Oracle® Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護

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更新: 2014 年 7 月
 
 

root がユーザーまたは役割のいずれであるかの変更

デフォルトでは、root は Oracle Solaris の役割です。ユーザーに変更し、再度役割に変更するか、またはこれを削除して使用しないようにするオプションがあります。

Oracle Enterprise Manager を使用している場合、または権利モデルではなく従来のスーパーユーザーによる管理モデルに従っている場合は、root をユーザーに変更する必要があります。背景情報については、管理に使用する権利モデルの決定を参照してください。

権利モデルに従っている場合は、ネットワークから取り外されたシステムを廃棄する場合に root をユーザーに変更することがあります。このシナリオでは、root としてシステムにログインするとクリーンアップが容易になります。


注 -  root 役割を使用してリモート管理を行う場合は、セキュリティー保護されたリモートログインの手順について Oracle Solaris 11.2 での Secure Shell アクセスの管理 のSecure Shell を使用して ZFS をリモートで管理する方法を参照してください。

一部のサイトでは、本番システムでは root が正当なアカウントではないことがあります。root を使用しないように削除するには、Example 5–13 を参照してください。

root 役割をユーザーに変更する方法

この手順は、root がシステムに直接ログインできる必要があるシステムで行う必要があります。

始める前に

root 役割になる必要があります。

  1. root 役割の割り当てをローカルユーザーから削除します。

    たとえば、その役割の割り当てを 2 人のユーザーから削除します。

    % su -
    Password: xxxxxxxx
    # roles jdoe
    root
    # roles kdoe
    root
    # roles ldoe
    secadmin
    # usermod -R "" jdoe
    # usermod -R "" kdoe
    #
  2. root 役割をユーザーに変更します。
    # rolemod -K type=normal root

    現在 root 役割になっているユーザーはそのままです。root アクセスを持つほかのユーザーは、su を実行して root に変更することも、root ユーザーとしてシステムにログインすることもできます。

  3. 変更内容を確認します。

    次のいずれかのコマンドを使用できます。

    • rootuser_attr エントリを調べます。
      # getent user_attr root
      root::::auths=solaris.*;profiles=All;audit_flags=lo\:no;lock_after_retries=no;
      min_label=admin_low;clearance=admin_high

      type キーワードが出力内に見つからないか、または normal に等しい場合、そのアカウントは役割ではありません。

    • userattr コマンドからの出力を表示します。
      # userattr type root

      出力が空であるか、または normal が表示される場合、そのアカウントは役割ではありません。

使用例 5-12  root ユーザーを root 役割に変更する

この例では、root ユーザーが root ユーザーを役割に戻します。

最初に、root ユーザーは root アカウントを役割に変更し、その変更内容を確認します。

# usermod -K type=role root
# getent user_attr root
root::::type=role...

次に、rootroot 役割をローカルユーザーに割り当てます。

# usermod -R root jdoe
使用例 5-13  システム保守での root 役割の使用の防止

この例では、root アカウントによるシステムの保守を防ぐように、サイトのセキュリティーポリシーで要求します。管理者は、システムを保守する役割をすでに作成し、テストしています。これらの役割には、すべてのセキュリティープロファイルと System Administrator 権利プロファイルが含まれています。信頼できるユーザーには、バックアップを復元できる役割が割り当てられています。ユーザー、役割、または権利プロファイルの監査フラグを変更するか、または役割のパスワードを変更することができる役割はありません。

root アカウントがシステムの保守に使用されないようにするために、セキュリティー管理者は、root 役割の割り当てを削除します。root アカウントはシングルユーザーモードでシステムにログインできる必要があるため、そのアカウントのパスワードは保持されます。

# usermod -K roles= jdoe
# userattr roles jdoe

トラブルシューティング

デスクトップ環境では、root が役割の場合は root として直接ログインすることはできません。このシステム上で root が役割になっていることを示す診断メッセージが表示されます。

    root 役割を引き受けることができるローカルアカウントがない場合は、次のステップを実行します。

  • root としてシングルユーザーモードでシステムにログインし、ローカルユーザーアカウントとパスワードを作成します。

  • root 役割を新しいアカウントに割り当てます。

  • この新しいユーザーとしてログインし、root 役割を引き受けます。