コスト・センターおよび部門

企業体系を設計する際に考慮する必要のある2つの重要なコンポーネントは、コスト・センターと部門です。

コスト・センターは、原価を収集してレポートする組織の最小セグメントを表します。部門は、そのマネージャとは独立して存在する1つ以上の運営上の目的または職責を持つ組織で、1人以上の就業者が割り当てられます。

コスト・センター

コスト・センターは、勘定科目によって表される費用の性質ではなく、費用の行き先または機能を表します。たとえば、販売コスト・センターは、費用が営業部門に向かうことを示します。

コスト・センターは通常、1つの法的エンティティに添付されます。勘定体系構造内でコスト・センターを識別するには、次の2つの方法のいずれかを使用します。

  • 各コスト・センターに対して値セット内のコスト・センター値を割り当てます。たとえば、PL04とG3J1のコスト・センター値を、米国とインドの製造チームに割り当てます。これらの一意のコスト・センター値により、コスト・センターが異なる元帳にある場合でも、階層(ツリー)内のコスト・センターの集計が容易になります。ただし、このアプローチでは、追加のコスト・センター値を定義する必要があります。

  • 標準化されたコスト・センター値を貸借一致セグメント値に割り当て、セグメント値の組合せを作成して、コスト・センターを表します。たとえば、コスト・センターPL04を001および013の貸借一致セグメント値に割り当て、米国とインドの製造チームを表します。これによって、コスト・センターのレポート値として、001-PL04および013-PL04が作成されます。PL04というコスト・センター値には一貫した意味があります。この方法により、定義が必要なコスト・センター値が少なくなります。ただし、1つの法的エンティティの結果のレポートにコスト・センター値のみが使用される、ツリーを使用したコスト・センター階層を作成できなくなります。1つの法的エンティティについてレポートするには、コスト・センター値と組み合せて貸借一致セグメント値を指定する必要があります。

部門

部門は、そのマネージャとは独立して存在する1つ以上の運営上の目的または職責を持つ組織です。たとえば、マネージャは変わることはありますが、目的は変わりません。部門には、1人以上の就業者が割り当てられます。

一般的に部門のマネージャは、次について責任を負います。

  • 予算内での原価管理

  • 部門で使用する資産の追跡

  • 従業員、その割当ておよび報酬の管理

営業部門のマネージャは、収益目標の達成についても責任を負うことがあります。

部門の財務パフォーマンスは、通常、1つ以上のコスト・センターを介して追跡されます。Oracle Fusion Cloud Applicationsでは、部門は部門組織として定義および分類されます。Oracle Fusion Cloud Human Capital Management (HCM)では、部門に就業者が割り当てられ、部門レベルで従業員数が追跡されます。

コスト・センターの詳細度およびそのコスト・センターの部門に対する関係は、実装ごとに異なります。コスト・センターと部門の構成は、関連がない場合も、同一である場合も、1つの部門の原価を追跡する多数のコスト・センターで構成される場合もあります。