ビジネス・ユニット

ビジネス・ユニットは、管理階層内に積み上げることができる1つ以上のビジネス機能を実行する企業のユニットです。ビジネス・ユニットは、多くの法的エンティティにかわってトランザクションを処理できます。

通常は、マネージャ、戦略目標、自律レベルおよび損益に対する責任が含まれます。このタイプの階層を使用して勘定体系を構成する場合は、ビジネス・ユニットをディビジョンに積み上げます。

ビジネス・ユニットと雇用主間の直接的な関係はありませんが、2つの間に1対1の関係を維持するか、雇用主内に多くのビジネス・ユニットを持つことをお薦めします。通常、ビジネス・ユニットは、法的エンティティ内の財務トランザクションをロール・アップするために使用されます。したがって、ビジネス・ユニットを法的エンティティより高いレベルで設定すると、財務トランザクションは失敗する可能性があります。

Oracle Fusion Cloud Applicationsで次の手順を実行します。

  • ビジネス・ユニットを1つのプライマリ元帳に割り当てます。たとえば、ビジネス・ユニットが買掛金請求書を処理する場合、そのビジネス・ユニットを特定の元帳に転記する必要があります。この割当は、財務トランザクションを生成するビジネス機能を持つビジネス・ユニットで必要です。

  • ビジネス・ユニットをトランザクション保護メカニズムとして使用します。たとえば、国内営業ビジネスとは別に輸出ビジネスを運営している場合、輸出ビジネスのデータを保護して、国内営業担当がアクセスできないようにします。このセキュリティを実現するには、輸出ビジネスと国内営業ビジネスを2つの別個のビジネス・ユニットとして設定します。

Oracle Fusion Applicationsのビジネス・ユニット・モデルには次の利点があります。

  • 柔軟な実装が可能

  • トランザクションを管理およびレポートする一貫したエンティティを提供

  • アプリケーション間で参照データ・セットを共有

ビジネス・ユニットは、ビジネス・ルールとポリシーを反映した、国ごとに異なる参照データ・セットを使用して、トランザクションを処理します。Oracle Fusion Applicationの機能を使用して、ビジネス・ユニット間で支払条件やトランザクション・タイプなどの参照データを共有できます。または、共通ポリシーを施行するレベルに応じて、各ビジネス・ユニットに各自のセットを管理させることもできます。

要約すると、ビジネス・ユニットは次の目的で使用します。

  • 管理レポート

  • トランザクション処理

  • トランザクション・データのセキュリティ

  • 参照データの共有および定義

ビジネス・ユニットのセキュリティの概要

複数のOracle Fusion Applicationsで、ビジネス・ユニットを使用して、データのセキュリティを実装します。買掛管理マネージャなどのロールをユーザーに割り当てて、特定の機能の実行を許可し、各ロールのビジネス・ユニットをユーザーに割り当てて、ユーザーがそれらのビジネス・ユニットのデータにアクセスできるようにします。たとえば、特定のビジネス・ユニットに対する買掛管理ロールが割り当てられているユーザーは、そのビジネス・ユニットのデータに対して買掛/未払金請求の機能を実行できます。ロールは、セキュリティ・コンソールを使用して手動で、またはプロビジョニング・ルールを使用して自動的にユーザーに割り当てることができます。ユーザーにビジネス・ユニットを割り当てるには、「設定および保守」の「ユーザーのデータ・アクセスの管理」タスクを使用します。