8営業ユーザーの作成準備

この章の内容は次のとおりです。

営業ユーザーの作成準備の設定の概要

UIで、またはファイルからのインポートによって販売アプリケーション・ユーザーを作成する前に、この章で説明するタスクを実行する必要があります。「営業ユーザー作成前の準備」を読み、次の表に示すタスクを実行します。詳細なステップは、表に記載されている手順で示します。

実装プロジェクトの営業ユーザーの作成フォルダから、この設定のすべてのタスクを開くことができます。

ステップ 説明 タスク名 詳細情報の参照先

1

必要に応じて追加のリソース・ロールを作成します。Vision Corporationは、内部営業担当のリソース・ロールである内部営業を作成します。

リソース・ロールの管理

この章の「追加のリソース・ロールの作成」

2

作成した追加のリソース・ロールに応じて適切なジョブ・ロールと抽象ロールを自動的にプロビジョニングするプロビジョニング・ルールを設定します。

HCMロール・プロビジョニング・ルールの管理

この章の「営業ユーザーにジョブ・ロールを自動的にプロビジョニングするルールの作成」

3

オプションで、UIでユーザーを作成する際に入力したEメール・アドレスの重複チェックを有効にできます。(ユーザーのインポートですでに重複がチェックされています。)

  • プロファイル・オプションの管理

  • 管理者プロファイル値の管理

この章の「重複するユーザーEメール・アドレスの入力の防止」

営業ユーザー作成前の準備

UIまたはインポートで営業ユーザーを作成すると、ジョブを実行するために必要な権限のユーザーに対するプロビジョニングと、営業組織の組織チャートの作成の2つのタスクが実行されます。セキュリティ権限をプロビジョニングするには、ロール・プロビジョニング・ルールを設定する必要があります。組織チャートを作成するには、誰が誰にレポートするかを指定する必要があります。Oracleではマトリックス管理がサポートされるため、作成するリソース階層は、Oracle Global Human Resources Cloudなどの人事管理アプリケーションの正式なレポート階層と一致する必要はありません。

次に、「リソース・ディレクトリ」に表示されるVision Corporationのリソース階層の一部のスクリーンショットを示します。階層のすべてのユーザーには、名前以外に次が必要です。

  • リソース・ロール(コールアウト1で強調表示)

    組織での各リソースのロールを示す名前。リソース・ロールは、リソース・ディレクトリ内でもUIの他の場所でもユーザー名のすぐ下に表示されます。リソース・ロールは、ロール・プロビジョニング・ルールの1次条件としても使用されます。

  • リソース組織(コールアウト2)

    すべてのマネージャに対してリソース組織を1つずつ作成する必要があります。マネージャではない各一般社員は、自動的にマネージャの組織を継承します。リソース組織の名前を正式な部門名にする必要はありませんが、階層の変更に対応するようにマネージャ名の使用を避ける必要があります。

    Vision Corporationのリソース・ディレクトリの営業階層の一部のスクリーン・キャプチャ。この図は、NA Products - Westの営業マネージャ
Mateo Lopezと直属上司を示しています。

ユーザーの作成時に指定した管理階層を使用して、リソース組織階層が作成されます。リソース階層の最上位を除いて、作成した各ユーザーに対してマネージャを入力する必要があります。

Oracleから提供されるリソース・ロール

Oracleには、次の標準の営業組織のリソース・ロールと、それぞれに対する適切なジョブ・ロールが用意されています。

  • チャネル・アカウント・マネージャ

  • チャネル管理者

  • チャネル運用マネージャ

  • チャネル・パートナ管理者

  • チャネル営業責任管理者

  • チャネル営業マネージャ

  • 最高経営責任者

  • 契約管理者

  • 契約マネージャ

  • 顧客データ・スチュワード

  • データ・スチュワード・マネージャ

  • マスター・データ管理アプリケーション管理者

  • パートナ管理者

  • パートナ営業マネージャ

  • パートナ営業担当

  • 営業管理者

  • 営業リード・クオリファイア

  • 営業マネージャ

  • 営業担当

  • 営業制限付きユーザー

  • 営業設定ユーザー

  • 営業部長

注意: 最高経営責任者(Chief Executive Officer)と営業担当(Salesperson)を除いて、Oracleから提供される各リソース・ロールには対応するジョブ・ロールがあります。営業担当(Salesperson)リソース・ロールに対応するジョブ・ロールは、営業担当(Sales Representative)です。最高経営責任者(Chief Executive Officer)には、営業部長ジョブ・ロールが割り当てられます。

