ソーシング・プログラムのプランニング方法

ソーシング・プログラムは、組織が特定の測定可能な削減目標および費用目標を設定する方法を提供し、様々なソーシング・イニシアチブを1つのプログラムの下にまとめて、目標の設定、進捗の追跡およびネゴシエーション全体にわたる結果の記録を行います。

これにより、高いプログラム・レベルおよびきめ細かなネゴシエーション・レベルでパフォーマンス・メトリックを表示できます。そのため、組織の達成度を包括的に表示できます。

調達組織は、最大限の削減および価値を実現するために、様々なソーシング・イニシアチブを実行できます。そのためには、具体的かつ数値化可能な形式で達成度を識別および追跡する方法が必要です。削減目標の設定、結果の記録および様々なソーシング・イニシアチブのパフォーマンスの測定を行う機能が必要です。

ソーシング・プログラムでは、次のことが可能です。

プログラムを作成し、組織の削減および費用関連の目標を設定します。
プログラム目標を達成するために、プログラムに複数の目的を定義します。
各目的にネゴシエーションを関連付けて、ターゲットを定義します。
プログラム・チームを作成し、Oracle Social Networkを使用してメンバーとコラボレーションします。
プログラム進捗とその全体の状態を追跡し、結果を記録します
ネゴシエーション達成度を比較して目標を設定することでパフォーマンスを測定します。
OTBIを使用してKPIおよびメトリックを定義して、パフォーマンス分析を取得します

例

Acme Widgetsの最高調達責任者は、2017年の北米ビジネスのIT費用イニシアチブにおいて、15%以上の削減を達成することによって支出を制御する新しいイニシアチブを実装することを決定しました。これを実現するために、次の目標を決定しました。

Q1のIT購買においてより低い価格をネゴシエーションすることによって約20%のより高い削減をターゲットにします
混雑期におけるIT部門の出張関連費用の増加を5%以内に抑制し、最大10%のハード削減を行います
失効する10日以内に契約を再ネゴシエーションして、より低いネゴシエーション済価格で購入します。

これらの目標を追跡する新しいソーシング・プログラムをモデル化します。この目標を達成するために、主要タスク(ベースライン目標の設定、ネゴシエーションのプランニングおよび結果のモニター)に重点を置き、これらが削減および費用に設定されたターゲットに到達したかどうかを判断するソーシング・プログラムを作成します。

プログラム・チーム・メンバー

プログラム所有者は、プログラム・チームを作成してメンバーを追加し、コラボレーションを促進できます。プログラム・チーム・メンバーには、プログラムへのフル・アクセス権または表示アクセス権を付与できます。

プログラム・ベースライン

プログラムを作成する場合は、そのプログラムのベースラインおよび削減目標を定義します。これらは、ベースラインの現在の費用、ベースライン・ターゲット費用およびベースライン削減目標の観点から定義します。現在の費用およびターゲット費用の削減目標および金額の割合を設定できます。

ベースラインの現在の費用: 通常、ベースラインは履歴費用データ、予算または現在のトレンドに基づいた見積から取得されます。この値を適切なソースから取得して、プログラムに手動で入力する必要があります。
ベースライン・ターゲット費用、ベースライン削減目標: ターゲットまたは削減目標は、一般的に役員の指示または企業目標から導出されます。また、これらの値を取得して、プログラムに手動で入力する必要もあります。ターゲット費用または削減目標を入力すると、他の値はアプリケーションによって計算されます。
プログラム・ヘッダー・フィールドには開始日と終了日を含めたり、ブラウジング・カテゴリを指定したり、付加フレックスフィールドを使用して(使用可能な場合)追加情報を取得することもできます。
調達BUの値を選択して1つのBUでプログラムを実行することも、調達BUの「すべて」オプションを選択して複数の調達BUでプログラムを実行することもできます。

