14販売予測(Sales Prediction)の使用

この章の内容は次のとおりです。

組織は、販売予測(Sales Prediction)機能により予測販売インテリジェンスを取得して利用できます。予測モデルを通して販売データを分析し、購入パターンを評価します。モデル結果を評価した後は、リード生成をスケジュールしてユーザーにリード推奨を伝えることができます。各リード推奨には、受注可能性、平均予測売上および営業サイクル期間が含まれます。

機能の要約

次の表に、販売予測(Sales Prediction)機能を示します。

機能 説明

予測分析レポート

これらのレポートは、営業アナリストに予測モデル結果の要約を提供します。また、ダッシュボード上のレポートでモデルのパフォーマンスとリード採用の概要を確認できます。

予測モデル学習

モデル学習により、顧客の隠された購入パターンが明らかになります。営業担当は、モデル情報学習から得られる履歴に基づく見識を使用して販売の成功を再現できます。

ルールベースの推奨

新製品の発売時や初期展開時には、履歴データはわずかです。このような場合、営業アナリストは、新製品の推奨を促進するための顧客固有ルール、業種固有ルールまたは製品固有ルールを作成できます。

リード採用率の向上

販売予測(Sales Prediction)機能でデータ・マイニング、セグメンテーション、予測およびビジネス・ルールを組み合せて使用することで、推奨が受注に変換される可能性が高くなります。

推奨パフォーマンスの分析

組込みの分析レポートを使用して、推奨が販売組織によって受け入れられているかどうかを確認できます。採用率が低い場合は、モデル学習の属性を変更したり、ルールを編集することによって予測モデルを微調整できます。

その後、新しい推奨を公開する前に、シミュレーションを実行して新しい変更の影響を評価できます。

販売アプリケーション・サービス全体での使用

生成された推奨は、顧客や担当者の管理などの他の販売アプリケーション機能を使用するときに参照できます。顧客詳細をレビューするときには、顧客の横に推奨製品と推奨の根拠が表示されます。

テリトリ・マネージャは、販売予測(Sales Prediction)メトリックを使用して販売ターゲットをテリトリ別に設定し、営業担当に割り当てることができます。また、メトリック・ランキングにより、リード評価プロセスでリードを評価できるかどうかが決まります。

顧客資産や履歴購入トレンドに基づく予測製品推奨を確認できます。「推奨」作業領域の「顧客資産分析」タブをクリックすると、顧客に関する情報を分析してインテリジェントな製品推奨が表示されます。様々なレポートにアクセスして、現在の所有製品、業種、会社規模、地理などの多数の属性にわたって顧客の購入トレンドを分析します。顧客の購入トレンドを特定するには、「購買パターン」タブをクリックします。ここから、様々な属性が様々な製品購入に与える可能性がある影響を分析できます。その後、購入パターン・レポートで特定された属性を使用して、予測ルールを作成するための基準を構築できます。

このトピックでは、販売予測(Sales Prediction)で使用されるルールのタイプについて説明します。ルールを使用して、ターゲット製品のターゲット顧客セグメントを特定します。その結果から、営業担当は特定のアカウントに販売する最適な製品を含む品質の高いリードを把握できます。

販売予測(Sales Prediction)機能では、次の2つのタイプのルールを作成できます。

  • 予測ルール

  • 適格ルール

予測ルール

会社が予測ルールを作成する状況としては、製品に過去の販売履歴がほとんどまたはまったくない場合、需要不足のため製品のプロモーションが必要な場合、製品とマーケティング・イニシアチブの調整が必要な場合などが挙げられます。多くの会社には、製品のターゲットとして最適な顧客について市場と業種の面で深く把握している製品エキスパートがいます。製品エキスパートは、データ・マイニング・モデルによって提示される情報を使用して、知識の検証と相関関係パターンの抽出を行います。その後、製品の推奨と予測を制御するための独自の予測ルールを記述します。たとえば、履歴データのないMobile Talkという新しいモバイル製品を特定の年齢グループの顧客に対して推奨する予測ルールを作成できます。

適格ルール

顧客が製品推奨の対象となるために満たす必要がある条件を定義する適格ルールを作成できます。適格ルールは予測ルールと予測モデルの両方に適用されます。特定の製品を特定の顧客に販売しないようにするルールを設定できます。適格ルールを管理することで、モデルから導出された推奨がこのルールに意図せず違反しないようにできます。たとえば、Mobile Talkモバイルはアジアでは機能しないため、アジアの顧客に対して推奨しないようにする適格ルールを設定できます。予測ルールによって営業目的を達成し、適格ルールによって営業ポリシーに準拠すると、推奨として選択する製品を判断するうえで役立ちます。適格ルールは常に、予測モデルと予測ルールよりも優先されます。