Oracleから提供されるロール・プロビジョニング・ルール

設定の初期段階で「会社情報と企業通貨の入力」の指示に従っているとうまくいきます。アプリケーションによって、ジョブ・ロールおよびそのジョブの実行に必要な抽象ロールをユーザーに自動的に割り当てるロール・プロビジョニング・ルールが作成されます。そうでない場合は、「HCMロール・プロビジョニング・ルールの管理」タスクを使用して、すべてのロール・プロビジョニング・ルールを手動で作成する必要があります。詳細は、この章の「営業ユーザーにジョブ・ロールを自動的にプロビジョニングするルールの作成」を参照してください。

次に、Oracleによって提供されるロール・プロビジョニング・ルール、プロビジョニングをトリガーする条件、および各ルールによってプロビジョニングされるジョブ・ロールと抽象ロールのリストを示します。Oracle Engagement Cloudセキュリティ・リファレンス・ガイドから、各ジョブおよび抽象ロールの説明を取得できます。

プロビジョニング・ルール名 条件 プロビジョニングされるジョブ・ロールまたは抽象ロール

チャネル・アカウント・マネージャ

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールがチャネル・アカウント・マネージャである。

チャネル・アカウント・マネージャ

リソース

チャネル営業マネージャ

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールがチャネル営業マネージャである。

チャネル営業マネージャ

リソース

チャネル運用マネージャ

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールがチャネル運用マネージャである。

チャネル運用マネージャ

リソース

最高経営責任者

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが最高経営責任者である。

営業部長

リソース

契約管理者

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが契約管理者である。

契約管理者

リソース

契約マネージャ

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが契約マネージャである。

契約マネージャ

リソース

顧客データ・スチュワード

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが顧客データ・スチュワードである。

顧客データ・スチュワード

リソース

データ・スチュワード・マネージャ

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールがデータ・スチュワード・マネージャである。

データ・スチュワード・マネージャ

リソース

パートナ管理者

リソース・ロールがパートナ管理者である。

パートナ管理者

パートナ営業マネージャ

リソース・ロールがパートナ営業マネージャである。

パートナ営業マネージャ

パートナ営業担当

リソース・ロールがパートナ営業担当である。

パートナ営業担当

営業管理者

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが営業管理者である。

営業管理者

リソース

営業リード・クオリファイア

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが営業リード・クオリファイアである。

営業リード・クオリファイア

リソース

営業マネージャ

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが営業マネージャである。

営業マネージャ

リソース

営業担当

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが営業担当である。

営業担当

リソース

営業制限付きユーザー

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが営業制限付きユーザーである。

営業制限付きユーザー

リソース

営業設定ユーザー

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが営業設定ユーザーである。

アプリケーション実装コンサルタント

ITセキュリティ・マネージャ

アプリケーション診断管理者

営業管理者

営業アナリスト

営業部長

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

リソース・ロールが営業部長である。

営業部長

リソース

派遣就業者

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

システムPersonタイプが派遣就業者である。

派遣就業者

従業員

HRアサイメント・ステータスがアクティブである。

システムPersonタイプが従業員である。

従業員

各ユーザーに2つのロール・プロビジョニング・ルール(ユーザーのリソース・ロールによってトリガーされるルールと、従業員であるという事実によってトリガーされるルール)が適用されるように、営業ユーザーを従業員として作成します。たとえば、Oracleによって提供される営業マネージャ・リソース・ロールを持つユーザーを作成すると、自動的に営業マネージャ・ジョブ・ロールとリソース抽象ロールがプロビジョニングされます。従業員としてユーザーを作成しているため、従業員抽象ロールもプロビジョニングされます。次の図に、営業マネージャ・リソース・ロール(コールアウト1で強調表示)を持つ従業員リソースを作成するとトリガーされる2つのルールを示します。

