ロギング処理パラメータ

ロギング・パラメータを使用して、他の方法では簡単に識別できない問題を調査します。通常の操作では、ロギングを無効にします。これは、ロギング対象のプロセスのパフォーマンスに影響することがあるためです。

ノート: Oracle Supportに支援を求める前に、ログ・ファイルを準備します。問題を再送信する前に、ロギング領域、カテゴリおよび割当の範囲を定義します。

ロギング・パラメータ

通常は、稼働前の初期実装およびテスト中に、この機能を使用します。通常の操作では、詳細ロギングは無効にする必要があります。

ロギングの3つの処理パラメータは、次のとおりです。

  • ロギング領域

  • ロギング・カテゴリ

  • Formula実行ロギング

ロギング領域

「ロギング領域」パラメータは、「ロギング・カテゴリ」パラメータと連携して、ロギングのコード領域を制限します。ロギング・カテゴリを設定した場合でも、ロギングを特定のコード領域に制限する場合は、ロギング領域も設定する必要があります。

値は、ロギングを有効にする機能領域が含まれるフォームPY_ENTRY内のCコード・エントリに対応します。

ロギング・カテゴリ

ロギング・カテゴリにより、ログに含まれる情報のタイプが定義されます。問題の原因と思われる特定の領域に焦点を当てる複数の値を指定することで、任意の数のカテゴリを設定できます。アプリケーションでは空白値は許可されていないため、ロギングが不要な場合はパラメータ行を削除する必要があります。

この表では、各ロギング・カテゴリについて説明します。発生した問題を調査するためのログ出力情報を示します。

パラメータ値

ロギング・カテゴリ

説明

B

バランス情報

給与処理中に使用されたバランスの作成および保守を示す出力情報が提供されます。

C

Cキャッシュ構造情報

給与キャッシュ構造の詳細および構造内のエントリに対する変更を示す出力情報が提供されます。オラクル社がサービス要求を処理しているとき、このパラメータを使用して追加情報を収集するよう依頼する場合があります。

E

エレメント・エントリ情報

データベースからのエントリの取得後、プロセス・メモリー内のエレメント・エントリの状態を示す出力情報が提供されます。この情報は、処理中にエントリのデータが変更されるたびに提供されます。

F

Formula情報

Formulaコンテキスト、入力および出力を含むFormula実行の詳細を示す出力情報が提供されます。

G

一般的なロギング情報

特定の情報タイプではなく、一般的な情報が提供されます。このパラメータでは、ソートされた出力は提供されません。通常は、特定のタイプの情報が提供されるパラメータを選択することをお薦めします。

I

バランス出力情報

バランス・バッファからデータベースに書き込まれた値の詳細を示す出力情報が提供されます。

L

バランス取出し情報

データベースから取得されるバランスと、それらのバランスがプロセスで使用されるかどうかを示す出力情報が提供されます。(年が変わったために年累計などのバランスが失効した場合は、プロセスによってそれらがリセットされ、新しいバランスが使用されます。)

M

入力または終了ルーティング情報

関数がいつ開始し、いつ終了したかを示す出力情報が提供されます。

この情報は、コール・レベルを示すためにインデントされ、関数コール・レベルで、コード内で取られたパスをトレースするために使用できます。多くの場合、この情報はコア・ダンプなどの問題の追跡を試みるときに役立ちます。

P

パフォーマンス情報

アサイメント・レベルおよび実行レベルで特定の操作が発生した回数と、その操作が発生した理由を示す出力情報が提供されます。多くの場合、このパラメータはバッファ配列書込み操作のバランスを調整するために使用されます。

Q

Cキャッシュ問合せ情報

給与キャッシュ構造に対して実行される問合せを示す出力情報が提供されます。オラクル社がサービス要求を処理しているとき、このパラメータを使用して追加情報を収集するよう依頼する場合があります。

R

実行結果情報

データベースに書き込む前の実行結果バッファまたは値バッファから実行結果および実行結果値の出力詳細が提供されます。これにより、バッファの内容が正しいことを検証できます。

S

Cキャッシュ終了ステータス情報

プロセスが終了する前の給与キャッシュの状態を示す出力情報が提供されます(そのプロセスが正常終了しても、エラーで終了しても)。オラクル社がサービス要求を処理しているとき、このパラメータを使用して追加情報を収集するよう依頼する場合があります。

TおよびZ

PL/SQL詳細およびPL/SQL出力

給与アプリケーションによって行われたPL/SQLコールに関する詳細情報を取得するには、TパラメータとZパラメータの組合せを使用します。

通常、この組合せは、支払前処理やアーカイブなど、大量のPL/SQLコードを使用する給与プロセスに関する情報を取得する場合に便利です。

このパラメータを使用すると、プロセスによって実行中に出力がバッファされ、処理の完了後にログ・ファイルの最後に配置されます。各給与プロセス・インスタンスには独自のログ・ファイルがあり、特定のプロセスIDのlogサブディレクトリに置かれます。

V (米国のみ)

Vertex税計算情報

サード・パーティのVertex税エンジンとの間で受渡しされた値を示す出力情報が提供されます。このパラメータでは、Vertexエンジンの内部設定を示す別のファイルもOutディレクトリ内で提供されます。このロギング・オプションは、米国の顧客のみが使用できます。

Formula実行ロギング

Formula実行ロギングは、ロギングが実行されるコード領域です。この処理パラメータ・メカニズムは、給与計算でのFormulaロギングにのみ使用できます。1つの文字または文字の組合せとしてパラメータ値を指定して、ロギングの領域を決定します。たとえば、文字列di (dとiの組合せ)は、データベース・アイテム・キャッシュのアクセスとFormulaの入力値および出力値のロギングに対応します。デフォルト値はロギングなしです。

注意: ダンプ・ロギング・オプションを使用することは、ほとんどありません。大量のデータが生成されるTトレース・オプションを使用すると、処理速度が大幅に低下します。

次の表に、Formula実行ロギングのパラメータ値とその詳細を示します。

パラメータ値

意味

c

コンテキストの変更

d

データベース・アイテム・キャッシュのアクセス

D

データベース・アイテム・キャッシュのダンプ

f

Formulaキャッシュのアクセス

F

Formulaキャッシュのダンプ

I

Formulaの入力値/出力値

m

その他

n

ネストされたコール

s

SQL実行(データベース・アイテムおよびPL/SQL Formula関数コール)

T

トレース(Formula実行時に行われるすべてのコールの入力および出力が提供される大規模なレベル)

w

作業ストレージ領域のアクセス

W

作業ストレージ領域のダンプ

1

レベル1 (c、f、iおよびmの組合せ)

2

レベル2 (1、c、d、nおよびwの組合せ)

3

レベル3 (2、D、sおよびWの組合せ)

4

レベル4 (3およびFの組合せ)

5

レベル5 (4およびTの組合せ)