参照の概要

参照は、アプリケーションの値リストです。値リストは、参照コード、各コードの翻訳内容、およびタグ(オプション)のセットで構成される参照タイプとして定義します。

UIでは、翻訳済内容のリストが選択可能な値として表示されます。参照により検証の手段や値リストが提供され、リストには、値が重複することなく、有効な値が表示されます。たとえば、アプリケーションで表の列に値YとNが格納されていても、それらの値をユーザー・インタフェースに表示するときには、YesまたはNo (あるいはこれらに相当する翻訳内容)をユーザーが選択できるようにする必要があります。たとえば、2つの参照コードYおよびNは、REQUIRED_INDICATOR参照タイプで定義されます。

ノート: 参照コードにスペースを含めないでください。必要に応じて、アンダースコア文字(_)を使用して単語を区切ります。たとえば、参照コードをDEV PROGRAMとして作成するかわりに、DEV_PROGRAMとして作成します。

次の表に、既婚、未婚または使用可能な法律上のパートナシップをユーザーが指定するための参照コードを持つ婚姻区分(MAR_STATUS)の参照タイプの例を示します。

参照コード

意味

タグ

M

既婚

該当なし

S

独身

該当なし

R

登録パートナ

+NL

DP

ドメスティック・パートナ

-FR、AU

この場合、タグはコードのローカライズに使用されます。既婚と未婚は、すべての国別仕様にリストされます。登録パートナは、オランダの国別仕様のみにリストされます。また、フランスとオーストラリアを除くすべての国別仕様には、ドメスティック・パートナもリストされます。

参照を管理する場合、次のことを理解しておく必要があります。

  • アプリケーションでの参照の使用方法

  • 構成レベル

  • 参照へのアクセス

  • 参照の有効化

  • 参照の3つの種類(標準、共通およびセット対応)

アプリケーションでの参照の使用方法

参照を使用して、ユーザー・インタフェースのユーザー入力フィールドの検証や値リストを提供できます。

検証に使用される参照の例としては、参照タイプの値を含む表検証値セットを使用するフレックスフィールド・セグメントがあります。値リストの参照の例としては、ユーザーがいずれかを選択してプロファイル・オプションを設定するために使用可能なプロファイル・オプションの値があります。「請求書承認ステータス」では、様々な承認ステータスの買掛/未払金請求書をレポートに含めるオプションが提供されます。参照コード値には「すべて」も含まれるため、ユーザーは、「承認済」、「承認のために再発行」、「待ち状態または否認済」および「否認済」のすべてのステータスによってレポートできます。

構成レベル

参照タイプの構成レベルによって、その参照タイプの参照を編集できるかどうかが決まります。これにより、参照にデータ・セキュリティが適用されます。

一部の参照タイプはロックされているため、実装中や後で必要になったときに新しいコードを追加したり、その他の変更を加えることができません。参照タイプの構成レベルに応じて、コードやその内容を変更できる場合もあります。一部の参照は拡張可能として指定されているため、実装中に新しい参照コードを作成できますが、事前定義済参照コードは変更できません。事前定義済参照コードの中には、実装中や後で必要になったときに変更できるものもあります。

構成レベルは、ユーザー、拡張可能およびシステムです。次の表に、各構成レベルで許可されている参照管理タスクを示します。

許可されるタスク

ユーザー

拡張可能

システム

参照タイプの削除

はい

いいえ

いいえ

新しいコードの挿入

はい

はい

いいえ

開始日および終了日の更新、参照コードの有効化

はい

はい(コードが事前定義済データでない場合のみ)

いいえ

コードの削除

はい

はい(コードが事前定義済データでない場合のみ)

いいえ

タグの更新

はい

いいえ

いいえ

モジュールの更新

はい

いいえ

いいえ

事前定義済データは、LAST_UPDATED_BY = SEED_DATA_FROM_APPLICATIONを意味します。

製品が参照に依存する場合、削除を防ぐために、構成レベルがシステムまたは拡張可能である必要があります。

構成レベルは、参照タイプに対して設定した後は変更できません。新しく作成した参照タイプの構成レベルは、デフォルトでユーザー・レベルに設定されます。

RESTリソースへのアクセス

ユーザーは、次のRESTリソースを使用して、参照に関する情報を取得できます。

  • standardLookupsLOV

  • commonLookupsLOV

  • setEnabledLookupsLOV

  • genericLookupsLOV

ただし、参照がLOVの一部であるかどうかは制御できます。UIでは、参照ごとに、レスポンスに含めるかどうかを決定する「RESTアクセス保護」の値を指定できます。これらの値は次のとおりです。