ルールを使用して、ターゲット製品のターゲット顧客セグメントを特定します。その結果から、営業担当は特定のアカウントに販売する最適な製品を含む品質の高いリードを把握できます。ルールは「推奨」作業領域の「ルールの管理」タブから表示および作成できます。ルールに適用するターゲット製品または製品グループを特定できます。ターゲット顧客の属性は、販売予測分析で特定されたとおりにリストされます。

既存のルールをレビューまたは変更するには、次を実行します。

  1. 営業管理者や販売アナリストなどの営業ユーザーとしてサイン・インします。

  2. 「営業」「推奨」に移動します。

    「顧客資産分析」ページが表示されます。

  3. グラフィック・パネルで「ルールの管理」をクリックして「ルールの管理」ページを表示します。

  4. 既存のルールのいずれかをダブルクリックすると、そのルールの「推奨の編集」ページが表示されます。

  5. 「ルール名」などのルール基準をレビューまたは変更し、「ルール・フォルダ」を指定します。ターゲットにする既存の製品および顧客を選択または変更することもできます。

  6. 変更した場合は「保存してクローズ」をクリックします。それ以外の場合は「取消」をクリックします。

販売カタログには多数の製品がある場合がありますが、一般に、そのうちの20%の製品が収益の80%をもたらします。

推奨対象に選択される製品のみについて、モデル情報学習を実行したり、予測ルールまたは適格ルールを記述できます。推奨対象として選択された製品のみについてリードを生成することもできます。

営業フォーカスがある製品の選択

製品の選択は、ビジネス目的に基づく必要があります。たとえば、実績が低い製品の販売を増やしたり、在庫削減目標を達成する必要がある場合は、独自の製品選択を使用して、その目的を達成するためのリードを生成できます。推奨に適した一連の製品を選択した後、特に新製品の場合や有用な相関統計を生成するための販売履歴データが不十分な場合は、営業目的に対応する予測ルールを作成できます。

選択した製品または製品グループは、ビジネス・ニーズや市場状況の変化に応じて変更できます。現在、需要が高い製品が12か月以内には購入者がいなくなる可能性もあるため、推奨製品セットの製品は柔軟に更新できます。

製品階層レベル

販売予測(Sales Prediction)機能では、推奨可能な一連の製品を製品階層のあらゆるレベルで管理し、目的のレベルで推奨を予測できます。

製品階層の例を次の図に示します。

製品階層の例を示す図

たとえば、「Vision HDTV LED television」という製品を選択する場合は、特定の製品を選択するか、製品階層の上位の製品グループ(「Television」や「Home Audio/Video」など)を選択できます。販売予測(Sales Prediction)では、推奨を生成し、その決定を適用するレベルを決定できます。

製品適格ルール

顧客セグメントで特定の製品を販売しないようにする適格ルールも作成できます。

販売予測(Sales Prediction)の使用に関するよくある質問

資産と資産関連属性に基づいて製品推奨を抽出することはできますか。

はい。営業担当は、顧客の製品購買パターンを既存の資産別に参照できます。営業アナリストは、推奨の作成ルール・ページのターゲット顧客セクションから、新しい資産をターゲットとして追加できます。

1つ以上の既存の顧客資産属性を特定の条件に関連付けるにはどうすればよいですか。

営業アナリストは、推奨の作成ルール・ページのターゲット顧客セクションから、顧客資産をターゲットとして追加できます。また、1つ以上の既存の顧客資産属性を特定の条件や顧客属性値に関連付けることができます。たとえば、90日以内に失効する日付や、180日以内に失効する日付の条件で、資産購買日や資産導入日を取得するルールを作成することもできます。

自分の資産ルール結果はどこで参照できますか。

アカウントのルール結果は、「アカウント要約」ページの推奨インフォレットで参照できます。

自分のアカウント用に生成された自分のリードを資産に基づいて参照するには、どこにアクセスすればよいですか。

自分のアカウント用に生成されたリードのうち、自分の資産ルールに一致するものを参照するには、「ホワイト・スペース分析」レポートを参照します。

ホワイト・スペース分析

ホワイト・スペース分析レポートには、B2B (business-to-business)設定でアクセスできるアカウントについて、推奨事項の提案が示されます。このレポートを活用することで、収益を生む可能性が最も高い製品または製品グループの販売に集中できます。管理者によってタブが有効化されている場合は、「アカウント」ページのタブからホワイト・スペース分析レポートを参照できます。