従業員リソースであるMateo Lopezに営業マネージャ・リソース・ロールをプロビジョニングするのに関連する2つのルールを示す図。営業マネージャ・リソース・ロールを持つユーザーを作成するとトリガーされる最初のルールでは、営業マネージャ・ジョブ・ロールがプロビジョニングされます。従業員としてユーザーを作成するとトリガーされる第2のルールでは、従業員抽象ロールがプロビジョニングされます。

追加のリソース・ロールおよびプロビジョニング・ルールの作成

次の場合は、「設定および保守」作業領域から「リソース・ロールの管理」タスクを使用して追加のリソース・ロールを作成する必要があります。

  • ユーザーに対して別のジョブ・タイトルを表示する必要がある場合。

    たとえば、組織チャートに内部営業タイトルを表示する場合は、内部営業リソース・ロールを作成する必要があります。内部営業は標準では提供されていません。

  • 一部のユーザーに特別な権限を持たせる必要がある場合。

    たとえば、組織内の営業マネージャの1人が営業管理者にもなる場合、両方のジョブ・ロールをプロビジョニングする必要があります。これを行うには、新しいリソース・ロールとそのロールに付随するプロビジョニング・ルールを作成する必要があります。

  • マネージャ兼営業管理者を作成する必要がある場合。

    オラクルが提供している営業管理者リソース・ロールは、一般社員(メンバー)向けです。営業管理者が他のユーザーを管理している場合は、個別のマネージャ・リソース・ロールとそのロールに付随するプロビジョニング・ルールを作成する必要があります。

リソース・ロールを作成するたびに、対応するロール・プロビジョニング・ルールも作成する必要があります。たとえば、内部営業リソース・ロールを作成した場合、1つ以上の使用可能なジョブ・ロールとリソース抽象ロールをプロビジョニングするロール・プロビジョニング・ルールを作成する必要があります。

追加のリソース・ロールの作成

このトピックでは、追加のリソース・ロールを作成する方法を説明します。リソース・ロールを作成した後で、必要なジョブおよび抽象ロールをユーザーにプロビジョニングするための適切なプロビジョニング・ルールを作成する必要があります。リソース・ロール自体は単なるタイトルにすぎません。

リソース・ロールの作成

  1. 設定ユーザーとしてサインインして、実装プロジェクトから、または「設定および保守」作業領域でタスクの名前を検索した後で、「リソース・ロールの管理」タスクを開きます。

    「リソース・ロールの管理」ページが表示されます。

  2. すべての既存のリソース・ロールをレビューするには、検索基準を入力せずに「検索」をクリックします。

    使用可能なリソース・ロールがすべてリストされます。Oracleによって事前定義されたロールには、「システム」というラベルが付いています。

  3. 新規のリソース・ロールを作成するために、「作成」をクリックします。

    「ロールの作成」ページが表示されます。次の図に、ページのスクリーン・キャプチャを示します。

    手順で説明される入力が表示された「ロールの作成」ページのスクリーン・キャプチャ

  4. 「ロール名」フィールドに、アプリケーションのUIに表示する際のリソース・ロールの名前(たとえば「Inside Sales」)を入力します。

  5. 「ロール・コード」フィールドに、一意の内部名を大文字で入力します。スペースは使用できませんが、かわりにアンダースコア(_)を入力できます。たとえば、「INSIDE_SALES」と入力します。

  6. リソース・ロールがマネージャに属する場合は、「マネージャ」オプションを選択します。リソース・ロールが内部営業担当などの一般社員に属する場合は、「メンバー」オプションを選択します。