  • 匿名: 参照は、匿名ロールまたは認証ロールを持つユーザーが使用できます。

  • 認証済: 参照は、認証ロールのみを持つユーザーが使用できます。

  • 保護: 汎用RESTリソース(標準、共通またはセット対応)の一部としてユーザーが参照を使用できません。これを使用できるようにするには、セキュリティ管理者が各参照タイプ固有の機能セキュリティ・ポリシーをロールに割り当てて、選択したユーザーにそのロールを割り当てる必要があります。
    ノート: 機能セキュリティ・ポリシーは、事前定義済参照タイプに対してのみ提供されています。

すべての参照について、デフォルト値は「セキュア」に設定されています。したがって、これらのリソースのいずれかを介してユーザーが参照を使用できるようにする場合は、その情報にアクセスする必要があるユーザーに応じて、値を「認証済」または「匿名」に変更する必要があります。

標準参照、共通参照およびセット対応参照

次の表に、使用可能な参照のタイプを示します。

参照タイプ

説明

標準

使用可能なコードと翻訳内容をリストします。

セット対応

参照データ・セットを参照コードと関連付けます。

共通

レガシー参照または属性を持つ参照。

標準参照は最も簡単な形の参照タイプで、コードとその翻訳内容のみで構成されます。標準参照ビューで定義される点のみが共通参照と異なります。共通参照は後方互換性のために存在し、共通参照ビューで定義される点のみが標準参照と異なります。属性列を持つ参照である場合もあります。セット対応参照タイプには、参照データ共有に使用できる参照コードが格納されます。決定要因の値によって、参照コードが存在する参照データ・セットが識別されるため、実行時に、セット対応参照コードが表示されます。

参照へのアクセス

標準参照、セット対応参照および共通参照は、それぞれ標準ビュー、セット対応ビューおよび共通ビューで定義されます。アプリケーションの開発では、アプリケーション・ビューで参照を定義して、それらが表示されるUIページを制限できます。

参照管理タスクでは、参照をアプリケーション・タクソノミのモジュールと関連付けて、検索を絞り込んだり、購買参照の管理など、製品固有のタスクがアクセスする参照の数を制限するための基準を提供できます。

参照の有効化

複数の表に格納されている属性に1つの参照タイプを再利用できます。

次の操作に基づいて参照を有効にします。

  • 「使用可能」チェック・ボックスの選択

  • 有効にした開始日、終了日またはその両方の指定

  • 参照データ・セット決定要因の指定

参照を変更した場合、変更を有効にするには、ユーザーはサインアウトした後、再度サインインする必要があります。検証ではなく、表示用の値リストを定義する場合は、有効な参照コードの数を使いやすい数に制限してください。

事前定義済の参照とその参照コードを表示するには、「設定および保守」作業領域で次のタスクを使用します。

  • 標準参照の管理

  • 共通参照の管理

  • セット対応参照の管理

参照の翻訳

アプリケーションの言語セッションを変更することなく、定義した参照を希望の言語に翻訳できます。参照コード表で使用可能な翻訳オプションを使用します。デフォルトでは、各参照について、翻訳ダイアログ・ボックスで許可されているすべての言語行がソース言語(現在のセッション言語)で表示されます。特定の言語エントリを編集する場合、翻訳内容および説明を、参照を表示する言語に変更できます。更新が実行されると、エンド・ユーザーは、翻訳されたテキストで参照を表示できます。

ノート: 管理者によって許可されている数の言語の翻訳のみを追加できます。ダイアログ・ボックスに表示される言語の数を制限する機能を制御するには、翻訳エディタの言語プロファイル・オプションを使用します。SITEまたはUSERレベルで設定できます。何も指定しない場合、アクティブなすべての言語が表示されます。