レポート・データ

ホワイト・スペース分析レポートのデータは、テリトリ内のアカウントについて過去90日以内に生成されたルールベースの推奨と適格または不適格リードから取得されます。この90日は構成可能なプロファイル・オプションであり、事前設定の値です。

レポート・ビュー

レポートには、潜在的売上が最大であると判断されたリードと推奨がすべてリストされ、アカウントが売上の降順で表示されます。推奨と潜在的売上の大きいリードを持つアカウントが6つ以上見つかった場合、レポートには上位6つまでのアカウントのみが、売上の降順で表示されます。

推奨もリードも見つからないアカウントについては、これらが見つからなかったことを知らせるメッセージが表示されます。資産、商談、リードまたは推奨があるアカウントまたは製品が少なくとも1つ見つかった場合は、レポートが生成されます。

ホワイト・スペース分析レポートの例を次の図に示します。

ホワイト・スペース分析レポートの例

注意: ホワイト・スペース分析レポートに含めることができるのは、合計6アカウント、6製品、または6製品グループまでです。

ホワイト・スペース分析にアクセスして、継続中のリード、商談および推奨を確認し、販売パイプライン内でそれらを移動するための処理を実行できます。また、販売パイプラインの潜在力を向上させて、より多くの製品をアカウントに販売するために、推奨された製品に対してどのような処理を実行するかを評価できます。

アカウント

特定の要件に応じて、最高の価値があるディールに集中できます。テリトリ内のアカウントを最大6つまで選択し、潜在的価値が最も高いアカウントに集中できます。

製品と製品グループ

特定の製品または製品グループを分析する場合は、テリトリ内外の最大6つまでの製品または最大6つまでの製品グループを選択できます。

リードと商談

ホワイト・スペース分析レポートで適切なUIへのアイコンをクリックして、特定のリードまたは商談へナビゲートできます。適切なUIから、リードまたは商談に対して特定の処理を実行できます。「保存してクローズ」または「取消」をクリックすると、ホワイト・スペース分析レポートに戻ります。

推奨処理

販売パイプラインの潜在力を向上させて、より多くの製品を顧客に販売するために、推奨された製品に対して処理を実行できます。ホワイト・スペース分析レポートで推奨が表示されているセルをクリックし、販売ターゲットに合わせて特定の推奨に対する処理を実行できます。構成の設定に応じて、次の3つの処理のいずれかを実行できます。

  • リードに変換

  • 商談に変換

  • 推奨を拒否して、事前設定の値またはユーザー定義値から拒否事由を指定

次の図は、「処理」メニュー項目が表示された「推奨」画面の一例です。

「処理」メニュー項目が表示された「推奨」画面の例

最新のホワイト・スペース分析データの表示

ホワイト・スペース分析レポートにアクセスしたとき、リード、商談および資産情報は常に最新の状態です。営業アナリストが最後にいつリード生成ジョブを実行したかによって、推奨がホワイト・スペース分析レポートと同期していない場合があります。レポートの下部に表示される推奨の最終更新タイムスタンプは、推奨が最後に生成された日時を示しています。これは、アカウントに対して使用可能な推奨のセットを常に最新に保つのに役立ちます。

レポートへの最後のアクセス後にリード生成ジョブが実行された可能性がある場合は、「リセット」をクリックしてホワイト・スペース分析レポートを更新し、売上上位6つのアカウントを表示します。該当する場合は、アカウントおよび製品のセットに対する最新の変更が表示されます。それ以前にレポートに加えた変更(アカウントや製品の追加など)は失われ、それらの変更は更新済のレポートには反映されません。レポートがいつリセットされたかは表示されない点に注意してください。

ホワイト・スペース分析レポートにはどうすればアクセスできますか。

ホワイト・スペース分析レポートには、「アカウント」ページ内のタブからアクセスできます。レポートには、販売予測(Sales Prediction)ルールに基づいた推奨およびリードが含まれているので、レポート内のデータに基づいてただちに処理を実行できます。

「ホワイト・スペース分析」タブは、デフォルトでは利用できず、管理者によって有効化される必要があります。ホワイト・スペース分析レポートに初めてアクセスしたときには、最大6つのアカウントおよび6つの製品がグリッド形式で表示されるか、表示するべきリードも推奨もないことを知らせるメッセージが表示されます。何の処理も実行せずに最初のレポートを閉じてアプリケーションをサインアウトした場合は、次にサインインしたときに同じアカウントおよび製品(または製品グループ)のセットが表示されます。

クロスセルまたはアップセルへのホワイト・スペース分析レポートの使用

ビデオの視聴

視聴: このチュートリアルでは、潜在的売上が最大であるアカウントへの製品または製品グループの販売に集中するために、ホワイト・スペース分析レポートを使用する方法を示します。このビデオの内容はテキスト・トピックでも説明しています。

