールしていること。こちらのリンクを右クリックして「対象をファイルに保存」を選択したら、任意のディレクトリ(Tempなど)にadfdi_bc.zipファイルを保存します。

  5. 選択したディレクトリにadfdi_bc.zipファイルを解凍していること。






目的 所要時間 アプリケーション

このチュートリアルでは、JDeveloperとOracle ADF Desktop Integration 12cを使用して、ADF Webアプリケーションに統合されるExcelワークブックを開発する方法について説明します。これから作成するアプリケーションの完成版を確認するには、「Download」ボタンをクリックして最終アプリケーションのzipファイルをダウンロードし、JDeveloperのmyworkフォルダに解凍します。

90分 application name.zipのダウンロード
パート1:Oracle ADF Desktop Integrationをサポートする環境の構成

デスクトップ統合の作業を開始する前に、Oracle ADF Desktop Integrationをサポートする各種ソフトウェアを構成する必要があります。このパートでは、各ステップを通じてこの方法を説明します。

このチュートリアルで説明しているステップを実行できるようにするには、起動用のFusion Webアプリケーションをロードして、アプリケーションがデータベースに正しく接続できることを確認する必要があります。

この作業についても、このパートで説明します。

ステップ1:Excel用のOracle ADF Desktop Integration 12cアドインのインストール

Oracle ADF Desktop Integrationアドインは、JDeveloperまたは<JDEVELOPER_HOME>\jdeveloper\adfdi内に提供されているセットアップ・ツールからインストールできます。チュートリアルのこのパートでは、JDeveloperからアドインをインストールする方法について説明します。
Oracle ADF Desktop Integrationセットアップ・ツールを実行すると、このツールは、このフレームワークをインストールするシステムに、必要なソフトウェアがインストールされているかどうかを確認します。

これらのソフトウェアの1つまたは複数がインストールされていない場合、セットアップ・ツールは次の順番でインストールを行います。

Windows Installer

Microsoft .NET Framework

Microsoft Visual Studio Tools for Microsoft Office

Oracle ADF Desktop Integrationアドイン

マシンの構成によっては、再起動が必要になります。

  1. スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle Fusion Middleware 12.1.3.0.0」→「JDeveloper Studio 12.1.3.0.0」を選択して、JDeveloperを起動します。

    Migrate User Settingsダイアログボックスが開いたら、「No」をクリックします。

  2. ユーザー・ロールを設定するように指示されたら、「Studio Developer (All Features)」を選択します。

    Select Roleダイアログ
  3. Tip of the Dayウィンドウを閉じます

  4. JDeveloper IDEが表示されます。

    JDeveloper IDE
  5. 他のバージョンのOracle ADFdiがインストールされていないことを確認してから(「コントロール パネル」→プログラムのアンインストールまたは変更)、Oracle ADFdi 12.1.3のインストールに進みます。
    Tools」メニューから「Install ADF Desktop Integration」を選択します。

    Toolsメニュー・オプション
  6. 機能がロードされると、インストーラが起動します。
    パブリッシャの確認後、「Install」ボタンをクリックします。

     ライセンス契約の同意

    OK」をクリックすると、Oracle ADF Desktop Integrationインストーラが続行されます。

    Oracle ADF Desktop Integrationアドインのインストールが開始されます。インストールされているソフトウェアによっては、前提条件にある別のソフトウェアをインストールするよう指示される場合があります。また、コンピュータの再起動が必要になる場合もあります。

  7. Microsoft Officeのカスタマイズが正常に完了したら、「Close」をクリックしてインストールを終了します。
    インストールに関する問題が発生した場合は、他のバージョンのOracle ADF Desktop Integrationがインストールされていないことを確認してください。これは、Windowsのコントロールパネルにあるプログラムのアンインストールから確認できます。

    Customization Installer

ステップ2:統合されたExcelワークブックを実行するためのExcelの構成

Oracle ADF Desktop IntegrationからMicrosoft Excelにアクセスできるようにするには、Excelを設定する必要があります。この手順は、インストールされているExcelに対して1回だけ実行する必要があります。次の手順は、マシンにインストールされているWindowsやMS Officeのバージョンによって少し異なる場合があります。ADFdiのインストールは、ADFdiを使用するWindowsアカウントで行ってください。
  1. デスクトップで「スタート」ボタンをクリックします。

    スタート・メニュー・オプション
  2. スタート・メニューから「すべてのプログラム」→「Microsoft Office」→「Microsoft Office Excel 2007」(または「Microsoft Office 2010」)を選択します。