  7. 「ロール・タイプ」リストから「営業」を選択して、作成するロールを分類します。

  8. 「保存してクローズ」をクリックします。

営業ユーザーにジョブ・ロールを自動的にプロビジョニングするルールの作成

内部営業担当などの、作成した新しいリソース・ロールに対応するロール・プロビジョニング・ルールを作成する必要があります。内部営業担当と、営業管理者を含む他のすべての内部営業ユーザーについては、必要なジョブ・ロールに加えて、リソース抽象ロールを追加する必要があります。リソース抽象ロールは、リソース・ディレクトリへのアクセスをユーザーに許可します。パートナ・ロールに対しては、リソース抽象ロールを追加しないでください。

プロビジョニング・ルールの作成

  1. 設定ユーザーとしてサインインし、実装プロジェクトからタスク「HCMロール・プロビジョニング・ルールの管理」を開きます。または、「設定および保守」作業領域で、名前でタスクを検索できます。

    「ロール・マッピングの管理」ページが表示されます。

  2. 「作成」をクリックします。

    「ロール・マッピングの作成」ページが表示されます。

  3. 「マッピング名」フィールドに、マッピングを識別するための名前(「Inside Sales Representative」など)を入力します。

  4. 「条件」リージョンに、次の表に示す2つの条件を入力します。

    フィールド エントリ

    リソース・ロール

    内部営業担当など、プロビジョニングするリソース・ロールを選択します。

    HRアサイメント・ステータス

    「アクティブ」を選択します。この追加条件により、Global Human Resourcesで、ユーザーの退職時にそのユーザーにプロビジョニングされていたロールが自動的に削除されるようになります。

  5. 「関連ロール」リージョンで「追加」をクリックして、プロビジョニングするジョブ・ロールを追加します。たとえば、内部営業担当の場合は、営業担当ジョブ・ロールを追加します。

  6. 内部営業担当を含むすべての内部営業ユーザーに対して、リソース抽象ロールを追加します。パートナ・ロールに対しては、このロールを追加しないでください。

  7. すべてのロールに対して「自動プロビジョニング」オプションが選択されていることを確認します。

  8. 「保存してクローズ」をクリックします。

重複するユーザーEメール・アドレスの入力の防止

このトピックで説明するように、Eメール検証を有効にして、「ユーザーの作成」ページを使用してユーザーを作成する際に、重複するEメール・アドレスの入力を防止できます。重複する値を入力すると、検証によって警告メッセージが表示されます。メッセージには、Eメール所有者の名前またはユーザー名、あるいはその両方が表示されます。ユーザーのインポートには、デフォルトで有効になっている独自の重複チェックが含まれます。

Eメール検証を有効にするには、まずプロファイル・オプションを作成して設定します。

プロファイル・オプションの作成

  1. 実装プロジェクトから「プロファイル・オプションの管理」タスクを開きます。このタスクは、営業ユーザーの作成フォルダにあります。

    「タスク」パネル・タブをクリックして「検索」を選択すると、「設定および保守」でタスクを検索することもできます。

  2. 「プロファイル・オプションの管理」ページで、「検索結果」セクションにある「新規」アイコンをクリックします。

  3. 「プロファイル・オプションの作成」ページで、必須の値を次のように入力します。

    フィールド

    プロファイル・オプション・コード

    PER_MANAGE_USERS_EMAIL_VALIDATION

    プロファイル表示名

    Enable Validation of User Work Email

    アプリケーション

    営業

    モジュール

    ユーザー

    開始日

    開始日を選択します。

  4. 「保存してクローズ」をクリックします。

  5. 「プロファイル・オプションの管理」ページの「プロファイル・オプション・レベル」セクションで、サイト・レベルで「使用可能」および「更新可能」オプションを選択します。

  6. 「保存してクローズ」をクリックします。

プロファイル・オプションの設定

  1. 実装プロジェクトから「管理者プロファイル値の管理」タスクを開きます。

  2. 「管理者プロファイル値の管理」ページで、「プロファイル・オプション・コード」フィールドに「PER_MANAGE_USERS_EMAIL_VALIDATION」と入力し、「検索」をクリックします。

  3. 検索結果の「プロファイル値」セクションで、「新規」アイコンをクリックします。

  4. 「プロファイル・レベル」フィールドに「サイト」「プロファイル値」フィールドにYを入力します。

  5. 「保存してクローズ」をクリックします。