参照データ・セット

参照データ・セットとは、ビジネス・コンテキストに応じて、様々なトランザクション・エンティティで使用できる参照データの論理グループのことです。実装要件に応じて、共通参照データ・セットまたは企業セットのいずれかを使用できます。

共通参照データ・セットを引き続き使用する一方で、追加の参照データ・セットを作成して保守することもできます。次のシナリオについて考えてみます。企業は、法人ポリシーの一部の側面のみがすべてのビジネス・ユニットに影響を与えるように決定できます。残りの側面は、実装するビジネス・ユニット・マネージャの裁量に委ねます。これにより、企業が各ビジネス・ユニットの自律性と制御のバランスを保つことができます。

たとえば、企業において、ビジネス・ユニット・マネージャをその損益の責任者とし、運転資本要件については企業レベルで管理するとします。これにより、マネージャ自身が営業方法を定義するようにし、支払条件については一元的に定義できます。結果として、営業方法については、各ビジネス・ユニットがそれぞれ独自の参照データ・セットを持ち、支払条件については、一元化された1つの参照データ・セットがすべてのビジネス・ユニットに割り当てられることになります。

パーティション化

参照データをパーティション化し、データ・セットを作成することによって、参照データを柔軟に扱ってビジネス要件を満たすことができます。モジュール情報およびデータ処理オプションは、ビジネス・ユニット間で簡単に共有できます。ビジネス・ユニットごとに個別のセットおよびサブセットを作成できます。あるいは、共通セットまたはサブセットを作成して、参照データを複製せずに複数のビジネス・ユニット間で参照データを共有できるようにすることもできます。

次の図は、参照データの共有方法を示しています。ユーザーは、特定のビジネス・ユニットの特定のセットに割り当てられているデータにアクセスすることも、共通セットに割り当てられているデータにアクセスすることもできます。
この図は、UK事業所の特定の参照データ・セット内の ビジネス・データにアクセスできるユーザーを示しています。このユーザーは、
共通参照データ・セットに含まれている別の事業所
(Tokyo、ParisおよびBerlin)のビジネス・データにアクセス
することもできます