    Excelの起動
  3. Microsoft Excelが起動したら、「Office」ボタンをクリックします。

    Excel Officeボタン
  4. Officeウィンドウで、「Excelのオプション」をクリックします。

    Officeウィンドウ
  5. Excelのオプション・ウィンドウで、「セキュリティ センター」タブをクリックし、次に「セキュリティ センターの設定」ボタンをクリックします。

    Excelのオプション・ウィンドウ
  6. セキュリティセンター・ウィンドウで、「マクロの設定」タブをクリックし、次に「VBAプロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する」チェック・ボックスを選択します。「OK」をクリックします。

    セキュリティセンター・ウィンドウ
  7. Excelのオプション・ウィンドウに戻り、「OK」をクリックします。

    Excelのオプション・ウィンドウ
  8. Excelに戻ったら、ワークブックを閉じます

ステップ3:起動用のFusion Webアプリケーションのロード
起動用のFusion Webアプリケーションは、Oracle ADF Desktop Integrationをできる限り速やかに使用できるようにすることを目的に提供されています。 起動用のFusion Webアプリケーションをまだロードしていない場合は、こちらのリンクを使用してzipファイルをダウンロードできます。このファイルを一時ディレクトリに解凍します。
起動用アプリケーションは、標準のFusion Webアプリケーションであり、ModelプロジェクトとViewControllerプロジェクトが含まれています。

起動用のFusion Webアプリケーションは、Oracle ADF Business Componentsを使用して作成されています。Excelワークブックに必要なページ定義バインディングは、すでにアプリケーション内で定義されています。
  1. JDeveloperに戻り、「Open Application」リンクをクリックします(または、メイン・メニューから「File」→「Open」の順に選択します)。

    Open Application
  2. Open Applicationダイアログで、adfdi_bc.zipファイルを解凍したフォルダを開き、「ADFdi_BC.jws」ファイルを選択します。「Open」をクリックします。

    Open Applicationダイアログ

    以前のバージョンからアプリケーションを移行するよう指示されたら、承諾して処理を続行します。

  3. アプリケーションのロードが完了すると、Applicationsウィンドウに2つのプロジェクトが表示されます。Applicationsウィンドウは、次のように表示されます。

    アプリケーション・ナビゲータ
  4. JDeveloperメニュー・バーの「Save AllアイコンSave Allアイコンをクリックするか、メニューから「File」→「Save All」を選択します。

ステップ4:アプリケーションのデータベース接続の確認
アプリケーションは、データベースに接続できる必要があります。データベース接続は、起動用のアプリケーションですでに作成されています。このステップでは、起動用のアプリケーション内のデータベース接続がデータベースに接続できることを確認するためのタスクについて説明します。
  1. Model」プロジェクトを右クリックし、「Project Properties」を選択します。

    Project Propertiesオプション
  2. Connectionフィールドの横にある「Edit」アイコンをクリックします。

    接続の編集

  3. Edit Database Connectionダイアログで、以下の値が設定されていることを確認します(必要であれば修正します)。

    プロパティ
    Connection Name HRConn
    Connection Type Oracle (JDBC)
    Username hr
    Password hr
    Save Password (チェックを入れる)
    Driver Thin
    Host Name (使用するホストの名前、例:localhost)
    JDBC Port (使用するポート番号、例:1521)
    SID XE(または使用するデータベースのSID)
    Edit Database Connection
  4. Test Connection」ボタンをクリックして、接続パラメータの設定が成功したことを確認します。

    Test Connection

    OK」をクリックします。もう一度「OK」をクリックして、Applicationsウィンドウに戻ります。

  5. Model」プロジェクト・ノードを開き、既存のビジネス・コンポーネントをすべて表示します。この時点で、Applicationsウィンドウは、次のように表示されます。

    Modelプロジェクト
  6. AppModule」ノードを右クリックし、コンテキスト・メニューから「Run」を選択します。

    コンテキスト・メニューのRunオプション
  7. Oracle ADF Model Testerが起動します。

    Business Component Browserは、ビジネス・コンポーネント・アプリケーションのテストとデバッグに非常に有効です。チュートリアルを進める前に、起動用のアプリケーションが機能していることを確認する必要があります。Business Component Browserでは、ビジネス・コンポーネントが正しく機能しているかどうか、およびアプリケーションがデータベースからデータを取得できるかどうかをテストできます。
    Business Component Browser
  8. DepartmentsView1」ノードをダブルクリックし、部門データを表示します。

    Business Component Browser
  9. 部門情報を参照するには、右矢印をクリックします。

    Business Component Browser

    Business Component Browserウィンドウを閉じます。

  10. JDeveloperメニュー・バーの「Save AllアイコンSave Allをクリックするか、メニューから「File」→「Save All」の順に選択します。

これで、開発環境のセットアップが完了し、Oracle ADF Desktop Integration対応Excelワークブックの開発を開始する準備が整いました。

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