プログラム目的

プログラムには複数の目的を追加できます。これらは、より短期の目標、またはプログラム目標の達成に貢献するより詳細なレベルのターゲットです。

プログラム・ベースライン費用および削減ターゲットは目的間で配分できます。この場合、各目的には、進捗を追跡し、最終的にはロールアップして、アプリケーションによってプログラム・レベルで反映できる独自のベースライン・ターゲットがあります。

目的には3つのタイプがあり、目的タイプによって区別されます。目的タイプは、目的の一般的な目的に基づいています。目的タイプは次のとおりです

価格削減
コスト回避
生産性改善

そのため、前述の例では次のようになります。

目的1 - (Q1のIT購買においてより低い価格をネゴシエーションすることによって約20%のより高い削減をターゲットにします)および目的2 - (Q2のIT購買においてより低い価格をネゴシエーションすることによって約20%のより高い削減をターゲットにします)は、価格削減目的です。
目的3 - (混雑期におけるIT部門の出張関連費用の増加を5%以内に抑制し、最大10%のハード削減を行います)は、コスト回避目的です。
目的4 (失効する10日以内に契約を再ネゴシエーションして、より低いネゴシエーション済価格で購入します。)は、生産性改善目的のタイプです。

各目的を1つ以上のネゴシエーションに関連付けることができます。ネゴシエーションの削減および費用金額は、最初に目的レベルにロールアップされてから、最終的にプログラム・レベルにロールアップされます。プログラム目標に間接的に貢献するが、測定可能な財務的な影響を与えず、プログラム・レベルの削減および費用金額に貢献しない目的は、ロールアップ計算から除外できます

ネゴシエーションの関連付け方法

自分および他のカテゴリ・マネージャがプログラム・ベースラインおよび目的を設定したら、ネゴシエーションを目的に関連付けることができます。これらのネゴシエーションは、目的の目標(削減増加、コスト削減)を実現する手段です。ネゴシエーションが作成されて目的に関連付けられると、ネゴシエーションの現在の金額およびターゲット金額が目的レベルにロールアップされ、その後プログラム・レベルにロールアップされます。これにより、目的のターゲット費用および削減目標が、これらのネゴシエーション全体で適切にプランニングされます。

まだ存在しないが後で作成するネゴシエーションに目的を関連付けることができます。そのネゴシエーションのプレースホルダを追加して、目的にその貢献を含めることができます。後でプログラム・ライフ・サイクル中にネゴシエーションが作成されると、プレースホルダの計画ネゴシエーションの行を実際のネゴシエーションで置き換えることができます。

また、この計画タイプのエントリを使用して、ネゴシエーション以外のソースから目的の目標への貢献を追跡することもできます。

結果のモニターおよびパフォーマンスの測定方法

ネゴシエーションが完了すると、落札済金額は目的レベルおよびプログラム・レベルにロールアップされます。このプログラムでは、ネゴシエーション済落札金額、ネゴシエーション済削減金額およびパーセントが計算され、目的およびプログラムの計画削減目標からの結果の偏差がリアルタイムで計算されます。

自分および他のカテゴリ・マネージャは、一定期間のネゴシエーションの結果を追跡し、必要に応じて軌道修正するための処理を実行できます。その後、自分および他のカテゴリ・マネージャは、潜在的な不足または余剰を予測し、ネゴシエーション・プランまたはベースラインを修正し、これらの処理を調整できます。使用可能なメトリックを使用して、ベースライン目標を達成するためにネゴシエーション・プランニング・アクティビティがどの程度追跡しているのかを判断できます。

プログラムおよび目的ステータス

プログラム・ステータスおよび目的ステータスを設定することにより、どの時点においても、プログラムの全体的な状態と進捗およびその目的の進捗をマークできます。ステータスを設定して、目的(またはプログラム)が予定どおり、リスクありまたは保留中かどうかを示すことができます。目的(および最終的にプログラム)が完了したら、ステータスを設定して目標が達成されたかどうかを示すことができます。また、プログラムが完了したら、その全体的な結果を指定して成果を記録できます。