このトピックでは、ホワイト・スペース分析レポートを使用する方法について説明します。

ホワイト・スペース分析レポートを使用するには、次の手順を実行します。
  1. 営業管理者としてサインインし、「営業」「アカウント」にナビゲートします。

  2. 「ホワイト・スペース分析」レポートをクリックします。

    デフォルトではタブが有効化されていないので、管理者がページ・コンポーザでタブを明示的に有効化する必要があります。また、販売予測ルールに基づいて推奨とリードを作成し、レポートにデータを自動入力することをお薦めします。表示できるデータがない場合は、メッセージが表示されます。

  3. レポートの任意の領域をクリックして、レポートに含まれている分析のタイプの例を表示します。

    たとえば、レポートの異なる領域に、表示可能なテリトリ内のアカウントに対する推奨、リードおよび商談に基づいたビューが含められます。また、どの資産と推奨が拒否されたかを表示することもできます。

  4. 任意の推奨をクリックします。

  5. 「処理」をクリックしてオプションを表示します。

    ユーザーは、特定の推奨に対して処理を実行することができます。今後の販売ターゲットを達成するために、推奨をリードに変換したり、商談に変換した後で、それらを発行することもできます。推奨が適切でないと判断した場合、「却下」を選択すると、推奨を拒否した理由を追加するよう求められます。

  6. レポートで「リード」アイコンをクリックします。

    「リードの編集」領域では、リードの詳細を編集したり、特定のリードに対して処理を実行することができます。たとえば、今後の販売ターゲットを達成するために、リードを商談に変換することもできます。

  7. 任意の商談をクリックします。

    ユーザーは、特定の商談に対して処理を実行することができます。選択した商談をコピーまたは削除したり、製品を追加することもできます。

  8. 「資産」アイコンをクリックします。

    ユーザーは、テリトリ内のアカウントを対象に、どのような資産が存在するかを参照できます。たとえば、あるアカウントが最近ソフトウェア・マニュアルのセットを購入したのであれば、更新版の発売時に再度連絡することもできます。

  9. 「却下済」アイコンにカーソルを重ねます。

    ユーザーは、特定のアカウントによって拒否された推奨製品を確認できます。ホワイト・スペース分析レポートでは、潜在的売上が見込めない製品をひと目で確認できます。この情報を使用すれば、潜在的売上が特に高いアカウントに的を絞って、製品や製品グループの販売を強化することができます。

ホワイト・スペース分析の使用に関するよくある質問

自分がアクセス権を持つアカウントについて、ホワイト・スペース分析レポートを表示できます。

ホワイト・スペース分析レポートには、次のオブジェクトが、テリトリ内外のアカウントおよび製品の優先度順に表示されます。

  • 資産

  • 商談

  • リード

  • ルールベースの推奨

  • 拒否された推奨

  • ホワイト・スペース

同じアカウントおよび製品に対して複数のリードおよび商談がある場合は、最後に更新されたリードおよび商談を表示できます。

注意: 推奨が拒否された場合、レポート内の対応するセルは無効になって無効を示す色に変わり、その推奨に対していかなる処理も実行できなくなります。

ステータスが「取下げ済」のリードと、ステータスが「失注済」または「販売なし」の商談は、レポートに表示されません。

ホワイト・スペース分析レポート内の推奨をクリックすると、その特定の推奨に対して、構成に応じた処理を実行できます。管理者はたとえば、販売ターゲットに合わせるために、次のいずれかを実行できるように、推奨に対する処理を構成できます。

  • 推奨をリードに変換する

  • 推奨を商談に変換する

  • 推奨を拒否してその事由を指定する

関連がなくなった推奨を拒否できますか。

はい。すべての推奨がアカウントに適しているとはかぎりません。たとえば、顧客が過去数週間以内に競合製品を購入していた場合、その情報は通常はデータに反映されていません。ホワイト・スペース分析レポートに表示された推奨を拒否することで、その顧客により適していると思われる製品の販売に集中できます。

ホワイト・スペース分析レポートではディール・サイズはどのように計算されますか。

営業担当は、最も価値の高いディールに集中するために、推奨、リードおよび商談のディール・サイズに関心を持ちます。

推奨のディール・サイズは、推奨にその受注確度を掛けた見積売上として計算されます。リードまたは商談のディール・サイズは、特定の製品の金額として計算され、製品詳細のレポートの列として表示されます。潜在合計は、アカウントについてレポートに表示された6つの製品または製品グループにおける推奨、リードおよび商談の売上の合計値です。

なお、ディール・サイズは常に企業通貨で表示されます。